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★ BODY COUNT(ボディ・カウント) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ハードコア・ヒップホップ界のカリスマ・ラッパー“ICE-T”率いるブラック・メタルバンド!!…必聴アルバムは?

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ヒップホップ・シーン第一線のラッパーにして有数のメタル・フリークICE-Tは、本格的なヘヴィメタル・バンドとしてもメインストリームのトップグループに上り詰める!!

BODY COUNTのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

BODY COUNT(ボディ・カウント)は、アメリカ合衆国ロスアンゼルスを拠点とするヘヴィメタル/ラップメタル・グループ。

大物ラッパーがメタルバンドを結成!!

BODY COUNTは、ニュージャージー出身でロサンゼルスを拠点に活動する、ハードコア/ギャングスタ・ラップの第一人者で、俳優としての活動でも知られるラッパー、“ICE-T(アイス・ティー)”によって結成されたグループ。

ヒップホップ・シーンの中でICE-Tは、カルフォルニアのCYPRESS HILLらと並ぶ、ヘヴィメタル・フリークとして知られています。

そのICE-Tが、自身のヘヴィメタル・プロジェクトとして、高校時代の同級生を集めて結成したのがこのBODY COUNTです。

ヘヴィメタルとのコラボでも名曲をドロップ!?

ICE-Tは、BODY COUNT以外以外でも、ヘヴィメタル関連の活動を展開していました。

代表例は、“ロック/メタル+ヒップホップ”のコラボ企画アルバムの火付け役でもある、映画サウンドトラック『JUDGMENT NIGHT』への参加。
ここでは、かのSLAYERとのコラボレーションが実現しており、カバー曲ながらアルバム中でも最もインパクトのあるメタル・チューンを生み出し、メタルファンの中でも知名度を高めることになりました。

さらに、その後はICE-Tの敬愛するBLACK SABBATHとのコラボレーションも実現。アルバムにゲスト・ヴォーカリストとして参加を果たしています。

ラッパーによるメタルバンドは世界初!?

80年代の『AEROSMITH+Run–D.M.C』『ANTHRAX+PUBLIC ENEMY』のような、両ジャンルのコレボレーションや、ラッパー出身と思しきフロントマンを擁するバンドなどの存在は、過去にも見られました、

しかし、第一線のヒップホップ・アーティストによるヘヴィメタル・バンドというのは、後年にはCYPRESS HILLのセン・ドッグによるSX-10などが登場するものの、この時期においては前代未聞といえるものでした。

BODY COUNTはブラックロック・バンド!?

BODY COUNTは黒人メンバー・オンリーで構成されており、ヒップホップ・シーンのビッグネームが主導していることと同様に、ヘヴィメタル・バンドとしての大きな特異性となっていました。、

その後、初期メンバーのうち3人は病気や銃撃に見舞われるなどで他界。現在はメンバー・チェンジを経て、キューバ/ラテン系のJuan Garciaも在籍する人種混成バンドとなっています。

スラッシュメタル?ラップメタル?

BODY COUNTの音楽性は、ラップメタルにカテゴライズされがちですが、基本的にはオールドスクールなヘヴィメタルをベースとしたものです。

スラッシュメタル/パワーメタル/ハードコアを、ヒップホップ由来のセンスで組み立てたような独自のヘヴィメタルを中心に、ミクスチャー色の強いラップメタルやグルーヴメタルから、ドゥームメタル風の曲までを交えたサウンドを展開していました。

ICE-Tのヴォーカルもダーティなシャウトも交えるなど、ヘヴィメタルサウンド向けにマイナーチェンジされた、本来のヒップホップでのラップとは異なるスタイルでした。

フェードアウトかと思いきや!?

ICE-Tの知名度やシーンの中での特異性、堂々とした警察批判という硬骨漢ぶり評価されて、デビュー当初は大きな注目を集めたBODY COUNT。

しかし、より革新的なサウンドを持つ新世代ミクスチャー・グループの台頭や、ロック/メタルファンの大半を占める非黒人リスナーが受け入れやすい、白人/ラテン系などによる本格的なラップメタルの主流化などもあって、当初の勢いを失い低迷してゆきます。

さらに、相次ぐオリジナル・メンバーの死や、ICE-Tの俳優活動なども影響してか、アルバムのリリースペースは一気に落ちて長いブランクを挟むようになります。

メタルシーンのトップグループに返り咲く!?

