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★ VISION OF DISORDER(ヴィジョン・オブ・ディスオーダー) ディコグラフィー ★ ニューメタル黎明期のNYハードコア・シーンから登場した激情型元祖メタルコア・バンド!!…必聴アルバムは?

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激情型ヴォーカルとカオティック・サウンドを武器に黎明期のニューメタル・シーンへ乗り込みメタルコアの畑を耕すも、収穫期のを待たずに姿を消した伝説のN.S.H.C.系メタリックN.Y.H.C.バンド!!

VISION OF DISORDERのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

VISION OF DISORDER(ヴィジョン・オブ・ディスオーダー)は、アメリカ合衆国はニューヨークを拠点とするメタリック・ハードコア・バンド。

N.Y.H.C.シーンのN.S.H.C.バンド!?

VISION OF DISORDERは、一般的には『N.Y.H.C.(ニュースクール・ハードコア)』のジャンルに属するグループと見なされています。

この『N.S.H.C.』は、ハードコアとヘヴィメタルの双方の音楽要素を持つジャンルで、80年代に一時代を築いた『クロスオーバー・スラッシュ』の90年代版ともいえる存在。
その大きな特徴は、グルーヴメタルの流れを汲むヘヴィグルーヴや、スラッジコア/ドゥームメタルの影響下にあるダウナーなヘヴィネスを基調とした、スロー〜ミッドテンポ主体のサウンドです。

その音楽性から、『N.S.H.C.』は『メタリック・ハードコア』と称されることもあり、現在まで続く『メタルコア』の原型として、往年のシーン全体がその母体となってたジャンルでもあります。

メジャーを目指したN.S.H.C.の異端グループ!?

この『N.S.H.C.』は、いわゆる『ニューメタル』がメジャーシーンにも台頭しつつあった、『ニューメタル』ムーヴメント黎明期とほぼ時を同じくして、アンダーグラウンドのハードコア・シーンで人気を博していました。

『N.S.H.C.』と『ニューメタル』の一部は、音楽性やバックグラウンドにおいてリンクする部分も多く、後の『N.S.H.C.』のメジャー展開の際には、両ジャンルは大きく接近してゆきますが、VISION OF DISORDERは、まさにその流れを象徴するようなグループのひとつ。

後にニューメタルやメタルコアののシーンを背負う新世代バンドが続出した、90年代中期の激動の時代に、VISION OF DISORDERは『N.S.H.C.』シーンのトップグループにも先駆けて、メタル専門レーベル最大手の『ロードランナー』からメジャー展開の先陣を切っており、これによってメインストリームとしての『メタルコア』の先駆的存在にもなりました。

VISION OF DISORDERの音楽性は!?

デビュー当初のVISION OF DISORDERは、激情型のダーティ・シャウトにクリーン・ヴォーカルを織り交ぜたヴォーカル・スタイルと、ソリッドでメタルエッジなサウンドとメタル的整合感の強さを特徴とた、『N.S.H.C.』ミーツ『ニューメタル』ともいえスタイルを展開していました。

その時点では、メタルファンを中心に好評を得るも、取り立てて独自性をアピールできる存在ではありませんでしたが、その後のメジャー2作目となる3rdアルバムにおいて、ニューヨーク系の『ポストハードコア』『ノイズロック/ジャンクロック』などの、ヘヴィオルタナティヴの要素を大胆に取り入れた、カオティックでロウなアプローチに以降。
これによって、パンク/ハードコア・クラスタから一般ロック界隈まで含む、識者を中心とした高評価を得て、一躍ヘヴィ・ミュージック/エクストリーム・ミュージックの期待の新鋭として注目を集めます。

VISION OF DISORDERは運とタイミングに恵まれない実力派!?

『N.S.H.C.』初のメジャーバンドになろうかという、勢いを感じさせた往年のVISION OF DISORDERでしたが、 バンドへのサポート不足に対する不満に起因するレーベル側との確執や、さらなる音楽的アプローチの変化に対するオールドファンの反発などが重なり、急激に失速した結果2002年には解散を迎えます。

その後、中心メンバーのティム・ウィリアムズ(Vo.)とマイク・ケネディー(Gt.)は〈BLOODSIMPLE〉を結成して、さらにニューメタルに接近したサウンドを展開していましたが、2008年にはVISION OF DISORDERを再結成。
その後は、ハイペースとは言えないものの、アルバムのリリースも重ねつつ活動を続けています。

次ページはVISION OF DISORDERのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

VISION OF DISORDER|DISCOGRAPHY

Still|スティル

ミニアルバム:EP (1995年)

マイナーレーベルからリリースされていたデビューミニアルバム。
すでに、先達よって『N.S.H.C.』の基本フォーミュラが提示されていた時代であり、VISION OF DISORDERのスタイルも、おおむねそれを踏襲したものが基調であるため、軸となる音楽性やヴォーカル・スタイルについては、ここから大きな変化はありません。

|メタル度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|カオス度:★★☆☆☆
|メロエモ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

入門盤

Vision of Disorder|ヴィジョン・オブ・ディスオーダー

オリジナルアルバム – 1作目 (1996年)

