Contents
- 1グラムメタル時代とグランジ時代の隙間に覇権を握ったバッドボーイ・アクセル・ローズは典型的“売れてダメになる系”!?脱退したメンバーはそれぞれが我が道を行く!?
- 1...1GUNS N' ROSESの結成と命名!?
- 1...2GUNS N' ROSESの音楽性とジャンルは!?
- 1...3シーンの趨勢を一新して時代の寵児に!?
- 1...4オルタナティヴ界隈は批判的!?
- 1...5GUNS N' ROSESのバンド体制は!?
- 1.1GUNS N' ROSES|ガンズ・アンド・ローゼズ|DISCOGRAPHY|オリジナルアルバム
- 1.1.1Appetite for Destruction|アペタイト・フォー・ディストラクション
- 1.1.2Use Your Illusion I|ユーズ・ユア・イリュージョン I
- 1.1.3Use Your Illusion II|ユーズ・ユア・イリュージョン II
- 1.1.4Chinese Democracy|チャイニーズ・デモクラシー
- 1.2GUNS N' ROSES|ガンズ・アンド・ローゼズ|DISCOGRAPHY|オムニバス etc
- 1.2.1G N' R Lies|GN'Rライズ
- 1.2.2"The Spaghetti Incident?"|ザ・スパゲティ・インシデント?
- 1.3HOLLYWOOD ROSE |ハリウッド・ローズ|DISCOGRAPHY
- 1.3.1The Roots of Guns N' Roses|ルーツ・オブ・ガンズ・アンド・ローゼズ
- 2スラッシュ|DISCOGRAPHY
- 2.1SLASH'S SNAKEPIT|スラッシュズ・スネイクピット|DISCOGRAPHY
- 2.1.1It's Five O'Clock Somewhere|イッツ・ファイヴ・オクロック・サムホエア
- 2.1.2Ain't Life Grand|エイント・ライフ・グランド
- 2.2SLASH Solo|スラッシュ ソロ|DISCOGRAPHY
- 2.2.1Slash|スラッシュ オリジナル・スタジオ・フルアルバム - 1作目 (2010年)
- 2.3SLASH featuring MYLES KENNEDY and THE CONSPIRATORS|スラッシュ・フィーチャリング・マイルス・ケネディ・アンド・ザ・コンスピレーターズ|DISCOGRAPHY
- 2.3.1Apocalyptic Love|アポカリプティック・ラヴ
- 2.3.2World on Fire|ワールド・オン・ファイアー
- 2.3.3Living the Dream|リヴィング・ザ・ドリーム
- 2.3.44|4
- 2.4VELVET REVOLVER|ヴェルヴェット・リヴォルヴァー|DISCOGRAPHY
- 2.4.1Contraband|コントラバンド
- 2.4.2Libertad|リベルタド
- 3ダフ・マッケイガン|DUFF MCKAGAN|DISCOGRAPHY
- 3.1ダフ・マッケイガン ソロ作品|Duff "Rose" McKagan|DISCOGRAPHY
- 3.1.1Believe in Me|ビリーヴ・イン・ミー
- 3.1.2Tenderness|テンダネス
- 3.2THE FARTZ |ザ・ファーツ|DISCOGRAPHY
- 3.2.1Because This Fuckin' World|ビコーズ・ディス・ファッキン・ワールド
- 3.2.2World Full Of Hate|ワールド・フル・オブ・ヘイト
- 3.2.3You, We See You Crawling|ユー,ウィ・シック・ユー・クロウリング
- 3.2.4Because This Fuckin' World Still Stinks anthology|ビコーズ・ディス・ファッキン・ワールド・スティル・スティンクス・アンソロジー
- 3.310 MINUTE WARNING|テン・ミニッツ・ワーニング|DISCOGRAPHY
- 3.3.1Survival Of The Fittest|サヴァイヴァル・オブ・ザ・フィッテスト
- 3.3.210 Minute Warning|テン・ミニッツ・ワーニング
- 3.3.3This Could Be Heaven (The Lost 1984 Recordings)|ディス・クッド・ビー・ヘヴン(ザ・ロスト 1984・レコーディングス)
- 3.4NEUROTIC OUTSIDERS|ニューロティック・アウトサイダーズ|DISCOGRAPHY
- 3.4.1Neurotic Outsiders|ニューロティック・アウトサイダーズ
- 3.5(DUFF MCKAGAN's) LOADED|リローデッド|DISCOGRAPHY
- 3.5.1Episode 1999: Live|エピソード 1999:ライヴ
- 3.5.2Dark Days|ダーク・デイズ
- 3.5.3Sick|シック
- 3.5.4The Taking|ザ・テイキング
- 3.6WALKING PAPERS|ウォーキング・ペーパーズ|DISCOGRAPHY
- 3.6.1Walking Papers|ウォーキング・ペーパーズ
- 3.6.2WP2|WP2
- 3.6.3The Light Below|ザ・ライト・ビロウ
- 4イジー・ストラドリン|IZZY STRADLIN|DISCOGRAPHY
- 4.1IZZY STRADLIN and THE JU JU HOUNDS|アンド・ザ・ジュジュ・ハウンズ|DISCOGRAPHY
- 4.1.1Izzy Stradlin & the Ju Ju Hounds|イジー・ストラドリン・アンド・ザ・ジュジュ・ハウンズ
- 4.2イジー・ストラドリン ソロ|IZZY STRADLIN Solo|DISCOGRAPHY
- 4.2.1117°|117°
- 4.2.2Ride on|ライド・オン
- 4.2.3River|リヴァー
- 4.2.4On Down the Road|オン・ダウン・ザ・ロード
- 4.2.5Like a Dog|ライク・ア・ドッグ
- 4.2.6Miami|マイアミ
- 4.2.7Fire, the acoustic album|ファイア,ジ・アコースティック・アルバム
- 4.2.8Concrete|コンクリート
- 4.2.9Smoke|スモーク
- 4.2.10Wave of Heat|ウェイヴ・オブ・ハート
- 5ギルビー・クラーク|GILBY CLARKE|DISCOGRAPHY
- 5.1CANDY|キャンディ|DISCOGRAPHY
- 5.1.1Whatever Happened To Fun|ファットエバー・ハプンド・トウ・ファン
- 5.1.2Teenage Neon Jungle|ティーンエイジ・ネオン・ジャングル
