Contents
- 1アンチ・産業メタルの急先鋒とされたグランジの象徴的グループが、皮肉にもグランジ・バブルの波に飲まれて、メインストリーム最前線のセレブバンドに祭り上げられた結末は…。
- 1...1パワートリオを貫いたNIRVANA!?
- 1...2NIRVANAが属するジャンル『グランジ』とは!?
- 1...3NIRVANAは『グランジBIG4』の一角!?
- 1...4NIRVANAの音楽性の変遷は!?
- 1...5望まぬメジャー化がプレッシャー!?
- 1...680年代ヘヴィメタルへのヘイト発言
- 1...7全てのヘヴィメタルにアンチではない!?
- 1...8NIRVANA解散後の動きは!?
- 1.1NIRVANA|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Bleach|ブリーチ
- 1.1.2Nevermind|ネヴァーマインド
- 1.1.3In Utero|イン・ユーテロ
- 1.1.4MTV Unplugged in New York|MTV アンプラグド・イン・ニューヨーク
- 1.1.5From the Muddy Banks of the Wishkah|フロム・ザ・マディ・バンクス・オブ・ウィシュカー
- 1.1.6Hormoaning|ホルモウニング
- 1.1.7Incesticide|インセスティサイド
- 2デイヴ・グロール、クリス・ノヴォセリック、コベインの死とNIRVANA解散の後の、残されたメンバーの活動の経緯は!?
- 2.1FOO FIGHTERS |フー・ファイターズ|DISCOGRAPHY
- 2.1.1Foo Fighters|フー・ファイターズ
- 2.1.2The Colour and the Shape|ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ
- 2.1.3There is Nothing Left to Lose|ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ
- 2.1.4One by One|ワン・バイ・ワン
- 2.1.5In Your Honor|イン・ユア・オナー
- 2.1.6Echoes, Silence, Patience & Grace|エコーズ, サイレンス, ペイシェンス・アンド・グレイス
- 2.1.7Wasting Light|ウェイスティング・ライト
- 2.1.8Sonic Highways|ソニック・ハイウェイズ
- 2.1.9Concrete and Gold|コンクリート・アンド・ゴールド
- 2.2PROBOT|プロボット|DISCOGRAPHY
- 2.2.1Probot|プロボット
- 2.1SWEET 75|スウィート75|DISCOGRAPHY
- 2.1.1Sweet 75|スウィート75
- 2.2EYES ADRIFT|アイズ・アドリフト|DISCOGRAPHY
- 2.2.1Eyes Adrift|アイズ・アドリフト
- 2.3GIANTS IN THE TREES|ジャイアント・イン・ザ・トゥリーズ|DISCOGRAPHY
- 2.3.1Giants in the Trees|ジャイアント・イン・ザ・トゥリーズ
- 2.3.2Volume 2|ヴォリューム・トゥー
- 2.43rd SECRET|サード・シークレット|DISCOGRAPHY
- 2.4.13rd Secret|サード・シークレット
- 2.4.22nd 3rd Secret|セカンド・サード・シークレット
- FOO FIGHTERS |フー・ファイターズ|DISCOGRAPHY
- Foo Fighters|フー・ファイターズ
- The Colour and the Shape|ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ
- There is Nothing Left to Lose|ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ
- One by One|ワン・バイ・ワン
- In Your Honor|イン・ユア・オナー
- Echoes, Silence, Patience & Grace|エコーズ, サイレンス, ペイシェンス・アンド・グレイス
- Wasting Light|ウェイスティング・ライト
- Sonic Highways|ソニック・ハイウェイズ
- Concrete and Gold|コンクリート・アンド・ゴールド
- PROBOT|プロボット|DISCOGRAPHY
- SWEET 75|スウィート75|DISCOGRAPHY
- EYES ADRIFT|アイズ・アドリフト|DISCOGRAPHY
- GIANTS IN THE TREES|ジャイアント・イン・ザ・トゥリーズ|DISCOGRAPHY
- 3rd SECRET|サード・シークレット|DISCOGRAPHY
- 共有:
アンチ・産業メタルの急先鋒とされたグランジの象徴的グループが、皮肉にもグランジ・バブルの波に飲まれて、メインストリーム最前線のセレブバンドに祭り上げられた結末は…。
NIRVANA(ニルヴァーナ)は、アメリカ合衆国ワシントン州出身のオルタナティヴ・ロック/グランジ・バンド。
パワートリオを貫いたNIRVANA!?
