Contents
- 1スラッシュメタルをデスメタルに進化させたUSデスの創始者にして、常に新機軸でシーンをリードし続けたテクニカルでインテレクチュアルな孤高のデスメタル・バンド!
- 1...1ムーヴメントの主軸にして最古のデスメタル!?
- 1...2バンドマスター故チャック・シュルディナー!!
- 1...3腕利きのメンバーが続々参加!?
- 1...4独自のテクニカル・サウンドを追求!?
- 1...5DEATHはメロデスのプロトタイプ!?
- 1...6シュルディナーの早すぎた死!!
- 1.1DEATH|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Scream Bloody Gore|スクリーム・ブラッディ・ゴア
- 1.1.2Leprosy|リプロジー
- 1.1.3Spiritual Healing|スピリチュアル・ヒーリング
- 1.1.4Human|ヒューマン
- 1.1.5Individual Thought Patterns|インディヴィジュアル・ソート・パターンズ
- 1.1.6Symbolic|シンボリック
- 1.1.7The Sound of Perseverance|ザ・サウンド・オブ・パーサヴィーランス
- 1.2CONTROL DENIED|コントロール・デナイド|DISCOGRAPHY
- 1.2.1The Fragile Art of Existence|ザ・フラジャイル・アート・オブ・イグジスタンス
- 1.1DEATHはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
- 1.1.1.1スラッシーな正統派デスのおすすめアルバムは!?
- 1.1.1.2テクニカル路線のおすすめアルバムは!?
- 1.1.1.3メロディック路線のおすすめアルバムは!?
スラッシュメタルをデスメタルに進化させたUSデスの創始者にして、常に新機軸でシーンをリードし続けたテクニカルでインテレクチュアルな孤高のデスメタル・バンド!
DEATH(デス)は、デスメタルの聖地とも呼ばれるアメリカ合衆国のフロリダ州を拠点するデスメタル・バンド。
ムーヴメントの主軸にして最古のデスメタル!?
DEATHは一般に、〈MORBID ANGEL〉,〈OBITUARY〉,〈CANNIBAL CORPSE〉,〈DEICIDE〉らと共に、デスメタル・ムーヴメント黎明期の主力をなし、シーンを牽引したグループとして知られています。
また、それらの代表的デスメタル・バンドの中でも、DEATHは最古参にあたり、デスメタルがスラッシュメタルのいちサブジャンルという立ち位置だった時期から、すでに活動を始めていました。
そのことから、同時期の〈POSSESSED〉や〈NECROPHAGIA〉などと共に、スラッシュメタル・ムーヴメントにおけるデスメタルのプロトタイプとも見なされており、スラッシュメタルのジャンルとしてもか¥たられることがあります。
短命に終わったものが多いそれらプロト・デスメタル勢の中でも、DEATHは、唯一デスメタル・ムーヴメントが終焉を終えるまで継続的に活動を続け、進化を続けた例外的な存在となりました。
バンドマスター故チャック・シュルディナー!!
DEATHは、中心人物のギター&ヴォーカルのチャック・シュルディナー(Chuck Schuldiner)によって結成されています。
実質的に、デビュー当初からシュルディナーのソロプロジェクトに近い体制にあり、シュルディナー以外のメンバーは何度となく変更が行われており、ほぼ全てのアルバムで総入れ替えに近いかたちになっています。
またシュルディナーは、クリーン・ヴォーカルをフィーチャーしたプログレメタル・バンド〈CONTROL DENIED〉としても、1995年からDEATHと並行した活動を展開しており、アルバム1枚を残しています。
腕利きのメンバーが続々参加!?
多数のミュージシャンが入れ替わりで在籍していたDEATHですが、テクニカル路線へ以降した後は、特に卓越した技巧で知られる腕利きのミュージシャンが多数参加しています。
その顔ぶれは、〈CYNIC〉としてアルバムデビューする前のポール・マスヴィダル(Gt.)とショーン・レイナート(Ba.)をはじめ、セッション・ミュージシャンとしての活躍の印象が強い〈SADUS〉のスティーヴ・ディジョルジオ(Ba.)や、エクストリームメタルの“渡り鳥”ジェームズ・マーフィ(Gt.)、手数の多いプレイで知られる〈DARK ANGEL〉のジーン・ホグラン(Dr.)など、錚々たるものでした。
独自のテクニカル・サウンドを追求!?
DEATHの音楽性は、一般にテックデス(テクニカル・デスメタル)あるいは、プログデス(プログレッシヴ・デスメタル)とカテゴライズされています。
デビュー当初はスラッシュメタル世代らしく、スラッシュメタルとハードコアを基調としたストレートなスタイルでしたが、早期に次のステップへと移っており、作品を重ねるごとにテクニカルな要素を強め、楽曲も複雑なものとなってゆきました。
最終的には、独創的なテクニカル・プログレッシヴ・デスメタル的を確立して、後続のグループにも多大な影響を及ぼす存在となります。
DEATHはメロデスのプロトタイプ!?
DEATHのテクニカル路線は、4作目においてひとつのピークを迎えており、それ以降はテクニカル・サウンドに加えて、メロディも同時に強調させたスタイルを追求するようになります。
ターニングポイントとなった『Individual Thought Patterns(5th)』では、本格的にメロディと叙情性の大胆な導入を行い、メロディアス&エモーショナルなポスト・デスメタルアプローチを展開するようになり、(北欧型メロデスの上位ジャンルとしての)メロディック・デスメタルのプロトタイプのひとつにも挙げられるようにもなりました。
元来、シュルディナーはメロでディアスなギタープレイを得意としており、初期の頃からメロディを意識したフレーズは散見されましたが、この5thアルバム以降はその比重を大きく増しています。
また、シュルディナーのヴォーカルスタイルも、無機質で非人間的なスタイルを競う傾向にあったデスメタルの中では、例外的に悲痛な情感を前面に押し出しており、〈AT THE GATES〉のトーマス・リンドバーグ、〈DARK TRANQUILITY〉のミカエル・スタンネと並ぶ、エモーショナル・デスヴォーカルの代表格とも認められてています。
シュルディナーの早すぎた死!!
プログレ&メロディ路線でへの転向によって、デスメタルファン以外の一般リスナーも含めた幅広い支持を得て、ムーヴメントをリードし続けたDEATHですが、90年代末にシュルディナーが脳腫瘍を患いうという事態に見舞われます。
症状は改善するも、体調が悪化と肺炎の併発で2001年他界し、DEATHの活動は多くの可能性を残したまま終焉を迎えることになりました。
その後は、テックデスやプログデスのブームなどによる再評価などもあり、かつての参加メンバーによるDEATH名義でのトリビュート・ライヴが何度か実現しています。