- 5.2KILL FOR THRILLS|キル・フォー・スリルズ|DISCOGRAPHY
- 5.2.1Commercial Suicide|コマーシャル・スーサイド
- 5.2.2Dynamite From Nightmareland|ダイナマイト・フロム・ナイトメアランド
- 5.3ギルビー・クラーク ソロ|Gilby Clarke Solo|DISCOGRAPHY
- 5.3.1Pawnshop Guitars|ポーンショップ・ギターズ
- 5.3.2The Hangover|ハングオーバー
- 5.3.3Rubber|ラバー
- 5.3.4Swag|スワッグ
- 5.3.5The Gospel Truth|ゴスペル・トゥルース
- 5.4COL. PARKER |コル・パーカー|DISCOGRAPHY
- 5.4.1Rock N Roll Music|ロックン・ロール・ミュージック
- 5.5ROCK STAR SUPERNOVA|ロック・スター・スーパーノヴァ|DISCOGRAPHY
- 5.5.1Rock Star Supernova|ロック・スター・スーパーノヴァ
- 6スティーブン・アドラー|STEVEN ADLER|DISCOGRAPHY
- 6.1ADLER Z'NUFF|アドラー・ズナフ|DISCOGRAPHY
- 6.1.1Adler Z'Nuff|アドラー・ズナフ
- 6.2ADLER'S APPETITE |アドラーズ・アペタイト|DISCOGRAPHY
- 6.2.1Adler's Appetite|アドラーズ・アペタイト
- 6.2.2Alive|アライヴ
- 6.3ADLER|アドラー|DISCOGRAPHY
- 6.3.1Back from the Dead|バック・フロム・ザ・デッド
- 7マット・ソーラム|MATT SORUM|DISCOGRAPHY
- 7.1マット・ソーラム ソロ|MATT SORUM Solo|DISCOGRAPHY
- 7.1.1Hollywood Zen|ハリウッド・ゼン
- 7.1.2Stratosphere|ストラトスフィア
- 7.2Hawk|ホーク|DISCOGRAPHY
- 7.2.1Hawk|ホーク
- 7.3Y Kant Tori Read|Yカント・トリ・リード|DISCOGRAPHY
- 7.3.1Y Kant Tori Read|Yカント・トリ・リード
- 7.4JOHNNY CRASH|ジョニー・クラッシュ|DISCOGRAPHY
- 7.4.1Neighbourhood Threat|ネイバーフッド・スロート
- 7.4.2Unfinished Business|アンフィニッシュド・ビジネス
グラムメタル時代とグランジ時代の隙間に覇権を握ったバッドボーイ・アクセル・ローズは典型的“売れてダメになる系”!?脱退したメンバーはそれぞれが我が道を行く!?
GUNS N’ ROSES(ガンズ・アンド・ローゼス/ガンズ’ン’ローゼスとも)は、アメリカ合衆国はカリフォルニア州ロサンゼルスで、1985年に結成されたロック/ハードロック・バンド。
GUNS N’ ROSESの結成と命名!?
GUNS N’ ROSESは、〈HOLLYWOOD ROSE〉と〈L.A. GUNS〉という、交友関係にあったふたつのグループのメンバーによって結成されており、GUNS N’ ROSESの名もそれぞれのバンド名の一部を組み合わせたものです。
創設時のメンバーは、〈HOLLYWOOD ROSE〉から、アクセル・ローズ(Vo.)とイジー・ストラドリン(Gt.)が、〈L.A. GUNS〉からトレイシー・ガンズ(Gt.),ロブ・ガードナー(Dr.),オーレ・ベイチ(Ba.)という顔ぶれ。
しかし、トラブル・メイカーと呼ばれるアクセル・ローズとの確執から〈L.A. GUNS〉組の全員がバンドを離れたことでこの初期ラインナップは結成直後に空中分解。
バンドは新規メンバーを補充して、スラッシュ(Gt.),ダフ・マッケイガン(Ba.),スティーヴン・アドラー (Gt.)という黄金期のメンツがそろいます。
なお、トレイシー・ガンズは新たにメンバーをそろえて〈L.A. GUNS〉を再始動し、GUNS N’ ROSESに対抗していくことになります。
GUNS N’ ROSESの音楽性とジャンルは!?
GUNS N’ ROSESの基本スタイルは、〈ROLLING STONES〉から、それをアメリカンにローカライズした〈AEROSMITH〉へと連なる、ロックンロール,ブルースなどのルーツ・ミュージックをベースとしたハードロックに、元祖NYパンクの〈NEW YORK DOLLS〉からフィンランドの〈HANOI ROCKS〉へと連なる「グラムパンク」などの要素を加えたもの。
その音楽性は、一般には「ハードロック」にカテゴライズされています。
GUNS N’ ROSESは、グラムメタル・ムーヴメント終盤の爛熟期ともいえる時期に頭角を現しており、活動当初はビジュアル/音楽性共に完全なグラムメタルに属するものでした。
アルバムデビュー時にはブラックのデニム&レザーを基調とした、古典的な“バッドアス/バッドボーイ”スタイルへと移行しますが、グラマラスなビジュアル・テイストは維持されおり、その後も「グラムメタル」の一環とも見なされています。
音楽的にも、グラムメタルのポップネスとポピュラリティを最重視する手法は維持したまま、よりオーソドックスなロックンロール/ハードロックを展開。
これは「バッドボーイ・ロックンロール」などとも称され、明確なジャンルではないもののひとつのスタイルとして確立されました。
なお、後年には「インダストリアル・メタル」の影響を受けたエレクトロニックなアルバムもリリースしていますが、これにはローズを除く全盛期のラインナップは一切関与していません。
シーンの趨勢を一新して時代の寵児に!?
GUNS N’ ROSESの提示した次世代型「バッドボーイ・ロックンロール」は、グラムメタルを中心としたアメリカのメインストリームロックの新潮流となり、〈MÖTLEY CRÜE〉ら古参を含めたグラムメタル界隈のグループもこれに追従するなど、グラムメタル・シーンを一変させるほどの波及力を見せます。
また、その音楽性とビジュアルから、〈ROLLING STONES〉〈AEROSMITH〉に続く次世代の王道ロックバンドとも見られてもいました。
さらには、折からのルーツロックリヴァイヴァルも追い風となったことに加え、パンクやグラムパンクの影響を公言し、ハードコア・バンドの在籍していたメンバーがいたこともあって、ライトリスナーやパンクファンまでもを巻き込んだ幅広いファン層を獲得します。
なにより、一介のグラムメタルとして見過ごすことのできない商業的成功と、シーンにおける絶大な存在感と影響力をものにしたことで、メタル/ハードロックに否定的なメディアまでもが時代の寵児としてもてはやし、新たなロックアイコンと認められるまでになりました。
オルタナティヴ界隈は批判的!?
