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★ IMPELLITTERI (インペリテリ) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|イングヴェイを超えた史上最速ギタリスト率いるストロングスタイルのパワーメタルバンド!!…必聴アルバムは?

IMPELLITTERI_Logo

イングヴェイを上回る高速ギターワークでギターヒーロー戦国時代を制したクリス・インペリテリは、技術のひけらかしに終始しないミュージシャンシップでヘヴィメタルを追求!!

IMPELLITTERIのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

IMPELLITTERI(インペリテリ)は、アメリカの早弾きギタリストとして知られるクリス・インペリテリを中心とした、ソロプロジェクトに近いパワーメタル/ヘヴィメタルバンド。

早弾き系は80年代メタルの一大勢力!?

プロト-ヘヴィメタル的な立ち位置のバンドに在籍していた、リッチー・ブラックモア, ウリ・ジョン・ロート, マイケル・シェンカーといったカリスマギタリストの存在もあって、ヘヴィメタルバンドにはギターヒーローが欠かせないという風潮があります。

80年代はそれがことさら顕著で、特にそれを印象付けることになったのが、元RAINBOWのグラハム・ボネットのバンドに見出されたイングヴェイ・マルムスティーンのブレイクに端を発する、テクニカルな早弾きギタリストブームです。

早弾きギタリストの仁義なき戦い!?

その中で、スティーヴ・ヴァイ, トニー・マカパイン, ポール・ギルバートら、早弾きを売りにしたテクニカルギタリストが続々登場することになり、インペリテリもまたその一人でした。

当初インペリテリは、イングヴェイ・マルムスティーンが脱退したグラハム・ボネットのバンド、ALCATRAZZのオーディションに参加しますが、その座をスティーヴ・ヴァイに奪われます。

その後、自身のバンドIMPELLITTERIを始動したインペリテリは、逆にALCATRAZZの活動を終えたボネットをヴォーカルに迎えてアルバムデビュー。“イングヴェイより速い”をキャッチフレーズに注目を集めます。

最後に残った早弾きギタリスト!?

IMPELLITTERIはその初期にはアルバムごとに異なる作風を試みていましたが、のちにアグレッシヴなパワーメタル/スピードメタルに到達。それ以降は微妙なマイナーチェンジこそあれど基本的なスタイルに大きな変化はありません。

また、インペリテリは、同時期の多くのテクニカルな早弾き系ギターヒーローとは異なり、互助会的なプロジェクトや企画物アルバムへの参加は少なく、ほぼIMPELLITTERI一本での活動に終始しています。

多くの早弾き系ギターヒーローが失速して活動規模を狭めてゆく中、インペリテリはデビュー以来というもの比較的コンスタントに、アルバムリリースを含めた活動を続けています。

次ページはIMPELLITTERIディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

IMPELLITTERI|DISCOGRAPHY

Impellitteri|インペリテリ

ミニアルバム:EP (1987年)

パワーメタル寄りのファストチューン2曲と、オールドスクールなミッドとスロー各1曲のによるEP。

早弾きギターヒーロー系にありがちな、演奏しているギタリストだけが楽しんでいるギターワーク主体の作風ではなく、真っ当すぎるくらい真っ当でてらいのないヘヴィメタルで、自慰的な作風にはまり込んでいないのが、現在までバンドとして一線での活動を維持できている理由でしょう。

おおむね独自性は希薄で、特にミッド〜スローは凡庸な反面ファストチューンには光るものがあり、すでに目指す方向性は定められていたと言えます。

|ヘヴィネス:★★★★☆
|スピード:★★★★☆
|メロディ:★★★★☆
|革新度:★★★★☆
|過剰度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 入門盤

Stand in Line|スタンド・イン・ライン

オリジナルアルバム – 1作目 (1988年)

