スポンサーリンク

★【Wikiに無い!】ミクスチャー/ラップメタル/ファンクメタル紹介:オールドスクール+個性派 編:基礎知識&各国の代表的バンド:59選【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

OLYMPUS DIGITAL CAMERA オルタナティヴ
この記事は約10分で読めます。
カテゴリー
スポンサーリンク

Contents

各国ミクスチャー事情と重要バンド紹介:Chapter.9

中南米|Latin America:2選

メタル視点に限定するならば、中南米でのラテン・ミクスチャーは、SEPULTURAの“ROOTS”アルバムやその分派SOULFLYの登場が契機となったイメージがあります。
事実、SEPULTURAのブレイク以後、グルーヴメタル〜ニューメタル系のラテンメタル・バンドが続々登場して、シーンをにぎわしたのは確かです。

しかし、中南米のラテン音楽は、ラテンロックのパイオニアでもあるカルロス・サンタナらを中心として、以前よりロックシーンでも構成要素として印象的に用いられてきました。

90年代にも、ブラジルの『NAÇÃO ZUMBI』やメキシコの『MOLOTOV』といったグループが独自のラテン・ミクスチャー・ロックを展開しており、むしろ、それらの存在がSEPULTURAやSOULFLYに影響を与えた面もあります。

01:NAÇÃO ZUMBI (CHICO SCIENCE & NAÇÃO ZUMBI)|ナサオ・ズンビ

アルバムデビュー:1994年

1997年に交通事故によって他界したフロントマン、シコ・サイエンスを中心とした、ブラジルのオルタナ・ミクスチャー・グループで、シコ・サイエンスの死後はNAÇÃO ZUMBI名義で活動を続けています。

『マングビート』と呼ばれる、音楽を中心とした90年代初頭のブラジルのムーヴメントの中から登場したグループで、ブラジルの伝統音楽とラテン・ミュージックに、レゲエ/ヒップホップなどのブラック・ミュージックとロックをミックスした、モダンなブラジリアン・ミクスチャーを完成させていました。

SEPULTURAのトライバル路線への転向にも影響を与えており、のちのSOULFLYのアルバムには、NAÇÃO ZUMBIのメンバーがゲストとして招かれています。

02:MOLOTOV|モロトフ

アルバムデビュー:1997年

日本向きにシングルカットされた『ダメダメムーチョ(原題:Gimme The Power)』が、大ヒットとは呼べないものの、“空耳”系の小ネタソングとしてそれなりに話題になったメキシコのグループ。

その『ダメダメムーチョ』は、メロウなメロディのラテンポップながら、そこに乗る歌詞はポリティカルなものでしたし、MOLOTOVの実態もヘヴィグルーヴ寄りのゴリゴリのサウンドを展開する、完成度の高い実力派ミクスチャー・バンドでした。
結果だけを見るなら、売り方を間違えて届けるべきリスナーに届かなかった、失策ケースと言っていいでしょう。

後に巻き起こった、ニューメタル・ムーヴメントの一環としてのラテンメタル・ブームの中でも、それなりには注目を集めていましたが、少なくとの日本においては、その実力に見合った成功には結びつきませんでした。

日本その他:Japan & others 7選

日本は、ハードコアやノイズ/アバンギャルド、EDMなどの一部のアンダーグラウンドなジャンルでは、独自の先鋭的な展開を見せて海外でも評価を得ていたものの、メインストリームの最先端音楽トレンドについては欧米から5〜10年は遅れを取っていました。
そのため、一般ロックリスナーに向けた、ある程度の質を持ったコマーシャルな『ミクスチャー』が出回るには、90年代の終盤を待たねばなりませんでした。

それらの動きに大きく先駆けて、本格的な『ミクスチャー』を展開していたパイオニアも少なからず存在していましたが、“早すぎたバンドの悲劇”の例に漏れず、局地的な支持・一時的な人気にとどまり、後の『ミクスチャー』ブームの恩恵にあずかることは出来ませんでした。

また、近年『辺境系』などと呼ばれてニッチ人気が高まっているロック新興国では、現在でこそラップメタルが目新しくない状況となっていますが、リアルタイムでのムーヴメント全盛期には、それらはまだスタートラインにも立っていませんでした。

01:SUPERGROOVE|スーパー・グルーヴ:ニュージーランド

アルバムデビュー:1994年

ロックジャンルにおいては辺境地帯のニュージーランドから登場しながらも、米国の第一線で活躍するグループにも劣らないクオリティを示した実力派。

ファンク・テイスト濃厚でしなやかなグルーヴを持ったサウンドに、ホーンセクションとメタリックなギターを共存させた音楽性を持ち味としています。

ややレトロな70年代ロック風のファンクロック・チューンが目立つ中にも、現代的なテイストを持つ曲も織り込まれており、ミクスチャーバンドとしてはかなりバラエティ豊かな作風を確立していました。

90年代半ばという時代を考えるなら、同時代のミクスチャーのトレンドとはさすがに距離を感じる作風ですが、それが気にならないほどの普遍的な魅力にあふれています。

02:COCOBAT|ココバット:日本

アルバムデビュー:1992年

COCOBATは、日本におけるグルーヴメタル/グルーヴコアを代表するグループ。
一般にはハードコア・バンドと見なされていますがヘヴィメタル要素の濃厚で、いわゆる『クロスオーバー』な『メタルコア』に近い立ち位置にあり、ヘヴィメタル・シーンも主な活動フィールドとしています。

