- メロディックデス,ゴシックメタル,ドゥームメタル,など様々な耽美/叙情サウンドをミックスしたサウンドで、フィンランドメタルシーンを代表する独自の地位を築いたバンド!
- AMORPHIS|DISCOGRAPHY
- The Karelian Isthmus|ザ・カレリアン・イスムス
- Tales from the Thousand Lakes|テイルズ・フロム・ザ・サウザンド・レイクス
- Elegy|エレジィ
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メロディックデス,ゴシックメタル,ドゥームメタル,など様々な耽美/叙情サウンドをミックスしたサウンドで、フィンランドメタルシーンを代表する独自の地位を築いたバンド!
AMORPHIS(アモーフィス)は、現在では国を挙げてヘヴィメタルバックアップしていることで知られる、メタル推進国フィンランドを代表するヘヴィメタルバンドのひとつ。
同郷のSENTENCEDらと並んで比較的古くからメロディや叙情性を取り入れたサウンドを試みており、スウェーデン勢と並んで北欧メロディックデスメタルムーヴメントの黎明期を彩ったグループとみなされています。
その初期のスタイルはドゥーミィなデスメタルからスタートしますが、ゴシックメタル,メロディックデスメタル,ドゥームメタルの第一世代の実験的な試みにインスパイアされ、それらをミックスした折衷的なスタイルに、オールドスクールなプログレテイストとトラッドなメロディの導入を試みたサウンドに開眼して注目を集めます。
SENTENCEDとともにメロデスシーンの主流であるスウェーデン勢のデスラッシュをベースとしたサウンドとは異なる、フィンニッシュスタイルのメロディックデスメタルを確立させ、現在ではフィンランドを代表するメタルバンドのひとつに数えられ、彼らに影響を受けたフォロアーも登場するほどの存在となりました。
同時代のバンドの中ではやや先鋭的・革新性なセンスに乏しく、作品ものきなみ水準には達しているものの決定打にかけるきらいがありますが、それが逆に最大公約数的なサウンドによる安定感と評価されている面もあるようです。
また、フィンランドの叙事的民話『カレワラ』をテーマにしており、トラッドテイストを持っていることなどから、エピックメタルやトラッドメタルとも目されていることもあって、メロデスやゴシックメタルクラスタに限らない幅広い層に支持されています。
AMORPHIS|DISCOGRAPHY
The Karelian Isthmus|ザ・カレリアン・イスムス
オリジナルアルバム – 1作目 (1992年)
このデビュー作で聴ける最初期のスタイルは、まさしくドゥームデスとしか呼びようのないもの。メロディと耽美性にもいくらか意識を向けたような音づくりもされてはいますが、根本的にそれをメインにすえるつもりはありません。あくまでもプログレフレーバーを振りかけた行きがかり上ささやかなメロディも合わせて導入された、といったた程度扱いでしかなくかなり希薄なものです。
まだDARK TRANQUILLITY登場以前のアーリー・メロデス時代という状況もあり、メロディや耽美演出の導入については、その萌芽が見える程度のささやかなもの。そのため、後のメロディを全開にしたサウンドに惚れ込んだリスナーがさかのぼって聴くには、好奇心だけではややつらい部分があるかもしれません。
アイデア:★★☆☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 通好み 実験作
Tales from the Thousand Lakes|テイルズ・フロム・ザ・サウザンド・レイクス
オリジナルアルバム 2作目 (1994年)
アンダーグラウンドで注目を集め、日本でも国内盤未発売ながらマスコミの大プッシュを受け、輸入盤店の稼ぎ頭となったAMORPHISのブレイクタイトル。
一般的に“メロデス黎明期を代表する1枚”という扱いですが、前作同様ドゥームデスが基調となったサウンドは、やはりドゥームデスがベースだった初期ゴシックメタルにも通じるものです。
もっとも、北欧シーンではメロディックデス/ブラックとゴシックメタルの距離が近く、やや乱暴に言えば、“耽美派デス/プログレデス”というさらなる上位概念の下、早いか遅いかで分類されていたようなところがあります。同じフィンランドのSENTENCEDや、スウェーデンのDARK TRANQUILLIT, KATATONIA, THERION, OPETHなどの、最初期からの音楽性の変遷を見ればそれは明白です。
しかし、その時期には、メロデスでは既にDARK TRANQUILLITYの存在があり、CARCASSやDEATHらも独自のスタイルを完成させ、ゴシックメタルではPARADISE LOSTやTIAMATらがさらに進化を加速させていました。その流れの早さを考えると、当時としても本作のアプローチはやや古く、1〜2年(現在の感覚では5年以上)は遅れた印象がありました。
ちょうど、メディアもメロデスのプッシュや先物買に走っていた時期にあたり、「多少でもメロディのあるデスメタルはとりあえず推しておこう」という、空気があったのも幸運だったと言えます。
品質自体は高水準ながら、やや下駄をはかされていた印象は拭えず、既存のヘヴィメタル/ハードロックにデスヴォーカルを乗せたようなアプローチも少々安易。
しかし、後半に顔を出すヴィンテージなサイケ風味漂う、ダンサブルとも言えるサウンドはなかなか印象的。これもCATHEDRALという前例があってのものですが、それでも彼らならではの味付けが施されており、それは次作で彼らの個性として開花することになります。
