EDGE OF SANITY(エッジ・オブ・サニティ)ディコグラフィー|このアルバムがスゴイ!?|スウェーディッシュ・メロディック・デスラッシュシーンの鬼才…必聴アルバムはどれ?

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北欧のエクストリームシーンをリードするカリスマプロデューサー、鬼才ダン・スウォノ率いるプログレッシヴ・メロディック・デスラッシュ!

EDGE OF SANITY(エッジ・オブ・サニティ)は北欧を中心に数多くのエクストリームメタルバンドのプロデュース/エンジニアリングを手がけ、自らもミュージシャンとしていくつものプロジェクトやゲスト/サポート参加をこなすカリスマプロデューサー兼アーティストダン・スウォノ(Dan Swanö)のパーマネントバンド。

古くからメロディや耽美パートの導入やプログレ的な作風を積極的に試みていたことで知られ、メロディックデスメタル黎明期の代表格にも数えられる存在です。

スウォノとギタリストのドレッド(Dread)ことアンドレアス・エクセルソン(Andreas Axelsson)の二枚看板体制でそれぞれがマテリアルを持ち寄ることで、ハードコアなデスラッシュ,メロディックデスメタル,ゴシックメタル,プログレッシヴメタルなど様々な表情を見せるバンドでしたが、両者の対立もあって2003年のラストアルバムを最後に完全解散。

スウォノはプログレゴシック風のソロプロジェクトのNIGHTINGALE(ナイティンゲイル)を中心に、ドレッドはオールドスクールな北欧デスラッシュスタイルのTORMENTED(トーメンテッド)などで活動を続けています。

Nothing but Death Remains|ナッシング・バット・デス・リメインズ

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オリジナルアルバム – 1作目 (1991)

記念すべき1stですが、この頃はまだ特に注目もされていているわけでもなく、スウォノがカリスマ・プロデューサーとしての地位を築くのももう少し先。スウェーデン勢ではトップどころに続く二番手〜その他大勢という扱いだたと思います。

ベースとなるサウンドは全編を通してオールドスクールな北欧デスラッシュですが、やや凝った曲展開や特徴的フレージングなど後の彼らに通じる要素もささやかながら見られます。ただし、メロデス的センスや耽美要素はほんの薄っすらと感じられる程度で、次作以降のように本格的にメロディを主張してはおらず、「北欧の慟哭」と呼ばれるような激しいエモーションも感じられません。

凡百のバンドと比較すれば高水準ではありますが、楽曲のクオリティ,多様性,実験性など全ての面において習作レベルの過渡期サウンドで、オールドスクールなB級北欧デスラッシュマニア以外には積極的にはおススメしづらい作品です。

総合評価:★★☆☆☆|ブルータル度:★★★☆☆|メロディ度:★☆☆☆☆
賛否両論 通好み スルメ盤

Unorthodox|アンオーソドックス

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オリジナルアルバム – 2作目 (1992)

本格的にメロディの導入をスタートした作品で、スウォノのプログレ趣味を反映させた大作志向の曲も見られるようになり、このあたりから目端の効く新し物好きのマニアに注目されるようになりました。

前作と比較するとアイデアが豊富になりデスラッシュ曲も幾分クオリティが上がっています。この時点で、今後の作品につながるEDGE OF SANITYならではの持ち味となる要素はある程度は出そろっていますが、それを楽曲に活かしきるほどこなれてスタイルを完成させるまでには至っておらず、まだまだ実験段階の域を抜けてはいません。

大容量収録時代に突入したことで14曲と曲数も大幅に増えていることと、長尺の曲をもたせる構成力を欠いていることが相まって、アルバムオリエンテッドな観点では捨て曲や無駄が多くなっているのもマイナスです。これが前作同様10曲以内に収まっていれば、もうワンランク上の作品になれていたかもしれません。

総合評価:★★★☆☆|ブルータル度:★★★☆☆|メロディ度:★★☆☆☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

The Spectral Sorrows|ザ・スペクトラル・ソロウズ

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オリジナルアルバム – 3作目 (1993)

