Contents
- 1「スモール・イン・ジャパン」の代名詞たるカナダのパワートリオは、プログレとハードロックの間を行きツイストの効いたポップなサウンドで、北米プログレハード界隈のトップグループとして絶大な人気を誇る!!
- 1...1RUSHはカナディアン・ロックのトップバンド!?
- 1...2RUSHの音楽ジャンルは?
- 1...3RUSHの音楽スタイル:70年代
- 1...4RUSHの音楽スタイル:80年代
- 1...5RUSHの音楽スタイル:90年代
- 1...6RUSHの音楽スタイル:00年代〜
- 1...7RUSHは「プログレッシヴ・ロック」?
- 1...8RUSHは「プログレハード」!?
- 1...9RUSHは「プログレ・メタル」の原点!?
- 1...10RUSHは“スモール・イン・ジャパン”!?
- 1...11RUSHのバンド体制と活動は!?
- 1.1RUSH|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Rush|ラッシュ:閃光のラッシュ
- 1.1.2Fly by Night|フライ・バイ・ナイト:夜間飛行
- 1.1.3Caress of Steel|カレス・オブ・スティール:鋼の抱擁
- 1.1.42112|西暦2112年
- 1.1.5A Farewell to Kings|フェアウェル・トゥ・キングス
- 1.1.6Hemispheres|ヘミスフィア:神々の戦い
- 1.1.7Permanent Waves|パーマネント・ウェイヴス
- 1.1.8Moving Pictures|ムーヴィング・ピクチャーズ
- 1.1.9Signals|シグナルズ
- 1.1.10Grace Under Pressure|グレイス・アンダー・プレッシャー
- 1.1.11Power Windows|パワー・ウィンドウズ
- 1.1.12Hold Your Fire|ホールド・ユア・ファイア
- 1.1.13Presto|プレスト
- 1.1.14Roll the Bones|ロール・ザ・ボーンズ
- 1.1.15Counterparts|カウンターパーツ
- 1.1.16Test for Echo|テスト・フォー・エコー
- 1.1.17Vapor Trails|ヴェイパー・トレイルズ
- 1.1.18Snakes & Arrows|スネークス・アンド・アローズ
- 1.1.19Clockwork Angels|クロックワーク・エンジェルズ
- 1.1VICTOR|DISCOGRAPHY
- 1.1.1VICTOR:Alex Lifesons|ヴィクター:アレックス・ライフソン
- 1.2ENVY OF NONE|エンヴィ・オブ・ノーン|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Envy of None|エンヴィ・オブ・ノーン
- Rush|ラッシュ:閃光のラッシュ
- Fly by Night|フライ・バイ・ナイト:夜間飛行
- Caress of Steel|カレス・オブ・スティール:鋼の抱擁
- 2112|西暦2112年
- A Farewell to Kings|フェアウェル・トゥ・キングス
- Hemispheres|ヘミスフィア:神々の戦い
- Permanent Waves|パーマネント・ウェイヴス
- Moving Pictures|ムーヴィング・ピクチャーズ
- Signals|シグナルズ
- Grace Under Pressure|グレイス・アンダー・プレッシャー
- Power Windows|パワー・ウィンドウズ
- Hold Your Fire|ホールド・ユア・ファイア
- Presto|プレスト
- Roll the Bones|ロール・ザ・ボーンズ
- Counterparts|カウンターパーツ
- Test for Echo|テスト・フォー・エコー
- Vapor Trails|ヴェイパー・トレイルズ
- Snakes & Arrows|スネークス・アンド・アローズ
- Clockwork Angels|クロックワーク・エンジェルズ
「スモール・イン・ジャパン」の代名詞たるカナダのパワートリオは、プログレとハードロックの間を行きツイストの効いたポップなサウンドで、北米プログレハード界隈のトップグループとして絶大な人気を誇る!!
RUSH(ラッシュ)は、1968年~2018年の期間活動を続けたカナダのロックバンド。
RUSHはカナディアン・ロックのトップバンド!?