アイデア:★★★☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★☆☆
代表作 賛否両論 スルメ盤 実験作
Elegy|エレジィ
オリジナルアルバム – 作目 (1996年)
前作で部分的に見られたAMORPHISの個性がようやく花開いたアルバムで、彼らのカタログ中でもオンリーワンの作風にしてその最高峰に位置する傑作。
その音楽性をザックリ言ってしまえば、メロディックデスメタル、トラッドテイストのゴシックメタル、サイケなドゥーム/ストーナーの全部乗せ。しかし、技量が伴わなかったり、そうでなくても一歩間違えると、胸焼けしそうなクドさになったりただ散漫なだけになるとことを、卓越したバランス感覚とブレンドセンスで絶妙に練り上げて一体化させています。
もっとも、一見食い合わせが悪そうなゴシックとサイケの取り合わせについては、THE SISTERS OF MERCYやBAUHAUSなど80年代のポジパン/ゴシックロックはもとより、さかのぼるならDOORSやTHE VELVET UNDERGROUND & NICOにまでた至る鉄板の定番マリアージュ。90年代にも、すでにTIAMATやCELESTIAL SEASONらが試みていたアプローチです。
AMORPHISの場合は、そこにCATHEDRALのアッパーチューンや、トランス大国フィンランドのスオミトランスなどにもヒントを得たダンサブルな躍動感、時にBoney M.(ボニー・エム)やDSCHINGHIS KHAN(ジンギスカン)やをも想起させるレトロなディスコテイストを取り入れ、彼ら独自のスタイルへと昇華させています。
惜しむらくは、このアプローチが本作限りで完結してしまい、これ以降には本格的に活かされることがなかったことです。
アイデア:★★★★☆|マニア度:★★★☆☆|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Tuonela|トゥネオラ
オリジナルアルバム – 4作目 (1999年)
アイデア:★★☆☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 お布施
Am Universum|アム・ユニバース
オリジナルアルバム – 5作目 (2001年)
アイデア:★★★☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
Far from the Sun|ファー・フロム・ザ・サン
オリジナルアルバム – 6作目 (2003年)
アイデア:★★★☆☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤
Eclipse|エクリプス
オリジナルアルバム – 7作目 (2006年)
アイデア:★★★☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 スルメ盤
Silent Waters|サイレント・ウォーターズ
オリジナルアルバム – 8作目 (2007年)
アイデア:★★☆☆☆|マニア度:★★★☆☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 お布施
Skyforger|スカイフォージャー
オリジナルアルバム – 9作目 (2009年)
アイデア:★★☆☆☆|マニア度:★☆☆☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
初期作セルフリメイク (2010年)
アイデア:★★☆☆☆|マニア度:★★★★★|総合評価:★★★☆☆
入門盤 賛否両論 お布施
The Beginning of Times|ザ・ビギニング・オブ・タイムズ
オリジナルアルバム – 10作目 (2011年)
アイデア:★★★☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 スルメ盤 お布施
Circle|サークル
オリジナルアルバム – 11作目 (2013年)
アイデア:★★★★☆|マニア度:★★★★☆|総合評価:★★☆☆☆
入門盤 賛否両論 お布施
Under the Red Cloud|アンダー・ザ・レッド・クラウド
オリジナルアルバム – 12作目 (2015年)
アイデア:★★★☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤
Queen of Time|クイーン・オブ・タイム
オリジナルアルバム – 13作目 (2018年)
アイデア:★☆☆☆☆|マニア度:★★☆☆☆|総合評価:★★★☆☆
入門盤 お布施
◎ AMORPHISはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!
一般的な代表作とされるアルバムなら、プログレ風味の耽美系ドゥームデスメタルとして彼らのブレイクのキッカケとなった“Tales from the Thousand Lakes(2hd)”か、ゴシックドゥームとメロデスがブレンドされたその後のAMORPHISサウンドの原点で、個性と完成度ではピカイチの“Elegy(3rd)”となります。作風は違えど代表作としての重要度ではどちらも引けを取りません。
00年代以降は水準はクリアしてつつも画一的な作風が目立つようにになりますが、新し目のアルバムなら“Under the Red Cloud(8th)”が総決算的な作風として頭ひとつ抜きん出ている印象なので、最初の入り口にはいいかもしれません。