NYメタリック・ハードコアの先達も多数在籍していた、大手メタル・レーベル『ロードランナー』から、鳴り物入りで登場したデビュー・アルバム。

彼らのブレイクと当時の躍進ぶりは、やはり当時の『N.S.H.C.』シーンの中で唯一、作品がメジャーからリリースされたことによる部分が大きいのは否定できません。
しかしそれゆえに、それまで『N.S.H.C.』シーンに触れる機会のなかった、一般のメタルリスナーにも少なからず衝撃を与え、メタルコア・ブームの土壌を耕す存在たりえていました。

本作の音楽性は、アンダーグラウンドの『N.S.H.C.』シーンまで視野に入れるなら、取り立てて独自性も新奇性も感じられません。
とはいえ、“クリーン・ヴォイスによるサビの歌メロ”という、レーベルメイトFEAR FACTORYのメソッドをすかさずで取り入れてるなど、後のニューメタル・ブームを見据えたような先見性と柔軟性については、むしろ評価すべきと言えます。

|メタル度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★★☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|カオス度:★★☆☆☆
|メロエモ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論

Imprint|インプリント

オリジナルアルバム – 2作目 (1998年)

曲の構成自体は、グルーヴメタル〜ニューメタルの系譜に位置するオーソドックスなものですが、HELMETなどのプロデュースで知られるデイブ・サーディを迎えて、ニューヨークのヘヴィ・オルタナティヴ寄りのなジャンクでノイジーな生々しい音づくりとなっています。
その、当時のメタリック・ハードコアとしは逆行気味で異彩を放っていたサウンドと、メジャーシーンでは突出していた、ティム・ウィリアムズの熱量に満ちたテンションの高い激情型シャウトで、大きく注目度を高める結果を生みます。

ただし、一部界隈で見られた、ウィリアムズの歌唱に〈ジム・モリソン〉までもを引き合いに出す傾向には、さすがに「調子にのるな!」と言わざるを得ないでしょう。

ヘヴィメタル界隈以外のマスコミや識者から、大絶賛で迎えらたことからもわかるように、パンク/ハードコアのみならず、オルタナティヴ・ロック系のメディアやリスナーを引き込めたことが、本作の勝因と言えますが、一方で、ヘヴィメタル・クラスタに限るならば、本作での変化はむしろマイナス要因だらけという側面もあり、事実、メタル界隈では本作よりも前作の方を押す声が少なくありません。

|メタル度:★★☆☆☆
|ハーコー度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|カオス度:★★★★☆
|メロエモ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★

代表作 入門盤 実験作

For the Bleeders|フォー・ザ・ブリーダーズ

コンピレーションアルバム (1999年)

From Bliss to Devastation|フロム・ブリス・トゥ・デヴァステーション

オリジナルアルバム – 3作目 (2001年)

楽曲に占めるメロディーの比重が大きくなり、曲調もミッド〜スローテンポのものが多くなったことで、前作に飛びついたファンから総スカンを食らう結果となったアルバム。

…と、言うとイメージがよくありませんが、楽曲クオリティが前作に劣るというわけではありませんし、トレンドに寄せたともも思える作風の変化も、そもそもの彼らの独自性の弱さを考えれば、あえて大上段に指摘して批判するのも今更でしょう。

しかし、前作の高評価の理由が、ややテクニカルでハイテンションな作風と熱量にあふれた激情型スクリームにあったことを考えると、バンドの意図かどうかはともかく、それをここでスポイルするのはマーケティング的には失策と言えます。
いくら前作がウケたからといって、同じ作風を5枚も10枚も延々と続けられてはさすがに困りますが、もう1〜2枚程度は前作のマイナーチェンジで済ませてもよかったかもしれません。

ニューメタルのリスナーにアピールできなかったのも誤算だったのかもしれませんが、それにはさすがに、ポップネスとフックが圧倒的に足りないと言わざるを得ないでしょう。

|メタル度:★★★★☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|カオス度:★★☆☆☆
|メロエモ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 実験作

The Cursed Remain Cursed|ザ・カーズド・リメイン・カーズド

オリジナルアルバム – 4作目 (2012年)

Razed to the Ground|レイズド・トゥ・ザ・グラウンド

オリジナルアルバム – 5作目 (2015年)

「Razed To the Ground」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

BLOODSIMPLE 〈ブラッドシンプル〉|DISCOGRAPHY

〈VISION OF DISORDER〉解散後の2002年に、その中心メンバーのティム・ウィリアムズ(Vo.)とマイク・ケネディー(Gt.)によって結成されたバンド。

ここでは、解散前の〈VISION OF DISORDER〉で試みていた、メロディの導入とニューメタルへの接近というアプローチを、さらに大胆に展開していましたが、2008年に〈VISION OF DISORDER〉再結成のために活動停止となっています。

ナード・エモ・ゴス的な、メランコリックでエモーショナルなメロディと、プログレ的ともいえる凝った曲展開を大きな特徴としており、メインストリームのメジャー感のあるサウンドを意識しつつも、その類型に収まらない独自のスタイルを追求していました。

A Cruel World|ア・クルーエル・ワールド

オリジナルアルバム – 1作目 (2005年)

Red Harvest|レッド・ハーベスト

オリジナルアルバム – 2作目 (2007年)

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