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★ CELTIC FROST(セルティック・フロスト) ディスコグラフィー ★ 異端のオルタナ・スラッシュで90年代エクストリーム・メタル革命の種を蒔いたカルト・バンド!…必聴アルバムは?

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様々な実験的試みをつぎ込んだ異端のオルタナ・スラッシュで、デス, ドゥーム, ゴシック, ブラック…90年代のあらゆるエクストリームの原型を生み出した、スイスが誇るアンダーグラウンドのカルトなカリスマ!!

CELTIC FROSTのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

CELTIC FROST(セルティック・フロスト)は、スイスのスラッシュメタル・バンド。

オルタナティヴな変態スウィッツ・スラッシュ!?

CELTIC FROSTは、アンダーグラウンドでハードコアなスラッシュメタルを展開していた、HELLHAMMER(ヘルハマー)がリニューアルしたグループです。

CORONER(コロナー)と共に、スイッツ・スラッシュを代表する存在であり、また、シーンの中でもかなり早期にポスト・スラッシュ展開をもくろみ、スラッシュメタルの枠に収まらないオルタナティヴなスタイルを試みていた個性派として知られています。

ムーヴメントの折り返しを迎えて、収束に向かっていた時期のスラッシュメタル・シーンには、新機軸を織り込んだユニークなアプローチが増加しましたが、CELTIC FROSTはそれらと比較してもひときわ実験性の強いグループでした。

CELTIC FROSTの音楽性は!?:初期

デビュー当初のCELTIC FROSTは、HELLHAMMER時代の延長上にある、クラストコアやVENOMなどの影響の強いファストチューン主体のサウンドを展開していました。

しかし、まだ「スラッシュ=速い曲」というイメージが強固だった時期からのBLACK SABBATHや後のドゥームメタル、グルーヴメタルなどを想起させる、スロー〜ミッドテンポの比重を強め、それを主体としたスタイルへとシフトしています。

CELTIC FROSTの音楽性は!?:中期〜

80年の後半から1993年に活動停止となるまでのCELTIC FROSTは、ニューウェイヴ/ポストパンク, プログレッシヴロック, アバンギャルド, クラシックなど、幅広いジャンルの要素を取り入れてスラッシュメタルの枠を超え、アルバムごとに様々な表情を見せる、ポスト・スラッシュメタル的なアプローチを展開していました。

特に、荘厳な女性ヴォーカルをフィーチャーし、ゴシックロックやインダストリアルの要素を取り入れた、アバン・プログレといったスタイルの3rdアルバムは、バンドのターニングポイントにもなった重要作で、現在ではゴシックメタルのルーツともみなされて、カルト的な支持を集めています。

その後は、その後も、VOIVODなどに通じるツイストの効いたアートメタル、屈折したポップ感のあるハードロックなども試ますが、マーケティング的な意味合いから取り入れたグラムメタル風のファンションが、ファンの不評を買っことに加え、バンド内やレーベルとの不和などから活動が不安定となり、解散へとつながります。

CELTIC FROSTの音楽性は!?:再結成期

1993年以来解散状態にあり、メンバー個別の活動を行っていたCELTIC FROSTは、様々なエクストリーム・メタルのルーツとしての再評価や、スラッシュメタル・リバイバルの動きが追い風となって、2001年には活動を再開します。

この時期は、1stでのドゥーム路線や2ndでのゴシック・インダストリアルを中心に、同時代的なエクストリームメタルを取り入れたサウンドを展開していました。

CELTIC FROSTの大きすぎる影響力!?

CELTIC FROSTは、スラッシュメタル・シーンの中では異端の存在で、決して主流となることも第一線で活動することもありませんでしたが、後年のヘヴィメタル.シーンへの影響力は絶大で、ヘヴィメタル史上でも最重要グループのひとつに数えられます。

その影響は、デスメタルをはもちろんのこと、ドゥームメタルやスラッジメタルから,ゴシックメタル,ブラックメタル, メタルコアまで、ほぼ全てのエクストリーム・メタルに及んでおり、それらの原点的存在としてリスペクトを集めています。

また、CELTIC FROSTは、プログレッシヴな特性を持ちながらもプログレの類型からは外れた、いわゆるアートメタル, アバンギャルド・メタル, エクスペリメンタル・メタルなどと呼ばれる一群の、ルーツとも見なされています。

メンバーの脱退〜死〜解散、そして後継バンド!?