NIRVANAはパワートリオ(3ピース)体制のグループで、最終メンバーはフロントマンで中心人物のカート・コベイン(Vo.+Gt.)を中心に、初期メンバーのクリス・ノヴォセリック(Ba.)、デイヴ・グロール(Dr.)という面々でした。
ドラム担当は流動的でしたが、グロールが加入したブレイク作の2ndアルバムから活動終了までの間は、上記のメンバーで固定されていました。
NIRVANAが属するジャンル『グランジ』とは!?
いわゆる“グランジ”は、簡単に言うと、ハードコア世代の米国アンダーグラウンド・シーンから生まれた、70年代ハードロック/ヘヴィロックのリバイバル的な側面の大きいジャンル。
スタイルはバンドによって千差万別ですが、テクノロジーでつくり込み過ぎないラフ&ロウなハードロック/ヘヴィロック・サウンドと、陰鬱,内省的な世界観の歌詞や作風…といったあたりが一般的なイメージとして定着しています。
本来は、様々なスタイルが共存して80年代から続いていた、アメリカン・オルタナティヴ・ロックのシーンにおいて、その中のいちサブジャンルに過ぎなかったこの“グランジ”が、90年代初頭に大ブレイク。
世界的なムーヴメントへと発展したことで、他のオルタナティヴ(非主流)のビッグネーム勢ともに、名実ともにメインストリーム(主流)へと活動の場を移します。
NIRVANAは『グランジBIG4』の一角!?
NIRVANAは、“グランジ”のシーンを代表するグループのひとつあり、その出世頭として覇権を握ったことでフラッグシップ的な立ち位置に置かれ、ロック・アイコンとして時代の顔と見なされるところにまでに登りつめました。
グランジシーンの中でも、ALICE IN CHAINS(アリス・イン・チェインズ), PEARL JAM(パール・ジャム), SOUNDGARDEN(サウンドガーデン)が、NIRVANAに並ぶビッグネームとしてメインストリームでメジャー展開をおこなっており、一部では、これらを称してグランジBIG4(四天王)と呼ばれることもあります。
NIRVANAの音楽性の変遷は!?
初期のNIRVANAは、デビュー以前から交友関係にあるMELVINS(メルヴィンズ)らの影響下にあるようなノイジーでドゥーミィなヘヴィロック・サウンドを展開していました。
しかし、2ndアルバムで大々的に展開した、キャッチーなフックが満載のパンキッシュなハードロックが世界的にブレイク、一躍時代の寵児として祭り上げられます。
続いて、あえてアンダーグラウンドな音づくりに変更した、内省的な作風の3rdアルバムをリリースしますが、その翌年1994年のコベインの自死によってバンド解散を余儀なくされます。
望まぬメジャー化がプレッシャー!?
自死の原因は不明ですが、望んでいなかったメジャーでの活動や、かつて公に批判していたアーティストと同じセレブの地位に押し上げられたことなどがストレスとなり、メンタルを病んでいたことも一因とも言われています。
いずれにせよ、ヴォーカリストの自死という事件が世界的な大きなトピックとなった結果、その知名度はロック・ファンのコミュニティーの枠を超えて、一般層にまでも大きく広がるまでになりました。
80年代ヘヴィメタルへのヘイト発言
“グランジ”を含むオルタナティヴ・ロックは、本来が、商業主義優先の傾向が著しいロックのメインストリーム…産業ロックやポップメタルへのカウンターの立ち位置でした。(同じでも80年代スラッシュメタルやデスメタルはオルタナティヴ側)
そのため、その多くは商業主義の象徴だったGUNS N’ ROSES(ガンズ・アンド・ローゼズ)やMÖTLEY CRÜE(モトリー・クルー)といった、ヘアメタル/グラムメタル/パーティロックのグループにしても否定的でした。
中でもコベインは特にその傾向が強く、批判的な言動を繰り返していたことから、同様の発言が目立つFAITH NO MORE(フェイス・ノー・モア)らとともに、“アンチ・ヘヴィメタル/ハードロック”の急先鋒ともみなされて、メタルファンの心証を悪くした面もあります。
全てのヘヴィメタルにアンチではない!?
