Contents
- 1USインダストリアルの貴公子と呼ばれ、90年代アメリカのロック・アイコンとして一世を風靡した陰キャ・ナードの救世主は、筋肉の鎧をまとって我が道を行く!?
- 1...1NINE INCH NAILSのジャンルは!?
- 1...2USインダストリアル・メタルの代名詞!?
- 1...3インダストリアル・メタルのアイドル!?
- 1...4引手あまたのトレント・レズナー!?
- 1...5NINE INCH NAILSの音楽性は!?
- 1...6NINE INCH NAILSのバンド体制は!?
- 1.1NINE INCH NAILS|ナイン・インチ・ネイルズ|DISCOGRAPHY|スタジオ・フルアルバム
- 1.1.1Pretty Hate Machine |プリティ・ヘイト・マシーン
- 1.1.2The Downward Spiral|ザ・ダウンワード・スパイラル
- 1.1.3The Fragile|ザ・フラジャイル
- 1.1.4With Teeth|ウィズ・ティース
- 1.1.5Year Zero|イヤー・ゼロ〜零原点…
- 1.1.6Ghosts I–IV|ゴースツ I-IV
- 1.1.7The Slip|ザ・スリップ
- 1.1.8Hesitation Marks|ヘジテイション・マークス
- 1.1.9Bad Witch|バッド・ウイッチ
- 1.1.10Ghosts V: Together|ゴースツ V:トゥギャザー
- 1.1.11Ghosts VI: Locusts|ゴースツ VI:ローカスツ
- 1.2NINE INCH NAILS|ナイン・インチ・ネイルズ|DISCOGRAPHY|ミニアルバム/EP
- 1.2.1Broken|ブロークン
- 1.2.2Fixed|フィックスト
- 1.2.3Live 2013 EP|ライヴ・2013・EP
- 1.2.4Remix 2014 EP|リミックス・2014・EP
- 1.2.5Not the Actual Events|ノット・ジ・アクチュアル・イヴェンツ
- 1.2.6Add Violence|アッド・ヴァイオレンス
USインダストリアルの貴公子と呼ばれ、90年代アメリカのロック・アイコンとして一世を風靡した陰キャ・ナードの救世主は、筋肉の鎧をまとって我が道を行く!?
NINE INCH NAILS(ナイン・インチ・ネイルズ:略称 NIN)は、1988年より活動を開始したアメリカ合集国のインダストリアル・ユニット。
NINE INCH NAILSのジャンルは!?
NINE INCH NAILSは、90年代のインダストリアル・メタル・ムーヴメントの中で台頭したことから、一般に「インダストリアル・メタル」と分類されています。
ただし、活動時期によって音楽性をマイナーチャンジしているため、それに応じて「インダストリアル・ロック」「シンセ・ポップ」「エレクトロニック・ロック」などのラベルも与えらています。
また、語り手によっては、退廃的な陰鬱で耽美性の強いスタイルから「ゴシック・ロック」の文脈に組み込まれるケースや、さらに広義的/統括的な「オルタナティヴ・ロック」に統合されることもあります。
USインダストリアル・メタルの代名詞!?
NINE INCH NAILSは、「インダストリアル・メタル」のジャンルにおいては、熱心なカルト的なファンとどまらない幅広い層からの支持を獲得して、最も大きな商業的成功を収めたグループです。
そのため、ムーヴメントの中ではやや後発ながら、〈MINISTRY〉と共にアメリカのシーンを代表するトップグループの一角であり、90年代のメインストリームでのブームの勃発や後のシーンに対しても、大きな影響を及ぼした存在と見なされています。
同時期の「インダストリアル・メタル」のシーンには、イギリスの〈KILLING JOKE〉〈PIG〉〈GODFLESH〉、ドイツの〈DIE KRUPPS〉〈KMFDM〉、カナダの〈SKINNY PUPPY〉〈FRONT LINE ASSEMBLY〉などの歴史的グループが存在していましたが、NINE INCH NAILSもまた、それらと共にムーヴメントの黎明期を支えたパイオニアとして認められています。
インダストリアル・メタルのアイドル!?