グラムメタル末期からシーンを席巻したGUNS N’ ROSESの全盛期は、グランジを中心とした「オルタナティヴ・ロック」の台頭時期とも重なっています。
そのため、個々のメンバーの中には「オルタナティヴ・ロック」シーンと交流があったり、両方のシーンにまたがって活動したケースも見られますが、GUNS N’ ROSESというバンド自体は、「オルタナティヴ・ロック」のシーンからは批判的に見られたり、そこまではゆかずとも、多くの場合はシーンもアティチュードも異なるものとして一定の距離を置かれがちでした。
代表的な例が、アクセル・ローズと〈NIRVANA〉のカート・コバーンとの対立です。
ローズは当初〈NIRVANA〉のファンでコバーンにもシンパシーを感じて接近しますが、コバーンはGUNS N’ ROSES=ローズを、旧来の悪しき商業主義のロックビジネスと幼稚な享楽主義に則った“産業パーティロック・スター”に過ぎない(大意)ことで批判。
その結果、ローズもコバーンを敵視して何かにつけて小競り合いを起こすようになっていました。
GUNS N’ ROSESのバンド体制は!?
GUNS N’ ROSESは、主にアクセル・ローズのトラブルメーカー的パーソナリティが原因で、初期の頃より度々メンバーが脱退しており、その後もメンバー同士の関係には根本的に不安定な部分が見られました。
人気絶頂期こそ比較的安定した状態が続いていましたが、キャリアのピークを完全に過ぎて活動が滞って以降は、メンバーが在籍を続けるモチベーションを失ったためか、1997年までの間にローズを除く全ての黄金期ラインナップがバンドを離れ、作品リリースも途切てしまいます。
それらの離脱メンバーは、バンド在籍時よりすでに自身のサイドプロジェクトを始動させており、脱退後もそれらを含む複数のグループやソロ・プロジェクトとして活動していました。
なお、脱退した黄金期ラインナップのうち、スラッシュとダフ・マッケイガンのみが2016年からバンドに復帰して在籍状態にあります(2023年現在)。
GUNS N’ ROSES|ガンズ・アンド・ローゼズ|DISCOGRAPHY|オリジナルアルバム
Appetite for Destruction|アペタイト・フォー・ディストラクション
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1987年)
GUNS N’ ROSESのデビュー作にして代表作である本作は、寡作で全4作(実質3作)と乏しいカタログ中でも、明確に他とは“格が違う”と表せざるを得ない傑出した1枚。
シーンを一変させるほどの存在感と影響力でバンドを時代の寵児に押し上げた、ロック史上でも無視することは不可能な名盤……と、各媒体から多数のリスナーまで認知されています。
ここで聴ける音楽性は、80年代グラムメタルのルーツである、元祖NYパンクの〈NEW YORK DOLLS〉からフィンランドの〈HANOI ROCKS〉にも連なる「グラムパンク」の伝統、そして〈ROLLING STONES〉から、それをアメリカン・ハードロックへとローカライズした〈AEROSMITH〉を経た流れを継ぎつつ、グラムメタルからも嘲笑されずに済む程度に美味しい部分を見つくろって頂戴し、それらを上手くブレンドしたようなもの。
看板曲については、比較するならば〈BON JOVI〉あたりを引き合いに出さざるを得ない、ポピュラリティ全振りのキャッチー&フッキーなシロモノです。
しかし、ちょいワルなストリート感覚と幅広いバックグラウンドを生かし、グラムメタルの主流からは微妙なズラしで距離を置いた、ロックのひとつの王道ともいえるバッド・ボーイ系アメリカン・ハードロックの次世代スタイルを完成させおり、これは、グラムメタル界隈へもフィードバックされます。
収録曲の中では、やはり代表曲の【T-01】,【T-06】,【T-09】が別格で、リアルタイムを生きた熱心な音楽ファンでなくても、1度は耳にしているであろう歴史的キラーチューン。
それ以外も、アップテンポなロックンロールを主体に、おおむね高水準な佳曲が並び、ボリュームも他の作品のような無駄は無しにシェイプされたことで、文字どおり粒ぞろいでスキの無いアルバムに仕上がっています。
バンドや音楽性に対する好き嫌いはあっても、本作の見事な出来栄えばかりは認めざるを得ないでしょう。
|ポップ度:★★★★★
|ルーツ度:★★★☆☆
|メロエモ度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
Use Your Illusion I|ユーズ・ユア・イリュージョン I
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (1991年)
同一タイトルの“パート1”と“パート2”として対になった、事実上ワンセット2枚組とすべきふたつのアルバムが、それぞれ独立した作品として個別に同日リリースされるという、かなり特殊なケースで世に出ることとなった作品の片割れ。
『I』『II』共に、基調となる作風は前作を踏襲されていますが、楽曲の多様性が大幅にアップしており、それに伴ってアルバムの収録曲数や収録時間もアップ。
全16曲で75分超という、CDのデータ容量をギリギリまで使い切った特大ボリュームで、今にして思えば、90年代音楽シーンに蔓延する物量戦略の火付け役ともいえるかもしれません。
ロックンロール色の濃いハードロックとメロウなバラードやパワーバラードという従来の主力スタイルに加え、カントリー調やフォーク調などのレイドバックしたルーツ色の強い曲、さらには、〈アリス・クーパー〉をフィーチャーした若干〈LED ZEPPELIN〉風味の【T-11】に加え、代表曲にも数えられる9分弱のバラード【T-10】や10分超の【T-16】といったある意味プログレ的ともいえる大仰な長尺曲……と、楽曲は多彩。
この大容量の連作は“楽曲の大蔵ざらい”的な面が強いとのことですが、ある意味では、前作以上に幅広いリスナーへのアピールが可能な、全方向的マーケティングといもえます。
楽曲はおおむね及第点越えではあるものの、代表曲と呼べるのがカバーの【T-03】と長尺パワーバラードの【T-10】のみとやや弱く、ほぼ全ての面において前作ほどのクオリティやインパクトには届かないため、ファンや簡単に踊る層以外への訴求力には欠けます。
それでも『II』と比較するならば、佳曲の【T-05】,【T-09】,【T-12】をはじめとした、ノリの良いアップテンポなハード・ロックンロールの割合がと多いため、それを主軸としていた『Appetite〜』派のリスナーでもそれなりに楽しめるでしょう。
|ポップ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★★★☆
|メロエモ度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Use Your Illusion II|ユーズ・ユア・イリュージョン II
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 3作目 (1991年)
別記のとおり『Use Your Illusion I(2nd)』と同時リリースとなった、それと対となる事実上の2枚組アルバムの片割れ。
『I』と比較すると、ルーツ・ミュージック…特にカントリー・テイストが強まったと同時に、アグレッシヴでアッパーなハードロック・ナンバーが更に減少。
また、収録時間は『I』とほぼ同じにも関わらず、全14曲と2曲減った上にラストはアウトロの小曲で、その分、9分台と8分台各1曲を含めて7分以上のナンバーが4曲と、長尺曲が倍増しており、前作でも見せたプログレ的な凝った曲調が目立ちます。
楽曲の多様性はやや増しているにもかかわらず、全体的な印象は良く言えば“聴くほどにほんのり滋味が滲み出すじっくり聴かせる落ち着いたアルバム”、悪く言うと“少々地味でぼんやりと掴みどころのないアルバム”に仕上がっていますが、『ターミネーター2』のテーマ曲として世界的な大ヒットとなった看板曲T-12の存在が要因かメロディ重視な作風が功を奏してか、セールス/チャート共に『I』を上回りました。
