★ MANOWAR(マノウォー)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|筋肉と爆音が躍動する!?米国が誇るNYパンクをルーツに持つキング・オブ・エピック・メタル!…必聴アルバムは? 

Manowar_Logo ◆ M, N

ロッキンなニューヨークパンクから究極の様式美ヘヴィメタルへと大変身を遂げた、世界最大!?のボリュームと筋肉量を誇るアメリカン・マッチョ・エピックメタルのカリスマ

MANOWAR(マノウォー)はRIOTなどと並んで、オールドスクールスタイルのアメリカンヘヴィメタルの代表するグループ。
また、MANILLA ROAD, CIRITH UNGOL, THOR,HEAVY LOAD, DIO, VIRGIN STEELE, といったグループとともに、ヒロイックファンタジーや戦記/軍記ストーリーなどをテーマとして取り扱う“エピックメタル”のパイオニアとして、ヘヴィメタルの過剰なマッチョイズムや女性蔑視, 選民意識の権化であり、それをカリカチュアライズした存在として、ついでに言えば、最も音量お大きなバンドとして一時期ギネスブックに名を連ねたことなどで、本来のファンベース以上の知名度を持っています。

しかし、本来はニューヨークパンクシーンのパイオニアと呼ばれる伝説的バンドで、パンクmeetsメタルの元祖クロスオーバーとも呼ばれる、THE DICTATORS(ザ・ディクテイターズ)の結成メンバーとして名を成していたロス・ザ・ボス(Ross the Boss)と、BLACK SABBATHのパイロ係だったジョーイ・ディマイオ(Joey DeMaio)によって結成されたバンドで、言ってみればパンクのレジェンドからメタルのステレオタイプの権化へと鞍替えしたという変わり種でもあります。

最初期はパンクレジェンドが主要メンバーとして在籍しているというバックグランンドを反映して、ロックンロール色の強い豪快なサウンドを特徴としていましたが、次第に勇壮で荘厳なヘヴィメタル。エピックメタルのパブリックイメージに準じたサウンドへと変貌してゆきます。
80年代のグラムメタルムーヴメント最盛期も、それらとは一線を画した独自の正統派アメリカンヘヴィメタルを追求しており、アメリカ本国よりもイギリス, ドイツなど欧州各国で高い人気を誇っていました。

1989年にロス・ザ・ボスが脱退してからは、大作主義やドラマティシズムの追求など、さらなるヘヴィメタルの様式美を追求する動きを見せたことにより、ヘヴィメタルクラスタの中でも賛否両論を起こします。2010年以降は旧作をリレコーディングした作品のリリースが中心となり、実質的なオリジナルアルバムは一作しかリリースしていませんが、狂信的なファンに支えられて活動継続中です。

MANOWAR|DISCOGRAPHY

Battle Hymns|バトル・ヒムズ

MANOWAR_Battle_Hymns

オリジナルアルバム – 1作目 (1982年)

ここではロス・ザ・ボスのカラーが強く出ているのか、のちの作風とは全く異なるTHE DICTATORSに通じるロックンロールベースのアメリカンハードロックに近いサウンドで、GRAND FUNK RAILROADあたりをメタリックにしたような印象もあります。
デビュー作でスタイルも異なるとはいえ、MANOWARのカタログ中では確実に上位に位置する完成度なので、様式美サウンドにこだわりがなければ要チェックですし、従来のMANOWARサウンドに抵抗がある人も一聴の価値があります。

王道メタル度:★★★☆☆|様式美度:★☆☆☆☆|ロッキン度:★★★★★
エピック度:★☆☆☆☆|演出装飾度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Into Glory Ride|イントゥ・グローリー・ライド

MANOWAR_Battle_Hymns

オリジナルアルバム – 2作目 (1983年)

チープなファンタジー風コスプレジャケットからもわかるように、本格的なエピック路線に足を踏み入れた作品。前作に近いヘヴィロックをベースに重厚で勇壮な、そしてむやみに大仰なヘヴィメタル様式との融合を試みたような作風なのですが、これがどうにも食い合わせが悪い仕上がりです。
MANOWAR流メタルナンバーの原点となるT-01とT-06はなかなかですが、それをのぞくと前作でのアップテンポなノリの良さは全く感じられず、ひたすらミッド〜スローのヘヴィな楽曲で満たされています。これを重厚と言えれば聞こえはいいのですが、ドゥームロック的なヘヴィネスやグルーヴがあるわけでもなく、アイデアも貧困でメリハリを書いた凡庸な曲がダラダラと続くだけなので、残念ながら鈍重という表現がふさわしいでしょう。

王道メタル度:★★★☆☆|様式美度:★★☆☆☆|ロッキン度:★★★☆☆
エピック度:★★☆☆☆|演出装飾度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 スルメ盤 実験作

Hail to England|ヘイル・トゥ・イングランド

MANOWAR_Hail_to_England

オリジナルアルバム – 3作目 (1984年)

