- プログレッシヴでオルタナティヴな変態サウンドで瞬間的にジャーマンスラッシュシーンの頂点を極めたBIG3の一画!
- DESTRUCTION|DISCOGRAPHY
- Infernal Overkill|インファーナル・オーヴァーキル
- Eternal Devastation|エターナル・デヴァステーション
- Release from Agony|リリース・フロム・アゴニー
- Cracked Brain|クラックド・ブレイン
- Destruction|デストラクション
- Them Not Me|ゼム・ノット・ミー
- All Hell Breaks Loose|オール・ヘル・ブレイクス・ルース
- The Antichrist|ジ・アンチクライスト
- Metal Discharge|メタル・ディスチャージ
- Inventor of Evil|インベンター・オブ・イーヴル
- D.E.V.O.L.U.T.I.O.N.|デヴォリューション
- Thrash Anthems|スラッシュ・アンセム
- Day Of Reckoning|デイ・オブ・レッコニング
- Spiritual Genocide|スピリチュアル・ジェノサイド
- Under Attack|アンダー・アタック
- Thrash Anthems II|スラッシュ・アンセムII
- Born to Perish|バーン・トゥ・ペリッシュ
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プログレッシヴでオルタナティヴな変態サウンドで瞬間的にジャーマンスラッシュシーンの頂点を極めたBIG3の一画!
DESTRUCTION(デストラクション)は、日本では『ジャーマンスラッシュ三羽ガラス』などという恥ずかしい呼び方をされていた、ドイツ出身のスラッシュメタルバンドBIG3の一角。
デビュー当初は同じBIG3のSODOM(ソドム)やKREATOR(クリエーター)と比較すると突進力に欠けていましたが、独特の音質とクセのあるリフとフロントマンシュミーアのアクの強いヴォーカルで存在感をアピールしていました。
テクニカル志向のギタリストハリーが加入した効果で、ヒネリのない直線的スタイルのから予測不能な曲展開で変速リフを繰り出すプログレッシヴでオルタナティヴな音楽性に成長して注目を集めます。
しかし、新しい音楽性に反感を持って対立したシュミーアの脱退とシュミーアシンパによるバッシングに、スラッシュシーンの衰退も重なってバンドは失速して開店休業に。
00年代に入ってシュミーアとマイク(Gt.)体制で本格的に再始動し、現在も活動を続けています。
DESTRUCTION|DISCOGRAPHY
Infernal Overkill|インファーナル・オーヴァーキル
オリジナルアルバム – 1作目 (1985年)
Eternal Devastation|エターナル・デヴァステーション
オリジナルアルバム – 2作目 (1986年)
これまでに磨き上げてきた彼らの個性が、本格的に花開いた作品で、これまでのストレートなスラッシュ色が強い作風と、次作でさらに強化されるプログレ的とも評されるテクニカルな作風の中間に位置するもの。
基本的にはこれまでの延長線上にあるサウンドですが、クセはあるものの突進力重視の直線的でわかりやすいサウンドから、手の込んだ変則的な要素が強まったことから離れて行く初期リスナーもあったものの、それ以上の新しいリスナーを獲得しより幅広い層から高い評価を受けます。
よって、DESTRUCTIONは終わったとも、DESTRUCTIONはここまでとも、DESTRUCTIONはここからとも意見が割れることになり、初期ラインナップでの最後の作品でもありと、いろいろな意味で分岐点となる作品です。DESTRUCTIONは活動停止までは全作ハズレなしですが、これもまた楽曲は粒ぞろいの必聴盤。
彼らの特徴である、ヂリヂリとササくれ立ったいい意味で耳障りなサウンドはここでも際立っていますが、これはある種のちの初期北欧デスメタルのサウンドも通じる部分があり、ここから伝播したものとも考えられます。
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Release from Agony|リリース・フロム・アゴニー
オリジナルアルバム – 3作目 (1988年)
DESTRUCTION代表作であり最高傑作にして、ジャーマンスラッシュシーンのみならず、全スラッシュシーンをも代表する名盤のひとつに数えられるアルバム。
ドラムがオリーに交代しハリーの加入でツインギターとなったこともあって、演奏が安定した上にやれることが増えたことで、一聴すると前作と同路線ながら明らかに1段も2段も上のステージに上がっています。