ヘヴィメタルへのアンチ発言が切り取られがちなNIRVANAですが、それは、あくまでもマーケティングと商業的成功を最重視した、バブリーな80年代グラムメタル/ポップメタルの主流勢が対象。
それ以前の、BLACK SABBATH, LED ZEPPELIN, AC/DCなどのハードロック・バンドについては、自分たちのルーツとしてリスペクトを表し、フェイヴァリット・バンドにも挙げてもいます。
デイヴ・グロールに至っては、解散後にはヘヴィメタル・フィールドにも大接近しており、様々なヘヴィメタルのトップ・アーティストとも、積極的なコラボレーションを行っています。
NIRVANA解散後の動きは!?
コベインの死後バンドは活動を終え、残されたメンバーはそれぞれのの活動へと移行します。
デイヴ・グロールは、FOO FIGHTERS(フー・ファイターズ)を結成して再ブレイクし、よりポピュラリティ重視のアリーナロックを展開。
メインストリームのトップグループとして活動を続けているほか、様々なアーティストとのコラボレーションも積極的に行っています。
クリス・ノヴォセリックは、女性シンガーとのユニットSWEET 75を結成しますが、アルバム1枚を残して活動を終え、それ以降は第一線からは退いています。
NIRVANA|DISCOGRAPHY
Bleach|ブリーチ
オリジナルアルバム – 1作目 (1989年)
USオルタナティヴロックの名門レーベル、『サブポップ(SUB POP)』からリリースされたデビュー作。
まだデイヴ・グロールは加入前で、ここでは前任のチャド・チャニングがドラムスを担当しています。
BLACK SABBATHなどの70年代ヘヴィサウンドや、それをデフォルメしたBLACK FLUG(ブラック・フラッグ)やMELVINS(メルヴィンズ)からの影響が特徴的な音楽性は、ドゥーム/スラッジにも通じるヘヴィロックであり、ヘヴィメタル/ハードロックのエッセンスが濃厚。
そのサウンド自体に新奇性はないとはいえ、BLACK FLUGやMELVINSには感じられない特異なポップセンスは、やはり彼ら固有の個性と言わざるをえないものであり、結果的に、それがNIRVANAをブレイクへと導くことにもなります。
次作と比較すると、いかにも80年代USオルタナ的な作風は、アングラ感が濃密で、サウンドもジャンクでノイジーなものですが、初期衝動をお題目にただ楽器をかき鳴らしているだけのバンドとは、すでに完全に異なるステージにあると言っていいでしょう。
同じ聴き手を選ぶ作風でも、放っておいてもファンが意味付けをしてくれる『In Utero(3rd)』と異なり、あまり顧みられることのない傾向にあり、今の視点で見れば3rd以上に再評価されてしかるべきアルバムです。
ダウナー度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★★★|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 通好み スルメ盤
ブリーチ:デラックス・エディション/CD/OTCD-9001
Nevermind|ネヴァーマインド
オリジナルアルバム – 2作目 (1991年)
ハードコアを通過したグランジ世代ならではの、パンキッシュな荒々しさを持ったハードロックに、メインストリームでも通用するポップネスと、陰鬱なエモーショナルを巧みに融合させたサウンド。
新世代ハードロックたる90年代グランジ名盤群の中でも、本作はアングラ感とメジャー感が絶妙なバランスで同居しており、ポップセンスという意味でも特に群を抜いたものです。
ベクトルこそ違えど、そのフック満載の楽曲は彼らが嫌悪する80年代商業主義の象徴、グラムメタル/ヘアメタルに匹敵するものだったというアンビバレントな事態も、コベインにとっては大きなジレンマだったのかもしれません。
グランジBIG4の作品としては、ALICE IN CHAINSの“Dart”、PEARL JAMの“Vs.”、 SOUNDGARDENの“Superunknown”と並んで90年代を象徴するアルバムで、これらは、そのいずれもが“超”をつけるだけでは足りない規格外の名盤ですが、大ヒットの枠を超えて社会現象にまで発展したのは本作のみ。
