Contents
- 1キワモノ感満載なビジュアル/ステージングとは裏腹のキャッチーなフック満載は正統派アメリカン・ヘヴィメタルが、キラキラアイドル系とオラオラパーティ系であふれたグラムメタル・ムーヴメントで異彩を放つ!!
- 1...1W.A.S.P.は『グラムメタル』の代表格!?
- 1...2バンドの中核ブラッキー・ローレスとは!?
- 1...3W.A.S.P.は『ショックメタル』!?
- 1...4『ショックロック』としてのW.A.S.P.!!
- 1...5『正統派ヘヴィメタル』としてのW.A.S.P.!?
- 1...6『コンセプト・バンド』としてのW.A.S.P.!?
- 1...7『ショックロック』リバイバルで再び表舞台に!!
- 1.1W.A.S.P.|DISCOGRAPHY
- 1.1.1W.A.S.P.|ワスプ:魔人伝
- 1.1.2The Last Command|ザ・ラスト・コマンド
- 1.1.3Inside the Electric Circus|インサイド・ザ・エレクトリック・サーカス
- 1.1.4The Headless Children|ザ・ヘッドレス・チルドレン
- 1.1.5The Crimson Idol|ザ・クリムゾン・アイドル
- 1.1.6First Blood, Last Cuts|ファースト・ブラッド, ラスト・カッツ
- 1.1.7Still Not Black Enough|スティル・ノット・ブラック・イナフ
- 1.1.8K.F.D.|キル・ファック・ダイ
- 1.1.9 Helldorado|ヘルドラド
- 1.1.10Unholy Terror|アンホリィ・テラー
- 1.1.11The Neon God: Part Two - The Demise|ザ・ネオン・ゴッズ:パート・トゥ - ザ・デマイズ
- 1.1.12Dominator|ドミネイター
- 1.1.13Babylon|バビロン
- 1.1.14Golgotha|ゴルゴサ
- 1.1.15ReIdolized (The Soundtrack to the Crimson Idol)|リアイドルズ(ザ・サウンドトラック・トゥ・ザ・クリムゾン・アイドル)
- W.A.S.P.|ワスプ:魔人伝
- The Last Command|ザ・ラスト・コマンド
- Inside the Electric Circus|インサイド・ザ・エレクトリック・サーカス
- The Headless Children|ザ・ヘッドレス・チルドレン
- The Crimson Idol|ザ・クリムゾン・アイドル
- First Blood, Last Cuts|ファースト・ブラッド, ラスト・カッツ
- Still Not Black Enough|スティル・ノット・ブラック・イナフ
- K.F.D.|キル・ファック・ダイ
- Helldorado|ヘルドラド
- Unholy Terror|アンホリィ・テラー
- The Neon God: Part Two – The Demise|ザ・ネオン・ゴッズ:パート・トゥ – ザ・デマイズ
- Dominator|ドミネイター
- Babylon|バビロン
- Golgotha|ゴルゴサ
- ReIdolized (The Soundtrack to the Crimson Idol)|リアイドルズ(ザ・サウンドトラック・トゥ・ザ・クリムゾン・アイドル)
キワモノ感満載なビジュアル/ステージングとは裏腹のキャッチーなフック満載は正統派アメリカン・ヘヴィメタルが、キラキラアイドル系とオラオラパーティ系であふれたグラムメタル・ムーヴメントで異彩を放つ!!
W.A.S.P.(ワスプ)は、アメリカ合衆国はロスアンゼルスを拠点としたヘヴィメタル・バンド。
W.A.S.P.は『グラムメタル』の代表格!?
80年代に米国ロックシーンのメインストリームとして隆盛を極めた、『グラムメタル』ムーヴメントの中で頭角を現したことや、奇抜で派手なメイクや衣装を用いていたことから、一般には『グラムメタル』としてカテゴライズされています。
その中でW.A.S.P.は、他の『グラムメタル』バンドとは一線を画した音楽性と立ち位置で知られるグループで、ホラー的な演出やステージングから『ショックロック』とも、普遍的なメタルサウンドを展開していることから、より広義的な『ヘヴィメタル』としてもカテゴライズされています。
なお、『グラムメタル』は、W.A.S.P.の本拠地ロスアンゼルスがムーヴメントの中心地だったことから、日本においてはロスのヘヴィメタルを指す『LAメタル』と同義とされており、『LAメタル』という呼び方が一般化していました。
バンドの中核ブラッキー・ローレスとは!?