前作とは比較にならないほど桁違いな成長を遂げて、EDGE OF SANITYとしてのスタイルをも完全に確立したターニングポイント。オールドファンならほぼ間違いなく彼らの代表作にあげる作品で、メロディックデス黎明期を代表する1枚でもあり、輸入盤店でも大きくプッシュされるようになりました。

全編通してメロディ満載という作風ではありませんが、楽曲のバリエーションが大幅に広がり多彩な表情を持つ作品となっています。これは、さらなるメロディの導入やプログレ路線ニューウェイヴ路線など作風が大きく広がったスウォノと、ストレートなハードコアデスラッシュを推し進めるドレッドという二枚看板体制となり(クレジットこそバンド名義ですが)、互いの持ち味を殺さずそれぞれの得意なスタイルでの楽曲を完成させた成果によるものと思われます。

ストレートなE.O.S流のメロデスやハードコアデスラッシュ、メロウなSISTERS OF MARCY風やMANNOWARのカバーまで、作風の幅広さが歴代作品中でも特出しているだけでなく、そのが全てが非常に高いレベルに到達している上に、雑多過ぎることによる違和感も感じさせない絶妙な構成となっています。

総合評価:★★★★★|ブルータル度:★★★★☆|メロディ度:★★★★☆
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作

Purgatory Afterglow|パーガトリィ・アフターグロウ

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オリジナルアルバム – 4作目 (1994)

メロディックデスメタルのムーヴメント拡大による大きな波が押し寄せてきた時期の作品で、一般的なメタルファンにとってはこちらが代表作という印象が強いでしょう。

本作から個別に記載されるようになったクレジットによればスウォノドレッドの共作がメインですし、基本の作風も基本路線は前作を踏襲していますが、プログレ的な曲展開やメロディの強調など明らかにスウォノの趣味が強まった作風になっています。
そこからは、二頭体制ではあるもののイニシアチブがスウォノに傾きつつあることが推測でき、オリジナルメンバーによるギリギリのバランスの上で作ることができた、最後の作品と言えるかもしれません。

とはいえアルバムとしてのクオリティは極めて高く、前作と並んで黄金期の代表作であり、イエテボリサウンドとは全く異なるアプローチでメロディを導入した、メロデス黎明期ならではの名盤のひとつなのは間違いのないところです。

総合評価:★★★★☆|ブルータル度:★★★☆☆|メロディ度:★★★★☆
代表作 入門盤

Crimson|クリムゾン

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オリジナルアルバム – 5作目 (1996)

40分で1曲のコンセプトアルバムというだけでも、問題作と呼ばれるのが頷けるでしょう。間違いなくスウォノが完全にイニシアチブを握りそのプログレ趣味が反映されたと同時に、ドレッドら他のメンバーとの決裂のきっかけともなった作品でもあります。

前作が高く評価され、バンドもメロデスムーヴメントも上り調子で勢いのあった時期に、こういった野心的な試みをおこなう意欲は評価できますが、それが成功して功を奏しているかどうかは別問題。
延々と繰り出す短いパートをつなぎ合わせた作風で、印象的なフレーズも豊富に織り込みつつ、40分という曲を飽きずに聴き通せるクオリティには仕上がってはいます。しかし、そのフレーズのいくつかは、過去作で耳にしたような印象が拭えず新鮮味に欠けるのも確かです。

何より、最大の弱点は中途半端な作風。一応いくつかのパートに分かれてはいるものの明確な組曲形式というわけでもなく、かといってモザイク的なサウンドコラージュでもなく、あえて言うなら雑然としたDJミックスといった程度のものでしかないので、あえて長尺にした必然性が全く感じらないことでしょう。

ちなみに、本作はスウォノが初期作品をプロデュースしたつながりでOPETHミカエル・オーカーフェルトの参加作としても知られていますが、あくまで彩り程度ですしOPETHがブレイク前ということもあり特に話題にもなりませんでした。

総合評価:★★★☆☆|ブルータル度:★★★☆☆|メロディ度:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Infernal|インフェルナル

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オリジナルアルバム – 6作目 (1997)