メタルシンガー界の大物グラハム・ボネット参加のアルバムということもあり、古参メタラーからの評価は高いアルバムです。

楽曲自体は、オールドスクールなネオクラシカルサウンドを中心に、どこまでいってもボネットの関わったバンドをトレースしたような作風。デビューミニで見られた、彼ら持ち味が活かせるパワーメタル/スピードメタルチューンは見られません。

及第点はクリアしたクオリティも含め無難に仕上がってはいますが、あくまでも、ボネットの歌唱が最大の聴きどころのボネットファン向けのアイテムといったところです。

|パワメタ度:★★☆☆☆
|スピード:★★★☆☆
|ヘヴォネス:★★☆☆☆
|テクギタ度:★★★★☆
|モダン度:☆☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤

Grin and Bear It|グリン・アンド・ベアー・イット

オリジナルアルバム – 2作目 (1992年)

パワーメタル/スピードメタルはいったん封印して、オーソドックスなUSメタル/USハードロックやAOR的な産業ロック、ブルーズ・ロックやEXTREME風のファンク・メタルなど幅広い曲調を試み、作風の幅を広げつつ独自のスタイルと次の一手を模索しているアルバム。

残念ながら、「これらのあらゆるスタイルにおいて、もれなく壊滅的なセンスしか持ち合わせていない。」という事実を晒すだけに終始しており、個々の方向性の良し悪しを云々する以前の問題です。

|パワメタ度:★☆☆☆☆
|スピード:★☆☆☆☆
|ヘヴォネス:★★☆☆☆
|テクギタ度:★★★☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★☆☆☆

賛否両論 スルメ盤 実験作

Victim of the System|ヴィクティム・オブ・ザ・システム

ミニアルバム:EP (1993年)

ミニアルバムながらも、次作から現在まで続くパワーメタルスタイルを確立した重要作で、バンド史上に残る名曲のタイトルトラックT-01が収録されています。

この1曲だけなら文句なしに満点……なのですが、それ以外の作風を試みた他の曲はいずれも結果に結びついていない凡曲で、耳を引く聴きどころはありません。

|パワメタ度:★★★★☆
|スピード:★★★☆☆
|ヘヴォネス:★★★☆☆
|テクギタ度:★★★☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Answer to the Master|アンサー・トゥ・ザ・マスター

オリジナルアルバム – 3作目 (1994年)

作風からは、パワーメタル路線に方向性を定めたことがうかがえますが、この時点ではまだ試行錯誤の段階にあり、スタイルは完全に確立されてはいません。
過渡期ということを差し引いても総じて曲の出来栄えが今ひとつで、どうにもシマリがなく決め手を欠いたアルバムです。

かろうじて及第点を超えたソコソコのT-01以外では、T-02, T-09がかろうじて聴くに耐える仕上がりですが、アルバムの軸としてなるほどのキラーチューンは見られず水準も低いため、アルバム全編を集中して聴き通すのはいささかキビシイ仕上がりです。

|パワメタ度:★★★★☆
|スピード:★★★☆☆
|ヘヴォネス:★★☆☆☆
|テクギタ度:★★★☆☆
|モダン度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★☆☆☆

賛否両論 スルメ盤

Screaming Symphony|スクリーミング・シンフォニー

オリジナルアルバム – 4作目 (1996年)

本格的にIMPELLITTERI流のパワーメタルを確立したアルバムであると同時に、この路線での最高傑作ともなった名盤。

ここでは、無理に多様性を持たようとせず、最も得意とする適度なメロディを織り交ぜたファストなパワーメタルをひたすらを追求しており、楽曲の幅こそ狭いいものの、その中でアイデアを凝らして多彩なバリエーションを生み出しています。
そこにわずかな挟まるミッドチューンも、単なる箸休めアクセントを超えた仕上がりでまさに捨て曲なし。

息つく間も無い圧倒的な勢いと密度の高さでは、ジャンルは違えどSLAYERの“Rain in Blood”に通じるものがあり、間違いなくUSパワーメタルの名盤に数えられるべき1枚です。