2001年の再結成以降、スラッシュ再評価の背景に後押しされて、新作もリリースして活動を続けていましたが、バンドの二本柱のT・G・ウォリアーことトーマス・ガブリエル・フィッシャー(Gt.)と、マルティン・エリック・アイン(Ba.)の間の確執を理由に、フィッシャーが脱退となります。

フィッシャーは新たなグループTRIPTYKON(トリプティコン)の活動をスタートさせ、それによってCELTIC FROSTの活動は凍結状態へと突入しました。

さらには、2017年にアインが心臓発作で他界したことにより、事実上CELTIC FROSTとしての活動は潰え、フィッシャーのプロジェクトTRIPTYKON(トリプティコン)が実質的な後継グループ解いての位置にあります。

次ページはCELTIC FROSTのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

CELTIC FROST|DISCOGRAPHY

Morbid Tales|モービッド・テイルズ

EP (1984年)

デビューEP/ミニアルバムとなる本作は、現在では多くの場合、続くEP『Emperor’s Return』とのカップリング・アルバムとして流通しています。

音楽性は、HELLHAMMERの流れをくむハードコア/クラストコアのエッセンスが濃厚なヘヴィスラッシュで、疾走曲は少なくミッドテンポのナンバーが中心となっていすが、冒頭には疾走感のあるファストチューンも配置されているほか、ドゥーミィなスローパートも織り込まれています。

この時点ではまだ、のちに顕著になる実験性はそれほど感じられず、初期衝動が前面に出た比較的ストレートな作風のハードコア・スラッシュを聴かせます。

|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★★☆
|アバン度:★☆☆☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|ゴシック度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み

「Morbid Tales (Expanded Version)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Emperor’s Return|エンペラーズ・リターン

EP (1985年)

先のミニアルバム『Morbid Tales』と変わらないハードコアスラッシュですが、前作よりもファストチューンが目立ち、CELTIC FROSTの全作品中でも、最もスラッシュメタルの王道をゆく印象が強い作品です。

その反面、T-01の終盤には女性コーラスが重ねられたり、T-02には不穏なアンビエント調のインストナンバーが配置されるなど、ここから次第にスラッシュメタルから逸脱してオルタナティヴなアプローチへ流れてゆく予兆も漂わせています。

現在ではほとんどの場合、前のミニアルバム『Morbid Tales』名義で、そこに本作がカップリングされるかたちがとられていますが、本作のタイトル『『Emperor’s Return』』で流通しているケースもあり、こちらはレア盤となっています。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★★☆
|アバン度:★☆☆☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|ゴシック度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 スルメ盤

To Mega Therion|トゥ・メガ・セリオン

オリジナルアルバム 1作目 (1985年)

エイリアンのビジュアルコンセプトで知られ、メタル作品に用いられることも多い同郷のカルト的アーティストで、トーマス・ガブリエル・フィッシャーとも縁の深い、R.H.ギーガーによるアートワークでおなじみのデビューアルバム。

この時点ではまだ、ハードコアなファストなチューンが主体となっていますが、90年代のエクストリーム系ドゥームメタルの原点でもある、ドゥーミィ&グリミィなまとわりつくようなミッド〜スロー・パートが大きく増して、両者が拮抗したスタイルとなりました。
また、部分的ではあるものの、ゴシックメタル風の荘厳なインストや女性コーラスもフィーチャーされています。

時にHELLHAMMER時代の名残も感じさせる部分もありますが、同じ大仰せ過剰なサウンドでも、かつての青臭い虚仮威し感は薄れて、荘厳な禍々しさを感じさせるようになっており、ある種のアート感を持った暗黒サウンドを完成を見ています。