そのT-12と特例の〈ボブ・ディラン〉の名曲カバーT-04除くと、ロックとしてのダイナミクスを持ったアンセミックな名曲と呼び得るナンバーは皆無であり、水増し感も漂う薄味な仕上がりは『I』と同様ですが、それでもおおむね及第点は維持できている点も同様です。
4曲もの長尺曲もそれなりに聴きどころを持っており、特にドラマティックなT-01はかなりの力作で、好意的に見るなら“スルメ系”アルバムと評することも可能でしょう。
この賛否割れを招く物量志向は、曲は厳選すべきというレーベル/プロデューサーの意向を振り切って、手持ちのマテリアルを一掃放出したためとされますが、良し悪しはともかく、当時のGUNS N’ ROSESにそれを実行できるだけの勢いと力があったという事実はうかがい知ることが出来ます。
|ポップ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★★★☆
|メロエモ度:★★★★☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Chinese Democracy|チャイニーズ・デモクラシー
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 4作目 (2008年)
|ポップ度:★★☆☆☆
|ルーツ度:★☆☆☆☆
|メロエモ度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤 実験作
GUNS N’ ROSES|ガンズ・アンド・ローゼズ|DISCOGRAPHY|オムニバス etc
G N’ R Lies|GN’Rライズ
ミニアルバム:EP (1988年)
“The Spaghetti Incident?”|ザ・スパゲティ・インシデント?
コンピレーション・アルバム (1993年)
|アレンジ:★★★☆☆
|解 体 度:★☆☆☆☆
|パンク度:★★★☆☆
|意外性:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論
HOLLYWOOD ROSE |ハリウッド・ローズ|DISCOGRAPHY
アクセル・ローズとイジー・ストラドリンが中心メンバーとして在籍していたグラムメタル・バンドで、この〈HOLLYWOOD ROSE〉が〈L.A. GUNS〉と合流することで〈GUNS N’ ROSES〉の原型が出来上がります。
〈GUNS N’ ROSES〉に通じるロックンロールテイストを持ちつつも、楽曲の構成や音づくりも含めて基本的な音楽性は完全にオーソドックスなヘヴィメタル。
そのサウンドは、「N.W.O.B.M.」や〈JUDAS PRIEST〉〈MOTÖRHEAD〉ら、UKメタルのパイオニア勢の影響下にあり、ローズもロブ・ハルフォードばりの典型的メタル・スクリームを聴かせます。
ここでのストロング・スタイルのヘヴィメタル路線は、この時期のグラムメタルの中ではとりわけ異色なもので、その音楽性のみであればメタルの“王道”,“正統派”と扱われてもおかしくありません。
残された作品は5曲入りのデモテープのみでしたが、後にギルビー・クラークと〈CINDERELLA〉のドラマーだったフレッド・クーリーによるリミックス・バージョンを加えたものが、正式な作品としてリリースされています。
The Roots of Guns N’ Roses|ルーツ・オブ・ガンズ・アンド・ローゼズ
コンピレーション・アルバム (2004年)
|ポップ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★☆☆☆
|パンク度:★★★☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論
スラッシュ|DISCOGRAPHY
90年代のには、グランジ、グルーヴメタルなどの次世代グループにシーンを塗り替えられて過去の存在となってしまった〈GUNS N’ ROSES〉。
そのイニシアティヴを握るアクセル・ローズは、方向性を見失って創作活動に行き詰まったにも関わらず、メンバーのアイデアを否定するばかりで一向にビジョンが定まらない状態にありました。
ギタリストのスラッシュはそのアクセル・ローズ体制に業を煮やして、
〈GUNS N’ ROSES〉在籍時よりいちはやく自身のプロジェクト始動に動いていおり、その後もソロを主体にしつつも、いくつかのプロジェクトやコラボレーションにも携わっています。
SLASH’S SNAKEPIT|スラッシュズ・スネイクピット|DISCOGRAPHY
アクセル・ローズが方向性を見失って創作活動に行き詰まり、〈GUNS N’ ROSES〉としての新作リリースや活動の目処が立たない中、ローズとの確執から対立関係にあったスラッシュが独自に立ち上げたプロジェクト。
デビューアルバムの時点の楽曲については、スラッシュが〈GUNS N’ ROSES〉の新作に向けて提案するも採用されなかったマテリアルが流用されたといわれています。
SLASH’S SNAKEPIT名義では、現時点で2枚のアルバムがリリースされていますが、スラッシュ以外の参加メンバーはアルバムごとに異なっています。
1作目は、ブルース・テイストが濃くややダウンテンポ気味のサザンロック寄りのハードロックで、グランジやストーナーロックの影響が指摘されることもありました。
2作目では、同時代的なヘヴィサウンドながら、よりオーソドックスなアメリカン・ハードロックとなっています。
It’s Five O’Clock Somewhere|イッツ・ファイヴ・オクロック・サムホエア
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1995年)
|ポップ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★★☆☆
|メロエモ度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤
イッツ・ファイヴ・オクロック・サムホエア/CD/MVCG-169
Ain’t Life Grand|エイント・ライフ・グランド
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2000年)
SLASH Solo|スラッシュ ソロ|DISCOGRAPHY
本人名義でパーソナルなソロ・プロジェクトと見せかけて、その実は単発のコラボ企画モノであり、SLASHによるソロ・プロジェクトの中ではイレギュラーな存在。
ここでは、90年代の後半からメタル業界でも流行となって同様のアプローチが繰り返された、豪華ゲストを集結させて曲ごとに異なるミュージシャンとコラボレーションを行うというスタイルをとっています。
バンドの基本メンバーも存在してはいるものの、あくまでも豪華ゲストが目玉であることから、再結成〈JANE’S ADDICTION〉に在籍していたクリス・チェイニーをはじめ、セッション・ミュージシャンに近い顔ぶれがそろえられています。
Slash|スラッシュ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2010年)
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1995年)
参加ゲストで目を引くのは、やはりオジー・オズボーン〈BLACK SABBATH〉,レミー・キルミスター〈MOTÖRHEAD〉,イギー・ポップ,アリス・クーパーといったレジェンド級の面々。
それに次ぐのが、90年代に名を馳せたクリス・コーネル〈SOUNDGARDEN〉,デイヴ・グロール〈NIRVANA/FOO FIGHTER〉,ニック・オリヴェリ〈KYUSS〉に、メンバーの移動・共有も多く交友関係にもある〈THE CULT〉のイアン・アストベリーら。
さらには、ヒップホップ代表の〈CYPRESS HILL 〉とファーギー 〈BLACK EYED PEAS〉、メタルコアから〈AVENGED SEVENFOLD〉のM. シャドウズ、日本盤のみの稲葉浩志〈Bz〉など、各方面に色目を使った文字通り豪華な顔ぶれです。
