【Wikiに無い!】ニューメタル紹介:基礎知識&代表的必聴バンド【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

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USミュージックシーンに新たなメタルバブルを生み出し、90年代以降のヘヴィミュージックシーンをリードし続ける革新性と俗物化が表裏一体の新世代ヘヴィメタルムーヴメント!

ニューメタルってどんなジャンル?

ニューメタルは、90年前後から盛り上がってメタルシーンに衝撃を与え、一時代を築いたPANTERA(パンテラ)HELMET(ヘルメット)らのグルーヴメタルをルーツに持ち、それと入れ替わるように00年代以降にかけてヘヴィミュージックのメインストリームに登りつめたジャンル。

グルーヴメタルなどの過去のヘヴィミュージックを、ハードコア,オルタナティヴロック,ニューウェイヴ/ポストパンク,HIPHOP,EDM(エレクトリック・ダンスミュージック),プログレッシヴロックなど、様々な音楽との融合を重ねたりメソッドを取り入れることで生みだされた、クロスオーバー手法による新世代ヘヴィミュージックです。

ニューメタルという呼称はそれらサウンドがメジャー化してから使われるようになったもので、当時の日本のメタルシーンではモダンヘヴィネス,モダンヘヴィメタルという呼び方が主流でした。
また、90年代のパンクリバイバル/ハードコブームに便乗したり、アンチヘヴィメタルのメディアで取り上げるために、ビジネス上のイメージ的にマイナスワードとなる“ヘヴィ”や“メタル”を含まない、『ラウドロック』という呼称も開発されポピュラーなものとなりました。

どこからがニューメタル?

PANTERAらのグルーヴメタルや初期のインダストリアルメタルも、語り手によってはニューメタルに含めることもあります。
しかし、KORN(コーン)FEAR FACTORY(フィアー・ファクトリー)のような、明らかにターニングポイントとなってそれまでのシーンを一新する革新的バンドが存在するので、それらの登場を境目と考えるのが適切でしょう。

ニューメタルは、このKORNFEAR FACTORYをパイオニアとして一大ムーヴメントとなりますが、ラップメタルのLIMP BIZKITやエクストリームなSLIPKNOTなど、世代ごとの主流の音となる新たなスタイルが生まれてシーンを塗り替えて行ったことで、20年以上にも及ぶ長期的なムーヴメントとなります。
現在メインストリームのヘヴィミュージックとなっているもメタルコアもその一環で、ニューメタルムーヴメントは今も続いているという見方もできます。

ニューメタルってどんなサウンド?

ニューメタルにはいくつものスタイルがあり、特定のジャンルサウンドを指すものではありませんが、大まかに分けるなら次のような感じです。

①…KORN&ロス・ロビンソン系の新世代ヘヴィグルーヴメタル。
②…FEAR FACTORY,WHITE ZOMBIE系の新世代インダストリアルメタル。
③…LIMP BIZKITなどの新世代ミクスチャー/ラップメタル
④…ニュースクールハードコア/グルーヴコアをルーツとしたメタルコア系。
⑤…CREEDなどのポストグランジ系。
⑥…TOOL,NUROSISなどをルーツとした新世代ヘヴィプログレ系。
⑦…EVONESCENCEらUSゴシック/ニューウェイヴリバイバル系。
⑧…SLIPKNOTらのデスメタル的手法による情報量の多い高密度サウンド。
⑨…①〜⑧の様々な新世代ヘヴィサウンドをクロスオーバーしたスタイル。

…といった具合で、基本的にはグルーヴメタルの延長線上にありますが、そこにどれだけ自分たちなりのセンスや独自性を折り込めるかがひとつの焦点であり、耳の肥えたリスナーの評価が分かれるポイントでもありました。

長期化するニューメタルムーヴメントの移り変わり

ニューメタルムーヴメントは予想を大きく上回って長期化してゆき、ある意味では現在進行形ということもできるくらいなので、ひと口にニューメタルと言ってもその時期によって主流となるスタイルも移り変わっています。また、他のメインストリームや近縁ジャンルなどのシーンの移り変わりも、そこに反映されてゆきます。