強烈なフックを持ったキラーチューン聴かせる作風ではないので、キャッチーで分かりやすい仕上がりとは言えないものの、純粋なスラッシュメタルと呼べる最後のアルバムなので、スラッシュフリークも手に取りやすい1枚です。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|アバン度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|ゴシック度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

「To Mega Therion (Expanded Version)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Into the Pandemonium|イントゥ・ザ・パンデモニウム

オリジナルアルバム 2作目 – (1987年)

90年代のゴシックメタル・サウンドのルーツとして、その形成に大きな役割を果たした作品で、CELTIC FROSTのキャリアの中でも最重要の存在とされ、前作と共に代表作にも挙げられることの多いアルバム。

確かにドゥーミィなサウンドをベースに女性ヴォーカルや荘厳で耽美的フレーズなど、のちのゴシックメタルや耽美系デスメタルなどで聴けるエッセンスがそこかしこに詰まったアルバムです。

ただし、ポストパンク的でもあるカオティックな実験性の強い作風で、ゴシック・エッセンスの導入もその一環なので、「ゴシックメタルのルーツ」という謳い文句につられて典型的なゴシックメタルサウンドを期待してはいけません。

|スラッシュ度:★★☆☆☆
|ハーコー度:★☆☆☆☆
|アバン度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|ゴシック度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

「Into the Pandemonium (Expanded Version)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Cold Lake|コールド・レイク

オリジナルアルバム 3作目 – (1988年)

マニアックな作風からか、売り上げもツアー活動も不調だったことでバンド間でも諍いが続き、中心メンバーのアインが脱退。
さらには、フィッシャー(ウォリアー)もやる気を失った状態だったたことから、同郷のCORONERにも在籍経験のある新規加入メンバー、オリバー・アンバーグが中心になって制作されたとされる異色作。

一般的には、ポップなグラムメタル/LAメタルに転身して物議を醸したアルバムとされており、現在では無かったことにされがちな1枚ですが、その評価は一面的という以上にかなりピントも外れたものです。

確かに裏ジャケのバンドショットこそ、頭モリモリでコテコテのグラム・ファッションのメンバーが並んでいますが、これはマーケティングを意図したレーベルから要望で、当時はスラッシュ/パワーメタルにも見られた珍しくもない傾向です。

また、本作での音楽性の変化は、ポップメタルを求めるレーベルの意向に答えたものという話もあり、確かに、これまでのアバン路線からは一転して、オーソドックスなヘヴィメタル/ハードロックに近いものとなっています。

しかし、メジャー路線に接近する気は皆無で、グラムメタルどころか、分かりやすいポップネスとは無縁のひねくれたメタルサウンドが炸裂しており、むしろ、レーベルに対する嫌がらせとさえ受け取れるもので、なかなかにユニーク仕上がりと言えるでしょう。

|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|アバン度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★☆☆☆☆
|ゴシック度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Vanity / Nemesis|ヴァニティ/ネメシス

オリジナルアルバム 4作目 – (1990年)

ドゥーミィテイストやゴシックエッセンスも顔をのぞかせ、ファッションは前作で見せたグラム風に近いものというこれまでの総決算的なスタイルですが、基本的には彼らとしては比較的スッキリしたスラッシュメタル/ヘヴィメタルサウンドで、初期のようなカオティックな要素や禍々しい圧力はそれほど感じられません。
その辺りはオールドファンには物足りなさが残るかもしれませんが、ビギナーにとっては比較的聴きやすアルバムと言っていいでしょう。それでも果たして聴きやすさを求めてCELTIC FROSTを手に取るものだろうか?という問題は残りますが…。

|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|アバン度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★☆☆☆☆
|ゴシック度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

「Vanity / Nemesis (Expanded Version)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Monotheist|モノシイスト

オリジナルアルバム 5作目 – (2006年)

90年代エクストリームメタルのルーツとしての再評価と、00年代のスラッシュ・リバイバルの結果実現した、再結成CELTIC FROSTとしてリリースされた唯一のアルバム。

初期の2作品で試みた実験的な作風を、90年代のドゥームデス, インダストリアルメタル ニューメタルなどのエッセンスを交えた、現代的なウルトラ・ヘヴィ・サウンドで再構築したようなスタイルです。

