★ DEEP PURPLE(ディープ・パープル)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ヘヴィメタルのプロトタイプを確立させた毀誉褒貶激しいブリティッシュロック・レジェンド!!…必聴アルバムは?

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  1. サイケなアートロックとしてスタートしたハードロックレジェンドは、ネオクラなカリスマ早弾きギターナルシストとのせめぎ合いの末に完全決別!実力派ギター職人を迎えてマイペースで通好みな活動を続ける!!
        1. サイケからヘヴィメタルのプロトタイプへ!?
        2. カリスマギタリスト“ブラックモア”!!
        3. DEEP PURPLEはイギリスのトップバンド!?
        4. DEEP PURPLEは“ビッグ・イン・ジャパン”!?
        5. バンドとブラックモアとの確執!!
        6. 職人ギタリストを迎えて最終体制へ!?
    1. DEEP PURPLE|DISCOGRAPHY
      1. Shades of Deep Purple|シェーズ・オブ・ディープ・パープル:ハッシュ
      2. The Book of Taliesyn|ザ・ブック・オブ・タリエシン:詩人タリエシンの世界
      3. Deep Purple|ディープ・パープル:ディープ・パープル III
      4. Deep Purple in Rock|ディープ・パープル・イン・ロック
      5. Fireball|ファイアボール
      6. Machine Head|マシン・ヘッド
      7. Made in Japan|メイド・イン・ジャパン:ライヴ・イン・ジャパン
      8. Who Do We Think We Are|フー・ドゥ・ウィ・シンク・ウィ・アー:紫の肖像
      9. Burn|バーン:紫の炎
      10. Stormbringer|ストームブリンガー:嵐の使者
      11. Come Taste the Band|カム・テイスト・ザ・バンド
      12. Perfect Strangers|パーフェクト・ストレンジャーズ
      13. The House of Blue Light|ザ・ハウス・オブ・ブルー・ライト
      14. Slaves and Masters|スレイヴス・アンド・マスターズ
      15. The Battle Rages On…|ザ・バトル・オブ・レイジス・オン…:紫の聖戦
      16. Purpendicular|パーペンディキュラー:紫の証
      17. Abandon|アバンダン
      18. Bananas|バナナズ
      19. Rapture of the Deep|ラプチャー・オブ・ザ・ディープ
      20. Now What?!|ナウ・ホワット?!
      21. Infinite|インフィニット
      22. Whoosh!|ウーッシュ!
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サイケなアートロックとしてスタートしたハードロックレジェンドは、ネオクラなカリスマ早弾きギターナルシストとのせめぎ合いの末に完全決別!実力派ギター職人を迎えてマイペースで通好みな活動を続ける!!

DEEP PURPLE(ディープ・パープル)は60年代ににイギリスで結成された、ブリティッシュハードロック黎明期のグループ。

サイケからヘヴィメタルのプロトタイプへ!?

当初は、サイケデリックなプログレッシヴロックに近い“アートロック”と呼ばれるスタイルでしたが、のちに“疾走感あふれるスピードメタルチューン”と“ネオクラシカルなテクニカル早弾きギター”という、ヘヴィメタルの類型的様式となるスタイルを作り上げた存在でもあり、70年代バンドの中でもオールドスクールな伝統派ヘヴィメタル界隈で特に人気の高いグループでした。日本のメタル誌のタイトルに、彼らの代表曲のタイトル『Burn』が用いられたことも象徴的です。

カリスマギタリスト“ブラックモア”!!

全盛期には、“元祖ネオクラシカル系早弾きギタリスト”とされるリッチー・ブラックモアが舵を握っていた部分もあり、その人気が高い日本などでは“DEEP PURPLE=ブラックモア”というイメージも強くなっていますが、本来はジョン・ロードのキーボードとブラックモアのギターを二枚看板としたスタイルです。メンバーの出入りは非常に激しく、複雑なファミリーツリーを持つことでも有名です。

DEEP PURPLEはイギリスのトップバンド!?