W.A.S.P.は、ギタリスト兼任フロントマンのブラッキー・ローレス(Blackie Lawless)を中心としたグループ。
デビューからキャリア全盛期と1995年〜2001年の間は、もうひとりのギタリストであるクリス・ホルムズとのツートップ体制でしたが、現在では実質的にはローレスのソロプロジェクトとして活動が継続されています。
ローレスは、アメリカのグラムロック・バンドでニューヨーク・パンクのパイオニアとも見なされるNEW YORK DOLLSに在籍し、その周辺で活動していました。
このことからローレス=W.A.S.P.は、TWISTED SISTERなどとともに、後発のトレンド便乗型のグラムメタル・バンドとは異なる、グラムロックのルーツに根ざしたその正当進化系としてのグラムメタルであり、同時に、MANOWARと同様にパンク界隈にルーツを持ち、ヘヴィメタルへと移行したミュージシャンのひとりに数えられています。
W.A.S.P.は『ショックメタル』!?
派手で奇抜なファッションとメイクが特徴である『グラムメタル』ですが、グラムロックの流れをくむフェミニンでナルシスティックなスタイルが多い中で、ホラー的な悪趣味ユーモアとを追求するグループも存在しました。
W.A.S.P.はその代表格で、ブラッキー・ローレスの股間にバズソー(回転ノコ)を装備したキワモノ的いで立ちと、血のりの飛び交うスプラッターなステージングで、グラムメタルの主流派とは一線を画した立ち位置と人気を確立していました。
そのため、その特徴から『ショックメタル』『ショックロック』とラベリングされることもあります。
『ショックロック』としてのW.A.S.P.!!
『ショックロック』はホラーなどをテーマとした衣装やメイク、パフォーマンスなど、グラン・ギニョール的な悪趣味な演出をコンセプトとしたロックのサブジャンルです。
ホラー・ギミックのロックという意味では、そのルーツは、60年代のスクリーミング・ロード・サッチ (Screaming Lord Sutch)から、50年代のスクリーミング・ジェイ・ホーキンス(Screamin’ Jay Hawkins)までもさかのぼることができます。
しかし、一般的にはアリス・クーパーやKISSといった、70年代にグラムロックの派生系として登場した、エンタメ性の高いホラー演出を特徴とするアーティスト/バンドを指します。
W.A.S.P.は、グラムメタルからの派生した『ショックロック/メタル』という同様の立ち位置にあり、これはグラムロックからの派生である『ショックロック』の先人と同様です。
しかし、W.A.S.P.は新世代ショックッカーであるだけに、より悪趣味で刺激的な演出を追求していました。
『正統派ヘヴィメタル』としてのW.A.S.P.!?
グラムメタルのシーンでは、明朗軽快なポップメタルやパーティーロックが主流を占めていましたが、中にはオーソドックスなヘヴィメタルを展開するグループも存在しており、特に『ショックメタル』系のグループは、ほぼ例外なくそれに該当していました。
当時の80年代のグラムメタルの中でW.A.S.P.は、TWISTED SISTER(ツイステッド・シスター)やLIZZY BORDENS(リジィ・ボーデン)、DOKKEN(ドッケン)や初期のMÖTLEY CRÜE(モトリー・クルー)と並んで、正統派のアメリカン・ヘヴィメタルを追求したグループと見なされています。
W.A.S.P.の音楽性は、基本的にはロックンロール色の強いキャッチーなアメリカン・ハードロックと、NWOBHMなどの英国系ヘヴィメタルをハイブリッド化したものでしたが、ローレスがバンドのイニシアチヴをとるようになってからは、よりオーソドックスでシリアスなヘヴィメタル・サウンドを展開しています。
『コンセプト・バンド』としてのW.A.S.P.!?