「テクニカルでプログレ的」と評されることの多いアルバムですが、そこからイメージされるような、“アカデミックな音楽理論を背景にクラシックやジャズをベースにした超絶技巧をこれ見よがしに駆使して変拍子とポリリズムを詰め込み大仰でドラマティックな長尺な大作をひねり出すだけのスタイル”というわけではありません。
あくまでもスラッシュメタルでありヘヴィメタルそのものでありながら、独創的で変則てきなリフやフレーズと聴き手の意表をつき予断を許さない斜め上系の曲展開で、過去に類を見ない彼らにしか創り出しえない楽曲を提示するというものです。実際、技巧だけを取り出してみれば、それほどハイレベルというわけでもありません。
このギャップのおかげで、“プログレ”のワードに惹かれたリスナーが聴いてガッカリ…ということが、まれに起こりうるようですが、だからこそ“スラッシュメタルの名盤”の枠にとどまっていられるとも言えます。
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Cracked Brain|クラックド・ブレイン
オリジナルアルバム – 4作目 (1990年)
前作から加入の二人との音楽観の相違によるイニシアチヴ争いからの、フロントマンのシュミーアの脱退というトラブルのよる、イメージダウンやネガキャンに近いバッシングと音楽性の変化から賛否両論だった作品。
むしろ黒歴史扱いさえされて長年抹消されていたくらいの扱いをされていますが、それは単なる過小評価に過ぎず、バンドのキャリア中でも前作に並ぶほどのクオリティを持った掛け値なしの名盤です。
確かいフリーキーで通好みな作風だった前作と比較すると、コンパクトでポップネスを重視したつくりになっていますが、彼らならではの独創性は全く失われていません。
サポーターが手のひらを返したことと、スラッシュムーヴメントの収束もあって本作を最後にバンドは開店休業状態に入ります。
周知の通りその後復活を果たし、スラッシュリバイバルの後押しもあってコンスタントな活動を続けていますが、この黄金期のメンバーの不在もあって一貫して精彩を欠いた状態が続いています。
※詳細は関連記事を参照してください。
殿堂入り 賛否両論 スルメ盤 実験作
Destruction|デストラクション
ミニアルバム (1994年)
賛否両論 実験作
Them Not Me|ゼム・ノット・ミー
ミニアルバム (1995年)
賛否両論 実験作
All Hell Breaks Loose|オール・ヘル・ブレイクス・ルース
オリジナルアルバム – 5作目 (2000年)
ご祝儀盤
The Antichrist|ジ・アンチクライスト
オリジナルアルバム – 6作目 (2001年)
お布施盤
Metal Discharge|メタル・ディスチャージ
オリジナルアルバム – 7作目 (2003年)
入門盤
Inventor of Evil|インベンター・オブ・イーヴル
オリジナルアルバム – 8作目 (2005年)
お布施盤
D.E.V.O.L.U.T.I.O.N.|デヴォリューション
オリジナルアルバム – 9作目 (2008年)
お布施盤
Thrash Anthems|スラッシュ・アンセム
リレコーディング・ベスト – 第1弾 (2007年)
入門盤
Day Of Reckoning|デイ・オブ・レッコニング
オリジナルアルバム – 10作目 (2011年)
入門盤 お布施盤
Spiritual Genocide|スピリチュアル・ジェノサイド
オリジナルアルバム – 11作目 (2012年)
お布施盤
Under Attack|アンダー・アタック
オリジナルアルバム – 12作目 (2016年)
入門盤
Thrash Anthems II|スラッシュ・アンセムII
リレコーディング・ベスト – 第2弾 (2007年)
お布施盤
Born to Perish|バーン・トゥ・ペリッシュ
オリジナルアルバム – 13作目 (2019年)
入門盤 お布施盤
◎DESTRUCTIONはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
DESTRUCTIONは一時解散までの初期作品は作風は違えどどれもハズレなしですが、彼らでしか聴けない独自の作風を求めるなら“Release from Agony(3rd)”につきます。とにかくプリミティヴなスラッシュを聴きたいというなら“Infernal Overkill(1st)”、間をとるなら“Eternal Devastation(2nd)”ということになりますね。
“Cracked Brain(4th)”はシュミーア不参加でファンから駄作認定されがちですが、個性的&高品質な掛け値なしの隠れた名盤。再結成後の作品なら、初期作を新録した“Thrash Anthems”の第1弾から入るといいでしょう。
ちなみに、再デビュー前のミニアルバム“Destruction”と“Them Not Me”は激レアですが、完全コレクター向きなのでプレミア付きで買ってまで聴く値打ちはありません。