★ CANCER(キャンサー)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ブリティッシュ・オールドスクールデスメタルBIG4の一画はテクニカルで個性的な実力派!…必聴アルバムは? 

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グラインドコア発祥の地イギリスのエクストリームミュージックシーンではやや影の薄いオールドスクール・ブリティッシュ・デスメタルを代表するBIG4の一角から同時代的なセンスと独創性を持ったサウンドへと進化を続けたベテランバンド!!

CANCER(キャンサー)は、イギリスのデスメタルシーンを代表格として、BENEDICTIONはBOLT THROWERやCANSER、そしてデスメタルへ移行したCARCASSらとともに、ブリティッシュデスメタルシーンのBIG4に位置していたグループ。

多くのブリティッシュエクストリームメタルと同様にハードコア/クラストからの影響を強く受けつつも、スラッシュメタル色の強いオールドスクールなデスメタルスタイルが基本的な作風ですが、多くの英国勢と同様一筋縄ではいかない区政の強い個性を持っており、彼らの場合は、やや変則的なセンスとテクニカルなエッセンスを持ったスラッシーなスタイルで存在感が際立っていました。

デスメタルの一般化。メジャー化が進む一方で、ムーヴメントととしては飽和から収束に向かっていた90年代中期には、オールドスクールシーンの中の先鋭的なグループの多くがヘヴィグルーヴ, インダストリアル,ドゥームメタルなどの周辺ジャンルのみならず、それ以前の70年代,80年代のヘヴィミュージックまでを取り入れつつ、新たなサウンド構築に向けてのアクションを起こしていました。

CANCERもその動きの同調して音楽性を模索に取り掛かり、従来のデスラッシュサウンドにヘヴィグルーヴやデッスンロール、70年代ヘヴィロック/ハードロックを取り入れたの独自スタイルを創り出すも、結果はかんばしくなく多くのオールドスクールデスメタルバンドと同様に活動を終えてしまいます。

2003年の再結成後は、さらに実験的な作品をリリースするも振るわず再度活動停止しなりますが、2013年にはオールドスクールデスメタルリバイバルの機運に乗って再始動。初期に近い作風に回帰した新作もリリースして現在も鋭意活動週です。

CANCER|DISCOGRAPHY

To the Gory End|トゥ・ザ・ゴリィ・エンド

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オリジナルアルバム – 1作目 (1990年)

3人編成のパワートリオによるアルバムで、VENOMやクラストコアからの影響も強く感じさせる、ロッキンテイストも持ち合わせたのオールドスクールなハードコアデスラッシュサウンドは、CANCERのカタログ中では最も荒々しく勢いがあり疾走感と突進力のあるに満ちたものです。
単なる突撃一直線な作風ではなく、ダウンビートも交えて緩急をつけた作風ですが、スロー/ミッドパートは効果的に用いられているので、同様の作風にありがちなダウンビートが疾走感を阻害して勢いを削ぐようなことはありません。
ケレン味に欠けて地味で通好みな作風が多いことから、やや上級者向けの印象があるブリティッシュデスメタルの中では、比較的ビギナーにもとっつきやすいフックの効いた高品質なアルバムです。B級感あふれるジャケッドはご愛嬌。

ブルタル度:★★★★☆|スラッシュ度:★★★★☆|ハーコー度:★★★★★☆
ドゥーム度:★★☆★☆☆|グルーヴ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤
To the Gory End
デスメタル / ブラックメタル¥1,528Cancer

Death Shall Rise|デス・シャル・ライズ

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オリジナルアルバム – 2作目 (1991年)

DEATHやTOBITUARYなどのデスメタルからTESTAMENTなどのスラッシュメタルまで、様々なバンドのサポートを務めてきたテクニカルな腕利きギタリスト、ジェームズ・マーフィ(James Murphy)が参加した唯一のアルバム。
オールドスクールなデスラッシュサウンドという意味では前作と変わりはありませんが、ハードコア色がやや薄れてデスメタル/ヘヴィメタル寄りのサウンドとなりました。また、マーフィの参加からも想像できるように、楽曲も変則的でテクニカルな展開を見せるようになり、ギターソロのフィーチャー度も上がっています。
前作のストレートな突進力は失われたたもののサウンドの独自性は増しており、好みは分かれますがこちらも代表作にあげるリスナーが多い名盤です。

ブルタル度:★★★★☆|スラッシュ度:★★★★☆|ハーコー度:★★★★☆
ドゥーム度:★★☆☆☆|グルーヴ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作
Death Shall Rise
デスメタル / ブラックメタル¥1,528Cancer

The Sins of Mankind|ザ・シンズ・オブ・マンカインド

CANCER_The_Sins_of_Mankind

オリジナルアルバム – 3作目 (1993年)

適度にテクニカルで時折変則的な展開を見せるスラッシーなデスメタルサウンドは、前作の作風から大きな変化はありませんが、ここではチャック・シュルディナーのDEATHを意識したようなフレーズが目立つようになりました。
完全に別のステージへ行ってしまった同時期のDEATHと比較すると、まだストレートな作風で従来のデスメタルファンにも聴きやすい反面、テクニカルに振り切ったことによって生まれる異形性や新規性は薄めですが、これまでと同様に高品質なデスメタルアルバムであるのは確かです。