今でこそ、グランジ界隈で唯一生き残ったPEARL JAM系が幅を利かせ、そのクローンが跋扈する状況ですが、当時はこのアルバムに影響を受けたアルバムの量産が続けられていました。
かのパロディ音楽の大家アル・ヤンコビックも、ジャケットごと大ネタとして取り上げたほか、パロディ・ジャケットも多数登場。
それだけでも、ケタ違いの波及力がうかがい知れようというものです。
なまじ知名度と評価がバカ高いだけに期待値も高まり、その反動で「過大評価」と断ずる向きも目立ちますが、何はともあれ、ハード/ヘヴィなサウンドを嗜好する…ましてや(ポスト)グランジ好きを自認するリスナーにとっては、もはや基礎教養の域に来ています。
ダウナー度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作
In Utero|イン・ユーテロ
オリジナルアルバム – 3作目 (1993年)
アンチ・メインストリームな姿勢から、前作で最大限まで発揮されたポップネスや、1stのドゥーム/スラッジ的ヘヴィネスといった、NIRVANA本来の持ち味であるキャッチーな要素を、意識して極力抑えたようなる鬱屈を感じられるアルバム。
しかし、確かに鬱々とした自虐的な作風ではあるとはいえ、楽曲は十分にキャッチーな仕上がりで、コベインが消そうとしても消せない本質とも言えるポップネスやヘヴィネスは、確実にアルバム全体を支配しています。
コベインが抱える“ポップの業”がじわじわと侵食してきて、アンビバレントな感覚を誘う、なんとも因果な作品です。
評価については、前作の予想外の大ヒットに対する反発としての、アンチ・コマーシャリズムやコベインの内省性など、作家的な色合いが強く出たメジャー性の低い作風から、賛否二極化の傾向があります。
コベインの死までを作品の一環としてそのこだわりと作家性、アングラなインディーズ感覚を評価する熱心なファンや、ヒットし過ぎた前作に反発を感じるリスナーなどからは特に人気の高い作品です。
もっとも、もしこの後も活動/リリースが続いていたなら、コベイン鬱時のセラピー作品として、“よく言えば通好みなアルバム”程度の位置に落ち着いたかもしれません。
何より本作最大のトピックは、スティーヴ・アルビニ(Steve Albini)をプロデューサーに起用して、世に知らしめたことでしょう。
アルビニは、米国のPIXIES, HELMET, THE JESUS LIZARD, SLINTをはじめ、スウェーデンのUNION CARBIDE PRODUCTIONSや日本のZENI GEVAまで、様々なオルタナティヴ系バンドのプロデュース、エンジニアリングを手がけ、本人もBIG BLACK, RAPEMAN, SHELLACとして活動する人物。
本作への起用によって一気に知名度が拡大し、カリスマ・プロデューサーとしても活動の幅を広げてゆくことになります。
ダウナー度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★
代表作 賛否両論 スルメ盤
Nirvana ニルバーナ / In Utero 2013 Mix
MTV Unplugged in New York|MTV アンプラグド・イン・ニューヨーク
ライヴアルバム (1994年)
音楽専門ケーブテレビの代表格MTVの名物として人気を博していた、様々なアーティストがアコースティックアレンジで送るライヴ番組企画、『MTVアンプラグド』の音源を商品化したシリーズのひとつ。
From the Muddy Banks of the Wishkah|フロム・ザ・マディ・バンクス・オブ・ウィシュカー
ライヴアルバム (1996年)
Hormoaning|ホルモウニング
コンピレーションアルバム (1992年)
当初は日本とオーストラリアのみのリリースで、早くに廃盤になっていたためプレミアが付いていたタイトル。6曲20分足らずのミニアルバムながら一時期は5桁の値もついていましたが、再発されたこともあって相場はかなり落ち着いています。
Incesticide|インセスティサイド
コンピレーションアルバム (1992年)
主にインディーズ時代のシングルやB面曲, 未発表曲やカバー曲などを集めた企画盤。
デイヴ・グロール、クリス・ノヴォセリック、コベインの死とNIRVANA解散の後の、残されたメンバーの活動の経緯は!?