グラムメタル・バブルの終焉とともに、ブラッキー・ローレスがイニシアチヴを握って、実質的にローレスのソロプロジェクトとなってからのW.A.S.P.は、オーソドクスなヘヴィメタルへの接近すると同時に、アルバムごとにテーマやストーリーを設けたコンセプチュアルな作風へと移行します。
これによって、作品は『コンセプト・アルバム』『ロックオペラ』などのスタイルが中心となり、それらのジャンルで語られるようになります。
一時期は、QUEENSRŸCHE(クイーンズ・ライク)などと同様に、『プログレ・メタル』として扱われることもありました。
『ショックロック』リバイバルで再び表舞台に!!
90年代半ばには、マリリン・マンソン(MARILIN MANSON)やロブ・ゾンビ(Rob Zombie)ら新世代の台頭によって、『ショックロック/ショックメタル・リバイバル』の機運が高まります。
また、これらの新世代が影響を受けたフェイヴォリット・バンドとして名を挙げたことで、そのルーツにあたるグループにも再びスポットライトが当てられ、多くのベテラン・ショック・ロッカーが息を吹き返すことになりました。
ヘヴィミュージック・シーンの移り変わりについてゆけず、1992年移行は活動停止状態に陥っていたW.A.S.P.もまた、1995年にはかつての二枚看板だったクリス・ホルムズを呼び戻しての再結成が実現。
マリリン・マンソンらの成功を受けた、ショックメタルならではのゴアなホラー演出重視のステージングとインダストリアル風味のサウンドで復活します。
その後は再びブラッキー・ローレス主導の体制となり、シリアスなテーマのコンセプト・アルバム主体の作風を追求するようになっています。
W.A.S.P.|DISCOGRAPHY
W.A.S.P.|ワスプ:魔人伝
オリジナルアルバム 1作目 – (1984年)
ブリティッシュ・ヘヴィメタルをルーツに持つ、ファスト&アグレッシヴなサウンドが基本にあるのは確かですが、それに加えて、キャッチー&ポップかるパワフルなアメリカ・ロックが同居した作風です。
キワモノな外見とは裏腹に、USヘヴィメタルの王道をと言ってもいいハードロッキンなヘヴィメタルが聴けるアルバムです。
デヴュー作ながら、黄金期W.A.S.P.の魅力の全てが濃密なまでにつまった、完成度においてもいきなりピークに到達しており、シングルヒットを狙える楽曲が目白押し。
バンドの代表作としても必ずその名が挙がるだけでなく、80年代アメリカン・ヘヴィメタル名盤と言える1枚です。
|ブリメタ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★★★☆
|キワモノ度:★★★★☆
|キャッチー度:★★★★★
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤
The Last Command|ザ・ラスト・コマンド
オリジナルアルバム 2作目 – (1985年)
前作と同様の、上質なアメリカン・ヘヴィメタルを聴かせてくれるものの、アメリカンロック/ロックンロール・テイストが濃厚になり、ややメインストリームのグラムメタルに接近した印象も与える楽曲が目立つようになりました。
代表作たる名盤デビューアルバムと比較すると、楽曲のフックとアベレージいう点では一歩及ばないのは事実ですが、それはあくまでも前作がズバ抜けすぎていることによるものです。
前作との比較無しに単体で評価すれば、普通の感覚ならば単なる良作以上の評価を受けてしかるべきレベルで、それどころか、前作の存在さえなければ「最高傑作」や「奇跡の名盤」と呼ばれていてもおかしくありません。
|ブリメタ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★★★
|キワモノ度:★★★★☆
|キャッチー度:★★★★★
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤
Inside the Electric Circus|インサイド・ザ・エレクトリック・サーカス
オリジナルアルバム 3作目 – (1986年)
ロッキンな前作から一転して、ややオーソドックスなヘヴィメタル・テイストを強めたアルバム。
80年代のグラムメタルシーンを見渡せば、水準以上どころかトップクラスに位置するクオリティの作品ではありますが、彼らに求められるレベルを考えると、名盤である1stと比較するまでもなく、やや低調と言わざるをえません。
