Contents
- 1アメリカのMINISTRY,イギリスのKILLIN JOKEと並び80年代初頭のニューウェイヴ/ポストパンク全盛期からエレクトリックなロックサウンドで活動を続け、ジャーマン・インダストリアル・メタルの基礎を築いたドイツのリビング・レジェンド!!
- 1...1時代ごとに音楽性の更新し続けるドイツのレジェンド!?
- 1...2DIE KRUPPSはインダストリアル・メタル第一世代!?
- 1...380年代〜:実験的ニューウェイヴ/インダストリアルとして!!
- 1...490年代〜:メタルギターでインダストリアル・メタルに開眼!!
- 1...5DIE KRUPPSはノイエ・ドイチェ・ヘァテの原点!?
- 1...6DIE KRUPPSは今もシーンの第一線で活動中!!
- 1.1DIE KRUPPS|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Stahlwerksinfonie|スタルヴァークシンフォニ:鉄工所交響曲
- 1.1.2Volle Kraft voraus!|ヴォへ・クラフト・ヴォハウス:全速前進
- 1.1.3Entering the Arena|エンターリング・ジ・アリーナ:死亡遊戯
- 1.1.4I |I (ワン)
- 1.1.5A Tribute to Metallica|ア・トリビュート・トゥ・メタリカ
- 1.1.6II - The Final Option|II(トゥー) ザ・ファイナル・オペレーション
- 1.1.7The Final Remixes|ザ・ファイナル・リミックス
- 1.1.8Rings of Steel|リング・オブ・スティール
- 1.1.9III - Odyssey of the Mind|III(スリー) オデッセイ・オブ・ザ・マインド
- 1.1.10Remix Wars Strike 2 - Die Krupps vs. Front Line Assembly|リミックス・ウォーズ・ストライク 2 - ディ・クラップス ヴァーサス フロント・ライン・アッセンブリィ
- 1.1.11Metalmorphosis of Die Krupps|メタオルフォシス・オブ・ディ・クラップス
- 1.1.12Foundation|ファウンデーション
- 1.1.13Paradise Now|パラダイス・ナウ
- 1.1.14Volle Kraft Null Acht|ヴォへ・クラフト・ヌル・アクツ
- 1.1.15The Machinists of Joy|ザ・マシニスト・オブ・ジョイ
- 1.1.16V - Metal Machine Music|V(ファイヴ) メタル・マシーン・ミュージック
- 1.1.17Live im Schatten der Ringe|ライヴ・イン・シャッテン・ダー・リング
- 1.1.18Vision 2020 Vision|ヴィジョン・2020・ヴィジョン
- Stahlwerksinfonie|スタルヴァークシンフォニ:鉄工所交響曲
- Volle Kraft voraus!|ヴォへ・クラフト・ヴォハウス:全速前進
- Entering the Arena|エンターリング・ジ・アリーナ:死亡遊戯
- I |I (ワン)
- A Tribute to Metallica|ア・トリビュート・トゥ・メタリカ
- II – The Final Option|II(トゥー) ザ・ファイナル・オペレーション
- The Final Remixes|ザ・ファイナル・リミックス
- Rings of Steel|リング・オブ・スティール
- III – Odyssey of the Mind|III(スリー) オデッセイ・オブ・ザ・マインド
- Remix Wars Strike 2 – Die Krupps vs. Front Line Assembly|リミックス・ウォーズ・ストライク 2 – ディ・クラップス ヴァーサス フロント・ライン・アッセンブリィ
- Metalmorphosis of Die Krupps|メタオルフォシス・オブ・ディ・クラップス
- Foundation|ファウンデーション
- Paradise Now|パラダイス・ナウ
- Volle Kraft Null Acht|ヴォへ・クラフト・ヌル・アクツ
- The Machinists of Joy|ザ・マシニスト・オブ・ジョイ
- V – Metal Machine Music|V(ファイヴ) メタル・マシーン・ミュージック
- Live im Schatten der Ringe|ライヴ・イン・シャッテン・ダー・リング
- Vision 2020 Vision|ヴィジョン・2020・ヴィジョン
アメリカのMINISTRY,イギリスのKILLIN JOKEと並び80年代初頭のニューウェイヴ/ポストパンク全盛期からエレクトリックなロックサウンドで活動を続け、ジャーマン・インダストリアル・メタルの基礎を築いたドイツのリビング・レジェンド!!