このアプローチは、IMPELLITTERIの持ち味を100%発揮して高みにもぼるにはベストな選択ですが、どうしてもアイデアの磨耗が激しくなってしまう諸刃の剣。
事実、本作をピークとして瞬く間にアイデアの底をついてしまう結果となり、これ以降は無理なインプット/アウトプットも時に首を絞めることになり、クオリティがダダ下がりしてしまいがちになります。

|パワメタ度:★★★★★
|スピード:★★★★★
|ヘヴォネス:★★★★☆
|テクギタ度:★★★☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Eye of the Hurricane|アイ・オブ・ザ・ハリケーン

オリジナルアルバム – 5作目 (1997年)

メランコリックな小曲など前作より多彩な作風になっており、いずれもそれなりの水準は維持していますが、ファストチューンのクオリティが前作に遠く及ばないあたり、早くもアイデア切れの空気が漂っています。

とはいえ、前作との比較を抜きでみれば、パワーメタル/ヘヴィメタル平均点を軽く上回るアルバムということには異論はなく、特に泣きメロありのメロディックメタルを好むリスナーであれば、前作よりのはこちらの方が楽しめるかもしれません。

|パワメタ度:★★★★☆
|スピード:★★★☆☆
|ヘヴォネス:★★★☆☆
|テクギタ度:★★★☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論

Crunch|クランチ

オリジナルアルバム – 6作目 (2000年)

この時期に至って、今更ながらヘヴィグルーヴ・テイストやインダストリアル風のデコレーションなど、オールドスクールなバンド/リスナーの感覚では一応モダンとと呼べるであろうテイストを取り入れたアルバム。
スラッシュメタルの象徴のようなタイトルを付けられていますが、とりたててスラッシーなわけではありません。

ここで導入されたモダン要素は、10年とは言わないまでも5年以上は旬を逃しており、アレンジも今ひとつで楽曲に活かせていません。ただただ、“乗り遅れ感”だけを感じさせる半端なサウンドで、リアルタイムでは周回遅れの物悲しさだけが残るものでした

ただし、モダン路線の曲もその要素は部分的/装飾的に用いられている程度で、それらも骨格は威嚇的オーソドックスなヘヴィメタルですし、楽曲自体は及第点を超えるレベルには達しています。
また、序盤の3曲は従来通りのスピーディーなでメロディアスなパワーメタル・ナンバーでハイレベル安定の出来栄えですし、アルバムとして見れば、それなりに多様性を持った楽曲群をスムーズに聴きとおせるレベルには仕上がっています。

むしろ、時代性を意識せずに済む新規リスナーの方が楽しめるかもしれません。

|パワメタ度:★★★★☆
|スピード:★★★★☆
|ヘヴォネス:★★★★☆
|テクギタ度:★★★☆☆
|モダン度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 実験作

System X|システムX

オリジナルアルバム – 7作目 (2002年)

Pedal to the Metal|ペダル・トゥ・ザ・メタル

オリジナルアルバム – 8作目 (2004年)

Wicked Maiden|ウィキッド・メイデン

オリジナルアルバム – 9作目 (2009年)

Venom|ヴェノム

オリジナルアルバム – 10作目 (2015年)

The Nature of the Beast|ザ・ネイチャー・オブ・ザ・ビースト

オリジナルアルバム – 11作目 (2018年

◎ IMPELLITTERIはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!

IMPELLITTERIは、好みの作風でややオススメが変わってきます。
ストロング・スタイルのパワーメタルならば『Screaming Symphony(4th)』一択でしょう。
最もIMPELLITTERIの個性が発揮された捨て曲なしの名盤です。

もっとメロディックなサウンドが好みなら、『Eye of the Hurricane(5th)』、オーソドックスな古典的ヘヴィメタル/ハードロックが好みならば、グラハム・ボネット参加の『Stand in Line(1st)』あたりから入るのもいいでしょう。
新しめのアルバムが良ければ、近年ではベスト仕上がりの『Venom(10th)』がオススメです。

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