- 実力はBIG4以上?! 時代とともに進化を繰り返しながらハイクオリティな作品を連発するベイエリアスラッシュの実力派バンド!
- TESTAMENT|DISCOGRAPHY
- The Legacy|ザ・レガシー
- The New Order|ニュー・オーダー
- Practice What You Preach|プラクティス・ホワット・ユー・プリーチ
- Souls Of Black|ソウルズ・オブ・ブラック
- The Ritual|儀式 / ザ・リチュアル
- Low|ロウ
- Demonic|デモニック
- The Gathering|ザ・ギャザリング
- First Strike Still Deadly|ファースト・ストライク・スティル・デッドリー
- The Formation of Damnation|ザ・フォーメーション・オブ・ダムネイション
- Dark Roots of Earth|ダーク・ルーツ・オブ・アース
- Brotherhood of the Snake|ブラザーフッド・オブ・ザ・スネイク
- Titans of Creation|タイタンズ・オブ・クリエイション
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実力はBIG4以上?! 時代とともに進化を繰り返しながらハイクオリティな作品を連発するベイエリアスラッシュの実力派バンド!
USスラッシュメタルの本場ベイエリアで活動を続けてきた老舗スラッシュメタルバンドのひとつ。
ベイエリアスラッシュの中でも一聴してわかる個性的なサウンドと作曲能力の高さに定評があります。
一貫してシンメトリーにこだわったジャケットアートワークも特徴的です。
TESTAMENT|DISCOGRAPHY
The Legacy|ザ・レガシー
オリジナルアルバム – 1作目 (1987年)
スラッシュ黎明期のバンドというのは1stではまだ方向性も定まらない未完成感があって、3作目あたりでようやく自分なりのスタイルを完成させてひとつの頂点を迎え、バンド史に残る名作をものする傾向があります。
テスタメントそんなシーンの中では例外的な存在で、この1作目の時点でひとつのスタイルでの完成系というべき次元にまで達していて、その意味ではMETALLICA(メタリカ)やMEGADETH(メガデス)のデビュー作にも匹敵します。
疾走感と重量感にあふれていながらドラマティックでフック満載の楽曲は、ベイエリアスラッシュの中でも特異な魅力を放つ存在でした。
やや同じような曲調が目立ち多様性にかける面がありますが、それ以外は文句のつけようがない作品です。
殿堂入り 代表作 入門盤
The New Order|ニュー・オーダー
オリジナルアルバム – 2作目 (1988年)
ほぼ前作同様の路線を継承したアルバムで前作と並んで初期の代表作に数えられるアルバムですが、前作と比較すると楽曲ごとのクオリティでは一枚落ちます。
決してつまらない作品ではありませんが、楽曲に詰めの甘さが感じられますしバリエーションに乏しい欠点も解消されておらず、明らかにこのスタイルでの行き詰まりが見えます。
並のバンドなら名作と讃えられるクオリティの作品ですが、前作で彼らのポテンシャルを見ているだけに評価は厳しくなります。
そのあたりの自覚はあるようで、次作以降の彼らは作品ごとに音楽性の幅を広げることをテーマにしたような創作活動を続けることになります。
代表作 入門盤
Practice What You Preach|プラクティス・ホワット・ユー・プリーチ
オリジナルアルバム – 3作目 (1989年)
前作に限界を感じて多様化を狙ったのはわかりますし、その試みはある程度は達成できてもいます。
T-01,T-09といった佳曲もあり光る部分が無いわけではないですが、アルバムトータルで判断するならば今に至るTESTAMENTのキャリア中では最も低調な作品と言うしかないですね。
ミドルテンポの楽曲やバラード調のパート、オールドスクールなハードロックスタイルの導入、楽曲の複雑化や変則化などの新機軸を盛り込んでみたものの、全体的に未消化でサマになっていない部分が多くアルバムのクオリティを高めるには至っていません。
新しい要素を作品に反映させるて、クオリティと多様性が同居させらることが次作以降の課題となりました。
賛否両論 実験作
Souls Of Black|ソウルズ・オブ・ブラック
オリジナルアルバム – 4作目 (1990年)
前作Practice What You Preachでの楽曲の多様化の試みが、良い形でアルバムに反映されたアルバム。
SLAYER(スレイヤー)で言えばSouth of Heaven(サウス・オブ・ヘブン)にあたるアルバムで、前作で取り入れた新たな要素に加えて、重量感のあるミドルテンポの楽曲を新機軸として活路を見出しています。
特にタイトルトラックはその試みが実を結んだ名曲でライヴにも欠かせない代表曲。
新機軸ばかりが取りざたされがちですが、収録曲の多くは彼ら本来の疾走感のあるスラッシュナンバー。こちらも高水準な楽曲がそろっているんですが、新機軸の充実ぶりが突出すぎているのでそれと比較するとどうしても印象が弱く感じます。
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
The Ritual|儀式 / ザ・リチュアル
オリジナルアルバム – 5作目 (1992年)
スラッシュメタルのムーヴメントが終焉を迎え、パイオニア的バンドたちがスラッシュメタルから脱却を図っていた時期の作品。
