★ VOIVOD(ヴォイヴォド)ディコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|オルタナティヴでプログレッシヴな通好みカナディアン・スラッシュメタル…必聴アルバムはどれ?

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カナダが誇るサイバーでレトロフューチャーな孤高のサイケデリック・オルタナティヴ・スラッシュメタル

カナダのスラッシュメタルバンドVOIVOD(ヴォイヴォド)は、北米で通好みのスラッシュメタルバンドといえば真っ先に名前が挙がるほどで、同郷のANNIHILATOR(アナイアレーター)と比べると一般メタラーには受けづらいもののマニアックな好事家たちから高い評価を受けています。

キッチュなアートワークが象徴するとおりの、ユーモアを漂わせたレトロフューチャーでサイバーなコンセプトが特徴で、そのイメージは音楽性にも反映されて独自の世界観を作り上げています。

直線的でハードコアなスラッシュメタルから次第にテクニカルなサウンドにシフトし、さらにプログレッシヴでオルタナティヴな要素を強めて進化を続けてオンリーワンのスタイルを作り上げました。

メンバーの脱退や逝去というトラブルに見舞われながらもしぶとく一線での活動を続け、非メタル系のリスナーやアーティストからも支持されるミュージシャンズ・ミュージシャン的なポジションについており、スラッシュリバイバルの時期など後年でもっとも再評価が進んだグループと言っていいかもしれません。

VOIVOD|DISCOGRAPHY

War and Pain|ウォー・アンド・ペイン

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オリジナルアルバム – 1作目 (1984)

ここで聴けるのは、その後のテクニカルなスラッシュメタルやプログレ&サイケ要素のあるアートメタルサウンドとは異なる、ストレートでパンキッシュな突進型ハードコアスラッシュです。

多くの80年代スラッシュバンドの初期作によく見られるVENOMの影響が濃い作風で、凡庸なスラッシュメタル作品よりは聴きどころがありますが、決してこの時点でバンドのすべてが詰まっているタイプのデビュー作ではなく、あくまで個性を確立する前の過渡期の1枚に過ぎなません。

スラッシュリバイバルの流れてプリミティヴなオールドスクールスラッシュに目覚めたリスナーや、チープでジャンクなサウンドを偏愛するマニア、VOIVODの原点に触れてみたいファンなどであれば、初期作品の中では比較的入手しやすいので手に取ってみるのもいいでしょう。

スラッシュ度:★★★★★|プログレ度:☆☆☆☆☆|変態度:★☆☆☆☆
独創性:★★☆☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★☆☆☆
ご祝儀

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Rrröööaaarrr|ロロロォォォアァァァァァァ

VOIVOD_Rrröööaaarrr

オリジナルアルバム – 2作目 (1986)

1stアルバムのハードコアスラッシュ路線を推し進めた作品ですが、突進力はそのままに今後の展開の予兆を感じさせるような、変則的でフリーキーな要素も顔を出し始めました。

とはいえ、まだテクニカルとかプログレッシヴという言葉で飾るほどその方向に舵を切っているわけではなく、前作のと並んで彼らが純粋にスラッシュメタルと呼べるスタイルだったごく短い時代の作品です。
そのため、貴重なスラッシュナンバーとしてライヴのアクセントに欠かせない定番曲も収録されているので、単なる過渡期の作品と見逃せないのもやはり前作同様ですね。

のちの独創性の強い作り込まれたサウンドから彼らのキャリア触れたリスナーに対しては、無条件でオススメというわけにはいかず、マニア向けの1枚であることもこれまた前作と同じ。しかし、あらゆる面で格段にレベルアップしており、突進型スラッシェメタルとしてはここが頂点でもあるので、ハードコアスラッシャーならば必聴であることは間違いありません。

スラッシュ度:★★★★★|プログレ度:★☆☆☆☆|変態度:★★☆☆☆
独創性:★★★☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤

Killing Technology|キリング・テクノロジー

VOIVOD_KillingTechnology

オリジナルアルバム – 3作目 (1987)

本格的なテクニカルスラッシュ路線へと舵を切ったアルバムで、楽曲に複雑でツイストの効いた展開が見られるようになり、サウンドの質感にもアートワークの印象から想起されるサイバーなセンスが目立つようになりました。

