Contents
- 1スラッシュメタルから奇跡の転身を果たし、メタルファンの期待を一心に集めたグルーヴ・メタルのブライテスト・ホープは、なぜハイプなポーザー・バンドとしてバッシングを浴びるまでになったのか?!
- 1...1ベイエリア・スラッシュ期待の若手だった男!?
- 1...2ブーム収束で夢破れたスラッシャーの逆襲!?
- 1...3スラッシュからグルーヴへ!?
- 1...4メタラーに愛されたグルーヴメタル!?
- 1...5時代と寝すぎて己を見失う!?
- 1...6開き直った“ポーザー”バンドの明日はどっち!?
- 1.1MACHINE HEAD|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Burn My Eyes|バーン・マイ・アイズ
- 1.1.2The More Things Change...|ザ・モア・シングス・チェンジ...
- 1.1.3The Burning Red|バーニング・レッド
- 1.1.4Supercharger|スーパーチャージャー
- 1.1.5Through the Ashes of Empires|スルー・ジ・アッシュズ・オブ・エンパイアーズ
- 1.1.6The Blackening|ザ・ブラッケニング
- 1.1.7Unto the Locust|アントゥ・ザ・ローカスト
- 1.1.8Bloodstone & Diamonds|ブラッドストーン・アンド・ダイアモンズ
- 1.1.9Catharsis|カタルシス
- 1.1.10Of Kingdom and Crown|オブ・キングダム・アンド・クラウン
- 1.1コレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
スラッシュメタルから奇跡の転身を果たし、メタルファンの期待を一心に集めたグルーヴ・メタルのブライテスト・ホープは、なぜハイプなポーザー・バンドとしてバッシングを浴びるまでになったのか?!
MACHINE HEAD(マシーン・ヘッド)は、アメリカ合衆国はカリフォルニアを拠点とするグルーヴメタル/ニューメタル・グループ。
ベイエリア・スラッシュ期待の若手だった男!?
MACHINE HEADは、かつてスラッシュメタルの本場だったベイエリア・シーンで活動を続けていた、フロントマン兼ギタリストのロブ・フリン(Robb Flynn)が中心となったグループ。
フリンは10代の頃からベイエリアのスラッシュメタル・シーンに身を置き、後発グループの中では比較的高い知名度を持つFORBIDDENの前身、FORBIDDEN EVILにも在籍していました。
ブーム収束で夢破れたスラッシャーの逆襲!?
のちにフリンは、同じくムーヴメント末期の代表的グループ、VIO-LENCEのギタリストとしてメジャーデビュー、期待の新鋭として知られるようになります。
フリンが在籍するVIO-LENCEは、程なく収束を迎えて一気に衰退が進むことになる、末期スラッシュメタル・ムーヴメントの中で活動を続けていました。
しかし、音楽性の相違からVIO-LENCEでの活動に見切りをつけて脱退し、MACHINE HEADの活動をスタートさせます。
スラッシュからグルーヴへ!?
MACHINE HEADの音楽性は、PANTERAによって確立され、SEPULTURAによってスラッシャー向けのメソッドが開発された、一般に“グルーヴメタル/ヘヴィグルーヴ”と呼ばれるものです。
同じスラッシュメタル出身ということもあってか、特にSEPULTURAの影響を色濃く受け継いだスタイルでした。
そのため、のちに続出するスラッシュメタルから転向したバンドによるグルーヴメタル、あるいはスラッシュ色の強いグルーヴメタルを意味する、“ポストスラッシュ”としてカテゴライズされこともあります。
メタラーに愛されたグルーヴメタル!?
当時のグルーヴメタル/ヘヴィグルーヴ・シーンとは、本来がハードコアシーンやオルタナティヴロックなど、広義的なヘヴィミュージック全域にわたる同時発生的ムーヴメントでした。
その中でMACHINE HEADは、例外的にPANTERA, SEPULTURAに次ぐ第三の純メタルバンドだったこともあって、シーンの中では特にメタルクラスタからの支持の高いバンドとなっていました。
時代と寝すぎて己を見失う!?
MACHINE HEAD…何よりフリンは、手段を選ばずトレンドに寄り添ってサバイヴする、いわゆる「時代と寝る」タイプのミュージシャンという本性が、次第に明るみになってゆきます。
そのため、グルーヴメタルを皮切りにラップメタル, インダストリアルメタル, ニューメタル, スラッシュリバイバルなど、アルバムリリース時期によって異なる注目のトレンドを取り入れて、音楽性をシフトしてきました。
また、KORNやMARILYN MANSONによるトラウマロック・ブームの最盛期に、いきなり過去の家族問題やネグレクトを盛んにアピールしだしたことも、顰蹙を買って批判的に捉えられました。
開き直った“ポーザー”バンドの明日はどっち!?
フリンとMACHINE HEADは、そのあまりのフットワークの軽さと清々しいまでの主体性の無さ、ビッグウェーブにうまく乗るためのあざといアピールなどから、次第に先鋭的なリスナーを中心に“ポーザー”, “ハイプ”という評価が定着するようになってゆきます。
しかし、一定のサポーターは獲得しているようで、デビュー以来メンバーチェンジはありつつも大きなブランクは無く活動を続け、コンスタントなアルバム・リリースを重ねています。