DIE KRUPPS(ディ・クルップス)は、ドイツを代表するインダストリアル/インダストリアル・メタルのグループ。
時代ごとに音楽性の更新し続けるドイツのレジェンド!?
DIE KRUPPSは、現在では一般的に『インダストリアル・メタル』とカテゴライズされていますが、1980年に活動をスタートという、、シーンで有数のキャリアの長さを誇るグループだけに、何度か音楽性の変遷を重ねています。
そのことから、時代性や文脈によっては『インダストリアル・ロック』あるいは単に『インダストリアル』、あるいは、『テクノポップ/エレポップ』,『EBM(エレクトリック・ボディ・ミュージック)』といったジャンルとして語られることもあります。
DIE KRUPPSはインダストリアル・メタル第一世代!?
DIE KRUPPSは、インダストリアル・メタルのシーンにおいては、イギリスのKILLING JOKEと並んで、MINISTRYをも上回るキャリアの長さを誇るベテラン・グループ。
そのため、80年代のジャーマン・インダストリアル・ロック、90年代のジャーマン・インダストリアル・メタルの、双方のジャンルにおいて、第1世代にあたるグループも見なされ、インダストリアル・メタルとしては、K.M.F.D.M.などと共に、ドイツシーンおけるパイオニアに位置付けられてます。
ただし、本格的にインダストリアル・メタル路線へとシフトするのは90年代からであり、MINISTRYらのパイオニアと比較すると、やや後発のグループとも考えられています。
80年代〜:実験的ニューウェイヴ/インダストリアルとして!!
DIE KRUPPは、80年代初期のニューウェイヴ/ポストパンク・ムーヴメントの中で、活動をスタートしています。
当初は、メタルパーカッションなども導入した、当時のインダストリアル(ロック)のスタイルで活動しており、そのジャンルの多くのグループと同様に、ある意味ではプログレッシヴ・ロックの延長上にもある、実験性の強い音楽性を展開していました。
その後も、時代を経るごとに、エレクトロニック・サウンドを用いたテクノポップ/エレポップ/シンセポップのスタイルや、ダンス・ミュージックの要素を強めたEBM(エレクトリック・ボディミュージック)のスタイルなど、その時期ごとに最新のエレクトロニック・ロックを取り入れつつ進化を続けていました。
90年代〜:メタルギターでインダストリアル・メタルに開眼!!
1990年代突入以降は、同時期のインダストリアル・メタルの勃興に歩調を合わせるかのように、ヘヴィメタリックなインダストリアル・サウンドに傾倒。
ドイツのスラッシュメタル・バンドACCU§ERから、レネ・シュッツとフランク・トーマスの2人のギタリストをゲストに迎え、メタルギターをフィーテャーしたナンバーをリリースしたことで、本格的にインダストリアル・メタルのシーンへと参入します。
さらには、ベイエリア・スラッシュの技巧派として知られたHEATHENのギタリスト、リー・アルタスをパーマネントなメンバーに加え、よりヘヴィでメタリックなインダストリアル・メタル・サウンドを追求するようになります。
また、METALLICAの代表曲『One』をシンセ・サウンドでカバーしたのを皮切りに、同様のアレンジを用いたMETALLICAトリビュート・アルバムを発表して、インダストリアル/エレクトロニック・サウンドによるトリビュートのブームにおいても、火付け役となりました。
さらには、最先端メタルバンドを含む大物ミュージシャンをリミキサーに迎えて、より一層ヘヴィに変身したリミックス・アルバムを発表したりと、積極的にヘヴィメタルとインダストリアル/EBDの橋渡しをしてゆきます。
DIE KRUPPSはノイエ・ドイチェ・ヘァテの原点!?
90年代以降、RAMMSTEIN(ラムシュタイン)のブレイクによって、新世代ドイツ語ロック・ムーヴメントである「ノイエ・ドイチェ・ヘァテ(NDH:Neue Deutsche Härte)」が脚光を浴びるようになりますが、DIE KRUPPSは、それらの音楽性に影響を与えた存在と見なされるようになります。
事実、現在のDIE KRUPPSは主に英語を歌詞に用いているものの、以前はドイツ語を用いていたこともあります。
音楽的にも、彼らのヘヴィメタリック期のサウンドがNDH系のグループに対して与えた影響は、LAIBACHらと並んで絶大なものであり、NDHの音楽性の基盤となったルーツ的な存在としての再評価の傾向も見られました。
DIE KRUPPSは今もシーンの第一線で活動中!!
