- エクストリームなスタイルのジャーマンスラッシュBIG3の中で唯一、常に時代と共に進化を続けてきた実験精神あふれるスラッシュメタルバンド!
- KREATOR|DISCOGRAPHY
- Endless Pain|エンドレス・ペイン
- Pleasure to Kill|プレジャー・トゥ・キル
- Terrible Certainty|テリブル・サータニティ
- Extreme Aggression|エクストリーム・アグレッション
- Coma of Souls|コーマ・オブ・ソウル
- Renewal|リニューアル
- Cause for Conflict|コース・フォー・コンフリクト
- Outcast|アウトキャスト
- Endorama|エンドラマ (1999年)
- Violent Revolution|バイオレント・レヴォリューション
- Enemy of God|エネミィ・オブ・ゴッド
- Hordes of Chaos|ホーズ・オブ・ケイオス
- Phantom Antichrist|ファントム・アンティクライスト
- Gods of Violence|ゴッズ・オブ・ヴァイオレンス
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エクストリームなスタイルのジャーマンスラッシュBIG3の中で唯一、常に時代と共に進化を続けてきた実験精神あふれるスラッシュメタルバンド!
KREATORは、日本では『ジャーマンスラッシュ三羽ガラス』などという恥ずかしい呼び方をされていた、ドイツ出身のスラッシュメタルバンドBIG3の一角。
当初は突進型のストレートでハードコアなスタイルのバンドでしたが、スラッシュムーブメントの収束とともにゴシックメタルにも通じる欧州暗黒耽美趣味やインダストリアルメタルのエッセンスを取り入れた独自のサウンドを追求していきます。
音楽的な変化が激しく賛否両論の作品も多いバンドですが、今に至るまで常に進化を模索していることもあって、ジャーマンスラッシュシーンでは最も現役感あふれるバンドのひとつです。
KREATOR|DISCOGRAPHY
Endless Pain|エンドレス・ペイン
オリジナルアルバム – 1作目 (1985年)
VENOM(ヴェノム)〜SLAYER(スレイヤー)直系ながら、より突進力重視でハードコア寄りのサウンドと、デスヴォイスと紙一重の凶悪なヴォーカルスタイルで、実際にデスメタルのルーツとして挙げられることも多い作品。この時代のメタル作品としては、もっともエクストリームな部類と言えるでしょう。
他のジャーマンBIG3のデビュー作と同様ハードコアな勢いだけ突っ走るサウンドは、あくまで発展途上で完成度としてもまだまだですが、フレージングなどにはさすがに非凡なものが見られます。
一部の1st原理主義者/初期衝動至上主義者の「これこそ最高傑作」という物言いには、さすがに「ちょっと待て!」と言いたくなりますが、こういったチープで青臭いサウンドをそ否定したくはありませんし、特にそれが好物というリスナーが尽きないのも確かです。
Pleasure to Kill|プレジャー・トゥ・キル
オリジナルアルバム – 2作目 (1986年)
成長のあとは確実に見て取れますし、「初期作品ならコレ!」というリスナーも多いくらいで、決して悪いアルバムはないのですが、前作よりこなれてはいるけど突き抜けた勢いは薄れていて、次作よりは幾分荒々しさを残しているけれど完成度では大きく見劣りするという微妙な位置にある作品。
初期衝動に満ち満ちた1作目とブレイクスルーとなった3作目に挟まれた2作目というのは、よくあるシチュエーションなのです。その場合、何かしら特筆するのような要素が見られず単なる成長過程にとどまっているだけだと、評価しづらいというか「過渡期の作品ですね…」だけで終わってしまいます。
本作は、まさにそんな単なる過渡期の1枚で終わってしまう程度なので、“初めてKREATORに触れた作品”などの補正が込みでないと物足りないところですね。
代表作 入門盤
Terrible Certainty|テリブル・サータニティ
オリジナルアルバム – 3作目 (1987年)
デビューから続くハードコアスラッシュ路線の頂点で、初期の代表作にも挙げられるアルバム。基本スタイルは前作を踏襲しつつも見違えるほど大きな成長と洗練を遂げており、よく練られてフックの効いた楽曲が満載です。
KREATORはその時代ごとにスタイルを変えつつ、名盤と呼ぶに恥じない作品をドロップしてしたバンドですが、オールドスクールなスラッシュメタルという点では間違いなくピークにある作品であり、オールドファンの中には「KREATORはここで終わり!」と主張する人もいます。
殿堂入り 代表作 入門盤
Extreme Aggression|エクストリーム・アグレッション
オリジナルアルバム – 4作目 (1989年)
デビューからのストレートな突進型スラッシュメタルの初期サウンドから、新しいアプローチを模索しつつ洗練と多様化を推し進めて実験性に満ちた中期サウンドへの橋渡しとなった作品。
前作と並んで代表作にあげられることも多い作品ですが、初期KREATORの総決算というよりはむしろKREATORバージョン2の幕開けと呼ぶべき1枚で、改めて聴くと今後の賛否両論を予感させる要素も散見されます。
アグレッシヴな突進力のあるナンバーは健在ですが、様々なアイデアを詰め込んだことで曲調のバリエーションは大きく広がっています。その分、やや小綺麗にまとまりすぎた印象があるあたりは、特にオールドファンには好みが分かれるところでしょう。
殿堂入り 代表作 入門盤
Coma of Souls|コーマ・オブ・ソウル
オリジナルアルバム – 5作目 (1990年)
前作から顔をのぞかせるようになったサウンドの新機軸を推し進めて、中期KREATORの実験性が本格的にあらわになったアルバムで、次作以降で顕著になるゴシック的な欧州暗黒耽美趣味が本格的に導入されています。