DEEP PURPLEは、LED ZEPPELIN(レッド・ツェッペリン)とともにブリティッシュハードロックの二大巨頭と呼ばれたり、そこにBLACK SABBATHとURIAH HEEP(ユーライア・ヒープ)を加えて70’sUKハード四天王(BIG4)とも称されることもありますが、これについては語り手やその背景によっては大きな見解の相違も見られます。

DEEP PURPLEは“ビッグ・イン・ジャパン”!?

ネオクラシカル様式や伝統的ヘヴィメタルの人気が高い日本などの地域や、オールドスクールなヘヴィメタルクラスタの間では、ブリティッシュハードロックの筆頭格と高評価されています。その反面、現在の英米や90年代以降のメタル界隈では、いくつもの歴史的キラーチューンを生んだハードロックレジェンドではあるものの、LED ZEPPELINやBLACK SABBATHと比較すると影響力やその範囲で劣り、格の面でも同列に比ぶべくもない存在という評価もあり、これについても語り手によって見解が大きく異なります。

バンドとブラックモアとの確執!!

DEEP PURPLEは、70年代前半にブラックモア主導とされるスピーディーなハードロックを武器に頂点を迎えますが、エゴの塊として知られるブラックモアとの確執で脱退したイアン・ギランに続き、1975年にはそのブラックモアも方向性のの不一致を理由に脱退、自身のコントロール下で様式美サウンドを追求するために以前より計画していたRAINBOWを始動させます。

バンドは後任にトミー・ボーリンを迎えますが、翌年には当時ヴォーカリストだったデイヴィッド・カヴァデールとボーリンが相次いで脱退。DEEP PURPLEはそれを機に解散。
1984年にブラックモアを含む黄金期のメンバーで再結成しますが、すぐさま他のメンバー…特にイアン・ギラン(Vo.)との確執が激化。比較的高水準なアルバムリリースを重ねるも、だましだましの活動も1993年に限界を迎え、再びブラックモアが脱退します。

職人ギタリストを迎えて最終体制へ!?

その後スティーヴ・モーズをパーマネントなギタリストに迎え、最古参のジョン・ロード(Ky.)イアン・ペイス(Dr.)に、黄金期のロジャー・グローヴァー(Ba.)とギランという体制で、ミュージシャンズ・ミュージシャン的なやや通好みの高品質ハードロックを展開。
ロードは引退してすでに故人となり、バンドの二枚看板と様式美志向のメタルファンを失うも、それとは異なるクラスタから幅広いリスナーを獲得。一般メディアからも好評価を得て、現在進行形で活動を続けています。

DEEP PURPLE|DISCOGRAPHY

Shades of Deep Purple|シェーズ・オブ・ディープ・パープル:ハッシュ

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オリジナルアルバム – 1作目 (1968年) 第1期

便宜的に“第1期”と呼ばれる最初期は、ソリッドなサウンドでスピードメタルの原型を生み出した“第2期”とは大きく異なり、サイケとプログレの間に位置するようないわゆる“アートロック”系のスタイル。
このデビュー作も、アートロックの代表格であるVANILLA FUDGEやIRON BUTTERFLY、THE MOODY BLUESなども想起させる、サイケテイストを持ったヘヴィロックサウンドです。
ヘヴィネスでは“第2期”以降をも上回りますが、同時に親しみやすいでポップネスとダンサブルともいえる躍動感も併せ持っています。
曲は、THE BEATLESやJIMI HENDRIXらによるロックスタンダードのカバー/孫カバーが半数を占めますが、いずれも独自のアートロックアレンジを施して原曲とは異なる魅力を生み出しています。
これはアートロックではよく見られるのマナーのひとつですし、そもそもカバーが多いこと自体がこの時代のロックバンドには特に珍しものではありません。中でもT-02は、後年にもKULA SHAKERらネオサイケ/ヴィンテージ系を中心とした多数のバンドによって孫カバーされてきた名曲です。

サイケ度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★☆☆☆
叙 情 度:★★★☆☆|ポップネス:★★★★★|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み

