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★ ANGEL WITCH(エンジェル・ウィッチ) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|独自の暗鬱系暗黒ヘヴィメタルサウンドがNWOBHMシーン異彩を放った元祖ダークメタル!!…必聴アルバムは?

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百花繚乱!玉石混交!のNWOBHMシーンの中で個性的な暗黒メタルサウンドで独自の存在感を示し、後世に語り継がれる存在となったダークメタルサウンドのパイオニア!

ANGEL WITCHのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

ANGEL WITCH(エンジェル・ウィッチ)は、イギリスのN.W.O.B.H.M.(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティシュ・ヘヴィ・メタル)ムーヴメントの中から登場したヘヴィメタルバンド。

語り続ける価値のある数少ないNWOBHMバンド!?

今や伝説となった80年代英国の新世代ハードロック/ヘヴィメタルムーヴメントN.W.O.B.H.M.は、その知名度と重要性のわりには、後年まで残るほどの名を成した重要バンドとなるとそれほど多くありません。

単なる70年代ハードロックの焼き直しに過ぎないバンドも少なくありませんでしたし、人気を得たグループもメインストリームにまで上り詰めたひとつかみのトップを除くと、そのほとんど瞬く間にが時代の波に飲まれて消えてゆき影も形も無くなります。

そんな中で、スラッシュメタル文脈での〈VENOM(ヴェノム)〉や〈DIAMOND HEAD(ダイアモンド・ヘッド)〉、ドゥームメタル文脈での〈WITCHFINDER GENERAL(ウィッチファインダー・ジェネラル)〉らのように、後年になって特定のスタイルに先駆けたルーツに位置するパイオニアたる存在と認知され、カルト的に評価されるケースもあります。

ANGEL WITCHもまたダークながらアップテンでポップネスも持った独自のサウンドで、カルトN.W.O.B.H.M.バンドのひとつと呼べる存在となっています

陰鬱なサウンドを持つ元祖ダークメタル!?

後にダークメタルと呼ばれるジャンルとは音楽性は異なりますが、メタリックなヘヴィサウンドと叙情性や陰鬱なダークネスの同居したサウンドという共通する特徴を考えるなら、バンド間でメンバーの域芋あった盟友的バンドの〈SATAN(セイタン)〉など共に、その広義的な意味での原点のひとつと言えるでしょう。

これらの次世代に影響を残したバンドや時代を超越した個性派など一部のグループは、細々と生き延びたりファンの間で語り継がれていますが、ANGEL WITCHもまたムーヴメントを超えて語る価値のあるバンドとして、一部のリスナーから高い評価を受けています。

数多くのバンドに密かに影響を及ぼす

伝統と先鋭的が同居したANGEL WITCHのサウンドは、基本的には疾走感を持ったオーソドックスなハードロックベースのヘヴィメタルですが、ダウナーなドゥーム系サウンドとは全く異なる英国的な翳りと憂いに満ちたダークな作風。

N.W.O.B.H.M.シーンにおいても特異な魅力を放っており、シーンの中では共通点の多く近い距離にある〈SATAN〉らと共に今もなお時代を経ても風化しない存在感を示しています。

ヘヴィメタル最前線の米国への移動や、スラッシュメタル/パワーメタルなど革新的な新世代ヘヴィメタル登場といったシーンの移り変わりによって、N.W.O.B.H.M.ムーヴメントの全盛期には時代の寵児ともてはやされ第一線にいた人気グループさえも時代の仇花と化していく中でも、ANGEL WITCHは常に一部のリスナーによって熱心に支持され続け、時に再評価を受けて新たなファンを獲得していきました。

不安定な活動と本格的再始動!!

バンドは、唯一のオリジナルメンバーとなったケビン・ヘイボーンを中心に度々の活動休止と再開を繰り返すも、90年代からはリユニオン的な活動とライヴ音源/コンピレーション音源リリースにとどまっていました。

しかし、2010年代からは新作フルアルバムもリリースするようになり、現在も活動は継続中となっています。

次ページはANGEL WITCHのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

ANGEL WITCH|エンジェル・ウィッチ|DISCOGRAPHY

Angel Witch|エンジェル・ウィッチ

オリジナルアルバム 1作目 – (1980年)

第一期のオリジナルANGEL WITCH唯一のアルバムで、本作リリースの翌年には一度活動を停止となりますが、その本作は、長期的キャリアを築いたトップどころや革新的なスタイルを築いたグループを別にすれば、語り継がれるべき名盤として次世代にまで知れ渡る稀有なアルバムのひとつ。

ドゥーム系とはまた異なるダークネスとでヘヴィネスを持ちつつ疾走曲も展開するサウンドは、純粋ヘヴィメタルというよりも往年のブリティッシュ・ハードロックに近い、湿度の高めでややヴィンテージ感の漂うもの。
ある種のゴシックテイストも漂っており、元祖ダークメタルの称号も伊達ではありません。

未聴のリスナーが前記の事前情報やバンドイメージやから想像する音とは、ややギャップがあるかもしれませんが、スラッシュバンドを中心にミュージシャン人気も高く、多方面に静かな影響を及ぼした重要な1枚です。

全キャリアを通して本作だけが突出した扱いを受けているのは、N.W.O.B.H.M.を代表する1曲でもあるキラーチューンT-01の存在もさることながら、他の曲もつぶそろいで捨て曲なしというスキの見当たらない完成度の高さに尽きるでしょう。

|王道メタル度:★★★☆☆
|ダーク度:★★★☆☆
|叙情度:★★★☆☆
|アングラ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

「Angel Witch (30th Anniversary Edition)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Screamin’ n’ Bleedin’|スクリーミン・ブリーディン

オリジナルアルバム 2作目 – (1985年)