DIE KRUPPSは、1997年にから活動停止状態に入っていましたが、2005年には活動を再開しています。
それ以降は、80年代リバイバルを視野に入れたニューウェイヴ/ポストパンク回帰路線などの、90年代のインダストリアル・メタル路線とは異なるアプローチも交えるなど、アルバムごとに異なるアプローチを挟みつつアルバムリリースを重ねており、現在も第一線のグループとしてで活動を続けています。
DIE KRUPPS|DISCOGRAPHY
Stahlwerksinfonie|スタルヴァークシンフォニ:鉄工所交響曲
オリジナルアルバム – 1作目 (1981年)
Die Krupps / Stahlwerksynfonie
Volle Kraft voraus!|ヴォへ・クラフト・ヴォハウス:全速前進
オリジナルアルバム – 2作目 (1982年)
Die Krupps / Volle Kraft Voraus
Entering the Arena|エンターリング・ジ・アリーナ:死亡遊戯
オリジナルアルバム – 3作目 (1985年)
I |I (ワン)
オリジナルアルバム – 4作目 (1992年)
ヘヴィメタリックなギターサウンドを導入し、本格的なインダストリアルメタル路線へと舵を取ったアルバムで、METALLICAの代表曲『One』のカバーも収録していたこともあって、メタルリスナーからも注目を集めます。
ポストパンク/ニューウェイヴの延長線上にある多彩な作風の楽曲は、MINISTRYフォロアーのデジタルスラッシュ勢やEDM/EBM系のサウンド比較すると即効性は薄いものの、知性と気品を感じさせるハイセンスでスタイリッシュなもので、通好み系のリスナーに支持されていました。
ゲストメンバーとしてメタリックギターを担当するのは、同じドイツのスラッシュメタル・バンドACCU§ERの2人のギタリストRené SchützとFrank Thoms。
|アレンジ:★★★★☆
|解体度:★★☆☆☆
|インダス度:★★★☆☆
|メタル度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
A Tribute to Metallica|ア・トリビュート・トゥ・メタリカ
トリビュートカバーアルバム (1992年)
METALLICAのカバー曲のみで構成された企画盤ミニアルバム。現在ではオリジナル未収録だった“One”と“The Unforgiven”、さらにリミックス曲も追加したフルアルバムボリュームのカップリングで出回っています。
曲調は原曲に近いストレートなアレンジですが、メタリックギターがメインのバンドサウンドではなく、あえてピコピコ系の電子音を主体にしたシンセポップ調のアレンジをとっており、それによりオリジナルとの異化効果を狙っています。
彼らの実力を考えるとお遊びに近い印象で、原曲を解体した実験的なサウンドを期待すると肩透かしですが、リミックスではそれなりのイジリぶりを見せおり、Apocalypticaや『ユーチューバンド』の“やってみた系”カバーなどと比較すればはるかにユニークな仕あがり。
当然のように一般のメタルファンは電子音アレルギーを発症させ、バッシングか黙殺で迎えられましたが、これによってメタル界隈での知名度が高まったのは確かです。
|アレンジ:★★★★☆
|解体度:★★☆☆☆
|インダス度:★★★☆☆
|メタル度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Tribute to Metallica / Die Krupps
II – The Final Option|II(トゥー) ザ・ファイナル・オペレーション
オリジナルアルバム – 5作目 (1993年)
通好みなマニア人気にとどまっていた彼らが前作の勢いも受け、インダストリアルファンを中心にメタルリスナーも含めた幅広い層にアピールするようになったブレイク作。
パーマネントなメタリックギター担当として、元HEATHEN、現EXODUSのリー・アルタス(Lee Altus)を迎えての最初のアルバムで、ヘヴィメタリックなテイストを増しつつも、彼らのキャリアとバックボーンを反映した前作同様に多彩な作風です。
さらにヘヴィグルーヴやラップメタルテイストまでを取り入れるなど、ベテランらしからぬ先鋭性を持った仕上がりとなっています。
メタリックなヘヴィネスではこの後に譲りますが、完成度抜群の粒ぞろいな個性的な楽曲が並び、トータルアベレージの高さではここがピークと言っていいでしょう
|メタル度:★★★★☆
|ポスパン度:★★☆☆☆
|ダンス度:★★★★☆
|アバン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Die Krupps / II: The Final Option
The Final Remixes|ザ・ファイナル・リミックス
リミックスアルバム – (1994年)