The Book of Taliesyn|ザ・ブック・オブ・タリエシン:詩人タリエシンの世界

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オリジナルアルバム – 2作目 (1968年) 第1期

前作と同様に、THE BEATLESをはじめとしたスタンダードナンバーをアレンジした、カバー曲の割合が高めのアートロックアルバム。
ここでは、疾走感すら感じるノリのいいアップテンポナンバーやパートが目立つようになっており、T-01やT-03あたりののファストパートなどでは、後の金看板となるスピーチューンにも通じるようなテンションの高い展開も見られ、ロック的な躍動感やダイナミクスが感じられます。そのため、“第1期”作品のとしては、全盛期以降のリスナーにも比較的馴染みやすい1枚といえるかもしれません。
サイケテイストについては、純粋にトリッピーなサイケデリアを追求したようなつくり込みは少なく、良くも悪くもこの時代相応のトレンドによるデコレーションにとどまりがちなので、ディープなサイケサウンドが苦手なリスナーであってもさほど抵抗なく聴けるでしょう。
いずれにせよ、独自性や存在感こそ薄いものの充実度は高く、作風による好き依頼はあるにせよ、質においては全盛期の名盤に引けを取るものではありません。

サイケ度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆
叙 情 度:★★★☆☆|ポップネス:★★★★★☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み

Deep Purple|ディープ・パープル:ディープ・パープル III

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オリジナルアルバム – 3作目 (1969年) 第1期

初期のアートロック路線のラストを飾る本作はオリジナル曲が中心となり、恒例のカバー曲はDONOVANによるT-03のみとなりました。
基本的なアートロック路線に変わりはないものの、良くも悪くも過去作に漂っていたユルさが払拭されて、張り詰めたような緊張感に満ちあふれた、重厚さと同時に繊細さを感じさせる洗練されたサウンドとなっています。同時にドリーミーな明るさやも薄れて陰鬱とも言えるダークネスをまとっており、ヘヴィネスについてもキャリア中最高ともいえるほど。
また、ラストのプログレ風も大作T-08などには、ブラックモアによるとおぼしい中世趣味やネオクラシカルテイストもあふれています。
このサウンドは、後のヴィンテージ系ドゥーム/ストーナー/ゴシックメタルの原点のひとつとも呼べるもので、ジャケットアートに、グルーミーなアルバムの定番アートとなったヒエロニムス・ボッシュを用いたことも納得です。
ここまでがいわゆる“第1期”の作品で、ヘヴィメタルの延長あるいはそのルーツとしてDEEP PURPLEを聴くリスナーにはスルーされがちですが、クオリテイはどれも折り紙つきなので、ネオサイケ/ストーナー/ヴィンテージロックなどを嗜むリスナーならば、是が非でも押さえておきたいところです。

サイケ度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★★★|スピード:★★☆☆☆
叙 情 度:★★★☆☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作

Deep Purple in Rock|ディープ・パープル・イン・ロック

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オリジナルアルバム – 4作目 (1970年) 第2期

キャリアの黄金期にあたる“第二期”の幕開けとなるアルバムで、本格的なブレイクのきっかけともなった初期の代表作。ここで初お目見えとなり今後の彼らの代名詞となる、疾走感あふれるスピードチューンを目玉としたハードロックサウンドへと完全に生まれ変わっています。
これ以降捨て曲が増えて波が荒くなり、アルバムあたり1〜2曲のキラーチューンとの落差の激しさが批判を生みがちなDEEP PURPLEですが、ここでは脂の乗った時期だけあってアラも無ければスキも無い充実作に仕上がっています。
一般に名曲とされるのはファストなT-01やアートロックの名残を残したプログレ風のT-03のみですが、それ以外も、ファストチューンからミッドテンポのヘヴィロックまで、全曲もれ無く地味であっても聴きどころを備えた水準を超える出来栄えです。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★★☆
叙情度:★★☆☆☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Fireball|ファイアボール