第1期 1990年代中期〜
主流サウンド:KORN&ロスロビンソン系のオルタナティヴ・グルーヴメタル
シーンの傾向:黎明期。グルーヴメタルをベースした様々なオルタナティヴサウンドが登場。
第2期 1990年代後期~
主流サウンド:新世代ミクスチャーメタル/新世代インダストリアルメタル
シーンの傾向:ラップメタルがシーンを席巻。ニューウェイヴサウンドリバイバル。
第3期 2000年代〜
主流サウンド:SLIPKNOT系高密度エクストリームメタル/ポストグランジ/ポストハードコア
シーンの傾向:90年代初期サウンドリバイバル。スラッシュメタルリバイバル。
第4期 2010年代〜 
主流サウンド:メタルコア/スクリーモ/歌モノ系/プログレ系
シーンの傾向:メタルコアがメジャー化。異ジャンルとのクロスオーバーと細分化がさらに進行。

ニューメタルの代表的なスタイル

ニューメタルは、そのムーヴメントは長期間にわたっていたことと、様々な音楽とクロスオーバーを重ねたジャンルだったことから、世代ごとにかなり趣を異にした作風がその時期の主流サウンドとしてシーンを塗り替えてきました。

ここではそれらの代表的なスタイルを紹介してゆきます。

オルタナティヴメタル系

KORNを始祖とする第1世代に多かった、グルーヴメタルを元にオルタネティヴロック/ポストハードコア/ニューウェイヴなどをのエッセンスを取り入れて独自配合したスタイル。

類型的/商業的イメージが強いニューメタルですが、一部のグループはこのようなミクスチャー手法ながらこれまでには無いヘヴィサウンドや表現方法を追求していました。

KORN,LIMP BIZKIT(最初期),DEFTONES(初期) …etc

ミクスチャー/ラップメタル系

第2世代を代表するスタイルで、HIPHOPとのクロスオーバーにより、その曲構成や本格的なラップヴォーカルを取り入れた作風。

HIPHOPブームも追い風となって、メインストリームで一世を風靡しますが、その反面バブリーなセレブ志向も蔓延して商業義的なマイナスイメージ持ち込むことになります。

LIMP BIZKIT,STUCK MOJO,LINKIN PARK,P.O.D.,PAPA ROACH ,311,INCUBUS…etc

インダストリアル/ダンスメタル系

インダストリアルメタルをメタルフィールドからのアプローチでグルーヴメタル/ニューメタルとの融合したスタイル。

これらのサイバーでマシーナリーな音作りは、ニューメタルシーンの定番モードとしてポピュラーなものでしたが、多くは表面的な音装飾に過ぎず本格的なインダストリアルメタルを追求するグループは多くありませんでした。

FEAR FACTORY,STATIC-X,SPAINESHANK,STRAPPING YOUN LAD …etc

エクストリームメタル系

第3世代の主流となってシーンを大きく塗り替えた、ニューメタルのひとつの最終形態とも言えるスタイル。

それまでのニューメタルシーンの各種スタイルにデスメタルなどの過剰なエッセンスを加えた、複雑で情報量の多い高密度エクストリームサウンドが売りもの。

AMEN,SYSTEM OF A DOWN,MUDVAYNE,AMERICAN HEAD CHARGE,ONE MINITE SILENCE  …etc

歌モノロック系

ヴォーカリストの歌唱と歌メロを活かした楽曲を主軸とした作風。
シャウト系からなめらかなスタイルまで歌唱法は様々ながら、表現力に富んだエモーショナルな歌心のあるヴォーカルの存在で、オールドスクールなロック/メタルリスナーにも支持の高いスタイルです。

いつの時代も需要が尽きないスタイルで常に一定の支持を獲得していましたが、ラップヴォーカルやエクストリームヴォーカルが蔓延してリスナーが食傷気味になったことで一気にシェアを伸ばしました。

DISTURBED,SEVENDUST,KILGORE,EVANESCENCE,ORGY,COLD …etc

ポストグランジ系

1990年前後に全米を席巻したグランジサウンドを、ニューメタル世代なりのサウンドでアレンジしたスタイル。耳なじみのいいメロディやヴォーカルラインを主軸として、リアルタイムのグランジよりも商品としてもポップミュージックを追求した、産業メタル色が強いものが多いのが大きなの特徴です。