|ポップ度:★★★☆☆
|ルーツ度:★★☆☆☆
|メロエモ度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 実験作
スラッシュ~デラックス・エディション/CD/UICE-9079
SLASH featuring MYLES KENNEDY and THE CONSPIRATORS|スラッシュ・フィーチャリング・マイルス・ケネディ・アンド・ザ・コンスピレーターズ|DISCOGRAPHY
スラッシュが以前より一目置いていた、ヴォーカリストのマイルス・ケネディと組んだユニット。
ケネディは、ポストグランジ系のグループ〈CREED〉が解散した折に、その楽器隊によって結成された〈ALTER BRIDGE〉のフロントに起用されたことで名を成し、一時は〈LED ZEPPELIN 〉への加入が噂されるなど、業界内で評価の高い人物。
ここでは、〈GUNS N’ ROSES〉やスラッシュ主体のプロジェクトよりも、ポストグランジのオーソドックスに近い音楽性を見せており、スラッシュ関連のプロジェクトの中では通算作品数は最多となっています。
Apocalyptic Love|アポカリプティック・ラヴ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2012年)
World on Fire|ワールド・オン・ファイアー
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2014年)
Living the Dream|リヴィング・ザ・ドリーム
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 3作目 (2018年)
4|4
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 4作目 (2022年)
VELVET REVOLVER|ヴェルヴェット・リヴォルヴァー|DISCOGRAPHY
スラッシュ,ダフ・マッケイガン,マット・ソーラムの元〈GUNS N’ ROSES〉組に、〈STONE TEMPLE PILOTS〉のスコット・ウェイランド(Vo.)と、古参ハードコア・バンド〈WASTED YOUTH〉をはじめセッション的な立ち位置を続けているデイブ・クシュナー(Gt.)が加わったグループ
アクセル・ローズに見切りをつけた黄金期のメンバーのうち、半数以上が在籍していたこともあって、事実上、“もうひとつの〈GUNS N’ ROSES〉”あるいは“〈シンGUNS N’ ROSES〉”と見做すことも可能なグループです。
基本的にはポップなハードロックですが、〈GUNS N’ ROSES〉関連バンドの中では特にルーツ・ミュージック色や80年代の匂いが希薄で、初期のグランジやオルタナティヴロックの要素が濃厚な音楽性は、曲によってはガレージ・テイストやサイケデリック・テイストも感じさせ、〈JANE’S ADDICTION〉などを彷彿させる部分もあります。
なお、2008年にウェイランドが〈STONE TEMPLE PILOTS〉再結成を目的に脱退したのを機に、バンドは活動を終えています。
Contraband|コントラバンド
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2004年)
Libertad|リベルタド
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2007年)
ダフ・マッケイガン|DUFF MCKAGAN|DISCOGRAPHY
ダフ・マッケイガンの〈GUNS N’ ROSES〉以外での活動は複数のグループにわたっていますが、本人名義のソロと、自身がイニシアチヴをとる〈LOADED〉がその中心となっています。
また、マッケイガンは〈GUNS N’ ROSES〉の始動以前には、シアトルのパンク/ハードコアのシーンで活動しており、ハードコアの老舗〈THE FARTZ〉やプロト・グランジ的な〈10 MINUTE WARNING〉など複数の伝説的グループにわたって活躍。
それらの作品のいくつかは後年再リリースされています。
それらマッケイガンのキャリアこそが、〈GUNS N’ ROSES〉が多方面で一目置かれる一因にもなっています。
ダフ・マッケイガン ソロ作品|Duff “Rose” McKagan|DISCOGRAPHY
ダフ・マッケイガンのソロ作品は、現時点で2023年中にリリース予定のアルバムを含めても全3作と多くはありません。
ルーツロック・ベースのアメリカン・ロック/ハードロックを、同時代的な音づくりで展開するようなスタイルが基本ですが、作品ごとに方向性は異なります。
1作目では、初期のグランジムーヴメントのなかで散見された、古典的アメリカン・ロック寄りのオールドスクールなスタイルに近いもので、〈GUNS N’ ROSES〉の『2nd&3rd』とグランジの中間とも言えます。
2作目は、カントリー/フォーク色が濃厚で、アコースティック寄りのサウンドの穏やかな曲調で占められ、ドリーミーなサイケ気味の曲も見られます。
Believe in Me|ビリーヴ・イン・ミー
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1993年)
Tenderness|テンダネス
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2019年)
THE FARTZ |ザ・ファーツ|DISCOGRAPHY
1981年に結成された、2年余りの短命に終わったシアトルのハードコアパンク・バンドで、ダフ・マッケイガンは1982年から1983年に活動を終えるまで在籍。
中途加入ながらも、マッケイガンが中心メンバーの位置にあった初めてのグループで、後にマッケイガンを中心に結成される〈10 MINUTE WARNING〉の前身となった存在でもあります。
パンキッシュなハードコアと呼び得るサウンドを展開して、シアトルではハードコアのパイオニアに位置づけられるのみならず、USハードコア・シーン全体においても古参のひとつと見做され、重要グループに数えられています。
〈DEAD KENNEDYS〉のジェロ・ビアフラが主催する、USオルタナティヴ/ハードコア界隈の曲者の巣窟レーベル「オルタナティブ・テンタクルズ」に在籍しており、その一点だけでも“只者で無さ”は伝わろうというもの。
後に再結成して1999年 ~ 2003年の間活動し、そのタイミングで既発曲の編集盤に加えて新作までもリリースされますが、その際にはマッケイガンは参加していません。
Because This Fuckin’ World|ビコーズ・ディス・ファッキン・ワールド
ミニアルバム:EP (1981年)
World Full Of Hate|ワールド・フル・オブ・ヘイト
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1982年)
You, We See You Crawling|ユー,ウィ・シック・ユー・クロウリング
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (1990年)
Because This Fuckin’ World Still Stinks anthology|ビコーズ・ディス・ファッキン・ワールド・スティル・スティンクス・アンソロジー
コンピレーション・アルバム 1998 年)
10 MINUTE WARNING|テン・ミニッツ・ワーニング|DISCOGRAPHY
ダフ・マッケイガンが在籍していた〈THE FARTZ〉を前身とするグループ。
同様にハードコアのジャンルに括られてはいるものの、ファストチューン主体のストレートなロックンロールの〈THE FARTZ〉とは異なり、70年代のハードロック,プログレッシヴ・ロック,サイケデリック・ロックなどからも影響を受けた、ダウンテンポな作風を特徴としています。