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オリジナルアルバム – 4作目 (1971年) 第2期

1曲目のスピードチューンを軸にしてアルバムを組み立てるという、定番のマナーが定例化しだしたアルバム。前後に位置するのが歴史的名盤で代表作だけに、それと比較してしまうと存在感ではあと一歩及びませんが、スキのないつくりは前作から引き継がれており、やや地味ながらも充実度は高いアルバムです。
定番のスピードチューンT-01以外ではポップなT-03が代表曲とされていますが、むしろプログレ風のT-05〜ダーク&ドゥーミィなT-06〜T-07と続く後半の流れこそ聴きどころと言っていいでしょう。
ファストチューンが少なく、前後のアルバムと比較するとややインパクトに欠けるという弱点はあるものの、ヘヴィヴルーヴのミッドチューンやプログレ風など楽曲は多彩でで充実度は高く、アルバムとしての聴き応えは十二分です。

メタル度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★☆☆☆
叙情度:★★☆☆☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Machine Head|マシン・ヘッド

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オリジナルアルバム – 6作目 (1972年) 第2期

印象的なアートワークは、ヘヴィメタルとサイケデリックの交差を象徴するようにも見えますが、実際にプロト・ヘヴィメタルの1枚ともされるアルバム。T-01, T-05, T-07というロック史に残る名曲が3つもそろったインパクトもあって、“in Rock(4th)”と並ぶかそれ以上の代表作とされています。
確かにその3曲はどれも文句なしのキラーチューンで、それだけでお釣りがくるレベルですが、それ以外はアイデアや雰囲気だけは悪くは無いものの、今一歩作り込みが甘く捨て曲感が漂いますし、焼き直し感が目立つのもマイナス。とはいえ、キラーチューンの足を引っ張らない程度には無難に仕上げられており、印象に残らないだけでアルバムのノイズになるほどではありません。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆
叙情度:★★☆☆☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

Made in Japan|メイド・イン・ジャパン:ライヴ・イン・ジャパン

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ライヴアルバム (1972年) 第2期

この時代のアーティストのライヴアルバムは、スタジオアルバムを上回る名盤と称されることが少なくありませんが、日本公演を記録した本作も同様で、オールタイムベストと呼ぶリスナーも多いこの時期の代表作です。ことに、この第二期以降のDEEP PURPLEは、捨て曲率が高く名曲とそれ以外の落差が大きいこともあって、マニアでなければこれ一枚あれば十分といった風潮さえあります。
いつからかメタル界隈では、“ギターソロ以外はスタジオ盤と1音違わぬ完全再現こそ至上!”といった偏った評価傾向が広がりましたが、これはハードロックバンドでもジャムバンド並みのインプロ能力で、何時間でも続けられるグループがゴロゴロしていた時代。その中ではアレンジは比較的おとなしい方ですが、それでもスタジオとはひと味違う仕上がりを見せており、近年のメタルバンドに多いベスト盤やサンプラーの代わりにしかならないライヴアルバムとは、そこに渦巻いている熱量がケタ違いです。
ネット配信が広まってライヴ盤もレア感だけでは勝負できないこの時代こそ、リリースするなら最低限このレベルのスペシャル感はクリアしてほしいものです。

Who Do We Think We Are|フー・ドゥ・ウィ・シンク・ウィ・アー:紫の肖像

Deep Purple Who Do We Think We Are UK GB

のちにBLACK SABBATHにも参加して、現在はDEEP PURPLEのフロントマンに復帰している、バンドの代名詞とも言えるイアン・ギランが在籍していた“第2期”のラストを飾るアルバム。
これまでのビッグウェーブに乗って、チャートランキングセールス面では引き続き絶好調だったものの、ギランとブラックモアの不仲が決定的になっていたバンド事情を反映してか、迷走気味の中途半端なアルバムに仕上がっており、実際、評価も賛否両論の問題作でした。
一応は、“ヘヴィなブルーズロック路線を追求”がコンセプトとされていますが、どうにもLED ZEPPELINの後追い臭さが漂っています。
そもそも、本作最大のヒットチューンとされるT-01からして、日本がらみであることが残念なくらいの凡曲。ベスト盤の常連という栄誉に遠く及ばないミソッカスチューンで、他の名曲たちと並ぶと肩身がせまいほどです。ヘヴィなT-03、アップテンポなT-4、ZEPPELIN風リフのT-05あたりはナカナカの佳曲ですが、それらも看板を張れるレベルではありませんし、その他も“悪くもないけど良くもない”中途半端な曲が並んで終始モヤモヤさせてくれます。