ブルタル度:★★★★☆|スラッシュ度:★★★★☆|ハーコー度:★★★★☆
ドゥーム度:★★★☆☆|グルーヴ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤
The Sins of Mankind
デスメタル / ブラックメタル¥1,528Cancer

Black Faith|ブラック・フェイス

CANCER_Black_Faith

オリジナルアルバム – 4作目 (1995年)

ENTOMBEDの“Wolverine Blues(3rd)”に始まりCARCASSの“Swansong(5th)”あたりに連なって、当時のポストデスメタルの主な選択肢となっていたデッスンロール路線とグルーヴスラッシュ路線の中間というところ。本作の場合、そこにスペーシーサイケデリアも感じさせるドゥーミィなテイストが加わり、それらの中でもひときわ独自性の強いサウンドに仕上がっています。
ハードロッキンなサウンドとしてはCARCASSのSwansongに先駆けていたにもかかわらず、「Swansongの出来損ない」と揶揄され不当な過小評価を受けがちですが、本作の場合“デッスンロール”というより“ドゥームスラッシュ”や“ストーナースラッシュ”とでも呼ぶべきで、そもそものベクトルが異なった作風です。
過去作と同様にケレン味に欠けやや地味な点は否めませんが、T-01やT-03などはポストスラッシュの名曲ですし、独創的なエクストリームメタルに興味があれば一聴の価値はあります。

ブルタル度:★★★☆☆|スラッシュ度:★★★★★|ハーコー度:★★★★☆
ドゥーム度:★★★★☆|グルーヴ度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Corporation$|コーポレイーションズ

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EP:ミニアルバム (2004年)

前作リリース後に一度解散したのち、活動を再開した際の手始めのミニアルバム。インダストリアルミックスなども含む実験的な作風でデスメタラー/デスラッシャーの受けは良くありませんが、類型的なスタイルに陥るまいとする意志は感じられます。

ブルタル度:★★☆☆☆|スラッシュ度:★★★☆☆|ハーコー度:★★★☆☆
ドゥーム度:★★☆☆☆|グルーヴ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Spirit in Flames|スピリット・イン・フレイムス

CANCER_Spirit_in_Flames

オリジナルアルバム – 5作目 (2005年)

彼ららしいケレン味の無さは解散前と同様で、一聴するとそれが際立つ地味なグルーヴスラッシュにもハードコアデスラッシュにも感じられる作風は、Black Faith(4th)に近い印象もありますが、よく聴くとそれともひと味違ったかなりユニークで独創的な作品です。
とりわけテクニカルというわけではないものの変則的なセンスが光る彼らの持ち味が生きており、楽曲自体もスラッシュ/デスを含むヘヴィメタル文法ともハードコア文法とも、大きく異なるアンスタンダードなもの。
スタイルは異なりますが、米国南部系の変態オルタナプログレメタルに通じる部分もある、なかなかつかみどころのないサウンドは好みは分かれるところですが、ストレンジでオルタナティヴなエクストリームメタルを好み、通人を自認するリスナーなら要チェック。本作リリース後に再度活動停止となるので、第二期CANCERとしては唯一のアルバムとなります。

ブルタル度:★★★☆☆|スラッシュ度:★★★★☆|ハーコー度:★★★☆☆
ドゥーム度:★★★☆☆|グルーヴ度:★★★★☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Spirit In Flames
デスメタル / ブラックメタル¥1,528Cancer

Shadow Gripped|シャドウ・グリップド

CANCER_Shadow_Gripped

オリジナルアルバム – 6作目 (2018年)

二度目の再結成を果たした第三期CANCERの幕開けを飾るアルバム。直近数作での実験的な試みは棚上げして初期のオールドスクールなデスメタルに回帰した作風ですが、現代的な音作りと過去には見られなかったエッセンスも詰め込んで、単なるセルフリバイバルにはとどまらない作品に仕上げています。
作風は、MORBID ANGELを思わせるわかりやすいアメリカンデスメタルテイストがかなり強まっており、彼らが好むダウンテンポも心地よい疾走感を邪魔しない程度に効果的に用いられています。ブリティッシュデスメタルの中では、かなり一般受けを意識してそれが成功を見せており、やや“置きに行った感”が強いものの高品質で完成度の高いアルバムです。
ゴシックメタルバンドによるデスメタルユニットBloodbathにも参加しているKATATONIA(カタトニア)のアンダース(Anders Nyström)らもゲスト参加しています。

ブルタル度:★★★★☆|スラッシュ度:★★★★☆|ハーコー度:★★★★☆
ドゥーム度:★★★☆☆|グルーヴ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み

Ballcutter|ボールカッター

CANCER_Ballcutter

EP:ミニアルバム (2019年)

Ballcutter - EP
デスメタル / ブラックメタル¥764Cancer
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