楽曲は、ミッド〜スローのドゥーム/スラッジ寄りのものが主体で、その作風からやや長尺曲も目立ちます。
ファスト・チューンは皆無なので、疾走型スラッシュメタルを期待するスラッシャーの期待には応えられないでしょう。

ヘヴィネスが大幅に強化された重層的で高密度なモダンな音づくりで、現代のリスナーにも聴きやすいサウンドに仕上げられているものの、彼らの幅広いバックグランドを反映した要素や、一筋縄ではいかない作風については、80年代の全盛期から大きな変化はありません。

現在の視点でみると、それほど特異なサウンドとは映らないかもしれませんが、そういった状況こそCELTIC FROSTの存在あればこそ生まれたものですし、そのアプローチが30年以上も全く古びていないあたりに、彼ら本来の特異性と先鋭性を再確認することはできます。

|スラッシュ度:★★☆☆☆
|ハーコー度:★☆☆☆☆
|アバン度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★★★★★
|ゴシック度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作

HELLHAMMER|DISCOGRAPHY

CELTIC FROSTの前身となったスラッシュメタル・バンド。

音楽性は、VENOMとクラストコアをミックスしたような、プリミティヴでストレートな疾走型ハードコア・スラッシュメタルで、ここでの音楽性は初期のCELTIC FROSTにも受け継がれています。

また、メンバーがそれぞれ『サタニック・スローター』,『スレイド・ネクロス』,『イヴォークド・ドミネーター』といったステージネームを名乗るなど、ギミックやヴィジュアルのコンセプトについてもVENOM直系のもので、サタニック・メタル特有の厨二的虚仮威しの濃厚なものでした。

HELLHAMMERの活動はアンダーグラウンドなものに終始しており、作品もデモやEPを残したのみでフルアルバムは制作されていませんが、のちに、これらの音源を編集したものがコンピレーション・アルバムとしてリリースされています。

スラッシュメタルの最重要バンドCELTIC FROSTの原点として、また、その作風からスウェディッシュ・デスラッシュのルーツのひとつして、のちに再評価が進んだこともあって、現在もカルト人気を維持しており、根強いファンも存在しています。

Apocalyptic Raids 1990 A.D.|アポカリプティック・レディオ 1990A.D.

コンピレーション 1作目 (1990年)

|スラッシュ度:★★★★★
|アバン度:☆☆☆☆☆
|耽美性:☆☆☆☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|スピード:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆

代表作 通好み スルメ盤

「Apocalyptic Raids (2020 - Remaster) - EP」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Demon Entrails|デーモン・エターナル

シングル (2016年)

Blood Insanity|ブラッド・インサニティ

シングル (2016年)

TRIPTYKON|DISCOGRAPHY

TRIPTYKON(トリプティコン)はのT・G・ウォリアーことトーマス・ガブリエル・フィッシャー(Gt.)が、再結成されて活動を行っていたCELTIC FROSTを脱退して、新たに始動したプロジェクト。

基本的な音楽性は、大枠では再結成CELTIC FROSTでのスタイルを踏襲したもので、インダストリアルやゴシックも取り入れた、同時代的なヘヴィネスを持ったドゥーミィなサウンドが基調となっています。

しかし、再結成CELTIC FROST以上にオルタナティヴなベクトルを志向しており、アトモスフェリックなゴシックテイストや、アバンギャルドなエッセンスがより一層強調されたものとなっています。

マーティン・E・アインの逝去でCELTIC FROSTとしての活動が潰えた現在、実質的にはCELTIC FROSTが名を変えた後継グループと考えても問題ないでしょう。

またフィッシャーは、CELTIC FROSTのジャケットアートも手がけたスイスのアーティスト、H.R.ギーガーと懇意にしており、2007年からギーガーが他界する2014年までの間は、TRIPTYKONの活動の傍らキーガーの個人秘書も務めていました。

Eparistera Daimones|エパリステラ・ダイモネス

オリジナルアルバム 1作目 – (2010年)

Melana Chasmata|メラーナ・カズマータ

オリジナルアルバム 2作目 – (2014年)

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