メタル度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★☆☆☆
叙情度:★☆☆☆☆|ポップネス:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 通好み スルメ盤

Burn|バーン:紫の炎

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オリジナルアルバム – 8作目 (1974年) 第3期

WHITESNAKEでの活動でも知られ、のちにLED ZEPPELINのジミー・ペイジともタッグを組むヴォーカリストのデヴィッド・カヴァーデイル。元祖ミクスチャーロックTRAPEZE出身で、のちにBLACK SABBATHのトニー・アイオミとも組む、歌えるベーシストのグレン・ヒューズ。
この達人二人を新メンバーに迎えた、動乱の“第3期”の始まりを告げる作品ですが、むしろ悪名高い国産メタル誌の名称が本作に由来することで有名で、そのため特にメタラー人気の高いタイトルです。
確かに、タイトルトラックのT-01は彼らの目玉であるスピードチューンを極限までブラッシュアップしたキラートラックで、80年代のヘヴィメタル〜スピードメタルの基礎にもなったメタルシーンにとっての重要曲です。しかし、ほぼその1曲に尽きてしまうアルバムで、その他の曲との落差の大きさは一聴瞭然。あえて言えばプログレ風のT-07〜08という終盤の流れが印象に残る程度で、今ひとつ味わいに乏しい冴えない曲が続いて盛り上がりを欠いており、“第2期”末期からの波の荒さは解消されていません。
また、全体的にブラックモアのクラシカル様式美志向と、カヴァーデイル&ヒューズのソウル/ファンク志向がケミストリーを生まずマイナスに働いている印象もあります。

メタル度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★★☆☆
叙情度:★★☆☆☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論 実験作

Stormbringer|ストームブリンガー:嵐の使者

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オリジナルアルバム – 9作目 (1974年) 第3期

バンドの三枚看板のひとりでもあったギターヒーロー、ブラックモア在籍時のラストアルバム。珍しくファストチューンではなくミッドチューンから始まりますが、その1曲目はヘヴィ&グルーヴィーなやや異色な曲でありながらも、ライヴやベスト盤にも欠かせない名曲。
ブラックモアの意識がすでにRAINBOWに移っているためか、全体的にカヴァーデイル&ヒューズの志向性が強く反映されており、かなり本格的にソウルフル&ファンキーな作風を追求した曲が並んでいます。この、ロック/メタル的な外連味の薄いアーバンでアダルトなサウンドで、やや地味ではあるもののオリティは高く、上質な仕上がりの通好みなアルバムです。
この作風から、LED ZEPPELIN並みに幅広いリスナー層にアピールできる一方で、前作から一転してメタラー向けとは言い難いものとなってしまいましたが、それでも、カリスマのブラックモアが参加していることで、それなりにメタラー人気は持っているらしいなんとも不思議な1枚。

メタル度:★☆☆☆☆|ヘヴィネス:★★☆☆☆|スピード:★★☆☆☆
ブラック度:★★★★☆|ポップネス:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆

代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Come Taste the Band|カム・テイスト・ザ・バンド

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オリジナルアルバム – 10作目 (1975年) 第4期

ブラックモアに代わるギタリストとして加入した、トミー・ボーリンの在籍した唯一の作品で、DEEP PURPLEの歴史の一旦の幕引きとなったアルバム。
引き続き、カヴァーデイル&ヒューズによるブラックミュージックテイストが強いサウンドでははあるものの、前作ほどにはストレートなソウル/ファンク路線でも、アダルティで通好みな作風でもありません。
全体的に躍動感やダイナミズムが大きく増しており、疾走感のあるロックンロールやグルーヴィーなミッドチューンに加え、メロウなプログレ風ナンバーの比率も増えるなど、前作よりもメタルリスナーに馴染みやすいアルバムに仕上げられています。
残念ながら、ブラックモア・ギター・カルト(B.G.C)の信者が多いオールドファンやメタラーからはあまり評価されないアルバムですが、ロックアルバムとしての純粋な総合力では、第3期の名盤とされている“Burn(8th)”に匹敵するどころか上回るかもしれません。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★☆☆☆☆
ブラック度:★★★☆☆|ポップネス:★★★☆☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Perfect Strangers|パーフェクト・ストレンジャーズ