スロー/ミドルとファストパートを行き来するような凝った展開の楽曲が増え、初期の直球一本槍の突進型スタイルとは別物のようになりましたが、攻撃的な要素が薄まったわけではありませんし、楽曲はよく練られてフックの効いた印象的なパートも多く完成度では文句なし。
前作以上に整合感が増しギターソロやメロディ要素が増えていますが、ここで聴けるメロディは同郷のRAGEのように定型のメタル様式美とは一線を画した、独自のダークな個性を確立しています。
一聴するとオーソドックスなメタル様式に近い印象を受けるのが、次作以降に比べて比較的メタラー評価の高い理由でしょうね。
入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Renewal|リニューアル
オリジナルアルバム – 6作目 (1992年)
インダストリアルメタル的と評される無機質な音作りとゴシック的なダークネス、生々しいヴォーカルなど当時のメタルファンには受け入れ難かった要素が詰まっているアルバム。
当然のようにメタラー受けが悪く、特にオールドファンから酷評されがちな作品ですが、前作以上に大きなターニングポイントになる重要作で、キャリア中でもトップクラスのクオリティを誇る一枚です。
音質のせいで損をしている部分もありますね。
殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Cause for Conflict|コース・フォー・コンフリクト
オリジナルアルバム – 7作目 (1995年)
前作から一転してコンパクトなファストチューンが中心となったアルバム。
と言ってもデビュー当時のヴェノム直系でイーヴォーな初期スラッシュスタイルに回帰したわけではなく、ベースになるのはあくまで中期KREATORのモダンな実験性にあふれたサウンド。
そこに、あのSLAYERがハードコアカバー集を発表するほどの勢いがあったハードコアブームの世相も反映させつつ、さらにブラストビートやグルーヴスラッシュばりのアプローチも取り入れた モダンなファストスラッシュです。
同郷のSODOMによる同時期のMasquerade in Bloodなどもそうだったように、生っぽい音作りとギターソロなどメタル様式をオミットした無愛想な作風が原因で、メタラーからの評価が大きく割れますが、彼らのカタログの中でもトップクラスの突進量にあふれており、完成度自体も文句無しのクオリティです。
ストレートなハードコアスラッシュアプローチとはいえ、モダンなアプローチも交えたことで初期とは微妙にスタイルの異なるサウンドとなったことから、過小評価も多く忘れられがちな1枚ですが、スラッシュファンなら間違いなく必聴盤となるアルバムです。
殿堂入り 通好み スルメ盤
Outcast|アウトキャスト
オリジナルアルバム – 8作目 (1997年)
リニューアルでの実験性をさらに押し進めたアプローチで、同様にあまり評判のよくない作品。
とはいえ、前作のようなインダストリアル的な無機質な質感は薄れ、ゴシック色を強めたエモーショナルな仕上がりです。
ミドルテンポ中心でや曲調の幅がせまくキメ曲が少ないとい弱点はありますが、クオリティー的には引き続き高水準を維持しており、特にT-02はライヴにも欠かせない名曲。
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Endorama|エンドラマ (1999年)
オリジナルアルバム – 9作目 (1999年)
完全にゴシックメタル路線に振り切った異色作ですが、クオリティ自体は高いので「コレはコレで」と割りきれるリスナーなら楽しめるでしょう。
曲調はソフトに傾いたもののベースになっているのはComa of SoulsやRenual以降のクリエーター路線で、端々にらしいフレーズも見られますが、ヴォーカルスタイルもクリーンヴォイスの比率が増えヒステリックな絶叫はあまり聴かれなくなります。
クリエーターはゴシックメタル登場以前からゴシック的耽美趣味を取り入れていた実績もあり、納得できない変化ではありませんが、ややタイミングを逃した印象が強いアプローチですね。
賛否両論 スルメ盤 実験作
Violent Revolution|バイオレント・レヴォリューション
オリジナルアルバム – 10作目 (2001年)
入門盤
Enemy of God|エネミィ・オブ・ゴッド
オリジナルアルバム – 11作目 (2005年)
入門盤
Hordes of Chaos|ホーズ・オブ・ケイオス
オリジナルアルバム – 12作目 (2009年)
入門盤
Phantom Antichrist|ファントム・アンティクライスト
オリジナルアルバム – 13作目 (2012年)
代表作 入門盤
Gods of Violence|ゴッズ・オブ・ヴァイオレンス
オリジナルアルバム – 14作目 (2017年)
入門盤 賛否両論
◎ KREATORはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
KREATORは常に進化を続けて作風が変化しているいるバンドなので、これを聴いておけば間違いないという決定盤はありません。
王道スラッシュメタルなら、プリミティヴな“Terrible Certainty(3rd)”かバランスのいい“Extreme Aggression(4th)”、ハードコアな“Cause for Conflict(7th)”あたりから入るといいでしょう。
メロディやドラマ性重視なら“Coma of Souls(5th)”、実験性と完成度の両立された個性的な作品なら“Renewal(6th)”も必聴です。現代的な作風を求めるなら、メロデス/メタルコアも見据えた総決算的な“Phantom Antichrist(13th)”あたりがオススメです。