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★【Wikiに無い!】ミクスチャー/ラップメタル/ファンクメタル紹介:オールドスクール+個性派 編:基礎知識&各国の代表的バンド:59選【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

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激動の“’R1990”のヘヴィミュージック革命期を彩った重要ジャンルのひとつ『ミクスチャー・ロック』『ミクスチャー・メタル』を徹底考察!!

『ミクスチャー』ジャンルの基礎知識!!

『ミクスチャー』とはどういう意味!?

『ミクスチャー』は、“ミックス”が元になった“混じり合ったもの”という意味のワード。

異なるジャンルを組み合わせることや、それによって生み出されたジャンル/スタイルを意味し、主にブラックミュージックと、ロック/ヘヴィメタルとの組み合わせた音楽を指します。

『ミクスチャー』は、ジャズ界隈で使われていた、『クロスオーバー』や『フュージョン』とほぼ同義です。
しかし、『クロスオーバー』という名称は、ロック界隈ではスラッシュメタルとハードコアを組み合わせたジャンル名として用いられ、『フュージョン』はAOR/アリーナロック系の産業ジャズロックの名称として定着していました。
そのため、新たな名称として『ミクスチャー』が選ばれ、広がったものと考えられます。

また、より明確な『ミクスチャーロック』『ミクスチャーメタル』などの、スタイルに合わせた個別の名称が用いられることもあります。

『ミクスチャー』ジャンルの音楽性は!?

『ミクスチャー』も他のジャンルと同様に、フラッグシップに位置するグループが時代や地域ごとにいくつか登場して、そのスタイルが定型としてフォロアーに模倣されています。

ただし、基本的にはファンク,ヒップホップ,レゲエ,ダブ,スカ.ソウル,R&B(リズム・アンド・ブルーズ)などの『ブラック・ミュージック』と、『ロック/ヘヴィメタル』の融合という特性以外には、本来は特に決まったスタイルは存在しません。

その中でも、ベースをとなる音楽性や手法、そこに取り入れるジャンルの取捨選択、それらの組み合わせの比率などは、バンドごとに…あるいはアルバムや曲ごとに様々なパターンが存在します。

スタイルとしては、ファンクの要素を取り入れた『ファンクロック/メタル』と、ラップヴォーカルやヒップホップの要素を取り入れた『ラップロック/メタル』のふたつが主流で、ジャンルの大半を占めています。

また、そこにジャズやEDM、アフリカのアフロビートやラテン音楽といった民族音楽など、さらなる要素をも加えた、複合的なスタイルも見られます。

ヴォーカルもについては、本格的なラップ・スタイルやそれを意識したパーカシヴなもの、ファンク風のリズム主体のスタイルが主流となっていますが、発声法もノーマルでクリーンなものだけでなく、ハードコアやデスメタルに近いダーティ・ヴォイスを用いるケースもあるなど、多種多様です。

『ミクスチャーロック』は日本でしか通じない呼び名!?

現在では比較的よく知られていることですが、『ミクスチャーロック』は日本固有の造語によるジャンル名称で、海外では用いられない“和製英語”とされています。

ただし、英語圏で異ジャンルの融合を『ミクスチャー』と呼ぶ表現は、ポピュラーではないものの前後の文脈次第では問題なく通用するようです。

『ミクスチャーロック』は欧米ではどう呼ぶ??

欧米では一般に『ファンクロック/メタル』,『ラップロック/メタル,『ラガ(レゲエ)ロック/メタル』など、組み合わせた音楽ジャンルによって個別のジャンル名が定義されています。

日本でも『ミクスチャーロック』が“和製英語”であることが周知された結果か、近年ではこれらのジャンル名が用いられるケースも目立つようになりました。

『ミクスチャー』に代わるワードは存在しない??

しかし、これらの各種ブラックミュージックと組み合わせたスタイルを、総括していい表すジャンル名は現状では普及していません。
その意味では、『ミクスチャーロック』という名称は便宜的なものだったとはいえ、いまだにそれに代わるワードが存在しないことで、有用なジャンル/カテゴリ名であり続けています。

そのため、同じく便宜的な和製英語ジャンルながらすでに死語とされている、『モダンヘヴィネス』や『ラウドロック』などとは異なり、『ミクスチャーロック』は現在も広く一般的に使われています。

時代/世代で違う!?『ミクスチャー』の移り変わり!!

『ロック』自体が本来は、ブルーズ,R&B,ソウルといったブラック・ミュージックをルーツに持つ『ロックンロール』をベースに、カントリーやフォークなどを取り入れながら、白人文化圏で白人音楽として確立されたものです。

そして、それらのブラック・ミュージックを要素を強く打ち出したロックの系譜も、ロックの黎明期から絶えることなく続いていました。

『ミクスチャー』は、個別に発展を遂げたロックの最新モードとブラック・ミュージックの最新モードを、あらためて融合したものといえます。

この、ジャンルとしての『ミクスチャー』『ミクスチャーロック』と、その呼称が定着するのは、80年代後期のUSオルタナティヴ・ロック・ムーヴメントの中での、ファンクロック/メタル,ラップロック/メタルの台頭とそのブームを待たなければいけません

『ミクスチャー』ジャンルの音楽性の変遷!!