とはいえ、次作でラジカルな変貌を遂げたことであらわになったプログレ/アート感覚の全貌は、ここではまだまだ完全に姿を見せることなく部分的に見え隠れする程度であり、今までどおり「一風変わっているけれど基本的にはストレートでハードコアな突進型スラッシュメタル」として聴くことも可能な最後の作品になります。

作品クオリティの面でも格段に向上しており、もはやただのローカルなマイナーB級スラッシュバンドとして見過ごすことはできない、驚異的な個性を持った存在に成長しています。

ライヴに欠かせない名曲もあり、現在のスタイルの原型とも言える重要作でもありますし、スラッシュリバイバルから彼らに触れたスラッシュファンにとっては、「プログレ/アートメタル期三部作」よりも耳になじみやすいでしょう。

スラッシュ度:★★★★☆|プログレ度:★★☆☆☆|変態度:★★★☆☆
独創性:★★★★☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作

Dimension Hatröss|ディメンション・ヘイトロス

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オリジナルアルバム – 4作目 (1988)

テクニカルスラッシュ路線を極めた初期スタイルでの頂点であると同時に、次作からのサイケデリックなアートメタル三部作への橋渡しとなるアルバム。

次作から顕著になってその後の彼らの基本スタイルとなる、ストレンジなポップネスとサイケデリアにあふれた独創的な作風はすでにこの時点で見ることができますが、この作品まではまだ本格的にはスラッシュメタルを脱却してはおらず、タイプは異なるもののDESTRUCTIONやCORONER,初期MEGADETHといったグループに通じる、変則的でフリーキーなテクニカルスラッシュの枠にかろうじて収まるサウンドです。

オーソドックスなスラッシュからの逸脱も激しくなってきたので、これまで以上に聴き手を選ぶ通好みバンド街道に突入してしまいますが、間違いなくアートスラッシュを代表する1枚として歴史に残すべき1枚です。

スラッシュ度:★★★★☆|プログレ度:★★★☆☆|変態度:★★★★☆
独創性:★★★★☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Nothingface|ナッシングフェイス

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オリジナルアルバム – 5作目 (1989)

俗にVOIVODプログレ期と呼ばれる時期にあたる中期の3部作の第一弾として、ある意味ではキャリアの黄金期の幕開けとなった作品。
スラッシュメタルのエッセンスは微妙に残しつつも、根本的なスタイルはそこから完全に脱却して、オルタナティヴなサウンドを追求したアートメタルです。

この時点で後期の作品に通じる作風は既に完成されていますが、T-03で聴けるPINK FLOIDのカバーAstronomy Dominesに象徴されるように、ここでは彼らの持ち味のひとつのサイケデリックでフリーキーなセンスが特に発揮されています。

音楽性は異なるものの、メタル由来のソリッドなヘヴィネスやアグレッションとひねくれたポップネスを同居させる方法論や、ミュージシャンズ・ミュージシャン的な通好みのセンスなどには、同郷の先輩格のRUSH(ラッシュ)や、King’s X(キングスエックス),Galactic Cowboys(ギャラクティック・カウボーイズ)などのアメリカ南部系オルタナプログレ勢に通じるものが見られます。

スラッシュ度:★★☆☆☆|プログレ度:★★★★☆|変態度:★★★☆☆
独創性:★★★★★|マニア度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Angel Rat|エンジェル・ラット

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オリジナルアルバム – 6作目 (1991)

アートメタル3部作の第二弾。
プログレでもありオルタナでもあるアートメタルとして、バンドを新たなフェーズに押し上げた記念碑的な前作と、3部作の総決算であり幅広い音楽メディアや多くの通好みなアーティストからも高い評価を受け、全キャリアを通じての代表作として語られる次作の間に挟まれ、なんとなく印象の薄い作品ではあります。

基本路線は前後の作品と同路線ですが、それらと比較するとサイケデリック要素やヒネったセンスがさほど目立たず、いくぶんストレートでシンプル、そしてややアグレッシヴな作風を持っています。
さすがにスラッシュメタルとして聴けるほどではありませんが、一風変わったメロディとポップネスを持ったハードロック/ヘヴィメタルとして、三部作の中でももっとも敷居の低い作品に仕上がっています。逆に、前作や次作を評価するリスナーには、やや物足りなさが残るかもしれません。