その音楽性や手法がグランジに直結することに加え、後のレジェンド的グランジ・バンド〈MOTHER LOVE BONE〉創設メンバーであるグレッグ・ギルモアが参加していたこと、グランジの代名詞的レーベル「サブ・ポップ」に在籍していたこともあって、〈BLACK FLAG〉らと共に後のグランジ・シーンにも影響を与えた“プロト・グランジ”の幻のバンドとして、その先進性と高いクオリティがその筋から評価されています。
Survival Of The Fittest|サヴァイヴァル・オブ・ザ・フィッテスト
ミニアルバム:EP (1982年)
10 Minute Warning|テン・ミニッツ・ワーニング
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1998年)
This Could Be Heaven (The Lost 1984 Recordings)|ディス・クッド・ビー・ヘヴン(ザ・ロスト 1984・レコーディングス)
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2021年)
NEUROTIC OUTSIDERS|ニューロティック・アウトサイダーズ|DISCOGRAPHY
〈GUNS N’ ROSES〉のダフ・マッケイガンとマット・ソーラムを中心とした、英国ルーツのミュージシャンによる仲間内のジャム・セッションの延長上とされるスーパー・プロジェクト。
〈GUNS N’ ROSES〉組2名のほかは、ビリー・アイドルとその盟友のスティーブ・スティーヴンスという構成でしたが、本格始動時には、〈SEX PISTOLS〉のスティーヴ・ジョーンズ(Gt.+Vo.)と、〈DURAN DURAN〉のジョン・テイラー(Ba.+Vo)と交代。
楽曲は、主にジョーンズが手掛け、リード・ヴォーカルはメンバー全員が交代で担当しています。
音楽性は、グランジやポップパンクの世界的ブームという直近の時代背景に影響された、同時代的なヘヴィネスを持つロックンロール色の強いハード・ポップ・ロック。
この時期には、先駆的なイギリスの〈THE WILDHARTS〉らをはじめとして、メジャー/マイナーを問わず各界においてポピュラーだったスタイルで、アメリカの元グラムメタル勢らの中にもこういったスタイルを次の一手に選ぶグループは珍しくありませんでした。
1995年から1997年までの短命なプロジェクトで、アルバムは1枚のみを残して終結しますが、後に何度かのリユニオンも行っています。
Neurotic Outsiders|ニューロティック・アウトサイダーズ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1996年)
(DUFF MCKAGAN’s) LOADED|リローデッド|DISCOGRAPHY
〈GUNS N’ ROSES〉を除くダフ・マッケイガンのキャリアの中心となる、本人主導のグループ。
他のメンバーは、パンク/ハードコア/オルタナティヴ界隈でのミュージシャンが中心ですが、ライヴ・アルバムでデビューした最初期とそれ以降では完全に入れ替わっています。
いずれにせよ、セッション・ミュージシャン的な立ち位置の顔ぶれが中心で、ビッグネームによるスーパーグループという形態ではありません。
音楽性については、最初期とそれ移行でやや変化が見られるものの、基本的には同時代的なヘヴィネスにアップデートされたモダンなハード・ロックンロールです。
Episode 1999: Live|エピソード 1999:ライヴ
ライヴ・アルバム (1999年)
Dark Days|ダーク・デイズ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2001年)
Sick|シック
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2009年)
The Taking|ザ・テイキング
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 3作目 (2011年)
WALKING PAPERS|ウォーキング・ペーパーズ|DISCOGRAPHY
“プロト・ストーナー”としても語られるカルト・グランジ・バンド〈SCREAMING TREES〉のバレット・マーティン(Dr.)と、〈THE MISSIONARY POSITION〉として活動していたジェフ・エンジェル(Vo.+Gt.)によって2012年に結成されたグループ。
ここでは、ダフ・マッケイガンがデビューアルバムにおけるサポートを務めた縁から、しばらくの間は正式メンバーとして在籍していました。
音楽的には、〈SCREAMING TREES〉のサイケデリック・テイストを持った脱力系グランジ、〈THE MISSIONARY POSITION〉のブルースやソウルの影響が強いアダルティなアメリカン・ロックという、両中心メンバーの本来所属グループの持つ要素が織り込まれたもの。
作風は曲によっては変化を見せ、両グループのほか〈QUEENS OF THE STONE AGE〉あたりに近い雰囲気や、〈MORPHIN〉などにも通じるアーバン&ラウンジ・テイストもあり、全体的に“夜”を感じさせる落ち着いた雰囲気が強めです。
Walking Papers|ウォーキング・ペーパーズ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2013年)
WP2|WP2
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2018年)
The Light Below|ザ・ライト・ビロウ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 3作目 (2021年)
Walking Papers / Light Below 輸入盤
イジー・ストラドリン|IZZY STRADLIN|DISCOGRAPHY
ギタリストのイジー・ストラドリンは、アクセル・ローズとは旧知の仲で〈GUNS N’ ROSES〉の前身となるバンドでも共に活動した盟友でしたが、解雇扱いのスティーブン・アドラーを除くと、最も早期に〈GUNS N’ ROSES〉の活動に見切りをつけています。
〈GUNS N’ ROSES〉脱退後は、自身のソロ・プロジェクトを中心とした活動を展開しており、本人名義のアルバムについてはメンバー随一の作品数を誇っています。
IZZY STRADLIN and THE JU JU HOUNDS|アンド・ザ・ジュジュ・ハウンズ|DISCOGRAPHY
イジー・ストラドリンが〈GUNS N’ ROSES〉脱退後に結成したソロ・プロジェクトで、
〈THE JU JU HOUNDS〉がバンド名ですが、マーケティングの事情か、表記上はストラドリンの名が加えられています。
他のメンバーは、〈THE GEORGIA SATELLITES〉のリック・リチャーズ(Gt.他)、後に〈BUCKCHERRY〉に加わるジミー・アシュハースト(Ba.他)、ラテンパンクの〈THE PLUGZ 〉や〈SOCIAL DISTORTION〉で活躍したチャーリー・キンタナ(Dr.他)。
メロコアやポップパンクにも近いパンキッシュでキャッチーなロックンロールを中心に、カントリー風味の曲などが加わる構成です。
Izzy Stradlin & the Ju Ju Hounds|イジー・ストラドリン・アンド・ザ・ジュジュ・ハウンズ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1992年)
イジー・ストラドリン ソロ|IZZY STRADLIN Solo|DISCOGRAPHY
音楽性は、基本的には他の〈GUNS N’ ROSES〉メンバーのソロ作品にも共通する、“ルーツロック色の強いアメリカン・ロック”という、これといって目立つ特徴のないスタイル。