最大の音楽マーケットである隣国アメリカの影響を受けつつも、それとは一線を画した展開を行うカナダのロック/メタルシーンにおいて、RUSHは最も高い人気と知名度を持るグループでカナダを代表する国民的バンドと呼び得る存在と認められています。
それのみならず、アメリカやヨーロッパ各国でも根強く熱心なファン層を確立しており、ハードロック/プログレッシヴ・ロックの界隈におけるトップグループのポジションに定着。
派手な活躍こそないものの、多くのバンド/アーティストが彼らからの影響を公言したことで、様々なジャンルのリスペクトを集めるミュージシャンズ・ミュージシャンとして位置付けられ、リスナーだけでなく多くのアーティストからもリスペクトを集めています。
RUSHの音楽ジャンルは?
RUSHは、時代ごとのトレンドに合わせた要素も取り入れながら、何度かスタイルのマイナーチェンジを行っており、時期によっては「ハードポップ」「AOR」「ニューウェイヴ/ポストパンク」「シンセポップ」「ヘヴィメタル」「グランジ」「グルーヴメタル」などの要素も内包していました。
一般的には、デビュー時からの一貫した基本スタイルである「ハードロック」、あるいはブレイクして知名度を高めた時期のスタイルで、それ以降も重要な基本要素のひとつとなっている「プログレッシヴ・ロック」の、いずれかにカテゴライズされています。
RUSHの音楽スタイル:70年代
1974年代のデビュー当初のRUSHは、オーソドックスな「ハードロック/ヘヴィロック」のスタイルでスタートしています。
その後、作品を重ねるごとに“テクニカル志向”,“長尺主義”,“ドラマ性重視”,“叙情志向”といった、プログレッシヴ・ロック的な特徴を次第に強めてゆき、70年代末期になるとハードロック/ヘヴィメタルのテイストを薄め、より古典的なプログレッシヴ・ロックのスタイルへと接近しています。
この時期が、RUSHにとってのひとつのピークとされており、「RUSH=プログレッシヴ・ロック」のイメージもこの時期の印象によるものです。
RUSHの音楽スタイル:80年代
70年代の後半から、アメリカのプログレハード勢の多くが、ポピュラリティ最優先の割り切ったマーケティングによるコマーシャルなポップ・ロックへと移行、産業ロックとも呼ばれるようになります。
80年代に入ってからのRUSHは、それらのアメリカの産業ロックとはある程度の距離を保っていたものの、やはり同時代のメインストリームにおけるトレンドを意識した、ポップでコンパクトなわかりやすい作風を基調とするようになります。
ただし、むしろそのサウンドはイギリスの「ニューウェイヴ/ポストパンク」の影響が色濃く、「シンセポップ」や「レゲエロック」などそのサブジャンルの要素を持っていました。
RUSHの音楽スタイル:90年代
90年代のRUSHの音楽性は、基本的には80年代のスタイルの延長上にあるものでしたが、そこに、グランジやグルーヴメタルなどのヘヴィネス重視のトレンドが反映されるようになります。
そのため、本来のアグレッションを取り戻し、再び「ハードロック/ヘヴィロック」と呼び得るサウンドを展開していました。
RUSHの音楽スタイル:00年代〜
00年代以降のRUSHは、グルーヴメタルやニューメタル〈TOOL〉などの次世代ヘヴィプログレなどの影響を反映し、90年代同様ヘヴィでアグレッシヴな要素を強いサウンドを基調としていました。
ただし、音づくりはよりヘヴィメタリックで整合感の強いものとなり、「プログレメタル」と呼べそうなスタイルを展開していました。
RUSHは「プログレッシヴ・ロック」?
RUSHは、一般的に「プログレッシヴ・ロック」のジャンル内にカテゴライズされがちですが、位置づけとしては、本来のプログレ・ムーヴメント収束後に登場した次世代の“プログレ・フォロアー”グループに属しています。
そのため、往年の「プログレッシヴ・ロック」ムーヴメントの黎明期より、試行錯誤と実験を続けてきた世代と同列に語ることはできません。
音楽性についても、後年にいくつかの主流モードとして定型が確立された、“プログレ様式”を軸に据えたもので、その中でも、“テクニカル志向”,“長尺主義”,“ドラマ性重視”,“叙情志向”,“コンセプト主義”などの要素を主としています。
また、基本的にRUSHは、“プログレッシヴ”の名にふさわしい先鋭的な実験性の追求よりも、メインストリーム対応のポピュラー・ミュージックであることを前提としています。
そのため、「プログレッシヴ・ロック」ジャンルにおけるRUSHの位置づけは、時代や語り手のジャンルの定義によって見解が分かれがちです。
RUSHは「プログレハード」!?
