- BLACK SABBATH全盛期の黄金の70年代からアメリカンヘヴィロックとして活動を続け、80年代にプレドゥームメタルを完成させ、90年代ブレイクを果たしたドゥームシーンの生きる歴史は未だ現役で挑戦を続ける!!
- PENTAGRAM|DISCOGRAPHY
- Pentagram|ペンタグラム
- Day of Reckoning|デイ・オブ・レッコニング
- Relentless|リレントレス
- Be Forewarned|ビー・フォーウォーンド
- Human Hurricane|ヒューマン・ハリケーン
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- Sub-Basement|サブ・ベースメント
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BLACK SABBATH全盛期の黄金の70年代からアメリカンヘヴィロックとして活動を続け、80年代にプレドゥームメタルを完成させ、90年代ブレイクを果たしたドゥームシーンの生きる歴史は未だ現役で挑戦を続ける!!
PENTAGRAM(ペンタグラム)は80年代から第1期BLACK SABBATHからの影響ダイレクトに反映した“SABBATHインスパイア系”スタイルで活動を続けていたグループで、BLACK SABBATHとCATHEDRAL登場以降の90年代ドゥームメタルムーヴメントをつなぐプレドゥームメタル/アーリードゥームメタルとも言える存在のひとつ。
近年では“トラディショナル・ドゥーム”とも称されており、同様のコンセプトのSAINT VITUS(セイント・ヴァイタス),TROUBLE(トラブル)と共に80年代USドゥームBIG3、あるいはNWOBHMシーンの英国ドゥームWITCHFINDER GENERAL(ウィッチファインダー・ジェネラル)を含めてトラディショナル・ドゥームBIG4とも呼ばれています。
PENTAGRAMはそれらの80年代同期グループとは異なり、70年代の初頭からすでにMACABRE(マカブレ)名義やDEATH ROW(デス・ロウ)名義で活動を続けていた一回り上のベテランで、世代的にもキャリア的にもむしろオリジナルBLACK SABBATHに近い存在です。
MACABRE時代は、当時のUSバンドらしいBLUE CHEER(ブルー・チアー)などにも通じるようなワイルド&ラウドなアメリカンハードロック/ヘヴィロックスタイルでしたが、のちに“SABBATHインスパイア”要素を強めていき、BLACK SABBATHの陰鬱なヘヴィネスとアメリカンロック的なアーシーな埃っぽさが同居したスタイルへと変貌してゆきます。
80年代に入るとNWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティシュ・ヘヴィ・メタル)によるヘヴィメタル人気の高まりを意識してか、より“SABBATHインスパイア”色を強めつつもヘヴィメタル的な音作りに寄せたドゥームサウンドに移行し、さらにはサタニズム/アンチキリスト風イメージをギミックを押し出したPENTAGRAMとして生まれ変わります。
リアルタイムでは一部のマニアックな人気にとどまっていましたが、90年代のドゥームメタルムーヴメントの中でルーツ的な存在として他の80年代組ともども注目を集めたことで再評価が高まります。それ以降はやや作風を変えつつコンスタントなアルバムリリースを重ねており、オリジナルメンバーがボビー・リーブリング(Bobby Liebling)ただ1人のみとなった今なお、USドゥームレジェンドとして第一線での活動を続けています。
PENTAGRAM|DISCOGRAPHY
Pentagram|ペンタグラム
オリジナルアルバム – 1作目 (1985年)
BLACK SABBATH風ヘヴィリフにオジー風の粘っこいヴォーカルスタイルという、“SABBATHインスパイア系”プロト – ドゥームメタルはここで確立されており、音作りはヘヴィメタルブームを反映してかややメタリックな質感。しかし、ときおり聴けるヘヴィネスを増した豪快なUSヘヴィロックサウンドからは、彼らの本領がアメリカンサバス風よりむしろこちらにあることも確認できます。
のちに英国ピースヴィルから『Relentless』として再発され、こちらが流通のメインとなります。
サバス度:★★★☆☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 代表作 通好み スルメ盤
Day of Reckoning|デイ・オブ・レッコニング
オリジナルアルバム – 2作目 (1987年)
前作と変わらぬ路線ですが、さらにサバスインスパイアの度合いが激しくなってサバス風フレーズもそこかしこで聴けるようになり、サバスクローン度合いは圧倒的に高まりました。しかし、その点こそが評価が分かれるポイントでもあり、バンドのとしての個性においては前作の方がいくぶん上回っています。
とはいえ、ベテランだけあって単なるクローンにない地力を感じさせますし、ソツのない安定した仕上がりではあります。
サバス度:★★★★☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤 賛否両論 スルメ盤
Relentless|リレントレス
オリジナルアルバム – 3作目 (1993年)
1stの曲順が変更されVENOM風ジャケットとなった、編集版リイシューアルバム。このリイシューは2ndのDay of Reckoningと色違いの同デザインで、わかりづらいので要注意。
イヤーエイクに次ぐ英国アングラ・エクストリームミュージックの大手で、同様にドゥームメタルにも力を入れていたピースヴィルからのリリースということで、こちらの方が多く市場に出回っていました。
Be Forewarned|ビー・フォーウォーンド
オリジナルアルバム – 4作目 (1994年)
“SABBATHインスパイア系”を追求しつつも、スラッシュメタルやグルーヴメタルをも視野に入れた90年代風ヘヴィネスによる新生サウンドで、さらには、UKゴシックメタルBIG3が在籍するピースヴィルのレーベルカラーを意識してか、微妙にゴシックテイストも織り込んでいます。