スラッシュ度:★★★☆☆|プログレ度:★★★☆☆|変態度:★★☆☆☆
独創性:★★★★★|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

The Best of Voivod|ジ・ベスト・オブ・ヴォイヴォド

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ベストアルバム (1992)

スラッシュ度:★★★☆☆|プログレ度:★★★☆☆|変態度:★★☆☆☆
独創性:★★★☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 お布施

The Outer Limits|ジ・アウター・リミッツ

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オリジナルアルバム – 7作目 (1993)

スラッシャーに限らない一般メタルファンからプログレファン,オルタナティブロックのシンパまで、幅広い層からの注目と支持を集めたVOIVODの中期アートメタル期ですが、このThe Outer Limitsこそ、その時期の三部作のトリを飾り彼らの代表作としても確実に名を挙げられる重要作品です。

レーベルからもプッシュされており、レトロな赤青メガネ入りの3Dイラストジャケットと言う手の込んだパッケージでリリースされたほどですし、日本の大手音盤ショップでもかなりピックアップされて目立つ扱いを受けていました。

作風はこれまでの2作を踏襲しており、17分越えと言う大作にチャレンジしている以外はとりたてて特筆するような変化はありませんが、よく練られた粒ぞろいん楽曲の数々は三部作の総決算にふさわしい充実ぶりです。

スラッシュ度:☆★★★★|プログレ度:★★★★☆|変態度:★★★★☆
独創性:★★★★☆|マニア度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Negatron|ネガトロン

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オリジナルアルバム – 8作目 (1995)

オリジナルメンバーのスネーク(Vo.)とブラッキー(Ba.)が脱退したことと音楽的な変化で、保守的なファンからは迷走期とも暗黒期とも黒歴史とも呼ばれる時期の作品第一弾。

そういったネガティヴな評価を受ける大きな原因は、バンドの顔だったスネークの爬虫類的とも言われるスネ夫ヴォイスから、どこの馬の骨ともしれない新入りEric Forrestによるドスの効いたエクストリームなダミ声シャウトに変わったことと、サウンドがグルーヴメタルを想起させるヘヴィネスとインダストリアルメタルよりの音作りを強化した作風に変化したことによるものです。

とはいえ、インダストリアルに通じるサイバーな音作りは彼らの本来の持ち味でもありますし、音楽的にもプログレッシヴなアートメタルセンスも全く衰えを知りません。
ここで聞けるには、当時スラッシュシーンで増殖した安易なPANTERAフォロアーやエセインダストリアルとは全く次元の異なるものであり、スラッシュ時代のテイストも改めて取り入れた先鋭的なエクストリームメタルを作り上げています。

インダストリアルシーンのカルト的カリスマ、フィータス(FOETUS)ことJG Thirlwellがゲスト参加というだけでも、わかる人にはその本気度の違いが理解できるはずです。

詳しくは関連記事を参照してください。

スラッシュ度:★★★☆☆|プログレ度:★★★★☆|変態度:★★★☆☆
独創性:★★★★☆|総合評価:★★★★☆|
殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Negatron
Screenshots

Phobos|フォボス

VOIVOD_Phobos

オリジナルアルバム 9作目 (1997年)

前作に引き続き黒歴史とも呼ばれる時期の作品第二弾で、基本的なスタイルは前作を踏襲したものであり、一聴した印象ではほとんど変化を感じません。

しかし、凝った曲展開やトリッキーなリズム展開が今作では大きくフィーチャーされたことにより、前作Negatronにやや欠けていたプログレ的な要素を存分に満たしており、前作を好意的に受け入れつつもやや物足りなさを感じていたリスナーでさえも、満足できる充実の仕上がりとなっています。

彼らの創作キャリアにおいてこの時期までは、間違いなくのピークに当たる黄金期と見なしても差し支えなく、本作もまた全カタログ中最上位クラスに位置する完成度を持った名盤です。

今回はのちにメンバーにも加わることになる、大御所METTALICAのJason Newstedに加え、NYオルタナティヴメタルバンドCRISISを率いていた、アンダーグラウンドのカリスマ女性アーティストKaryn Crisisまでもがゲスト参加でコラボを行い、単なるいろどり以上の存在感を見せています。

スラッシュ度:★★★☆☆|プログレ度:★★★★☆|変態度:★★★★☆
独創性:★★★★☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★★|
殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Phobos
Screenshots