大作プログレ趣味を押し出したの前作から一転して通常運転に戻ったアルバムで、基本的には3nd,4thの延長線上のものと考えてかまいません。メロディアスなナンバーからハードコアナンバーまで多彩な楽曲を詰め込んだ作風も健在。あえて言うなら、やや音が荒く未整理な部分が目立つのと、曲順があまり上手くなくて前半のつかみが弱いことで、印象を下げているのが惜しいくらいですね。

カタログ中では印象が薄くやや過小評価気味ですが、そこには前作が賛否両論だったこと、スウォノドレッドらバンド組の対立が漏れ聞こえるようになったこと、イエテボリスタイルが北欧メロディックデスの主流となったことで、傍流に押しやられてしまったたことなど様々な要因が絡み合っています。

スウォノ主導の楽曲とドレッド主導の楽曲が混在しているのは以前通りですが、クレジットがより細かく分かれているあたりにも両者の溝の深さがうかがえます。

ブレイク後の作品の中ではあまり顧みられることのない1枚で、新しい試みも無くいびつな空気も漂っています。しかし、クオリティはむしろ高品質なので、3nd,4thにハマったリスナーなら一聴の価値アリです。

総合評価:★★★★☆|ブルータル度:★★★★☆|メロディ度:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤

Cryptic|クリプティック

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オリジナルアルバム – 7作目 (1997)

スウォノ脱退を受けて、ドレッドを中心とした残りのメンバーだけで完成させた作品。その体制が反映されてプログレ色は払拭してメロディーも控えめとなり、ドレッドが得意とするストレートでハードコアななデスラッシュ曲主体の作風となりました。

EDGE OF SANITYへの音楽的功績はどうしてもスウォノにスポットが当たることが多く、“バンドの成功=スウォノの功績”というイメージが浸透していました。そのため注目度も評価もかんばしくなかったアルバムでセールスも伸び悩み、その結果解散ということになりますが、そんな事情からイメージされがちなクオリティの低い作品ではありません。

言ってしまえば1stを思い切りブラッシュアップしたような作風ですが、そこにこれまでにバンドが蓄積してきたメロデイも適度に折り込み、楽曲にバリエーションをもたせていますし、収録曲数を抑えていることも功を奏して飽きずに聴き通せる作品に仕上がっています。

スウォノシンパの期待に期待にそえる作風とは言いかねますし、さすがに名盤や代表作と呼ぶことはもはばかられますが、スウェーディッシュデスラッシュの平均は軽く上回る水準に達してしています。ストレートでハードコアなスタイルの、高品質なオールドスクールデスラッシュを求めるリスナーならば、想像よりも楽しめるはずです。

総合評価:★★★☆☆|ブルータル度:★★★★☆|メロディ度:★★☆☆☆
賛否両論 通好み スルメ盤

Crimson II|クリムゾンII

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オリジナルアルバム – 8作目 (2003)

タイトルのとおり、1996年にリリースした5作目Crimsonの続編となるコンセプトアルバム。解散後、一時的にEDGE OF SANITY名義で再結成してリリースした作品ですが、実質的にはスウォノのソロプロジェクトで他のメンバーは参加していません。

方向性はほぼ前作のCrimsonパート1を踏襲しており、プログレと言うよりは近年のIRON MAIDENJUDAS PRIESTのような単なる長編趣味に近いもの。パート1の大長編全1曲というのは単なる自己満足で無意味だったというのは本人も自覚があるようで、今回は組曲形式という体になっていますが、短い楽曲をツギハギしたような構成は前作同様です。

ただし、ソロプロジェクトとなってNIGHTINGALEでやっていたようなサウンドを導入したり、サポートギタリストにHEXENHAUSCANDLEMASSKING DIAMONDABSTRAKT ALGEBRAなどで活躍していたマイク・ウッド(MIKE WEAD)を迎えた効果もあってか、いつものサウンドからはややズレた分だけ、フレーズやメロディの使い回しは減って新鮮味は増しています。

真の意味でプログレッシヴなサウンドや、従来のEDGE OF SANITYスタイル求めるなら物足りなさは否めませんが、こういう作風と割り切って聴くなら前作の発展型としてそれなりに楽しめます。

総合評価:★★★☆☆|ブルータル度:★★☆☆☆|メロディ度:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

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