前記のように、「プログレッシヴ・ロック」としての扱いには見解が分かれがちなRUSHですが、「プログレ・ハード」や、その影響下にある「プログレ・メタル」ジャンルへのカテゴライズについては、RUSH自身がその原点のひとつであることからも妥当と言えるでしょう。
なお、「プログレハード」は、正式には「アメリカン・プログレハード」とも称されるように、〈STYX〉〈JOURNEY〉〈 KANSAS〉らを中心とした、英国プログレ勢の「プログレ様式」の影響を受けた「アメリカ合衆国」の「ハードロック」を指します。
この「プログレハード」は、上記の70年代中期のアメリカにおける後追いの「次世代プログレ」ブームに対して、日本のメディアが便宜的に名付けたもので、世界的には通用しない名称ですし、隣国カナダのグループであるRUSHはそこから除外されがちでしたが、RUSHの音楽性を指す名称としては適切と言えます。
RUSHは「プログレ・メタル」の原点!?
RUSHは、「プログレッシヴ・メタル(以下プログレ・メタル)」の主力グループである〈DREAM THEATER〉が、自身のサウンド形成に多大な影響を及ぼしたバンドとして名を挙げたことで知られています。
その〈DREAM THEATER〉ブレイクを発端とする90年代のプログレメタルのブームは、『マグナカルタ・レコード』の所属バンドに代表される新世代プログレ・ハード勢の登場や、〈KANSAS〉,〈MARILLION〉らベテランの再始動/再評価などの余波も生みます。
RUSHもこの中で再評価されるようになり、後には「プログレメタル」のルーツにして原点にあたる存在と認められるようになりました。
RUSHは“スモール・イン・ジャパン”!?
RUSHは、欧米での人気や評価の高さが日本でのそれに直結しない、いわゆる“スモール・イン・ジャパン”の傾向が強い、やや通好みなバンドというポジションにありました。
しかし、RUSHをルーツと仰ぎ日本人気も高い〈DREAM THEATER〉のブレイクと、それに続くプログレメタル・ブームの影響もあって、日本でのRUSHの知名度も高まり、劇的とは言えないまでも多少の再評価の動きは見られました。
RUSHのバンド体制と活動は!?
RUSHは同時期の同ジャンルのグループの中では、比較的浮き沈みの少ないキャリアを維持してきた例外的な存在と言えます。
メンバーも、1974年にゲディ・リー(Ba.),アレックス ライフソン(Gt.),ニール・パート(Dr.)という黄金のパワートリオが結集した後は、基本ラインナップは一貫していました。
90年代以降はリリースのペースこそ落ちたものの、デビュー以来常大きなブランクもなくコンスタントな活動を続けていましたが、2018年には正式に解散となります。
その後、2020年にニール・パートが他界したことにより、RUSHの活動再開の可能性も潰え、実質的に終焉を迎えました。
RUSH|DISCOGRAPHY
Rush|ラッシュ:閃光のラッシュ
オリジナルアルバム – 1作目 (1974年)
ニール・パート加入前の唯一の作品となるデビューアルバムで、本作では前任者のジョン・ラッツィーがドラムを担当。
この時点は、ブルースやロックンロールなどのルーツミュージックをベースにした、コンパクトでキャッチーな70年代型ハードロック/ヘヴィロックを展開しており、〈LED ZEPPELIN〉の影響も濃厚に漂わせ、曲によっては〈THE WHO〉を思わせる部分もあります。
時期的にハードロックのムーヴメントのピークを過ぎて次のフェーズへ移っており、この時点での音楽性や立ち位置は、〈AEROSMITH〉や〈AC/DC〉など同様の、よく言えば次世代ハードロック・バンド、悪く言えば旬を逃した出遅れフォロアーといったところ。
明確なスタイルの確立にまでは至っておらず、テクニカルなプログレ・テイストが希薄なことから、全盛期のファンからの評価や注目度はいまひとつですが、純粋なロック的アグレッションやダイナミクスについてはこの最初期が圧倒的に際立っています。
「これぞ!」といったキメの1曲こそ見られないものの、軒並み高水準な楽曲が並んだスキのない手堅い仕上がりで、オーソドックスなハードロックとしては極上に近いクオリティと言えるでしょう。
80年前後のプログレハード時代や、90年代以降のプログレメタル時代の音は響かなくても、この時代のアルバムならイケるというリスナーは少なくないはずです。
|ポップ度:★★★★☆
|ヘヴィ度:★★★★☆
|モダン度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
賛否両論 通好み スルメ盤
閃光のラッシュ<紙ジャケットSHM-CD>/CD/WPCR-13472
Fly by Night|フライ・バイ・ナイト:夜間飛行
オリジナルアルバム – 2作目 (1975年)
ややプログレ的なアプローチが増えただけでなく、前作からヘヴィネスが強化されてクオリティも格段にグレードアップした、初期ハードロック時代の代表作。