当初の勢いや話題性を完全に失って、存在感が感じられなくなっていたBODY COUNTですが、パワーメタルのAGENT STEELやスラッシュメタルのEVILDEADで活動していた、フアン・ガルシア(フアン・オブ・ザ・デッド名義)を迎え、ニューメタル/メタルコアブームやスラッシュ・リバイバルを見据えた、よりヘヴィメタリックなハードコア・スラッシュに活路を求めます。

この路線変更が功を奏して改めて注目度が高まってゆき、新世代のメタル/ハードコア・リスナーを含めた幅広いファンの獲得に成功して、欧米各国のチャートにも再び顔をみせるようになります。

ランキング上位に食い込みグラミーも獲得!!

この新生BODY COUNTの勢いは、2020年リリースの7作目『Carnivore』でピークを迎え、各メディアの年間ベルトアルバム・ランキングに選出されるほどになります。

さらには、グラミー賞にもノミネートされ、見事『最優秀メタル・パフォーマンス賞』を受賞するという実績を残し、現在は第二の黄金期と呼べる状況に突入しています。

次ページはBODY COUNTのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

BODY COUNT|DISCOGRAPHY

Body Count|ボディ・カウント

オリジナルアルバム – 1作目 (1992年)

フロントマンがラッパーで歌唱スタイルもラップベースなので、ラップメタルとして語られることは避けられませんが、いわゆる“ミクスチャー”の典型に収まるスタイルではありません。

音楽性自体はよりオーソドックスなヘヴィメタルを志向しており、スラッシュメタルやパワーメタルを含めた古典的なヘヴィメタルを、独自のセンスで組み立てたような作風です。

ミッドテンポのヘヴィ・グルーヴ・メタルやパンキッシュなハードコア曲もありますが、ここでアルバムの柱となっているのは、T-06, T-08, T-10といったファストなパワー/スラッシュチューン。
また、T-11のような、哀愁のメロディと流麗なギターソロがフィーチャーされたヘヴィバラードも聴くかせます。

|メタル度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|ミクスチャ度:★★★☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 通好み スルメ盤 実験作

Born Dead|ボーン・デッド

オリジナルアルバム – 2作目 (1994年)

スラッシュメタル/パワーメタルをベースにした疾走曲も引き続き健在で、T-04はなどはバンド有数の名曲ですが、それ以上にドゥーム的ともいえるスロー&ダウナーなヘヴィチューンが印象に残る、よりヘヴィネスとグルーヴに重点を置いた作風です。

そこからは、ICE-Tのサバス・フリークぶりもうかがえ、メタラーからは訝しがられた、翌年のBLACK SABBATHアルバム『Forbidden(18th)』へのゲスト起用も、本作を聞くと納得でしょう。
反面、定番のグルーヴィーなラップメタルはやや変化に乏しく、もうひと工夫が欲しいところです。

セールス/評価ともに前作には届かなかったものの、トータルでのクオリティと楽曲の充実ぶりでは、見劣りするどころかどころか上回ってさえいます。

なお、T-07ではジミ・ヘンドリックスの名曲をカバーしています。

|メタル度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|ミクスチャ度:★★★☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Violent Demise: The Last Days|バイオレント・ディマイズ:ザ・ラスト・デイズ

オリジナルアルバム – 3作目 (1997年)

やや同時代的なヘヴィサウンドへ近づいたと同時に、前作で見られたヘヴィでドゥーミィなダウナー路線も、ゴシカルとも呼べそうなテイストへとマイナーチェンジ。
これまで以上にヘヴィネス&ダークネスが強調された重厚な作品となりました。

しかし、RAGE AGAINST MACHINEやKORNなど新世代ミクスチャーの躍進。同年にはニューメタル系ラップメタルの革命児LIMP BIZKITも登場。
これらが重なって、せっかくのアップデートも旬を逃した印象で、この時期は初期のインパクトも薄れて、もはやお役御免といった雰囲気が漂っていました。

とはいえ、本来それらとは異なる立ち位置にあり、当時は影の薄かった本作も、改めてこれ以降の大量生産型ラップメタルと比較してみれば、はるかにユニークで価値のあるアルバムと言えます。