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オリジナルアルバム – 11作目 (1984年) 第5期

解散時に脱退していたギランとブラックモアを含む、黄金期の布陣による再結成アルバム。
基本的には、全盛期DEEP PURPLEサウンドにRAINBOWテイストをミックスした作風で、USプログレハード系の80年代産業ロックテイストも濃厚。ただし、ギリギリ片足を突っ込んだ程度のところでとどまっているため、露骨に米国メインストリームのトレンドに乗った印象は抑えられています。
際立った曲は見られず、及第点どまりの無難なアルバムでしかありませんが、カヴァーデイル&ヒューズ在籍時に全開だったの黒っぽさは払拭され、保守的なメタリックハードロックに落ち着いたことで、古参ファンやこれがリアルタイムでの遭遇となるメタルファンもニッコリ。リユニオン効果もあってか、やや過大評価の印象すら感じられるほどの人気アルバムとなりました。
ちなみに、このジャケットの3Dロゴは、関係ないベスト盤やライヴ盤にもたびたび流用されており、紛らわしいので間違えないように注意が必要です。

メタル度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
叙情度:★★☆☆☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤 賛否両論

The House of Blue Light|ザ・ハウス・オブ・ブルー・ライト

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オリジナルアルバム – 12作目 (1987年) 第5期

80年代当時のYESやRUSHのような、メインストリームのニューウェイヴサウンドを意識したをプログレバンドや、産業ロック化が進んだUSプログレハードに通じる、80年代風のシンセサウンドが特徴的でポップネス&キャッチネスが強化された作風。
中期以降のRAINBOWが引き合いに出されがちですが、あそこまで露骨なヒット狙いは見られませんし、80年代的なバブリー軽薄路線に染まり過ぎてもいません。DEEP PURPLE本来のヘヴィネスやソリッドなサウンドも十二分に生かされおり、定番のスピードメタルチューンも収録されています。何より、彼らにしては珍しく捨て曲が無くフックの効いた高水準な曲がそろっており、オールタイムベスト級の名曲こそ見られないものの、アルバムアベレージでは相当なレベルにあります。
ネオクラ様式美至上主義のメタル保守からは不評でセールスも振るいませんでしたが、ブラックモアが復帰して再度脱退するまでの一連の作品の中では、ダントツの完成度と言っていいでしょう。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★★☆
叙情度:★★★☆☆|ポップネス:★★★★☆|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Slaves and Masters|スレイヴス・アンド・マスターズ

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オリジナルアルバム – 13作目 (1990年) 第6期

80年代風のポップテイストが薄れた、オーソドックスなヘヴィメタル寄りのハードロックサウンドで、やはりRAINBOWから逆輸入されたテイストも見られます。
前作にには及ばないながらも、露骨な捨て曲が比較的目立たない無難で安定した仕上がりではありますが、アルバムの核になるキラートラックが不在なため際立った曲は見あたらず、アルバムとしてのアベレージもまるで前作には及びません。ベテランの活動サポートのためのカンパといった意義しか感じられない、いわゆる“信者向けお布施アルバム”とまではいきませんが、限りなくそれに近い近い1枚です。

メタル度:★★★★☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★★☆☆
叙情度:★★☆☆☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆

入門盤 賛否両論 お布施

The Battle Rages On…|ザ・バトル・オブ・レイジス・オン…:紫の聖戦

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オリジナルアルバム – 14作目 (1993年) 第7期