本作から恒例に近いものとなる“名曲カバー”が2曲収録。RAY CHARLESのT-03『I Don’t Need No Doctor』はほぼオリジナルを生かしたナイスなアレンジですし、URIAH HEEPのT-08『Easy Living』のチョイスも、多くのグラムメタルシーンのバンドには稀有なセンスで、アンチ・グラムメタルなリスナーも一目置かざるを得ないところです。
しかし、その2曲が全曲中で最も輝いているという事実に、このアルバムの全てが現れているのはなかなか皮肉です。そんな中、T-02, T-07はかなりの健闘を見せた佳曲と呼べる仕上がりです。
|ブリメタ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★★★☆
|キワモノ度:★★★★☆
|キャッチー度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
インサイド・ジ・エレクトリック・サーカス/CD/SMACDX-1151J
The Headless Children|ザ・ヘッドレス・チルドレン
オリジナルアルバム 4作目 – (1989年)
これまでのキワモノ的なコンセプトとイメージを払拭し始めた時期のアルバムで、これまでになくヘヴィでシリアスな作風となりました。
楽曲もおおむね水準以上でアベレージは上々ですが、作風の変化からW.A.S.P.最大の持ち味である、ポップネスとキャッチネスはかなり控えめとなっています。
そのため、ややフックに欠けるという大きな弱点はありますが、より王道的なヘヴィメタルに接近したサウンドを展開しているため、デビュー以来の“キワモノ路線”に抵抗を感じて聴かず嫌いしていたリスナーこそ入りやすいアルバムと言えるでしょう。
また本作では、前作でカバーで取り上げたURIAH HEEPのキーボーディスト、ケン・ヘンズレーをゲストに迎えて、フリークぶりを発揮しています。
恒例の名曲カバーT-02『The Real Me』は、コンセプトアルバム/ロックオペラの大先輩THE WHOの曲。
|ブリメタ度:★★★★☆
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|キワモノ度:★☆☆☆☆
|キャッチー度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作
The Crimson Idol|ザ・クリムゾン・アイドル
オリジナルアルバム 5作目 – (1992年)
当初は、ブラッキーのソロプロジェクトとしてリリースされる予定だったという作品。
当時のメタルシーンのコンセプトアルバム/メタルオペラとしては、QUEENSRŸCHEの代表作『Operation Mind Crime』に匹敵するアルバムとされ、近年もリレコーディング・バージョンがリリースされるなど、今なお評価の高いアルバムです。
キワモノを嫌う日本で特に高評価でベストに挙げるファンも多く、また、ヨーロッパ各国でもチャート上位のランキングも記録するほどの人気でしたが、本国アメリカでは、メタルブームが集結したこともあって、チャート争いからは完全に脱落し、残念ながら大きなセールスには結びつきませんでした。
特にT-04はバンド史上でも一二を争う曲なだけでなく、オールドスクールなヘヴィメタル・ナンバーとしても史上でも上位に位置する名曲です。
ダークでシリアスな作風は黄金期とは異なるもので、その時期の頂点である1stと比較すると名曲の多さで一歩及ばないものの、総合力ではそれに匹敵する充実度と言えます。
|ブリメタ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★☆☆☆
|キワモノ度:★☆☆☆☆
|キャッチー度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
First Blood, Last Cuts|ファースト・ブラッド, ラスト・カッツ
ベストアルバム – (1993年)
Still Not Black Enough|スティル・ノット・ブラック・イナフ
オリジナルアルバム 6作目 – (1995年)
前作“The Crimson Idol(5th)”と同様に、ブラッキー・ローレスのソロとしてリリースする予定だったという作品。
作風も前作同様で、ダークでシリアスなヘヴィメタルというブラッキーW.A.S.P.路線ですが、残念ながらあらゆる面で1枚劣る仕上がりとなっています。
ローレスの弱点であるリフやメロディ、フレーズの手札の少なさが足を引っ張っているのは毎度のことですが、何より、前作の“Chainsaw Charlie (Murders in the New Morgue) ”のような、アルバムの軸となる問答無用のキラーチューンを欠いているのが痛恨。
また、むやみにバラード・ナンバーが多いのも、メタルアルバムとしての魅力を損なっています。