特に、アナログでA面にあたるT-04までの前半は完璧に近く、時折スリリングな展開やツイストの効いたストレンジなアプローチも見せる、ヘヴィでハイテンションなナンバーがそろって圧倒されます。
一転、B面にあたる後半はレイドバックしたユルユルな大陸的ハードポップチューンが集中し、その好き嫌いは別にしても、凡曲が目立って褒められた出来栄えではありません。
本作のグレードは完全に前半の素晴らしさによるものですが、その前半の出来栄えが後半をカバーしてあまりあるので、ハードロックファンなら一聴の価値がある名盤として成立しています。
|ポップ度:★★★★☆
|ヘヴィ度:★★★★★
|モダン度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Caress of Steel|カレス・オブ・スティール:鋼の抱擁
オリジナルアルバム – 3作目 (1975年)
ハードロック時代の代表作とされる前作と、プログレ路線へのターニングポイントとなる次作に挟まれて、やや印象が薄く、リアルタイムでも受けが良くなかったとされるアルバム。
前作の流れにあるアグレッシヴなハードロック/ヘヴィロック主体の作風ですが、今回はオールドスクールなプログレテイストと、ヘヴィなプロト・メタル的サウンドが同居したブリティッシュ・ハードロックといった印象です。
コンセプチュアルな大作主義も顔を見せており、アナログLPでいうA面後半に3部構成12分超のT-04を配置し、B面はまるごと6部構成全1曲の約20分の長編大作T-05にあてています。
変則的なリフワークとハイトーンの組み合わせが〈BUDGIE〉を想起させるT-01と、長尺が苦にならないインスト主体のヘヴィ&ダークなT-04は、共に文句なしの名曲で、これ以降というもの次第に希薄になる、原初のロック的ダイナミクスとカタルシスを味わえます。
残念ながら、本作の目玉ともいえるT-05は、部分的に光るところはあるものの全体で見ると冗長な印象が勝っており、組曲形式と尺の長さを持て余し気味。
かようにいびつな部分も多く名盤とは呼び難いものの、上記のキラーチューンを含めて捨てがたい魅力のある1枚です。
|ポップ度:★★★☆☆
|ヘヴィ度:★★★★☆
|モダン度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
2112|西暦2112年
オリジナルアルバム – 4作目 (1976年)
初期の代表作とされることも多い本作は、前作からさらにプログレ路線へ踏み込んだ作品で、懲りもせずに前作に続いてアナログ片面使い切りの20分超の大作をぶつけてきた上に、今回はそれをA面に持ってくるという構成。
そのT-01はやはり組曲形式の7部構成で、前作の長編よりは無難に処理されており飽きずに聴けはするものの、到底成功とと呼ぶわけにはいかない仕上がりです。
個々のパートには個別に曲に仕上げれば魅力的になりそうなものもありますが、コンセプトを考慮しても無理に長編にまとめる必要は特に無く、それによる効果もあげていません。
通常運転のB面=後半では、ヘヴィでメタル風味のアグレッシヴなヘヴィチューンT-06が傑出している程度で、その他はせいぜいが及第点とはいえ、極端な駄曲は見られず無難に仕上げられてはいます。
片面では健闘してクオリティを高めたところを、もう一面の微妙な出来栄えで足を引っ張っているというのが、ここ3作の全てに共通する特徴。
その3枚の中で本作は、ターニングポイントという意味では重要な位置を占めていますが、こと楽曲の充実度や完成度という意味ではあと一歩で、前の2作品の方が総合力で上回ってさえいます。
|ポップ度:★★★☆☆
|ヘヴィ度:★★★★☆
|モダン度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤
A Farewell to Kings|フェアウェル・トゥ・キングス
オリジナルアルバム – 5作目 (1977年)
主に「コンセプチュアルでドラマティックな大作ハードロック」という意味でのプログレ風味だったこれまでのスタイルから、より本格的なプログレ道に足を踏み入れたアルバム。
ハードロック的なアグレッションやダイナミクスよりも、技巧的な整合感と構築美、そして叙情的なメロディが重視された、職人的に練り上げられたサウンドで、一般的にイメージされる古典的なプログレッシヴ・ロックへの接近という意味では、本作と次作がピークと言えるでしょう。
また、本作には“アナログLPの1面まるごとで1曲”という超大作こそ無いものの、A面には11分あまりのT-02、B面には4部構成10分超のT-06と、各面の後半部分に長尺の中編曲を配置されており、いずれもそれなりに上手く仕上げられています。
正直なところそのサウンドは、すでにムーヴメントを終えた英国プログレの形骸化した様式美の一部だけを煮染めたようなもので、単なる“プログレ再履修の提出課題”といってしまえばそれまで。