何とか他の同胞との作風の差異を指摘するならば、やや強めのカントリー・テイストが持ち味とはいえるので、それをもって特徴とすることも無理すれば出来なくはないかしれない……という程度です。
ソロ作品は10作に及びますが音楽性に大きな変化は無く、そのいずれもがリラックスした雰囲気で、メインストリームにも対応可能なものではあるものの、どちらかというと道楽性の強い印象。
曲調は幅をもたせてあるので、ロック好きであればアルバム1枚に1曲程度はお気に入りが見つかるかもしれませんが、どちらかというと、多くのソロ作品と同様に熱心なご贔屓筋向けのファンアイテムと考えておいた方が良いでしょう。
なお、比較的早い時期にインターネットにリリース媒体を移行しており、音楽データ配信と音楽ファイルのダウンロード販売が主体となっています。
117°|117°
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1998年)
Ride on|ライド・オン
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (1999年)
River|リヴァー
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 3作目 (2001年)
On Down the Road|オン・ダウン・ザ・ロード
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 4作目 (2002年)
Like a Dog|ライク・ア・ドッグ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 5作目 (2003年)
Miami|マイアミ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 6作目 (2007年)
Fire, the acoustic album|ファイア,ジ・アコースティック・アルバム
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 7作目 (2007年)
Concrete|コンクリート
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 8作目 (2008年)
Smoke|スモーク
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 9作目 (2009年)
Wave of Heat|ウェイヴ・オブ・ハート
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 10作目 (2010年)
ギルビー・クラーク|GILBY CLARKE|DISCOGRAPHY
イジー・ストラドリンの後任となったギルビー・クラーク(Gt.)は、〈GUNS N’ ROSES〉メンバー/元メンバーの中でも特に多方面で活動を展開しており、ゲストやサポートも含め多くのグループへの参加やコラボレーションを幅広く行っています。
CANDY|キャンディ|DISCOGRAPHY
ギルビー・クラークが〈GUNS N’ ROSES〉へと加入する以前に在籍していたグループ。
音楽的には、グラムメタルともやや毛色を異にする、80年代型のメインストリーム・ポップロックといったところ。
メジャーな産業ニューウェイヴ勢からの影響が大きい、耳馴染みの良さと万人受けを重視したような、アグレッションやヘヴィネスはは希薄なスタイルで、往年のバンドブームの最中には日本にも少なからず存在したタイプとも言えます。
Whatever Happened To Fun|ファットエバー・ハプンド・トウ・ファン
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1985年)
Whatever Happened To Fun Candy
Teenage Neon Jungle|ティーンエイジ・ネオン・ジャングル
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2003年)
KILL FOR THRILLS|キル・フォー・スリルズ|DISCOGRAPHY
ギルビー・クラークが、〈GUNS N’ ROSES〉加入前にヴォーカル兼ギターとして在籍していたハードロック・バンド。
基本的には、1990年前後に大量発生したロックンロール色の強いハードロックで、〈GUNS N’ ROSES〉やそれ以前のグラムメタルとの共通要素も見られますが、それら80年代型アメリカン・ハードロックに加えて、より古典的なロックからパンクやニューウェイヴの要素までもを内包するスタイルです。
そのサウンドは、ポップでキャッチーな作風ながらある種の陰りと湿り気を漂わせ、英国バンドに特有ともいえる“煮えきれなさ”さえ感じさせるもので、むしろ米進出期の〈THE CULT〉や初期の〈ALMIGHTY〉に近いクロスオーバー・ハード・ロックンロールともいえるものです。
Commercial Suicide|コマーシャル・スーサイド
ミニアルバム:EP (1989年)
Dynamite From Nightmareland|ダイナマイト・フロム・ナイトメアランド
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1990年)
ギルビー・クラーク ソロ|Gilby Clarke Solo|DISCOGRAPHY
ギルビー・クラークのソロでの作風は、大雑把に言うとグランジ以降のモダンハードロックといったところ、〈GUNS N’ ROSES〉メンバーのソロ作品の中では最もアメリカンなルーツテイストの希薄なスタイルと言えるでしょう。
適度にヘヴィでハード、かつポップ&キャッチーな作風は、〈GUNS N’ ROSES〉や各メンバーのファン以外にもおススメしやすく、一般のメタル/ハードロックのリスナーにも先入観なしに手に取れる音楽性です。
Pawnshop Guitars|ポーンショップ・ギターズ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1994年)
The Hangover|ハングオーバー
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (1997年)
Rubber|ラバー
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 3作目 (1998年)
Swag|スワッグ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 4作目 (2001年)
The Gospel Truth|ゴスペル・トゥルース
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 5作目 (2021年)
COL. PARKER |コル・パーカー|DISCOGRAPHY
ギルビー・クラークに加え、〈STRAY CATS〉〈SLASH’S BLUES BALL〉〈L.A. GUNS〉などの参加経験ミュージシャンらによるグループで、アルバム1枚を残しています。
音楽性はブルース、カントリーなどのルーツミュージックの要素が濃いルーツ・ロック路線で、落ち着いたウェットでアダルティな作風が目立ちます。
Rock N Roll Music|ロックン・ロール・ミュージック
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2001年)
ROCK STAR SUPERNOVA|ロック・スター・スーパーノヴァ|DISCOGRAPHY
ギルビー・クラーク(Gt.)と〈MÖTLEY CRÜE〉のトミー・リー(Dr.)と元〈METALLICA〉のジェイソン・ニューステッド(Ba.)によるスーパー・グループ…というのは単なる設定。
実態はオーディション・リアリティショー番組『ロック スター』において、「優勝者がその特典でヴォーカリストとして参加できるバンド」という名目で集められたものです。