FOO FIGHTERS |フー・ファイターズ|DISCOGRAPHY
FOO FIGHTERSは、NIRVANAの2作目からドラムスとして加入した、デイヴ・グロールが解散後に結成したグループ。
ここでは、グロール自身がギター&ヴォーカル担当でフロントマンを務め、現在に至るまで、パーマントなバンドとして活動を続けています。
アングラ感漂うNIRVANAからは一転して、持ち前の職人的ポップセンスを発揮して、よりメインストリーム志向のオーソドックスな明朗なハードロック/ポップロックを追求。
デビュー以来好評を博して、再びUSロックのトップ・グループにとしてセレブバンドの位置に登りつめたほか、世界的な人気も獲得しています。
また、グロールは、その社交的な職人肌というパーソナリティを活かして、様々なプロジェクトやゲスト/サポートでの客演も行っています。
NIRVANA解散後は、メタルフリークぶりも前面に押し出すようになり、自身のメタル・プロジェクトPROBOT(プロボット)で多数のヘヴィメタルのトップ・アーティストと共演したほか、メタル系のバンドやプロジェクトに積極的に参加しています。
Foo Fighters|フー・ファイターズ
オリジナルアルバム – 1作目 (1995年)
端々でNIRVANAの“Nevermind(2nd)”を想起させる、グランジ風味のポップなハードロックと、よりオーソドックスなアメリカンロック/ハードポップの折衷的な作風。
NIRVANAの残党として期待される音楽性に答えつつもその枠を超え、さらなるポピュラリティを推し進めたアルバムとして、より幅広い層に支持されました。
FOO FIGHTERS作品の中では、最もグランジ・テイストを色濃く残したアルバムですが、その作風もここまでで。
これ以降はヒット・アンセムでもあるT-01などで見せる、ハードポップ/パワーポップがアルバムの大きな核となっていきます。
ポップ志向&職人気質のグロールらしい、耳なじみのよい楽曲が多くを占める、ソツのないバランスの良いポップロック・アルバムですが、アグレッションに欠ける面とあまりの無難すぎる仕上がなため、その破綻のなさが物足りなさへとつながる一面もあります
ポップネス:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 スルメ盤
Foo Fighters フーファイターズ / Foo Fighters
The Colour and the Shape|ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ
オリジナルアルバム – 2作目 (1997年)
グランジ・テイストはかなり払拭され、グランジ世代のアメリカンロック…例えばTHIRD EYE BLINDなどを想起させる、“さわやかまろやか系”パワーポップ/ハードポップの比率が大きくなりました。
バラード・ナンバーも含め、このような大衆受けするポップネスが強化された一方で、FOO FIGHTERSのもうひとつの看板となったメロコア風ハード・ロックンロールから、ジャンクロック/ノイズロック的な質感をもったナンバーまでと、楽曲バリエーションはかなり豊富で、さながら、アメリカ版THE WILDHEARTSといった趣も感じさせます。
結果的に、本作は少なくないNIRVANAファンから完全に見切りをつけられつつも、FOO FIGHTERS史上の最大ヒットアルバムとして、彼らをメインストリームなセレブバンドの地位に押し上げることになりました。
なお、T-02「Monkey Wrench」やT-11「Everlong」は世界的なビッグヒットとなり、日本でもテレビのCMソングやテーマソングに起用され、おなじみの曲として知られるようになります。
ポップネス:★★★★★|ヘヴィネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論
There is Nothing Left to Lose|ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ
オリジナルアルバム – 3作目 (1999年)
前作のヒットを受けて、よりポップ志向の作風となっており、これまでのヘヴィ&ハード・ロッキンなテイストは限りなく薄まり、NIRVANAの面影はほぼ払拭されています。
曲によってはたまにダーティなヴォーカルも聴かせますが、メロウなナンバーやバラッドが幅を利かせており、リスナー層はさらなる広がりを見せました。