解散後、短期的な活動再開を挟んでの本格的な復活アルバムの本作は、かなり微妙なプロダクションながらも、より一般的なヘヴィメタルサウンドに接近しており、マニア人気が高く熱心なファンも多いアルバム。

疾走曲が軸になっているものの、第二期〈BLACK SABBATH〉を想起させるドゥームテイストもあり、また、音質も相まってアングラ感やパンキッシュな質感も強く良くも悪くもB級フレーバーが増しています。

さすがに、比較対象が前作となると残念ながら一枚落ちますし、名曲【Angel Witch】に比肩するほどのキラーチューンもなく決め手に欠ける印象は否めません。

しかし、 T-05を目玉にT-01, T-03と佳曲は多く、その他も水準を超えた仕上がりなので、音質に抵抗がなければ一聴の値打ちはあります。

|王道メタル度:★★★★☆
|ダーク度:★★★☆☆
|叙情度:★★☆☆☆
|アングラ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論

Frontal Assault|フロンタル・アサルト

オリジナルアルバム 3作目 – (1986年)

前作を踏襲しつつ、さらにオーソドックスなメタルサウンドに接近。
時に〈MERCYFUL FATE〉をも想起させるダークメタルに、80年代的シンセサウンドをもフィーチャーしつつポップネスが混じり合った、特異なスタイルとなりました。

そのマッチングを考えるとチグハグにも思えますし、ダークなサウンドではあるものの持ち前の怪しさが薄れた面もあります。事実、前2作と比較すると評価もかんばしくありませんが、持ち前のセンスでダーク&ポップによるミスマッチの妙を醸し出しており、独特の味わい深さと捨てがたい魅力をたたえています。

やや完成度にムラもあってトータルでは1stには及ばないものの、【Angel Witch】に次ぐ名曲と言ってもいいT-07をはじめ佳曲はそれなりにそろっており、聴きどころは決して少なくありません。

|王道メタル度:★★★★☆
|ダーク度:★★★☆☆
|叙情度:★★☆☆☆
|アングラ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み 実験作

’82 Revisited|’82 リヴィジテッド

ライヴアルバム (1996年)

As Above, So Below|アズ・アバヴ, ソー・ビロウ

オリジナルアルバム 4作目 – (2012年)

90年代前半にも〈METALLICA〉の大ブレイクの影響で、ちょっとしたN.W.O.B.H.M.リバイバルが起こりましたが、この時期はそれ以来のリバイバルブームの真っ只中。
伝説のカルトバンドとなっていた彼らも、いよいよ復活の運びとなります。

ここで聴けるのは、初期の彼らのサウンドの再現というよりは、それを90年代以降のドゥーム/ストーナー/スラッジ, ゴシックメタル, ダークメタル, ヴィンテージヘヴィネスなどを経た、同時代的なサウンドにブラッシュアップしたようなスタイル。

あいにく、特筆すべきキラーチューンも無ければアベレージも突き抜けたものではありませんが、当時のシーンを横目で見つつ、リスナーがイメージし望むであろうマイナー臭漂うダークサウンドをつくり上げています。

“無難”の枠を超えない作風なりに、それを超えようとする意欲もある程度は感じられる仕上がりといえます。

|王道メタル度:★★★☆☆
|ダーク度:★★★★☆
|叙情度:★★★☆☆
|アングラ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Angel of Light|エンジェル・オブ・ライト

オリジナルアルバム 5作目 – (2019年)

ダークなヘヴィメタルという体を成してはいるのですが、ただそれだけ。
“良くも悪くも”ではなく、明確に悪い意味で普通過ぎるアルバムで、炭酸抜きのコーラか香辛料抜きのカレーといった味わいです。

T-01をはじめ数曲には光るものも見えますが、トータルではかろうじて及第点レベルで、前作にも大きく劣る凡庸な仕上がり。
これでは、“昔の名前”だけで商売していると評されても何も言えません。

長年にわたってコンスタントなリリースを続けたバンドであれば、たまにこういったアルバムが混じることも目をつぶれるかもしれません。
しかし、奇跡の復活を果たした伝説のカルトバンドの手による7年越しの新作に対して、さすがにそういう割り切った気持ちで挑むのは無理というものでしょう。

|王道メタル度:★★★★☆
|ダーク度:★★☆☆☆
|叙情度:★★★★☆
|アングラ度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 お布施
次ページはANGEL WITCHのおすすめアルバムを紹介!!▼リンクはページ下!▼

ANGEL WITCHはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!

◆ 問答無用の代表作といえば!?

これについては、迷うこと無く『Angel Witch(1st)』一択で何ら問題ないでしょう。
メタル史に残る名曲を含む代表作という位置づけ、独自性の強さ、完成度、歴史的意義、それぞれの面において、それ以降のアルバムとは明確に異なるステージにある名盤と言えます。

◆ 新世代ビギナーリスナー向けの1枚といえば!?

唯一、総合的なクオリティでそれに肉薄しているのが、復活第一弾の『As Above, So Below(4th)』
古典のトラディショナル・サウンドの古さに抵抗があるリスナーなどは、むしろこちらの方が聴きやすいかもしれません。

◆ マニア向け!?それともメタラー向け!?

それ以外は、プロダクションの差こそあれど、いずれもB級の域を出ることは無く、それぞれ魅力的とはいえどちらかというとマニア向けとなります。

その中でも『Screamin’ n’ Bleedin'(2nd)』『Frontal Assault(3rd)』は、ビギナーが最初に手に取るべき一枚とは言いがたいものの、B級ながらも水準は軽くクリアしていますし、それぞれキラーチューンもありで、マニアなら聴いて損はないでしょう。
同時に、この2作は『1st』よりもオーソドックスなヘヴィメタルに近いので、一般のメタルリスナーには馴染みやすいかもしれません。

 

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