それを、かなり高いレベルでパッケージ化することに成功しているのは事実ですが、プログレをどう定義するか?、RUSHに何を望むか?によって評価が左右されるのは避けられないでしょう。
|ポップ度:★★★☆☆
|ヘヴィ度:★★★☆☆
|モダン度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 実験作
Hemispheres|ヘミスフィア:神々の戦い
オリジナルアルバム – 6作目 (1978年)
|ポップ度:★★☆☆☆
|ヘヴィ度:★★★☆☆
|モダン度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 通好み
神々の戦い<紙ジャケットSHM-CD>/CD/WPCR-13477
Permanent Waves|パーマネント・ウェイヴス
オリジナルアルバム – 7作目 (1980年)
前作で70年的な旧世代型プログレ様式にひとつの決着をつけて、80年代型プログレへのアップデートを試みたターニング・ポイントとも呼べるアルバム。
ヘヴィでアグレッシヴなハードロック・テイストは抑えめに、テクニカルな要素も適度にツイストを効かせるにとどめた、80年代的な音作りの比較的コンパクトなポップロックに変貌を遂げており、そこにニューウェイヴ風味のサウンドも取り入れられ、T-01では〈THE POLICE〉ばりのレゲエ・アプローチも見せています。
この当時、失速したプログレッシヴ・ロックの精神性は、主に一部のニューウェイヴ/ポストパンクの界隈に受け継がれていました。
オールドウェイヴなバンドがそこに接近する動き自体は、英国/欧州ではごく当たり前に見られたものですが、プログレバンドがAOR/産業ロックに移行して商業的成功を収める流れが出来上がっていた北米シーンで、あえてこのアプローチを取るのは異例と言っていいものでした。
とりわけ際立った曲はありませんが、T-01, T-02, T-03に加え、長尺プログレ路線の名残を残す3部構成9分超のT-06と、比較的佳曲が多いことも手伝って、それほど大きくダレることはありません。
|ポップ度:★★★☆☆
|ヘヴィ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み 実験作
Moving Pictures|ムーヴィング・ピクチャーズ
オリジナルアルバム – 8作目 (1981年)
RUSH全キャリアの代表作として挙げられることも多く、セールスやチャートとの面で見てもピークに近い位置にある1枚。
ハードロック・サウンドとプログレ的な壮大で叙情的なメロディ、ヘヴィメタル由来のソリッドなヘヴィネス、産業ロックのポピュラリティ……これらを融合し、そこにニューウェイヴ的なセンスをスパイスに振りかけたポップな作風は、前作にも増して磨きがかかっています。
RUSH流プログレハード/ポンプロックともいうべきサウンドは、80年代メインストリーム対応型のプログレポップ路線のひとつの結論とも言えるものであり、また、80年代のRUSHとしては比較的ヘヴィでメタル的な音づくりから、プログレメタルの原点とも見なされています。
フュージョン風のT-03や、前作に続いてレゲエテイストの〈THE POLICE〉風なT-07など、実験性は控えめながらもそれなりに多彩な楽曲はおおむね良好な出来栄えですし、RUSHとしてはかなりフックの効いたキャッチーでわかりやすい作風もあって、取り立ててスキの見つからない優等生的なアルバムに仕上がっています。
ついでに言えば、長尺曲のT-05は2部構成11分余りと過去作よりはコンパクトですが、これを最後にこういった形式は見られないため、本作が組曲形式の大作が収録される最後のアルバムとなりました。
|ポップ度:★★★★☆
|ヘヴィ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Signals|シグナルズ
オリジナルアルバム – 9作目 (1982年)
|ポップ度:★★★★☆
|ヘヴィ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★★★★☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤
Grace Under Pressure|グレイス・アンダー・プレッシャー
オリジナルアルバム – 10作目 (1984年)
|ポップ度:★★★★★
|ヘヴィ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み
Rush ラッシュ / Grace Under Pressure
Power Windows|パワー・ウィンドウズ
オリジナルアルバム – 11作目 (1985年)
|ポップ度:★★★★☆
|ヘヴィ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 賛否両論 スルメ盤
Hold Your Fire|ホールド・ユア・ファイア
オリジナルアルバム – 12作目 (1987年)