Kronik|クロニック

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リミックスアルバム (1998)

スラッシュ度:★★★☆☆|プログレ度:★★★★☆|変態度:★★★★☆
独創性:★★★★★|マニア度:★★★★★|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Kronik
Screenshots

Voivod|ヴォイヴォド

VOIVOD_Voivod

オリジナルアルバム – 10作目  (2003)

本作では、オリジナルフロントマンのスネークが復帰し、前作でゲスト参加したMETTALICAのジェイソン(Jason Newsted)が正式加入。

オールドファンも納得でニュースバリューも最高ということで、かなり話題になり期待も高まりましたが、結果的にキャリア中でも突出して低調な凡作です。
ジェイソンがステージ映えするだけでコンポーザーとして凡人レベルなことは、彼のリーダー作を聴けば明白ですが、どの程度曲作りに関与していたにせよ全てはバンドの失態です。

一聴しただけなら、最も評価の高いアートメタル期に回帰したようにも感じられますが、作風的にはシンプルを通り越して単調なハードロック/ロックンロールといったところ。
かといってミニマルな展開からくるトランシーな魅力があるわけでもなく、ただメリハリに欠けるだけで、VOIVODらしさはと呼べるのは過去のリサイクルに近いフレーズのみ。全編通してあらゆる面において、彼ららしいヒネリの効いた冴えは見られません。

そのため復帰したスネークも味のあるヘタウマから、単に表現力を欠いた平板で凡庸なヴォーカリストに成り下がっています。初期作のように勢いで聴きとばせない分だけ、最も聴き通すのが困難な作品といえるでしょう。

スラッシュ度:★☆☆☆☆|プログレ度:★☆☆☆☆|変態度:★☆☆☆☆
独創性:★★☆☆☆|マニア度:★★★☆☆|総合評価:★☆☆☆☆
スルメ盤 お布施

Katorz|カトルズ

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オリジナルアルバム – 11作目 (2006)

基本的な作風は、黄金期のアートメタルサウンドの再現を夢見たリスナーを絶望のどん底に突き落とした前作を踏襲したものなのですが、そこに過去作で試みてきた様々なエッセンスを上手く取り入れることで、見違えるようにクオリティが向上しています。

言ってしまえばこれまでの集大成といったところですが、具体的に言うと前作のシンプルでややミニマル気味なスタイルに、Killing TechnologyやAngel Ratあたりの比較的ストレートな作風と、エリック在籍期のヘヴィネストインダストリアル風のフレーバーをミックスしたといったところです。
特にエリック時代のヘヴィネスが効いており、ヴォーカルスタイルも時折その時期のダーティなスタイルに寄せている節もあります。

前作からの欠点が完全に解消されているわけではなく、これまでに余っていたパーツを力ずくでツギハギしてなんとか体をなしたというところですが、この作品以降はこの手法が彼らの定番メソッドとなっていきます。
その結果、もはや音楽的に新しい試みは見られなくなり、これまでに蓄積した手持ちのボキャブラリーの組み合わせで、マイナーチェンジをしながら勝負していくスタイルを続けていくことになります。その際、特にキーポイントになる重要エッセンスは実はエリック期のもので、黒歴史とされている時代のエッセンスにバンドもリスナーも大きく助けらることになるあたりは、なかなか皮肉が効いています。

スラッシュ度:★☆☆☆☆|プログレ度:★★☆☆☆|変態度:★☆☆☆☆
独創性:★★★☆☆|マニア度:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 通好み スルメ盤

Infini|インフィニ

VOIVOD_Infini

オリジナルアルバム – 12作目 (2009)

スラッシュ度:★☆☆☆☆|プログレ度:★★☆☆☆|変態度:★★☆☆☆
独創性:★★★☆☆|マニア度:★★★☆☆|総合評価:★★☆☆☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤

Target Earth|ターゲット・アース

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オリジナルアルバム – 13作目 (2013)

スラッシュ度:★★★☆☆|プログレ度:★★☆☆☆|変態度:★★★☆☆
独創性:★★★☆☆|マニア度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤

Post Society|ポスト・ソサエティ

VOIVOD_PostSociety

ミニアルバム (2016)

The Wake|ザ・ウェイク

VOIVOD_TheWake

オリジナルアルバム – 14作目 (2018)

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