- 新たなムーヴメント吸収し続けドイツ最強のテクニカルデスメタルからゴシックメタル,インダストリアルメタル,グルーヴメタルなんでもありのオルタナティヴメタルへと変貌を遂げた八方美人の実力派ジャーマンデスメタルバンド!!
- ATROCITY|DISCOGRAPHY
- Blue Blood|ブルー・ブラッド
- Hallucinations|ハルシネイションズ
- Todessehnsucht|トーデシエンゾート
- Blut|ブラット
- Calling the Rain|コーリング・ザ・レイン
- Die Liebe|ディ・リエベ
- Willenskraft|ウィーレンススラフト
- The Hunt|ザ・ハント
- Kraft & Wille|クラフト&ワイル
- Werk 80|ワーク・エイティ
- Non Plus Ultra|ノン・プラス・ウルトラ
- Gemini|ジェミニ
- Atlantis|アトランティス
- Werk 80 II Deluxe Edition|ワーク・エイティ II:デラックスエディション
- Werk 80 II|ワーク・エイティ II
- After the Storm|アフター・ザ・ストーム
- Okkult|オカルト
- Masters of Darkness|マスター・オブ・ダークネス
- Okkult II|オカルト II
- 共有:
- 関連
- ATROCITY|DISCOGRAPHY
新たなムーヴメント吸収し続けドイツ最強のテクニカルデスメタルからゴシックメタル,インダストリアルメタル,グルーヴメタルなんでもありのオルタナティヴメタルへと変貌を遂げた八方美人の実力派ジャーマンデスメタルバンド!!
ATROCITY(アトロシティ)はドイツ産のデスメタルバンド。デビュー当初はブルータルなアウンドながらプログレ的とも表現される複雑で目まぐるしい展開を特異とする、オールドスクールテクニカルデスメタルバンドとして活動しており、ハイクオリティなサウンドで高い評価を受けていました。
しかし、彼らはMORGOTH(モーゴス)同様に実験精神の強いグループでもあり、オーソドックスなデスメタルサウンドにはいち早く見切りをつけ、グルーヴメタル,ゴシックメタルなど、新しいムーグメントを積極的に取り入れた作風へとシフトしたのを皮切りに多彩なアプローチを展開してゆくことになります。
それと並行して同じATROCITY名義ながら、アルバムごとにゲストヴォーカルも迎えて全く異なる音楽性を追求するプロジェクトを行っており、ゴシックメタル,ゴシックフォーク,トラッドメタル,インダストリアルメタル,80年代ニューウェイヴポップのヘヴィメタルカバーなど様々なコンセプトで、いくつものタイトルをリリースしています。
企画盤で大胆なアプローチを行っているぶん、オリジナルアルバムでは基本的にデスメタルベースの作風を踏襲しており根本的な音楽性の変化は見られませんが、それでもデスラッシュ,プログレッシヴメタル,ニューウェイヴリバイバルなど新しいエッセンスを取り入れる積極性は失っていません。
多彩なバックグラウンドに確かな技術と優れたセンスが加わった実力派バンドだけあって、これらは一朝一夕単なるにわかチャレンジとは全くレベルが異なるものとなっており、どのアプローチでも高い水準の作品を生み出しています。
ATROCITY|DISCOGRAPHY
Blue Blood|ブルー・ブラッド
シングル (1989年)
Hallucinations|ハルシネイションズ
オリジナルアルバム – 1作目 (1990年)
テクニカルデスメタル時代のアルバム第1弾で、ややストレートな作風ですが、ジャーマンテクニカルデスメタルの名盤に数えられる1枚。
メロ/耽美:★☆☆☆☆|プログレ度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Todessehnsucht|トーデシエンゾート
オリジナルアルバム – 2作目 (1992年)
前作より複雑で大仰な作風で、欧州暗黒耽美主義に根ざした美意識が強まってゴシック的ともいえる独自の世界観を作り上げています。これまたジャーマンの枠を超えたテクニカルデスメタルの名盤。
メロ/耽美:★★☆☆☆|プログレ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Blut|ブラット
オリジナルアルバム – 3作目 (1994年)
これまでのオーソドックスなデスメタルサウンドは払拭され、グルーヴメタル,ゴシックメタル,インダストリアルメタルなど、当時当時勢いのあったヘヴィミュージックモードを取り込んだゴッタ煮的なアルバム。
高水準とはいえその作風からやや散漫な印象は否めませんが、彼らの持ち味の前衛的プログレ風味と欧州的美意識で、ただの借りモノの寄せ集めに終わるのをまぬがれています。
メロ/耽美:★★★☆☆|プログレ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Calling the Rain|コーリング・ザ・レイン
企画物アルバム:ゴシック (1995年)
中心メンバーAlexander Krullの実妹でトラッド系シンガーの、Yasmin Krullをメインヴォーカルに据えたプロジェクトアルバム。Blutアルバム収録のゴシックトラッドナンバーだった、タイトルトラックT-01の存在が起点となった企画盤で、楽曲はそれと同様の作風で統一されています。
ANATHEMAやTHE GATHERINGを皮切りに広がりつつあった、女性ヴォーカルをフィーチャーしたゴシックメタルを意識したサウンドで、特に初期ANATHEMAが試みていたアコースティックゴシックナンバーに近いスタイルですが、楽曲は高水準ですしオリエンタルなメロディの導入などで差別化も図られてもいます。
メロディ:★★★★☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Die Liebe|ディ・リエベ
企画物アルバム:インダストリアル (1995年)
ビザールなビジュアル系インダストリアルバンド、DAS ICHとのコラボレートによるインダストリアルアルバムで、Blutアルバム収録曲の再録も含みます。
LAIBACHのカバーから始まることから予想できるように、デジタルスラッシュ系やダンサブルな作風でもニューメタル系でもない、帝国的な重厚感やゴシック的な美意識を感じさせるサウンドとやや前衛な作風が特徴的な、ややマニア向けの仕上がりです。どういう経緯か、T-05では名優Danny Devitoがゲスト参加。