消化不良だった前作から驚くほどの成長を遂げており、1st時点での作風とヘヴォメタル様式美の完璧な融合を果たして、MANOWAR流ヘヴィメタルの雛形を完成させた重要作でだけでなく、全カタログ中でも屈指の完成度を誇るアルバム。
最高傑作とされることが多い次作Sign of the Hammerの陰に隠れがちですが、ファストナンバーからミッドテンポのヘヴィで重厚なナンバー、ドラマティックで叙情的なナンバーまで、よく練られてフックの効いたオールタイムベストに加わるレベルの楽曲が並び、バリエーションの多彩さと曲ごとの完成度の高さにおいては本作の方が上回ると言ってもいいでしょう。

王道メタル度:★★★★★|様式美度:★★★☆☆|ロッキン度:★★☆☆☆
エピック度:★★★☆☆|演出装飾度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Sign of the Hammer|サイン・オブ・ザ・ハンマー

MANOWAR_Sign_of_the_Hammer

オリジナルアルバム – 4作目 (1984年)

これまで以上にアップテンポなナンバーも増えて、オーソドックスなヘヴィメタルに接近した完成度の高いサウンドから、一般的にはMANOWAR初期の代表作とされファンの支持も高いアルバム。
ロス・ザ・ボス脱退後に様式美への傾倒が激しくなってからの演出効果優先で装飾過多なサウンドとは異なり、暑苦しさはあってもオーソドックスなメタルサウンドに準処したドラマティックなヘヴィメタルとして聴ける作風ですし、のちにアルバムの大半を占めるようになるSE扱いの間奏曲も見られないので、純粋に充実度の高い楽曲だけを楽しむことができます。

王道メタル度:★★★★★|様式美度:★★★☆☆|ロッキン度:★★☆☆☆
エピック度:★★★☆☆|演出装飾度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

 Fighting the World|ファイティング・ザ・ワールド

MANOWAR_Fighting_the_World

オリジナルアルバム – 5作目 (1987年)

ロス・ザ・ボス在籍時の最後のアルバム。MANOWAR作品としてはやけに明るい雰囲気を持った、ポップでキャッチーな作風が異彩を放っており、グラムメタル/ポップメタル前世の時流を反映したものとも言われています。
そのためあまり評価の高い作品ではありませんし、この後顕著になる演出過多の傾向も見られますが、従来のヘヴィメタルナンバーからジャーマン風のパワーメタルナンバー、ポップなフォークメタルまでバリエーション豊かな楽曲がそろっており、オーソドックスなヘヴィメタルアルバムとしては00年代の作品よりもはるかに上です。

王道メタル度:★★★★☆|様式美度:★★★☆☆|ロッキン度:★★☆☆☆
エピック度:★★★★☆|演出装飾度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 実験作

Kings of Metal|キングス・オブ・メタル

MANOWAR_Kings_of_Metal

オリジナルアルバム – 6作目 (1988年)

勇壮な大仰なメタル様式美とエピック様式美を、これまで以上に本腰を入れて追求し始めたアルバムで、ファンの中にはこちらを本作を最高傑作に推す向きもあります。
確かに彼らの美意識が存分に発揮された作風は、それに共感できるファンにはたまらないものがあるでしょうし、本作で完成を見せ今後の主力となるT-01に代表される、同時代的なアグレッションを持ったスピーディーなパワーメタルナンバーはナカナカの存在感。それらを含むメタルナンバーはそれなりの佳曲がそろっています。
しかし収録曲には演出のための間奏やSEに近い楽曲が多く、ヘヴィメタルの体をなしているのはせいぜい半分程度いう密度の薄さなので、彼らのコンセプトにどれだけ心酔できるかで評価は大きく変わるでしょう。

王道メタル度:★★★☆☆|様式美度:★★★★★|ロッキン度:★☆☆☆☆
エピック度:★★★★★|演出装飾度:★★★★★|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤 賛否両論 実験作

The Triumph of Steel|ザ・トライアンフ・オブ・スティール:勝利の鋼鉄

MANOWAR_The_Triumph_of_Steel

オリジナルアルバム – 7作目 (1992年)

30分近い超大作T-01に加え、7曲40分あまりというフルアルバム級のボリュームの楽曲という、CD主体の大容量時代ならではの強烈な物量攻撃を繰り出してきたアルバムですが、トゥーマッチすぎて逆効果だったのか前作と比較すると評判はイマイチです。
実際、複数曲をつなげたようなつくりのT-01は、いくつか耳を引くパートもありますが1曲として考えると冗長なだけで、言ってしまえば大作メタルにありがちなセンスや力量が追いついていない自己満足的な試みに過ぎません。
ただし、T-01さえとばしてしまえば、水準以上のメタルナンバーが並んだおバカだけどカッチョいいメタルアルバムとして、初期作品に近い感覚で聴けるので、エピックフリーク以外には端々に挟まる無駄な演出曲がノイズでしかなかった前作よりも、一般リスナーにもオススメしやすいアルバムです。

王道メタル度:★★★★★|様式美度:★★★★☆|ロッキン度:★☆☆☆☆
エピック度:★★★★★|演出装飾度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作

