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【特集】ビギナーが最初に聴くべきヘヴィメタル|メロディック・デスメタル:基礎知識&代表的必聴バンド 編

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ ゴシックメタル

デスメタルに禁じ手とされたメロディを大胆に導入してシーンに革命を起こし、保守メタラーの意識にまでカタストロフを起こしたエクストリームメタルの重要ジャンル!

スタイル – メロディック・デスメタルとは?

メロディック・デスメタル(以下メロデス)とは、その名の通りメロディ要素の強いデスメタルのこと。

実は、デスメタルへのメロディ導入自体はメロディック・デスメタルの登場以前から行われていましたが、それとは明確に異なるレベルで、メロディーのフィーチャー度が大幅に強化され、サウンドにおけるその重要性がアップしています。

メロディ導入のスタイルとしては、

①…ギターソロなどメロディパートを大幅に増量したもの。
②…メロディアスなフレーズをリフ化するなど基本のリフ自体にメロディを織り込んだもの。
③…もともとメロディラインを持った楽曲にデスヴォーカルを乗せたもの。

…などバンドによって異なりますが、いずれにしてもそれ以前のメロディを意識したデスメタルのスタイルから叙情性,耽美性,エモーションを大幅に強化し、メロディを前面に押し出した作風の曲構成というスタイルを実現している点で共通しています。

これは、頑なにアンチデスメタルのスタンスをとり、「メロディーのない音楽なんかゴミ」,「メロディアスなデスメタルを作れるものなら作ってみろ!(笑)」とコケにしていた、様式美至上主義の保守メタラーにカタストロフが起きた瞬間です。これは保守メタラーの固定観念を半笑でくつがえす爽快なものでした。

これにより、硬直化しつつあったデスメタルシーンに大きな風穴を開けてポストデスメタルの最右翼におどり出し、さらにはこれ以降同様のアプローチを行うバンドも増殖して、北欧シーンを中心に一大勢力に成長します。

バンド紹介は2ページ目です。それだけ見たい場合は下から次ページへ飛べます!

背景 – メロディック・デスメタルはなぜ登場した?

デスメタルはもともとスラッシュメタルの分派/サブジャンルのひとつとして生まれたもの。
「攻撃性」「疾走感」「重量感」といった、ヘヴィメタル本来の個性を追求して生まれたスラッシュメタルが、さらにパワーアップ・デフォルメを重ねた究極進化系がデスメタルです。

より速く、より重く、より激しく、より複雑、より凶暴に、より狂的に、より変態的に。
こういったデスメタルの基本的方法論によるエクストリーム進化の流れは、デスメタルが注目を浴びるようになる90年代前半の時点でほぼ完成系にたどり着き、オーソドックスなデスメタルのスタイルは行き詰まり、せいぜいが短距離走の記録更新レベルで手数とスピードを微妙に増していく程度になっていました。

本来、ヘヴィメタルの進化実験的な試みという側面もあったデスメタルシーンですから、先鋭的な感性と姿勢を保つバンドも多く、それらはある時期を境に新機軸を模索するポストデスメタル的展開へとシフトしていきます。

そこからいくつかの分派が生まれ、それぞれの方向で新機軸を追求することになりますが、それがドゥームメタルでありゴシックメタルでありプログレッシヴデスメタルであり、そしてメロディック・デスメタルだったというわけです。

歴史 – メロディック・デスメタルの登場!そのパイオニアは?

前記の通り、メロディを取り入れたバンドは元来メロディ/耽美志向の強い北欧シーンを中心にメロデス登場以前から存在しており、メロディック・デスメタルというカテゴライズが完成するまでは、日本では耽美派デスメタル・メロディ派デスメタルなどとよばれていました。

プログレ的な作風の中でメロディ導入を試みていた初期のEDGE OF SANITY(エッジ・オブ・サニティ)AT THE GATES(アット・ザ・ゲイツ)AMORPHIS(アモーフィス)、耽美的な要素を追求しておりのちにゴシックメタルに移行するTIAMAT(ティアマト)SENTENCED(センテンスド)がその代表格です。

ただしそれらは多く場合、作品に耽美性を与えるためのSEやギターソロ,局所的なフレーズなど、ささやかで部分的なメロディー導入にとどまっていました。

そこに、過去のスタイルとは全く異なる独自の本格的にメロディ主体に据えたスタイルを確立させて、ムーヴメントの口火を切ったのがDARK TRANQUILLITY(ダーク・トランキュリティ)、まさにメロディック・デスメタルのスタンダードとなるサウンドの基礎を作ります。

それと並行して、前記のバンドたちもメロディを大幅強化した独自のスタイルを確立、ほぼ同時期に独自のメロディック路線を完成していたDESOULTORY(ディサルトリィ)DARK TRANQUILLITYに倣った弟分IN FLAMES(イン・フレムス)もそこに加わります。

さらには、DISSECTION(ディセクション)CRADLE OB FILTH(クレイドル・オブ・フィルス)NAGLFAR(ナグルファー)DIMMU BORGIR(ディム・ボガー)らメロディック/シンフォニックブラックメタルもそこに参入して、初期のメロディックなエクストリームメタルシーンを活性化していきます。

メロディの導入はポストデスメタルの流れとして同時発生的に各地で起こっており、米国ではDEATH(デス)CYNIC(シニック)、英国ではCARCASS(カーカス)などがメロディを追求した作品を生み出し、メロディック・デスメタルのパイオニアに数えられます。

歴史 – メロディック・デスメタルのメジャー化!