|ポップ度:★★★★★
|ヘヴィ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤
Presto|プレスト
オリジナルアルバム – 13作目 (1989年)
|ポップ度:★★★★★
|ヘヴィ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み
プレスト<紙ジャケットSHM-CD>/CD/WPCR-14993
Roll the Bones|ロール・ザ・ボーンズ
オリジナルアルバム – 14作目 (1991年)
|ポップ度:★★★★★
|ヘヴィ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤
Counterparts|カウンターパーツ
オリジナルアルバム – 15作目 (1993年)
|ポップ度:★★★★★
|ヘヴィ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
カウンターパーツ<紙ジャケットSHM-CD>/CD/WPCR-14995
Test for Echo|テスト・フォー・エコー
オリジナルアルバム – 16作目 (1996年)
|ポップ度:★★★★★
|ヘヴィ度:★★★★☆
|モダン度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Vapor Trails|ヴェイパー・トレイルズ
オリジナルアルバム – 17作目 (2002年)
|ポップ度:★★★☆☆
|ヘヴィ度:★★★★☆
|モダン度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Snakes & Arrows|スネークス・アンド・アローズ
オリジナルアルバム – 18作目 (2007年)
|ポップ度:★★★☆☆
|ヘヴィ度:★★★☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤
Clockwork Angels|クロックワーク・エンジェルズ
オリジナルアルバム – 19作目 (2012年)
|ポップ度:★★★☆☆
|ヘヴィ度:★★★★☆
|モダン度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤
VICTOR|DISCOGRAPHY
ギタリストのアレックス・ライフソンが、RUSHと並行して展開していたソロプロジェクト。
他のRUSHメンバーは関わっておらず、カナダのオルタナ・ハード系グループ〈I MOTHER EARTH〉のメンバーなど、若手や中堅どころが中心になっています。
なお、〈I MOTHER EARTH〉は、ポスト・グランジ系と見なされるグループですが、それらの中ではテクニカル要素と整合感の強さを押し出した作風を持ち味としており、日本でも某評論家のプッシュで一時期だけ注目を集めていたグループ。
またここでは、USオルタナ・プログレの異能派〈PRIMUS〉のバカテク・ベーシストで、業界有数のRUSHフリークとしても名高いレス・クレイプールもゲストとして参加しています。
VICTOR:Alex Lifesons|ヴィクター:アレックス・ライフソン
オリジナルアルバム – 1作目 (1996年)
|ポップ度:★★★★☆
|ヘヴィ度:★★★☆☆
|モダン度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★★★
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 通好み 実験作
【中古】輸入洋楽CD VICTOR / VICTOR[輸入盤]
ENVY OF NONE|エンヴィ・オブ・ノーン|DISCOGRAPHY
ENVY OF NONEは、RUSHの活動終了後にアレックス・ライフソンが始動させた、女性ヴォーカルをフィーチャーしたプロジェクト。
ライフソンの他のメンバーは、80年代に活躍したカナダのハードロック・バンド〈CONEY HATCH〉のアンディ・カラン(Ba.)、アメリカ出身の女性シンガー・ソング・ライターのマイア・ウィン(Vo.)、プロデューサーやエンジニアを主体に活動し〈VOÏVOD〉などを手がけたアルフィオ・アニバリーニ(Gt.)という面々で構成され、ドラムスには複数のサポート・ミュージシャンを起用しています。
〈VICTOR〉と同様に、RUSHとは異なる多様性を持ったオルタナティヴな音楽性を追求しています。
Envy of None|エンヴィ・オブ・ノーン
オリジナルアルバム – 1作目 (2022年)
||ポップ度:★★★★☆
|ヘヴィ度:★★★☆☆
|モダン度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★★★
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作