インダストリアルファンにはおなじみのNINE INCH NAILSのCharlie Clouser、KMFDMのSascha Konietzkoから、ニューウェイヴ/ポストバンク系のAndrew EldritchやPhillip Boa、メタル畑のCARCASS, PARADISE LOST PRO-PAIN FAITH NO MORE CLAWFINGERのメンバーなど、各シーンのトップアーティストが参加したリミックスアルバム。
ヘヴィな曲はよりヘヴィに、曲によってはよりダンサブルによりエクスペリメンタルにアレンジされ、原曲を超えたと言ってもいいミックスも多数収録された名盤です。
|メタル度:★★★★☆
|選曲:★★★★★
|解体度:★★★☆☆
|アレンジ:★★★★★
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
The Final Remixes / Die Krupps
Rings of Steel|リング・オブ・スティール
リミックスアルバム – (1995年)
日本盤もリリースされていた、“The Final Remixes”の米国/日本向けの別バージョン。
当然ながら収録曲の半数以上は重複していますが、BIOHAZARD、L.A. GUNSらのメンバーによるミックスなど、“The Final Remixes”とは重ならない名リミックス曲も少なくないので、ファンならば両方ともコンプリートする必要があります。
|メタル度:★★★★☆
|選曲:★★★★★
|解体度:★★★☆☆
|アレンジ:★★★★★
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
III – Odyssey of the Mind|III(スリー) オデッセイ・オブ・ザ・マインド
オリジナルアルバム – 6作目 (1995年)
インダストリアルメタルの裾野の広がりに、路線変更後の意欲的な活動から前作でのブレイクの余波を受けて、一般のメタルリスナーからも注目を集めるようになったアルバムで、弱小レーベルからながら日本盤もリリースされていました。
バンドの勢いについてはキャリアの中でもピーク期に位置するアルバムで、ヘヴィメタリックなギターの比率がより増してロック的なバンドサウンドに接近した作風ながら、過去作同様完成度の高い楽曲が並び非常に完成度の高い隙のない仕上がり。
突出した名曲の数という点では前作に譲りますが、作品の知名度と人気度の高さに見合った充実作なので、前評判に裏切られることはありません。
|メタル度:★★★★☆
|ポスパン度:★★☆☆☆
|ダンス度:★★★☆☆
|アバン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Remix Wars Strike 2 – Die Krupps vs. Front Line Assembly|リミックス・ウォーズ・ストライク 2 – ディ・クラップス ヴァーサス フロント・ライン・アッセンブリィ
スプリット (1996年)
Metalmorphosis of Die Krupps|メタオルフォシス・オブ・ディ・クラップス
コンピレーションアルバム (1996年)
Foundation|ファウンデーション
コンピレーションアルバム (1997年)
Paradise Now|パラダイス・ナウ
オリジナルアルバム – 7作目 (1997年)
リー・アルタスをフィーチャーした、90年代インダストリアルメタル体制でのラストアルバム。
前作の路線を推し進めた、彼らのカタログ中では最もヘヴィメタリックでアグレッシヴな作風で、楽曲アベレージも高水準で安定しており、インダストリアルのメタルファンならば必聴の完成度ですが、この路線ではこれまででやり尽くした印象が強くスタイルでの行き詰まりも感じさせます。
ニューメタル系のFEAR FACTORYや同郷のRAMMSTEINなど、より機能性やエンタメ性を追求した新世代の登場でインダストリアルシーンが次のフェーズに移ったことで、彼らを含めたパイオニア勢が転換期にきており、結果的に本作を最後に一時活動休止となります。
|メタル度:★★★★★
|ポスパン度:★☆☆☆☆
|ダンス度:★★★☆☆
|アバン度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Volle Kraft Null Acht|ヴォへ・クラフト・ヌル・アクツ
コンピレーションアルバム (2009年)
The Machinists of Joy|ザ・マシニスト・オブ・ジョイ
オリジナルアルバム – 8作目 (2013年)
V – Metal Machine Music|V(ファイヴ) メタル・マシーン・ミュージック
オリジナルアルバム – 9作目 (2015年)
Live im Schatten der Ringe|ライヴ・イン・シャッテン・ダー・リング
ライヴアルバム (2016年)
Vision 2020 Vision|ヴィジョン・2020・ヴィジョン
オリジナルアルバム – 10作目 (2019年)
Die Krupps / Vision 20 20 Vision