Louder than Hell|ラウダー・ザン・ヘル

MANOWAR_Louder_than_Hell

オリジナルアルバム – 8作目 (1996年)

前々作のKings of Metal(6th)と同じようなスタイルで、訴求力のあるヘヴィメタル/パワーメタルナンバー数曲を主軸に、単体では成立しづらい演出目的主体の楽曲が挿入される構成。
メタルナンバーだけを取り出して個別に聴けくなら良質で魅力的な楽曲ではあるですが、全編通して楽しむのは彼らの美意識や思想性に共感できるリスナー以外には敷居が高く、まさに彼らの言うところの“選ばれし真のメタル民”でないと100%は堪能できないアルバムかもしれません。

王道メタル度:★★★★☆|様式美度:★★★★★|ロッキン度:★☆☆☆☆
エピック度:★★★★★|演出装飾度:★★★★★|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤

Warriors of the World|ウォーリアーズ・オブ・ザ・ワールド

MANOWAR_Warriors_of_the_World

オリジナルアルバム – 9作目 (2002年)

前作やKings of Metal(6th)と比較すると演出目的に特化した曲はやや少なめですが、結局のところバラードなど雰囲気作りのための曲が多く純粋なヘヴィメタルナンバーの数は多くありません。問題は、数少ない貴重なメタルナンンバーのクオリティにかなりの劣化が見られること。これではダイナミズムあふれるパワーメタル/ヘヴィメタルナンバーを主軸に据えたアルバム構成が成立しません。これが現在のMANOWARの流儀として支持されているのなら、ファン層は初期から大きく変動して大幅に入れ替わっているとしか考えられません。

王道メタル度:★★☆☆☆|様式美度:★★★★★|ロッキン度:★☆☆☆☆
エピック度:★★★★★|演出装飾度:★★★★☆|総合評価:★★☆☆☆

賛否両論 お布施

Gods of War|ゴッズ・オブ・ウォー

MANOWAR_Gods_of_War

オリジナルアルバム – 11作目 (2007年)

擬似オーケストレーションを大きくフィーチャーしたシンフォ系様式美サウンド。世界観は従来通りですが、コンセプトアルバムということもあって、明記されてはいないものの実質組曲形式になっています。彼らの自己満足に近いナルシスティックな美意識と世界観にどこまで共感できるかが、評価の分かれ目になるでしょう。
しかし、これもいつも通りではあるのですが、16曲と曲数は多いものの大半がインストやSEによる間奏やナレーションで、いつにも増してメタルナンバーは少なくせいぜい3割ほど。しかも、困ったことに本来の持ち味であるはずのそのメタルナンバーがかなり低調で、純粋にパワフルなヘヴィメタル/パワーメタルを聴きたいだけというリスナーにはオススメできません。

王道メタル度:★★☆☆☆|様式美度:★★★★★|ロッキン度:★☆☆☆☆
エピック度:★★★★★|演出装飾度:★★★★★|総合評価:★★☆☆☆

賛否両論 お布施

Battle Hymns MMXI|バトル・ヒムズ MMXI

MANOWAR_Battle_Hymns_MMXI

リレコーディングアルバム (2010年)

1作目Battle Hymnsを現在の体制で再録したリレコーディングアルバム。オリジナルBattle Hymnsはメタル寄りのサウンドとはいえ基本はロックンロールベースのアメリカンヘヴィロックでしたが、それがよりヘヴィメタリックなサウンドに変貌を遂げたこともあって、オリジナル盤の作風に馴染めない様式美メタルファンには馴染みやすいかもしれません。
反面、Battle Hymnsアルバム本来の魅力は完全に失われている上に、アレンジも面白みに欠けるので、オリジナル盤を評価するリスナーにとっては単なる蛇足以上のものにはなりえないでしょう。

ヘヴィ度:★★★★☆|ハード度:★★★★☆|メロディ:★★★★☆
大作度:★★★★☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 実験作 お布施

The Lord of Steel|ザ・ロード・オブ・スティール

MANOWAR_The_Lord_of_Steel

オリジナルアルバム – 13作目 (2012年

Kings of Metal MMXIV|キングス・オブ・メタル MMXIV –

MANOWAR_Kings_of_Metal_MMXIV

リレコーディングアルバム (2014年)

デビューアルバムBattle Hymnsのリメイクに続いて、MANOWARフリークの中では最高傑作という譽れもある6作目Kings of Metalをリメイクした再録アルバム。
Battle Hymnsについては現在と大きく作風が異なることもあって、やり方次第では意義のある試みになった可能性もありますが、本作については例えば現在のJUDAS PREASTがPainkillerをリメイクしたり、IRON MAIDENが
Seventh Son of a Seventh Sonをリメイクすようなもの。
正直なところ、音質の向上以外はすべての面で劣化している状況で、実際に仕上がりもそれをそのまま反映されており、あえてリメイクした意義は全く見られません。

王道メタル度:★★★☆☆|様式美度:★★★★★|ロッキン度:★☆☆☆☆
エピック度:★★★★★|演出装飾度:★★★★★|総合評価:★★☆☆☆

賛否両論 お布施
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