90年代中盤になると、日本のマスコミも新たなマーケットとしてメロディック・デスメタルをバックアップするようになったことで、日本でジャンルが認知されて高い支持を得るアーティストも続々と登場しメロデス戦国時代に突入します。
メロディックデスメタルの登場は保守的な一般メタルファンも無視できない存在となります。

それに合わせて、ARCH ENEMY(アーチエネミィ)SOILWORK(ソイルワーク)CHILDREN OF BODOM(チルドレン・オブ・ボドム)など、目利きのマニア層の手垢の付いていない新世代グループも登場し、新規リスナーにとっての同時代的バンドとして支持を集めるようになります。

これらの動きによってメロディック・デスメタル/メロディック・デスラッシュは次第にシェアを伸ばし、サブジャンルの枠を超えてヘヴィメタルの主流ジャンルのひとつとして大きな存在に成長します。

世界にはばたく北欧メロディック・デスメタル!

00年代に入るとアメリカのメタルコアシーンで、AT THE GATESなどスウェーデンのヨーテボリ(イエテボリ)系メロディック・デスメタルのスタイルを導入する流れが生まれます。

これにより、IN FLAMESSOILWORKARCH ENEMYらの北欧メロディック・デスメタルも、米国を中心に世界的に認められる音楽となり、その独創的サウンドが世界中に伝播してゆきます。

また北欧のメロディック・デスメタルシーンでも、逆輸入的にメタルコアスタイルを導入するバンドが現れるようになります。

メロディック・デスメタルのスタイルは?

ひとくちにメロデスと言っても実はいろいろなスタイルがあります。
主にメロディ導入の方法やベースとなる音楽性の違いで幾つかのパターンがあり、その組み合わせでさらにスタイルが細分化されます。

メロディ導入方法の違いによるスタイル分類

基本はストレートなデスメタルで、部分的なギターソロやメロディパートでここぞとばかりに泣きまくるタイプ。

安直な方法論なのでよくありそうなのに、意外とそうでもないのがこのタイプ。
基本ブルータルでGt.ソロがメロディアスというのは珍しくないんですが、大抵の場合Gt.ソロはあくまで添え物で、それがメインになるというケースはほとんどありません。

CARCASS/ARCH ENEMY …etc

メロリフ/エモリフを中心にした曲の組み立て攻めるタイプ

ギターソロやメロディパートを多様するよりも、リフワーク自体にメロディやエモーションを織り込むことでその煽情的なサウンドを生み出すタイプ。
泣きのGt.ソロで使うようなメロディをそのままリフに使う「メロリフ」スタイルや、メロディを刻んでリフ化することで情感/哀感を演出する“泣きリフ”/“エモリフ”スタイルがありますが、いずれも北欧スウェーデンが中心的なシーンとなっています。

DARK TRANQUILLITY/AT THE GATES …etc

メロディアスな曲も含む様々なスタイルで勝負する雑食タイプ。

一枚のアルバムの中に様々な作譜の楽曲を盛り込む雑食的な作風での一環として、メロディックデスメタルと呼べるメロディアスな楽曲を織り込むタイプ。プログレ/オルタナティヴ的なスタイルを持ったバンドによく見られます。

EDGE OF SANITY …etc

ベースとなるサウンドの違いによるスタイル分類

オーソドックスデスメタル

スタンダードなブルータルデスメタルスタイルを崩さずにメロディを取り入れるタイプ。
ささやかなメロディ要素を部分的に導入するバンドは、メロディックデスメタル以前にいくつも存在しましたが、大幅に取り入れて全面的にメロディや泣き要素を導入するには高度なセンスを要求されるので、実践するバンドはあまり多くありません。

DEATH/KATAKLISM(初期) …etc

デスラッシュのメロディ強化タイプ

北欧に多いデスラッシュ/ネオスラッシュサウンドベースにしたタイプ。メロディや泣き要素との相性が良くメロデスの代表的なスタイルのひとつとなっています。
定形様式も出来上がっているので、メタルコア系も含め後続のフォロアーも数多く存在します。

AT THE GATES/THE CROWN(CROWN OF THORNS) …etc

メロディアスなゴシックメタルをスピードアップしたようなスタイル

ゴシックデスとも呼ばれていた初期ゴシックメタルにスピード感をもたせたり、ロック色の強いゴシックメタルスタイルでVo.のデス色を強めた作風が多い、ゴシックメタルベースのタイプ。

SENTENCED(中期以降)/DARK TRANQUILLITY(中期) …etc

従来のヘヴィメタルやハードロック風のサウンドにデスヴォーカルを導入したタイプ

ヘヴィメタル・パワーメタル・ハードロックの様式に近いサウンドをベースにしたタイプです。70年代ロックにのエッセンスが濃いものや、ゴシック要素やデスラッシュ要素をスパイスとしてまぶしてあるケースもあります。
また、プログレ/シンフォニック系志向のバンドにもよく見られる方法論です。

SENTENCE(Amork期)/CARCASS(SWANSONG期)/IN FLAMES/OPETH(中期以降) …etc