にもかかわらず、残念なことに評価/セールス/注目度、その全てが前作から大きく後退してしまい、今もあまり顧みられることのない1枚となっています。

|メタル度:★★★☆☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|ミクスチャ度:★★★☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤

Murder 4 Hire|マーダー・フォー・ハイヤ

オリジナルアルバム – 4作目 (2006年)

前作が不振に終わったためか、かなり長期にわたるブランクを経てのリリーストなった、久々のアルバム。
その間に、ドラマーのビートマスターVが白血病で他界したのに続いて、リズムギタリストのD-Roctも癌がもとで他界するという事態に見舞われ、本作ではそれぞれ後任を迎えています。

スラッシーなファスト・チューン、ミッドテンポのヘヴィグルーヴ・ナンバー、ドゥーミィなダウナー・チューンなどが並んだ作風は、過去の総決算的な趣もありますが、ファスト・チューンの比率が大きく高まったことで、1stの頃に回帰したような印象も与えます。

Ice-T本人は、あまり本作を気に入っていないというコメントを残していますが、過去作よりも曲数も少なくコンパクトにまとまっており、クオリティも上々で曲調も多彩なので、比較的聴きやすいアルバムに仕上がっています。

|メタル度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★★☆
|ミクスチャ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤

Manslaughter|マンスロウター

オリジナルアルバム – 5作目 (2014年)

BODY COUNTが本格的に再起を果たしたアルバムで、本作からはAGENT STEELやEVILDEADに在籍したギタリスト、フアン・ガルシアが参加。

ニューメタル, メタルコア, スラッシュ・リバイバルの全てを視野に入れ、これまで以上にエクストリームな、よりヘヴィメタリックでハードコアなサウンドへ変貌を遂げています。

また、ICE-Tに加わえてベースのヴィンセント・プライスがダーティなシャウトで参加する、ツイン・ヴォーカルの曲も増え、さらにシンガロング・パートも強化されて厚みが増しています。

もはや、ミクスチャーやラップメタルの範疇で語るサウンドではなく、高品質なクロスオーバー・スラッシュ/メタリック・ハードコアとして高く評価できるアルバムで、再びチャートにも顔を出すようになります。

本作から、メタルカバー曲も定番となっており、本作ではT-07でSUICIDAL TENDENCIESの“Institutionalized”を取り上げています。

|メタル度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★★★
|ミクスチャ度:★★☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤

「Manslaughter」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Bloodlust|ブラッドラスト

オリジナルアルバム – 6作目 (2017年)

前作での、モダンなヘヴィ・サウンドによるハードコア・スラッシュ路線を推し進めた作風で、よりヘヴィメタリックでよりハードコアに、これまで以上にエクストリームなストロング・スタイルのサウンドとなっています。

クオリティについては、本作も文句なしの絶品ハードコア・スラッシュで、アメリカ以上にヨーロッパ各国で高評価を得て、チャートの上位にもランキングされるようになりました。

本作のメタルカバー曲は、T-05のSLAYERの名曲“Angel of Death”。

|メタル度:★★★★★
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★☆☆
|ミクスチャ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤

Carnivore|カーニヴォー

オリジナルアルバム – 7作目 (2020年)

音楽性は直近の数作から大きな変化はなく、メタル・テイストを強めたオールドスクールなハードコア・スラッシュを展開しています。

ここ数作の好調ぶりからレーベルの期待も高まったのか、本作ではUSメタルシーンのビッグネームをゲストに迎えており、T-05ではHATEBREEDジェイミー・ジャスタ、T-08でEVANESCENCEエイミー・リーが参加。

それも功を奏して音楽性の幅が広がっただけでなく、出来栄えも引き続き絶品で、一気に聴きとおせる爽快な勢いと、濃密な充実度を持つアルバムに仕上がっています。

結果的に、T-03がグラミーで『最優秀メタル・パフォーマンス賞』を受賞するなど、その期待に違わぬ前作以上の結果を残しています。

本作でのメタルカバーT-04は、MOTORHEADの超名曲“AceofSpades”。

|メタル度:★★★★★
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★☆☆
|ミクスチャ度:★☆☆☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤
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