恒例のカバー曲であるT-02、JEFFERSON AIRPLANEの『Somebody to Love』が、最も印象に残るほどで、「名曲カバーにアルバム全部が食われる」という悪い例を増やしています。
|ブリメタ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★☆☆☆
|キワモノ度:★☆☆☆☆
|キャッチー度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
スティル・ノット・ブラック・イナフ/CD/VICP-5560
K.F.D.|キル・ファック・ダイ
オリジナルアルバム 7作目 – (1997年)
バンド黄金期の二枚看板のひとりだった、ギタリストのクリス・ホルムスが復帰しての、本格的な再始動アルバム。
このアクションは、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったマリリン・マンソンが、“フェイヴォリット・バンド”のひとつとしてW.A.S.P.Pを挙げたことによって、再評価の機運が高まったことがキッカケとなっています。
ブラッキー体制とは異なりショックロック路線へと回帰していますが、完全な原点回帰というわけではありません。
マリリン・マンソンの影響による、ドラムマシンを用いたインダストリアル・メタルを意識した音づくりや、ユーモアを欠いたシリアス気味のホラーテイスト、ダウンテンポでダウナー気味、ややフック弱目の淡白な作風など、初期とは印象が異なる部分も見られ、従来のファンには評価が分かれるところでしょう。
とはいえ、ダークな作風自体は以前からの彼らの持ち味でもありますし、音づくりの変化からくる違和感さえ気にならなければ、普通に高水準なヘヴィメタル・アルバムとして楽しめる仕上がりです。
|ブリメタ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★☆☆☆
|キワモノ度:★★★★★
|キャッチー度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Helldorado|ヘルドラド
オリジナルアルバム 8作目 – (1999年)
引き続きクリス・ホルムスが参加した、ショックロック/メタル・リバイバル路線のアルバム。
前作とは異なり、インダストリアル風味のモダンテイストは払拭され、初期のハードロッキンなテイストを強めたアメリカン・メタル・サウンドは、90年代以降では最もストレートな作風です。
往年のように陽的でアッパーな曲も見られ、また、歌詞の内容もロック的露悪趣味なイメージを取り戻しています。
相変わらずリサイクルも多く強烈なフックにも欠けるため、純粋なクオリティでは、このスタイルの中でのトップ・グレードには届きませんが、及第点は軽くクリアした無難な出来栄えではあります。
その中でもT-02やT-03、T-08やT-09といったMOTORHEADばりのハード・ロックンロールはかなり魅力的で、本作の目玉と言えるでしょう。
いずれにせよ、良くいえば原点回帰ですが、悪く言えば単なるリハッシュ(焼き直し)とも取れるものなので、聴き手がどちらと捉えるかが評価の分かれ目ともなります。
また、近年のブラッキー体制でのシリアスな作風を好むか、初期の俗悪路線を好むかによっても、評価が左右されるところです。
|ブリメタ度:★★★★☆
|キロッキン度:★★★★★
|キワモノ度:★★★☆☆
|ャッチー度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
入門盤 賛否両論
Unholy Terror|アンホリィ・テラー
オリジナルアルバム 9作目 – (2001年)
The Neon God: Part One – The Rise|ザ・ネオン・ゴッド:パート・ワン – ザ・ライズ
オリジナルアルバム 11作目 – (2004年)
The Neon God: Part Two – The Demise|ザ・ネオン・ゴッズ:パート・トゥ – ザ・デマイズ
オリジナルアルバム 12作目 – (2004年)
Dominator|ドミネイター
オリジナルアルバム 13作目 – (2007年)
Babylon|バビロン
オリジナルアルバム 14作目 – (2009年)
Golgotha|ゴルゴサ
オリジナルアルバム 15作目 – (2015年)
ReIdolized (The Soundtrack to the Crimson Idol)|リアイドルズ(ザ・サウンドトラック・トゥ・ザ・クリムゾン・アイドル)
オリジナルアルバム 16作目 – (2018年)