ロック的なダイナミズムやカタルシスは希薄とはいえ、耳なじみがよく曲数が少ないこともあって、ハード/ヘヴィ志向のリスナーであっても比較的スムーズに聴き通すことはできます。
代表曲のT-03「Learn to Fly」は、前作に続いて日本でもCMソングに起用されてヒットしました。
ポップネス:★★★★★|ヘヴィネス:★☆☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤 賛否両論
One by One|ワン・バイ・ワン
オリジナルアルバム – 4作目 (2002年)
ヘヴィなナンバーが大幅に増えており、前作と比較するとかなり骨太な印象を与えるアルバムで、ハード&ヘヴィ志向のロックファンも納得の仕上がりとなりました。
ソフトでメロウなナンバーも健在ですが、ヒット狙いの俗っぽさが薄れて、品が良くなったような印象を感じさせます。
曲調も再び幅広く多彩なものとなっており、ダレて飽きるようなことはありませんが、中盤までは佳曲ぞろいでスキのない充実ぶりを見せる反面、後半はやや息切れ気味でインパクトが弱めです
ポップネス:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論
Foo Fighters フーファイターズ / One By One
In Your Honor|イン・ユア・オナー
オリジナルアルバム – 5作目 (2005年)
2枚組。ジョン・ポール・ジョーンズ(ex:レッド・ツェッペリン)やノラ・ジョーンズがゲスト参加。
Foo Fighters フーファイターズ / In Your Honor
Echoes, Silence, Patience & Grace|エコーズ, サイレンス, ペイシェンス・アンド・グレイス
オリジナルアルバム – 6作目 (2007年)
Wasting Light|ウェイスティング・ライト
オリジナルアルバム – 7作目 (2011年)
Foo Fighters フーファイターズ / Wasting Light
Sonic Highways|ソニック・ハイウェイズ
オリジナルアルバム – 8作目 (2014年)
Concrete and Gold|コンクリート・アンド・ゴールド
オリジナルアルバム – 9作目 (2017年)
PROBOT|プロボット|DISCOGRAPHY
グロールがヘヴィ/ハードシーンのカルト的フロントマンを集めてのコラボで、曲ごとに異なるヴォーカリストと共演するというよくあるパターンです。
曲作りと演奏はほぼグロール一人の手によるもので、共作ではありませんが、ヴォーカリストごとにいくらか本来のバンドを意識した作風となっています。
メンツは米国のドゥーム/ストーナー系が多く、楽曲もそれに合わせてドゥーム風のヘヴィロックが中心となっていますが、サウンドはVOIVODを思わせるややマシーナリーな質感となっています。
おそらくる聴き手よりもグロール本人が一番楽しんでいることは伝わってきますが、「ミスター無難」と呼ばれるグロールだけあって、いつも通りソツのないそこそこの仕上がり。
曲は悪くなないですが突出したものは無く、本人か無名の若手が歌ったらそれほど注目を集めなかったであろう程度です。
あくまでお祭り的な企画盤と割り切って期待せずに聴くくことをおススメします。
Probot|プロボット
オリジナルアルバム – 1作目 (2004年)
T-01.:クロノス (Venom)
T-02.:マックス・カヴァレラ (Sepultura, Soulfly)
T-03.:レミー (Motörhead)
T-04.:マイク・ディーン (Corrosion of Conformity)
T-05.:カート・ブレヒト (Dirty Rotten Imbeciles)
T-06.:リー・ドリアン (Cathedral) , キム・セイル (Soundgarden)
T-07.:ウィノ (Saint Vitus, The Obsessed)
T-08.:トム・G・ウォリアー (Celtic Frost)
T-09.:スネーク (Voivod)
T-10.:エリック・ワグナー (Trouble)
T-11.:キング・ダイアモンド (King Diamond, Mercyful Fate), キム・セイル (Soundgarden)
T-12.:ジャック・ブラック (Tenacious D)
ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤 賛否両論
SWEET 75|スウィート75|DISCOGRAPHY
NIRVANAのオリジナル・メンバーでベーシストの、クリス・ノヴォセリック(Krist Novoselic)と、ベネズエラ出身の女性ヴォーカリスト、イヴァ・ラス・ヴェガスによるユニット。
オーソドックスなアメリカンロックに近いポピュラリティーを持った、デイヴ・グロールのFOO FIGHTERSとは対照的に、NIRVANAと同時代のオルタナティヴ・ロック・テイストを強く感じさせるスタイルです。
Sweet 75|スウィート75
オリジナルアルバム (1997年)
ポップな作風という意味ではFOO FIGHTERSと共通しているものの、FOO FIGHTERSが追求している、メインストリームのベタな産業ロック的なポップロックではなく、もっとアーバンでスタイリッシュな雰囲気をまとった、通好みな“大人のロック”的な作風が特徴的です。
収録曲は少なく、ヴォリューム的にはミニアルバム相当ですが、ヘヴィなグランジ・ナンバーやダークなヘヴィロック・ナンバーもあれば、変則的なロックンロールやジャンクなノイジーポップ、ラテン・テイストやラウンジ・テイストを感じさせる曲まで、バリエーションは豊かで飽きさせません。
ラウンジ度:★★★☆☆|アダルト度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
EYES ADRIFT|アイズ・アドリフト|DISCOGRAPHY
クリス・ノヴォセリックが、〈MEAT PUPPETS〉のカート・カークウッド、〈SUBLIME〉のバド・ゴーグと結成したグループ。
2002年〜2003年のわずか1年の活動の間に、アルバム1枚を残して解散を迎えています。
バンドはパワートリオ(3ピース編成)で、他のメンバーは
音楽性は、オスタナティヴロックにカントリーやフォークを取り入れたスタイルで、グランジ寄りのヘヴィな曲からアコースティックな曲、サイケデリックなナンバーまで様々ですが、作風は比較的ポップなものが中心となっています。
Eyes Adrift|アイズ・アドリフト
オリジナルアルバム (1997年)
GIANTS IN THE TREES|ジャイアント・イン・ザ・トゥリーズ|DISCOGRAPHY
クリス・ノヴォセリックが、2017年に新たに結成したグループ。
メイン・ヴォーカリストのジリアン・レイとジェニファー・ジョンソンの、ふたりの女性ヴォーカリストをフィーチャーして、コーラスワークも多用しています。
音楽性は、以前のEYES ADRIFT以来のノヴォセリックのスタイルにもなっている、カントリー,フォーク,トラッドなどを取り入れた、ポップなオルタナティヴ・ロック。
ただし、それらのルーツ・ミュージック・テイストはより濃厚にミックスされたものとなっており、またジリアン・レイのヴォーカルを生かした、ドリーミィなストレンジテイストも増しています。
Giants in the Trees|ジャイアント・イン・ザ・トゥリーズ
オリジナルアルバム – 1作目 (2017年)
Volume 2|ヴォリューム・トゥー
オリジナルアルバム – 2作目 (2019年)
3rd SECRET|サード・シークレット|DISCOGRAPHY
クリス・ノヴォセリックに、マット・キャメロン(Pearl Jam/Soundgarden)、キム・セイル(Soundgarden)という、グランジシーンのトップバンドのメンバーが集結したドリームバンド。
加えて、80年代のメタリックなハードコアバンド、VOIDのブッダ・デュプリーも参加しています。
ヴォーカルには、ノヴォセリックのバンドGIANTS IN THE TREESの2名の女性ヴォーカリスト、ジリアン・レイとジェニファー・ジョンソンを迎えています。
音楽性は、近年のポストグランジとは完全な一線を画した、まさに90年代の空気を漂わせたグランジベースのオルタナティヴロック。
曲によっては、ノヴォセリックが近年好んで用いる、フォーク,カントリーなどのルーツミュージックを導入した作風も見られます
3rd Secret|サード・シークレット
オリジナルアルバム – 1作目 (2022年)
2nd 3rd Secret|セカンド・サード・シークレット
オリジナルアルバム – 2作目 (2023年)