優勝者として起用されたルーカス・ロッシのバックバンドを一時的に務めるという、フィクション企画上の単なるお仕事ユニット以上のものではありません。
楽曲制作には、トミー・リーが半数程度に関わっているものの、プロデューサーのブッチ・ウォーカーにスコット・ハンフリーという裏方2名が中心。
その音楽性も、歌メロを重視したポストグランジ系のポップなハードロックという、この時代のメインストリーム産業ロックの典型的スタイルです。
Rock Star Supernova|ロック・スター・スーパーノヴァ
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2006年)
スティーブン・アドラー|STEVEN ADLER|DISCOGRAPHY
スティーブン・アドラーはスラッシュとが学生時代からの旧友であり、そこにダフ・マッケイガンらも加わって〈THE ROAD CREW〉なるグループを結成していたこともあります。
アクセル・ローズとの対立から脱退した〈LA GUNS〉組に代わって、スラッシュ,マッケイガンと共に〈GUNS N’ ROSES〉に加入して黄金期を支えますが、薬物中毒が深刻な状態となったことを理由にローズらに解雇されます。
その後、〈GUNS N’ ROSES〉解雇時の対応や契約・印税を巡る訴訟には勝利するも、私生活は問題がつきまとっていましたが、00年代以降は多少なりとも音楽活動を行うようになっており、いくつかのプロジェクトで作品もリリースしています。
ADLER Z’NUFF|アドラー・ズナフ|DISCOGRAPHY
その名のとおり、スティーブン・アドラーと〈ENUFF Z’NUFF〉のチップ・ズナフによるプロジェクトで、1枚のEPを残しています。
ドラム以外のパートはヴォーカルも含めてズナフが担当しており、スラッシュも1曲のみながらゲストとして色を添えています。
必然的にズナフのカラーが強めで、〈ENUFF Z’NUFF〉での特徴である〈THE BEATLES〉が引き合いに出される人懐っこいポップメロディを軸とした楽曲を、同時代的なヘヴィサウンドで展開するスタイルです。
Adler Z’Nuff|アドラー・ズナフ
ミニアルバム:EP (2010年)
ADLER’S APPETITE |アドラーズ・アペタイト|DISCOGRAPHY
そのネーミングどおり、〈GUNS N’ ROSES〉に近いハード・ロックンロール・サウンドを主体に展開するスティーブン・アドラーのソロ・プロジェクト。
現時点での作品は2枚のEPのみで、フルアルバムはリリースされていません。
Adler’s Appetite|アドラーズ・アペタイト
ミニアルバム:EP (2005年)
Alive|アライヴ
ミニアルバム:EP (2012年)
ADLER|アドラー|DISCOGRAPHY
〈GUNS N’ ROSES〉のサウンドからポップな部分を抽出したようなオーソドックスなハードロックを展開する、時系列的には最も新しいプロジェクト。
〈GUNS N’ ROSES〉と比較するとややルーツロック色が薄めで、耳馴染みの良いポップでキャッチーな作風から、ヘヴィな〈BON JOVI〉といった印象さえ与えるほどです。
Back from the Dead|バック・フロム・ザ・デッド
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2012年)
マット・ソーラム|MATT SORUM|DISCOGRAPHY
スティーブン・アドラーに代わってドラマーに迎えられたマット・ソーラムは、それ以前にもヘヴィメタルからニューウェイヴまでいくつかのグループで活躍しており、〈GUNS N’ ROSES〉への抜擢は、アメリカ進出した〈THE CULT〉在籍していた時期に見初められたのがキッカケでした。
それ以降は、〈SLASH’S SNAKEPIT〉〈NEUROTIC OUTSIDERS〉〈VELVET REVOLVER〉といった、アクセル・ローズ以外の〈GUNS N’ ROSES〉メンバーのプロジェクトに多く加わったほか、いくつかのバンドやプロジェクトにも関わっています。
基本的には、多数のグループのサポートや短期的なプロジェクトを渡り歩くという、“渡りの職人”的な活動スタイルのセッション・ミュージシャンに近い立ち位置で、自身のリーダーバンドなどは存在していませんが、ささやかながら2枚のソロアルバムも残しています。
マット・ソーラム ソロ|MATT SORUM Solo|DISCOGRAPHY
Hollywood Zen|ハリウッド・ゼン
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (2004年)
Stratosphere|ストラトスフィア
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2014年)
Hawk|ホーク|DISCOGRAPHY
グラムメタル全盛期の1984年から1986年までの間活動を行っていた、ロスアンゼルスのいわゆる“LAメタル・バンド”。
アルバム1枚を残して姿を消した一介のマイナーバンドですが、マット・ソーラムと〈RACER X〉を経て〈JUDAS PRIEST〉に加わるスコット・トラヴィスが在籍していたことで知られています。
時勢や土地柄を反映してビジュアルはいかにもなグラムメタル・ルックですが、音楽性は〈SCORPIONS〉にも通じる比較的オーソドックスなヘヴィメタルを展開していました。
Hawk|ホーク
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1986年)
Y Kant Tori Read|Yカント・トリ・リード|DISCOGRAPHY
後に女流シンガー・ソング・ライターとしてブレイクし、賞レースにも顔を見せるようになる〈トーリ・エイモス(アモス)〉が、80年代のマイナー時代に結成していた短期的なプロジェクト。
ソングライティングも含めてあくまでもエイモス主体で、多数のゲストミュージシャンが参加するプロジェクトでしたが、ここではマット・ソーラムは正式メンバーとして名を連ねていました。
音楽性は、80年代のニューウェイヴ・ポップ化したプログレにも通じる、ややヘヴィな音像を持った練り込まれたシンセポップといったところで、80年代後期のニューウェイヴ界隈では時折見られたスタイルですが、商業的には振るわずアルバム1枚のみを残して活動を終えます。
しかし、その唯一のアルバムが廃盤となった後にエイモスがブレイクしたことから、それがコレクターズ・アイテムとなって多数の海賊盤も出回るという、いわくつきのグループ/作品となりました。
Y Kant Tori Read|Yカント・トリ・リード
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1988年)
JOHNNY CRASH|ジョニー・クラッシュ|DISCOGRAPHY
JOHNNY CRASHは、マット・ソーラムと〈GUNS N’ ROSES〉にキーボーディストとして加入するディジー・リードが、1991年〜1992年の一時期間在籍していたグループ。
2人が参加したに『2ndアルバム』がリリースされる以前に解散となったため、アルバムはお蔵入りとなりますが、その音源は2008年になってあらためてリリースされています。
音楽性は、AC/DCなどの影響を受けたロックンロール・ベースのハードロック…とされていますが、端的に言えば、〈GUNS N’ ROSES〉のブレイク後に大量発生した「バッドボーイ・ロックンロール」で、同時期に頻出したそれら〈GUNS N’ ROSES〉フォロアーの主流といったサウンドを展開しています。
Neighbourhood Threat|ネイバーフッド・スロート
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 1作目 (1990年)
Unfinished Business|アンフィニッシュド・ビジネス
オリジナル・スタジオ・フルアルバム – 2作目 (2008年)