耽美度:★★★☆☆|ダーク度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
代表作 賛否両論 通好み 実験作
Willenskraft|ウィーレンススラフト
オリジナルアルバム – 4作目 (1996年)
基本的には前作Blutを踏襲したグルーヴメタル色が強い作風で、ときおりPANTERAを思わせるフレーズまでおり混ぜていますが、いくらかデスメタルテイストも取り戻しておりブラストビートで疾走感を持った楽曲も見られ、前作よりはいくらかデスメタルファンにもアピールできる作風に仕上がっています。
ゴシックナンバーも健在で、T-05のヴォーカルやメロディラインなどはTYPE O NEGATIVEを想起させるものです。
メロ/耽美:★☆☆☆☆|プログレ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤
The Hunt|ザ・ハント
レアトラック集 (1996年)
Kraft & Wille|クラフト&ワイル
EP (1996年
Werk 80|ワーク・エイティ
80’sカバーアルバム (1997年)
80年代のニューウェイヴ/ポストパンク系の楽曲を取り上げたカバーアルバムで、David BowieやD.A.F.などビッグネームや通好みな名前も見られますが、全体的にはバブリーなメインストリームサウンドのニューウェイヴポップ/シンセポップ系のアーティストが中心となっています。
デスメタルサウンドに大変身…というわけではなく、メタルギターを加えてはいるものの基本的には80年代色を残して原曲に準じたストレートなアレンジ。今は忘れられた微妙なバンドも多く、どちらかというとリアルタイム世代を中心としたややマニア向けのアイテムです
総合評価:★★★☆☆|
代表作 賛否両論 通好み 実験作
Non Plus Ultra|ノン・プラス・ウルトラ
レアトラック:カバー/リミックス (1999年)
Gemini|ジェミニ
オリジナルアルバム – 5作目 (2000年)
ニューウェイヴリバイバルの盛り上がりを反映したようなWerk 80アルバムでの試みが後を引いているのか、ニューウェイヴ色の強いゴシックメタル/インダストリアルメタルサウンドに仕上げてきたアルバム。
ゴシックメタルスタイルは過去にも試みていましたが、オリジナルアルバムで1枚通してこの手の作風で統一されているのはこれまでに例が無く異色の作風ともいえます。
しかし、企画盤で聴けるサウンドと比較すれば、さほど異色というほどでもなく楽曲も水準レベルなのでやや中途半端な印象だけが残ります。
ポスパン度:★★★★★|メロ/耽美:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Atlantis|アトランティス
オリジナルアルバム – 6作目 (2004年)
オールドスクールなデスメタルサウンドとは異なるものながら、デスメタリックなエクストリームメタルサウンドへと回帰したアルバム。
楽曲は3rdや4thと同様ミッドテンポ主体のスタイルですが、グルーヴメタル色は払拭されゴシックメタルサウンドを経たことでその近似ジャンルであるダークメタルにも接近した印象があります。その作風は、デスメタリックなダークパワーメタルとでも表現ですることも可能です。
3rd〜4thの時期とは異なりアルバム全体の作風には統一感をもたせてあるので、その時期のゴッタ煮スタイルのアルバムに目立った散漫さは感じられません。
メロ/耽美:★★★★☆|プログレ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Werk 80 II Deluxe Edition|ワーク・エイティ II:デラックスエディション
80’sカバーアルバムカップリング (2008年)
Werk 80 II|ワーク・エイティ II
80’sカバーアルバム (2008年)
80年代ニューウェイヴポップカバー集の第二弾で、選曲は前作同様メジャーバンドからそうでもないバンドまでさまざま。しかし、前作でのエレポップ主体のアレンジがからバンドサウンドによるヘヴィメタリックなアレンジとなってヘヴィメタル/ゴシックメタルとして聴ける仕上がりになっています。
総合評価:★★★★☆|
代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
After the Storm|アフター・ザ・ストーム
企画物アルバム:エスノ (2010年)
Calling the Rainに続くゴシックトラッド系のプロジェクトで、前回同様Yasmin Krullをメインヴォーカルにフィーチャーしたほか、同郷のトラッドメタルバンドREMEMBER TWILIGHTのメンバーもゲストに迎えています。
Calling the Rainhはほぼ全編にわたってアコースティックなゴシックトラッドオンリーでしたが、今回はアコースティックナンバーのみならず、ヘヴィメタリックサウンドのトラッドメタルナンバーも織り交ぜてあります。
メロディ:★★★☆☆|独自性:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Okkult|オカルト
オリジナルアルバム – 7作目 (2013年)
前作からさらにデスメタル色を深めた作風で、全体的にテンポ増して疾走曲も見られるようになりました。メロディックデスラッシュと呼べそうな楽曲も見られます。
取り立てて新規性はありませんし決定的なキメ曲にもかけますが、同様のスタイルの中では独自性を維持している部類ですし、クオリティも高いレベルで安定しています。
メロ/耽美:★★★☆☆|プログレ度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 実験作
Masters of Darkness|マスター・オブ・ダークネス
EP (2017年)
Okkult II|オカルト II
オリジナルアルバム – 8作目 (2018年)
基本的な作風はここ数作と変わらない現代的なデスメタリックサウンドですが、メロデス色が強かった前作と比較するといくぶんメロディが控えめになり、ストロンングスタイルのデスラッシュサウンドに接近しました。
アップテンポなナンバーも多く、デスメタルファンにも馴染みやすい仕上がりです。
メロ/耽美:★★★☆☆|プログレ度:★★★☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 実験作