レーベルやリスナーの期待に答えつつも彼らの独自性が発揮された充実度の高い作品で、彼らの代表作であるだけでなくドゥームメタル全盛期を代表する一枚でと言ってもいいでしょう。
サバス度:★★★☆☆|独自性:★★★★☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作
Human Hurricane|ヒューマン・ハリケーン
初期ライヴアルバム (1998年)
Review Your Choices|レビュー・ユア・チョイス
オリジナルアルバム – 5作目 (1999年)
ボビー・リーブリング(Bobby Liebling)とジョー・ハッセルヴァンダー(Joe Hasselvander)の初期メンバー2人のみの編成となり、楽器は全てハッセルヴァンダーが担当しています。
従来のドゥーム路線を踏襲しつつもややストーナーサウンドに接近した、ガレージロック的な荒々しさを感じさせる音作り。ヘヴィネスとダウナー度では全カタログ中トップの仕上がりで、前作と並んでPENTAGRAMキャリアのひとつのピークにあたるアルバムです。
サバス度:★★★☆☆|独自性:★★★★☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Sub-Basement|サブ・ベースメント
オリジナルアルバム – 6作目 (2001年)
引き続きボビー・リーブリングとジョー・ハッセルヴァンダーの初期メンバー2人のみ体制で、従来の典型的な“SABBATHインスパイア系”スタイルとしてはラストになる作品。
PENTAGRAM以前のキャリアを反映させた、USヘヴィロック風のスタイルも交えるようになってきており、楽曲面では高水準で安定していますが、さすがにサバスクローン系スタイルは氾濫しすぎてマンネリになってきていたので、この路線変更は正解でしょう。
サバス度:★★★☆☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤
First Daze Here (The Vintage Collection)|ファースト・デイズ・ヒア(ザ・ヴィンテージ・コレクション)
コンピレーション:初期作品 (2002年)
サバス度:★★★★☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作 お布施
Turn to Stone|ターン・トゥ・ストーン
ピースヴィルベスト (2002年)
A Keg Full of Dynamite|ア・ケグ・フル・オブ・ダイナマイト
初期ライヴアルバム (2003年)
1978年のライヴで、彼らの原点でもある初期のBLUE CHEER(ブルー・チアー)系アメリカンヘヴィロックと、目覚めかけのBLACK SABBATHインスパイアのUSドゥームが交差する過渡期ならではのスタイル。
サバス度:★★☆☆☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
殿堂入り 通好み
Show ‘Em How|ショウ・エム・ハウ
オリジナルアルバム – 7作目 (2004年)
INTERNAL VOIDS(インターナル・ヴォイド)とDREAM DEATH〜PENANCE(ペナンス)という、90年代USドゥーム黎明期を彩ったグループのメンバーをサポートに迎えた編成で、夢のドゥームメタルプロジェクトとはさすがにやや言い過ぎですが、マニアなら垂涎モノのラインナップです。
“SABBATHインスパイア系”ではありながらも、混合編成を活かしたことでやや作風の幅も広がっており、初期MACABRE時代のBLUE CHEER系ヘヴィロックテイストも感じさせるようになりました。
サバス度:★★★☆☆|独自性:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 スルメ盤 実験作
First Daze Here Too|ファースト・デーズ・ヒア・トゥー
コンピレーション:初期作品 (2006年)
If the Winds Would Change|イフ・ザ・ウィンド・ウーッド
後期ベストアルバム (2011年)
Last Rites|ラスト・ライツ
オリジナルアルバム – 8作目 (2011年)
ジョー・ハッセルヴァンダーが抜け、初期メンバーのヴィクター・グリフィン(Victor Griffin)とUSドゥームメタル後発組のPLACE OF SKULLS(プレイス・オブ・スカル)のメンバーを加えた編成。
立て続けにリリースされた初期音源へのリアクションが良かったことや、ドゥーム/ストーナーシーンでいわゆる70年代リバイバルの“ヴィンテージ系”人気が高まったこともあってか、“SABBATHインスパイア系”ドゥームメタルの枠にとどまりつつも、70年代的なアメリカンヘヴィロック色が増したスタイルとなりました。
サバス度:★★☆☆☆|独自性:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤
Live Rites|ライヴ・ライツ
ライヴアルバム (2011年)
When the Screams Come|ウェン・ザ・スクリームス・カム
ライヴアルバム (2015年)
Curious Volume|キュリオス・ヴォリューム
オリジナルアルバム – 9作目 (2015年)
前作と同じメンバー編成で、いわゆる“SABBATHインスパイア系”ドゥームメタルテイストはさらに薄れて、ノリのいいヴィンテージ風ハード/ヘヴィロックナンバーが増えており、ドゥームメタル全盛期とはとはかなり異なる作風になっています。
もっとも、彼らの場合は初期のスタイルに回帰したと言った方がいいかもしれませんが、すでにベテランだけあって新鮮味は感じられないもののクオリティは維持されており、マンネリ回避のためにも作風の変化は歓迎すべきでしょう。
サバス度:★★☆☆☆|独自性:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤 実験作