歌モノ路線,ヘヴィグルーヴ路線を導入して、オリジナリティあふれる広義の意味でのヘヴィメタルを確立したという意味でも、METALLICA(メタリカ)ならブラックアルバム、MEGADETH(メガデス)ならCountdown to Extinction(破滅へのカウントダウン)、ANTHRAXではSound of White Noise|(サウンド・オブ・ホワイト・ノイズ)と同じ位置にあり、それらに匹敵するクオリティのアルバムです。
賛否に大きく分かれオールドファンの評判がかんばしくないというのも、またそれらの作品に共通しています。
とはいえ、ベーシックなスタイルはそのままに多様性を増しているので、単に疾走曲が見当たらないだけのことであって、上に挙げた作品ほどラジカルな変化や実験性は感じません。
楽曲のクオリティはハイレベルで、異色曲とされていたメロウでソウルフルなバラードM-10も今ではライヴに欠かせないアンセム曲となっています。
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Low|ロウ
オリジナルアルバム – 6作目 (1994年)
短期間の活動停止を挟んでの復活作で、今までの音楽キャリアを総括する総括する総決算的なアルバム。
これまでのサウンド全てを詰め込み、さらにヴルーヴメタルやデスメタルなど同時代的な最先端メタルの要素も取り入れた意欲作です。
新要素の取捨選択センスと、新機軸も丸ごと飲み込んで自分達のスタイルにしてしまう地力の強さと個性は相変わらずです。
殿堂入り 入門盤 賛否両論 実験作
Demonic|デモニック
オリジナルアルバム – 7作目 (1997年)
デスメタル要素を大々的に導入して全編ドスの効いたデス声で歌い、賛否両論を巻き起こしたアルバム。
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
The Gathering|ザ・ギャザリング
オリジナルアルバム – 8作目 (1999年)
前作Demonicの不評で路線変更を余儀なくされたのか、単にデス路線はやり尽くしたと判断したのか、どちらにしてもほぼ前々作のLowと同路線に回帰したアルバムですが、Demonicのデスメタル要素もバッチリ反映されています。
元SLAYER(スレイヤー)のドラムスデイヴ・ロンバートの参加もあって話題になり評価も高い作品で、実際にクオリティも高く良くできた総決算的アルバムですが、新しい試みは無いので良くも悪くも安定感重視といった仕上がりです。
ただ、聴いてるぶんには気持ちいいけど印象に残る曲が少ないパターンの典型で、曲のバリエーションが豊富な割にはやや平坦に感じて聴き流してしまいます。
存在感という点では、前作や前々作に大きく水を開けられていますね。
代表作 入門盤
First Strike Still Deadly|ファースト・ストライク・スティル・デッドリー
セルフカバーアルバム (2008年)
初期2作のナンバーから5曲づつをピックアップして新録したセルフカバーアルバム。
入門盤
The Formation of Damnation|ザ・フォーメーション・オブ・ダムネイション
オリジナルアルバム – 9作目 (2008年)
入門盤
Dark Roots of Earth|ダーク・ルーツ・オブ・アース
オリジナルアルバム – 10作目 (2012年)
殿堂入り 代表作 入門盤
Brotherhood of the Snake|ブラザーフッド・オブ・ザ・スネイク
オリジナルアルバム – 11作目 (2016年)
入門盤
Titans of Creation|タイタンズ・オブ・クリエイション
オリジナルアルバム – 12作目 (2020年)
00年代の終盤から4年に1作ペースで、それもオリンピックの年にリリースを続けてこれで4作目。いよいよ、スポーツ利権イベントに興味のないメタラーに、その訪れを知らせる存在になっています。
アベレージの高い安定感に定評のある彼らだけに、毎度その期待に違わぬ確かな満足度のアルバムを作り続けており、本作も相変わらずスキの無仕上がりで特に文句をつけるところは見当たりません。
また、近作の中ではやや初期作品に寄せたような雰囲気も持っているので、オールドファンのなじみやすいでしょう。リサイクル風のフレーズもあえて狙っていると好意的に解釈したくなります。
しかし、常に高水準ではあるもののやや作風の固定化/類型化がかなり進んでいるようにも見え、90年代の実験性の強かった時期の「今回はこうきたか!」という新鮮な驚きは味わえなくなってしまったという寂しさもあります。
また、前作から、アルバム通してやや一本調子気味で、少々バリエーションに乏しくメリハリに欠けるのと、キメ曲がやや弱く過去の水準に達していないのも惜しいところ。
それでも、このレベルのキャリアを持つベテランの中ではまだまだ現役感が十分に感じられますし、まだまだ次作が気になるくらいのポテンシャルは感じさせるだけの充実度を見せてくれています。
入門盤
◎ TESTAMENTはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
アベレージの高さに定評があるTESTAMENTですが、彼らの何たるかを知りたければ、まずはオールドスクールスラッシュの名盤で彼らの本質が詰まった“The Legacy(1st)”、または現在まで続くモダンTESTAMENTスタイルを確立させた傑作“Low(6th)”を聴いておけば間違いありません。
さらに深掘りしたければ、ヘヴィグルーヴ&ファストの二枚看板の逸品“Souls Of Black(4th)”、メロディ充実でセンス抜群な通好みサウンドの“The Ritual(5th)”、半端なデスメタルやメタルコアが土下座する超一級エクストリームサウンドの“Demonic(7th)”あたりに進むといいでしょう。
新しめのアルバムなら、“Dark Roots of Earth(10th)”が完成度で頭ひとつ抜きん出ています。