NINE INCH NAILSがシーンにおいて際立った成功を収めることができた理由については、トレント・レズナーのキャラクターやパーソナリティも大きな要因となっていました。
ひとつはレズナーのルックスで、現在のマッチョにビルドされたタフガイ・ルックとは異なる、スリムで端正なビジュアルから、“インダストリアルの貴公子”としてアイドル人気も得ていました。
もうひとつは、従来のパーティ系やマッチョ系のロックスターやフリーク系とも異なる、繊細かつ陰鬱な内省的“文系ナード”系のセンスとキャラクターで、これが同様のクラスタにもアピールし、その界隈のカリスマに祭り上げられます。
これらに加え、レズナーが〈NIRVANA〉のカート・コバーンと並んで、90年代初頭の閉塞的な情勢とジェネレーションを象徴するロック・アイコンとなったこともあって、日本においてもアンチメタルのトレンド系音楽メディアが盛んに取り上げていました。
引手あまたのトレント・レズナー!?
トレント・レズナーは、NINE INCH NAILSとしての活動以外でも、プロデューサー,エンジニア,リミキサー,ソングライター,サポート・ミュージシャンなど、全方面で人気と信頼を集めて活躍しており、ジャンルやメジャー/マイナーを問わず多くのコラボレーション・ワークを残しています。
その代表例が、レズナー自身が見い出し一時は兄弟分ともいえる存在だった〈マリリン・マンソン〉で、そのキャリアの初期においては全面的なサポート/バックアップを行っていました。
それ以外では、〈QUEEN〉〈DAVID BOWIE〉〈PETER GABRIEL〉〈U2〉といった、レジェンド級のビックネームも手掛けたほか、メタル界隈では〈MEGADETH〉やロブ・ハルフォードのプロジェクト〈TWO〉などの仕事で知られています。
NINE INCH NAILSの音楽性は!?
NINE INCH NAILSは、打ち込み主体のエレクトロニックなロック・サウンドを基調としつつも、その時代ごとに作風を変化させています。
当初は80年代ニューウェイヴの流れを汲む「シンセポップ」のサウンドにメタル・ギターを組み合わせたようなスタイルからスタートしていますが、さらにメタル・ギターの比重を増してエクストリーム・ミュージックに接近したことで、次世代「インダストリアル・メタル」の旗手としてブレイクします。
この時期に特徴的な陰鬱で厭世的な情念の表出は、後の「ニューメタル」における“トラウマ・ロック”的なスタイルや「エモロック/エモコア」などにも直結しています。
その後は、ゴシカルな耽美性や叙情性を押し出しつつ、プログレ/ポストロックの影響を反映させたコンセプト志向の作品や、ロック手法よりもEDMやエレクトロニカ、アンビエントの手法を重視した作風など、レズナーにとっての実験性を求めた手法を選ぶことが多くなります。
NINE INCH NAILSのバンド体制は!?
NINE INCH NAILSは、事実上トレント・レズナーのソロプロジェクトであり、他のメンバーは何度となく入れ替わっています。
2016年からは、2004年来の付き合いとなるアティカス・ロスが正式なメンバーとなりましたが、基本的にはアルバム制作やライヴツアーなどの目的に応じて、必要なセッション・ミュージシャンを起用するかたちをとっています。
過去に在籍したミュージシャンとしては……
後に〈FILTER〉を結成するリチャード・パトリック。
〈WHITE ZOMBIE〉〈マリリン・マンソン〉から〈デヴィッド・ボウイ〉まで多数のビッグネームをサポートしてきた、インダストリアル界の仕事人チャーリー・クローザー。
同じく〈マリリン・マンソン〉〈A PERFECT CIRCLE〉をはじめ参加バンド多数で、俳優業もこなすツイッギー・ラミレスことジョーディ・ホワイト。
……などの面々がよく知られています。