ここでは、年代/世代ごとに『ミクスチャー』ジャンルの大まかな変遷をたどっていきたいと思います。

60〜70年代 … ロック/ハードロックのいちスタイル!?

『ミクスチャー』の試みは、60~70年代からすでにおこなわれており、『ファンクロック』という表現も用いられていました。

ロックの代名詞的存在であるLED ZEPPELINやDEEP PURPLEなどをはじめ、大々的にファンクやソウルなどを取り入れたグループは枚挙にいとまがありませんし、FUNKADELIC,SLY & THE FAMILY STONE,WARなどのように、ファンク・サイドからのロック・アプローチも見られました。

70〜80年代 … ニューウェイヴからオルタナティヴへ!?

1980年前後には、収束したパンク・ムーヴメントの残党組や、それに取って代わったポストパンク/ニューウェイヴのシーンの中でも、従来のファンクやソウルなどの要素に加え、レゲエ/スカ/ダブを取り入れる動きが活発になります。

またこの時期は、メインストリームでも『産業ファンクロック』と呼べるような、アーバンでスタイリッシュなファンクポップが流行となりました。

80年〜90年代 … ミクスチャー/ファンクメタルがメインストリームに!?

80年代の中盤に入ると、ヒップホップが当時のブラック・ミュージックの最新モードとして注目を集め、目端の利くグループは積極的に取り入れるようになります。

そして、THE RED HOT CHILI PEPPERSをはじめとした、ハードコアやスラッシュメタルを通過してよりハードでヘヴィなサウンドを持つ『ファンクロック』が、アメリカン・オルタナティヴロックの一派としてシーンを形成してゆきました。
また、逆にハードコアやスラッシュメタルの中からも、『ミクスチャー』アプローチを試みるグループが続々と登場しています。

その中で、『ミクスチャー』『ミクスチャーロック』という呼称を目にする機会も、次第に増えてゆくことになりました。

90年〜00年代 … ラップメタルブームでニューメタルが覇権を握る!?

90年代に突入すると、パイオニア勢のアプローチをさらに推し進めて、グルーヴメタルなどの最新型ヘヴィメタルやインダストリアル/EDMも取り入れたミックスした、新世代グループが続々と登場。
『ミクスチャー』シーンの、さらなる多様化とエクストリーム化が進みます。

その中から、のちに音楽シーンの覇権を握る、KORNを原点としたニューメタル世代が台頭。
その一派であるLIMP BIZKITの大ブレイクによって、よりヒップホップテイストを深めたスタイルがブームとなってトレンド化し、音楽シーンを席巻し社会現象にまでなりました。

この時期にはロックシーンでもラップスキルが底上げされており、専業ラッパーを迎えるまでもなく、本格的なラップ・ヴォーカルを用いるグループも一気に増加しています。

 

00年代〜 … 多様化と細分化が進んだボーダーレス状態!?

引き続き『ニューメタル』スタイルが主流ながら、ピークを超えて衰退傾向が顕著に。
バブリーに盛り上がりすぎた代償で、収束後は世間的な価値が急落して“古臭い”,“ダサい”というイメージも付きまとうようになります。

かといって、新たなジャンル/スタイルという意味では、ロックもブラック・ミュージックも完全に頭打ちとなっており、真に新しいアプローチは生まれていません。

しかし、これまで関係性の薄かったジャンルや、ニッチジャンルを取り込むことによる、細分化と多様化だけは細々と進んでいます。

シーンの停滞と枯渇で複合ハイブリッド/ミクスチャーが主流に!?

本格的なインターネット時代を迎え、各種音楽コンテンツへのアクセスが容易になったことから、自然と雑多なバックグラウンドを持った新世代が、ロックやヒップホップ以外のシーンからも登場。
ジャズ,現代音楽,EDM,ブルーズ,フォーク,カントリー,トラッド,民族音楽,クラシックなど、様々なシーンに属するアーティストが、そのシーンならではの『ミクスチャー』サウンドを展開しています。

そもそも、ミクスチャーに限らず音楽シーン全体が、各々のセンスで“ジャンル配合レシピ”を競い、それだけが個性や新奇性に直結するという状況。
現在は、生存戦略/アイデンティティとしてのミクスチャー/クロスオーバー/フュージョンが跋扈する、“ハイブリッド戦国時代”にあると言えるでしょう。

次ページから各国・各ジャンルのバンドを一斉紹介!!まずはアメリカ編!!▼リンクはページ下!▼

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