米国ロックシーン特有の、オーソドックスな歌モノポップロック需要に応えるために、一気にさまざまなグループが登場してメインストリームサウンドとなります。

CREED,ALTER BRIDGE,NICKELBACK,STONE SOUR,GODSMACK,3 DOORS DOWN,FUEL,PUDDLE OF MUDD,AUDIOSLAVE …etc

メタルコア系

ニューメタル黎明期にアンダーグラウンドで活性化して、グルーヴメタル/グルーヴコアをベースに、エクストリームメタルと取り入れた、メタル様式美の強いサウンドからメタリックハードコアとも呼ばれていた、N.S.H.C.(ニュースクール・ハードコア)をルーツとするスタイル。

特に北欧メロディックデスメタルをフィーチャーしたスタイルが、ニューメタル停滞期に注目を集めて行きにメインストリームに躍り出ます。
今ではさらに細分化が進んでさまざまなスタイルが生まれ、最新型ニューメタルとして世界的なポップミュージックに成長しています。

EARTH CRISIS,VISION OF DISORDER,RAGING SPEEDHORN,HATEBREED,LAMB OF GOD,KILLSWITCH ENGAGE,HEAVEN SHALL BURN,CALIBAN …etc

ニューメタルの基礎を築いた創始者でもある最重要バンドKORNと貢献度MAXの最重要人物ロス・ロビンソン!

ここではニューメタルサウンドの基本となるメソッドを生み出して、シーン全体の楽曲スタイルやサウンドメイクに多大な影響を及ぼした、最重要アーティストKORNと最重要プロデューサーロス・ロビンソンを紹介します。

ROSS ROBINSON|ロス・ロビンソン

ロス・ロビンソンは数々のニューメタルバンドを手がけた米国のプロデューサーで、ニューメタルの教科書ともいうべき基本スタイルを作り上げ、ムーヴメントにおいてはミュージシャン以上の重要な役割を担っており、KORNがニューメタルの原点とするならロス・ロビンソンはその父や師とも言える存在です。

DÉTENTEというスラッシュメタルバンドでギタリストを務めたいたこともあるロス・ロビンソンは、一時期お蔵入りになっていたFEAR FACTORYの幻のデビューアルバムを手がけたのを機に、プロデューサー/エンジニア業に乗り出します。

その後、KORNのデビューアルバムでの生々しいヘヴィネスを追求した個性的な音作りが評価され、次々とニューメタルシーンの重鎮グループを送り出すことになり、一躍カリスマプロデューサーとして時代の顔となります。

ニューメタル時代の名プロデューサーとしては、重鎮リック・ルーヴィンを筆頭に、テリー・デイトコリン・リチャードソンスコット・バーンズなどそうそうたる面々が並びますが、ロビンソンKORNとともにそのデビューアルバムで作り出したひときわ特徴的で独創的ヘヴィネスはこれまで耳にすることのできなかった斬新なもの。
これはまさに時代を変えた革命的サウンドでありニューメタルの基本モード。のちの大多数のニューメタルはこの影響下から一歩も逃れられていません。

数々のグループを同様のスタイルで送り出し、彼の生み出すサウンドこそがニューメタルを象徴するものとして、オルタナティヴ色の強い初期ニューメタルムーヴメントから、メタル色が濃くなる中期以降のニューメタルシーンまで、常にその影響力を示し続けます。

また彼は、ニューメタルのみならず、ポストハードコアやオルタナティヴロック系のグループから、ポジパンやゴシックのルーツでもあるレジェンドTHE CUREなどのニューウェイヴ系やHIPHOP系に至るまで幅広い他ジャンルのアーティストも手がけています。

ロス・ロビンソンが送り出した7大ニューメタルバンド

ロス・ロビンソンはニューメタルシーンのグループをいくつもプロデュースしていますが、KORNDEFTONESLIMP BIZKITSLIOKNOTのいわゆるロスロビ四天王(BIG4)に、それに次ぐAMENGLASSJAWCOLDの3組を加えた7バンドは彼がデビュー作を手がけ、そのロスロビ印サウンドでメジャー第一線に登りつめたこともあって、一部ではロスロビセブンと呼ばれています。