ブラックモアが参加した最後のアルバム。グランジやルーツロックリバイバル全盛の時代が影響したと思しき、モダンレトロなヘヴィネスを感じさせるサウンドで、いよいよメタラーからも本格的に駄作認定を受けることとなりました。
質だけを問うなら、再結成後のタイトルとしては平均以上で、こき下ろされるほどの出来栄えではありません。しかし、指針を見失って迷走しているような様子はうかがえ、メタル様式を追求したいのに周りが付き合う気がないようなチグハグさは感じられます。
これについては、ブラックモアがつくり出したオーソドックスなヘヴィメタルが、すでにエッジィなヘヴィミュージック最先端モードではなくなってしまい、バンドがそれに付き合う説得力を喪失したことも大きいと思われます。
ロブ・ハルフォードやブルース・ディッキンソン、あるいはBRACK SABBATHメンバーやDIO、KING CRIMSONのように、スラッシュやヘヴィグルーヴ, モダンドゥームなどにチャレンジするほどの、先進的センスがブラックモアにあれば、万にひとつでも異なる展開が待っていた……かもしれませんが、結局ブラックモアはコスプレバンドとともに“英国中世村”での余生を送る道を選びます。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★★☆|スピード:★★☆☆☆
叙情度:★★☆☆☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤

Purpendicular|パーペンディキュラー:紫の証

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オリジナルアルバム – 15作目 (1996年) 第8期

メタル度:★★★★☆|ハードコア度:★★★★☆|実験度:★★★★☆
独自性:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Abandon|アバンダン

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オリジナルアルバム – 16作目 (1998年) 第8期

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Bananas|バナナズ

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オリジナルアルバム – 17作目 (2003年) 第9期

最高にイカシたジャケットに、どんなストレンジサウンドが飛び出すかと期待が膨らみますが、中身は思いのほか普通のブルージー&ファンキーな80年代テイストのアメリカンハードロックで、良い意味でも悪い意味でも“コレじゃない感”に満ちています。とはいえ、ファンが期待するスピードメタルチューンは今回もナシながらも、Mr.BIGやAEROSMITHあたりと同じ感覚で気楽に聴くことができるアルバムです。
モーズ時代に多い、ストレンジなツイストを加わえつつクールに抑制が効いた、ポップでながらも通好みな曲がはあまり見られないので、この時期のDEEP PURPLE何を求めるかによって評価は変わってくるかもしれません。
しかし、リテラシーが要求されるこの時期作品の中では、相当にベタで明快なポップネスとエモーションを持った万人向けのサウンドなので、その驚くほどに無難なサウンドによる非常に間口が広い仕上がりから、メタル/ハードロック界隈でもかなり評価の高いアルバムとなっています。

メタル度:★★☆☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★☆☆☆
プログレ度:★☆☆☆☆|ポップネス:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤 賛否両論

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Rapture of the Deep|ラプチャー・オブ・ザ・ディープ

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オリジナルアルバム – 18作目 (2005年) 第9期

Now What?!|ナウ・ホワット?!

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オリジナルアルバム – 19作目 (2013年) 第9期

モーズが持ち込んだと思しき、プログレテイストが強まったアルバム。プログレといっても、ジェントやポストメタル系などのモダンプログレではなく、モーズとも縁のある『マグナカルタ・レコーズ』関連に多い、80年代USプログレハードの流れを汲みつつ90年代以降のヘヴィネスを持ったスタイルです。
アルバムオリエンテッドで通好みな作風で、バカテクの応酬もフックの効いたキラーチューンもあるわけではありませんし、頑なにスピートメタルを避けているも他のモーズ期作品と同様。しかし、曲は丁寧に作り込まれてロック的ダイナミクスも持ち合わせているので、RUSHやマグナカルタ・系のサウンドかイケる口なら、チープなジャケットにひるまず安心して手に取れる逸品です。

メタル度:★★★☆☆|ヘヴィネス:★★★☆☆|スピード:★★☆☆☆
プログレ度:★★★★☆|ポップネス:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤

Infinite|インフィニット

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オリジナルアルバム – 20作目 (2017年) 第9期

Whoosh!|ウーッシュ!

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オリジナルアルバム – 21作目 (2020年) 第9期

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