中心人物であるTAKE-SHIT(Ba.)による、ドライヴィンなスラッピング(チョッパー)・ベースが楽曲の軸となっており、躍動感のあるファンクネスを持った、クロスオーバー・サウンドを持ち味としています。

シーンにおける信頼も厚く、海外のヘヴィ・ミュージック/エクストリーム・ミュージック系グループの来日公演の際にオープニング・アクトを務めることが多かったことから、一部では『前座の帝王』の異名で呼ばれることもあります。

03:THE MAD CAPSULE MARKETS|マッド・カプセル・マーケッツ:日本

アルバムデビュー:1990年

THE MAD CAPSULE MARKETSは、90年代の日本のハードコア/ヘヴィメタル系のグループの中でも、例外的ともいえる大々的なメジャーシーンでの展開を行っており、その界隈では異例の商業的成功を収めた存在です。

デビュー当初の音楽性は、ロックンロール・ベースのハードコアでしたが、次第に英米のヘヴィミュージックのトレンドを意識した展開を行うようになり、90年代半ばには、グルーヴメタルやラップメタル、インダストリル・メタルなどを取り入れ、ミクスチャー要素を強めていました。

後には、ビッグビート/デジタルロックなどのブームもあって、それらに接近したポップな音楽性へとシフトし、CMなどのタイアップにも盛んに起用されるようになりましたが、2006年にはメンバー同士の方向性の相違を理由に活動休止を宣言し、事実上の解散状態となっています。

04:WRENCH|レンチ :日本

アルバムデビュー:1994年

WRENCHは、「ミクスチャー」,「グルーヴメタル」,「メロコア」などをはじめとした、日本で言うところの『モダンヘヴィネス/ラウドロック』の一大ブームの最中にデビューを果たし、注目を集めたミクスチャー・グループ。

プログレを取り入れた変則的な楽曲や、サイケデリック志向のサウンドで知られており、それがシーンの中でも異彩を放つ大きな特徴となっていまいした。

また、初期の頃から〈ケン・イシイ〉らのリミックス・バージョンを発表するなど、ダンス・ミュージックへも傾倒しており、後には、当時最盛期を迎えていた「サイケデリック・トランス」を取り入れた『レイヴ・メタル』へと移行。
00年代からは、バンド、あるいはDJとして、野外やクラブでのレイヴ・イベント、野外フェスなどにも比重を置いた活動を展開しています

2019年にはプログレ,ポストメタル/ポストハードコアへと接近した、11年ぶりのアルバムもリリースしています。

05:SUPER JUNKY MONKEY|スーパー・ジャンキー・モンキー:日本

アルバムデビュー:1994年

1994年にデビューした、女性メンバーのみで構成された日本のヘヴィ・ミクスチャー・バンド。

THE RED HOT CHILI PEPPERやRAGE AGAINST MACHINEといった、先人たちの影は端々からうかがえるものの、それらを飲み込んで世界水準のテクニックとセンスでローカライズした、完成度の高い日本語ヘヴィロック系ミクスチャーサウンドを完成させています。

フロントウーマンのMUTSUMI623が1999年に他界したことにより、バンドは活動を終えることとなりましたが、その後も、同様のスタイルで“スージャン”水準を超える国産グループは、男性バンドを含めたとしても皆無と言えるでしょう。

06:LÄ-PPISCH|レピッシュ|日本

アルバムデビュー:1987年

80年代に社会現象として日本を席巻した“バンドブーム”の全盛期に活躍し、楽曲が有名企業のなCMソングやNHKの『みんなの歌』として起用されるほどには、広く注目を集めていたグループ。

日本における本格的なスカロックの火付け役であり、いち早くUSミクスチャー黎明期のムーヴメントに呼応して、そのエッセンスを取り入れた国産バンドの先駆けでもある“元祖J-ミクスチャー”として、シーンを代表するグループのひとつに認められています。

複数のコンポーザーを擁することによる多彩な作風と、ユーモアと叙情性が入り混じった、独自の文学的センスと世界観を持つリリックも大きな魅力となっていました。

アメリカのスカ系ミクスチャー・バンドFISHBONEとは、来日公演の際に何度となくサポートとして共演を重ねており、交友関係にもありました。

07:JAGATARA|じゃがたら

アルバムデビュー:1982年

JAGATARAは、日本のパンク/ポストパンクのシーンのから登場し、ファンク/アフロビート/レゲエなどを取り入れたサウンドで、日本のファンクロック黎明期の中核として活動したグループ。
初期には『財団呆人じゃがたら』や『暗黒大陸じゃがたら』などとも名乗っていました。

一般的には、バンドの顔であるフロントマン『江戸アケミ』の、80年代アングラシーン特有の過激なステージングが話題となり、カルト人気を確立してましたが、本格的な日本語ファンクロックとして音楽評論家など玄人筋からも高く評価されていました。
ミュージシャン人気も高く、JAGATARAの影響を受けたグループは、筋肉少女帯/大槻ケンヂをはじめとして枚挙にいとまがありません。

ハード/ヘヴィ界隈では、テレビの生中継ライヴでの演奏中に乱入して執拗に絡むG.I.S.Mのヴォーカリスト横山SAKEVIを、適度にあしらいながらパフォーマンスを続けた強者として有名。

1990年の江戸アケミが事故死(?)を機に活動を終えますが、2020年に残るメンバーで活動を再開しています。

Translate »