KORN|コーン

第1世代:ロス・ロビンソンとともにニューメタル革命を起こして、全ての原型となったニューメタルオリジン

DEFTONES|デフトーンズ

第2世代:ニューウェイヴ/ポストパンク色の強いサウンドでエモ系ニューメタルのパイオニアとなったグループ

LIMP BIZKIT|リンプ・ビズキット

第2世代:HIPHOPメソッドを大幅に取り入れて、新世代ラップメタルを作り上げてセレブの座に着いたグループ

COLD|コールド

第2世代:ゴシックメタル的なニューウェイヴセンスを持ち味としたメロディ派ニューメタル

SLIOKNOT|スリップノット

3世代:あらゆるニューメタルサウンドとエクストリームメタルを取り込んだ総決算スタイルでシーンを塗り替えたグループ。

AMEN|エイメン

第3世代:パンキッシュでロッキンなハードコアサウンドを基本に持った個性派ニューメタル

GLASSJAW|グラスジョー

第3世代:ポストハードコア/エモコアに近いスタイルを基調にプログレ的なアプローチを行うグループ

ロス・ロビンソンがプロデュースを手掛けたその他のグループ
FEAR FACTORY,SEPULTURA,MACHINE HEAD,AT THE DRIVE-IN,RED FANG,SUICIDE SILENCE,THE CURE,KLAXONS …etc

KORN|コーン … ロス・ロビンソンとともにニューメタルの原型を創ったイノベーター!

ロス・ロビンソンは、ニューメタル/ヘヴィミュージックシーンを大きく塗り替える革新的グループや、時代を超えた個性で確固たる地位を築くグループを次々と送り出してきましたが、それらすべての原型でもありニューメタルの基本エッセンスをシーンに表出させた始祖と呼ぶべき存在が、ロス・ロビンソンとともにメジャー第一線に躍り出たロスロビファミリーの筆頭でもあるKORNです。

ヴォーカリストジョナサン・デイヴィスによる、フリーキーでエモーショナルでもある表現力豊かな独創的ヴォーカルスタイルは、その原点にマイク・パットンらのヴォイスパフォーマー系の存在があるのは確かですが、あふれんばかりの個性でそれらと全く異なる次元のスタイルを創り出しています。

サウンド面でもグルーヴメタル勢がひとつのルーツなのは確かですが、低音をブーストさせて極端にデフォルメした生々しいヘヴィサウンドの質感や、ロック/ヘヴィメタルのみならずHIPHOP的なメソッドを曲作りに応用した作風は、それまでのヘヴィメタルアーティトとは全く異なる感性が生み出した、唯一無二のものでした。

しかし、あまりに大きな衝撃をシーンに与えたために、のちにKORNのエピゴーネンが続出してシーンにあふれかえることになり、新規リスナーにとっては彼らがその他大勢のグループと同価値と錯覚してしまうほどになります。それは、3rdアルバムのFollow the Leaderというタイトルにも、シニカルに表現されています。

Korn
ハードロック¥1,833コーン
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ニューメタルの功罪と評価は?

ニューメタルは多くの革新的ヘヴィサウンドを生み出してヘヴィミュージックシーンを活性化させた反面、米国音楽業ビジネス特有の過剰で露骨すぎる商業至上主義により、サウンドの画一化やミュージシャンシップの低化を促進させたことで批判も浴びました。

そのためニューメタルという名称自体が、80年のグラムメタル/産業メタルによる低俗なメタルバブルの再来として揶揄的に使われていることも否定できません。時には、『モールコア』というさらなる蔑称を用いられることもあります。

また、ニューメタルというワードのマイナスイメージを避けるため、80年代英国の伝説的ヘヴィメタルムーヴメントNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリテッシュ・ヘヴィメタル)になぞらえたNWOAHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・アメリカン・ヘヴィメタル)という呼び方を普及させようという動きもあります。

このように、ニューメタルは同時代の新規リスナーには受け入れられる一方で、メジャーシーン全否定のアングラ至上主義者や様式美至上主義の保守メタラーの間ではグルーヴメタル以上に評価がかんばしくない傾向にあります。

ニューメタルって今はどうなっているの?

現在いちおうの主流とされているメタルコア系のバンドもニューメタルと捉える向きもありますし、KORNをはじめ今もコンスタントな活動を続けるバンドはいますから、定義次第では現在進行形の新世代ヘヴィメタルは全てニューメタルと呼んでムーヴメント進行中とすることもできなくはありません。

ただし、SLIPKNOTLIMP BIZKITSYSTEM OF A DOWNらシーンを支えた中心的バンドの活動が停滞気味になったり、実質的な解散/活動停止状態もが増加した現在、すでに本来のムーヴメントとしては収束したものと考えていいでしょう。

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