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★ EDGE OF SANITY(エッジ・オブ・サニティ) ディスコグラフィー ★ 北欧メロデス&耽美デスの歴史を創った鬼才ダン・スワノのパーマネント・バンド!!……必聴のオススメアルバムは?

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Contents

EDGE OF SANITY|DISCOGRAPHY

Nothing but Death Remains|ナッシング・バット・デス・リメインズ

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オリジナルアルバム – 1作目 (1991年)

記念すべきデビューアルバムですが、この頃はまだ特に目立った存在でもなく、スウェーデンのトップどころに続く二番手〜その他大勢という扱いでした。
スワノがカリスマ・プロデューサーとしての地位を築くのも、もう少し先このとです。

全編を通して、オールドスクールな北欧デスラッシュがベースとなったサウンドですが、やや凝った曲展開や特徴的フレージングなど、後の彼らに通じる要素もささやかながら見られます。

ただし、メロデス的センスや耽美要素はほんの薄っすらと感じられる程度で、次作以降のように本格的にメロディを主張してはおらず、「北欧の慟哭」と呼ばれるような激しいエモーションも感じられません。

凡百のバンドと比較すれば高水準ではありますが、楽曲のクオリティ,多様性,実験性など全ての面において習作程度に過ぎない過渡期のサウンドで、オールドスクールなB級北欧デスラッシュ・マニアでなければ、積極的にはおススメしづらいアルバムです。

なお、エグゼクティヴ・プロデューサーとしてほぼ全作に名を連ねる、Bossことボルイェ・フォシュベリ(Stig Börje Forsberg)は、EDGE OF SANITYの所属する『ブラック・マーク』レーベルのオーナーで、看板バンドでもあるBATHORYのクォーソンの実父にあたる人物。

|ブルタル度:★★★★★
|メロディ度:★☆☆☆☆
|多 様 性:★☆☆☆☆
|ゴシック度:★☆☆☆☆
|プログレ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 通好み スルメ盤

Unorthodox|アンオーソドックス

EDGE_OF_SANITY_Unorthodox

オリジナルアルバム – 2作目 (1992年)

本格的にメロディの導入をスタートしたアルバム。スワノのプログレ趣味を反映させた大作志向の曲も見られるなど、前作と比較すると大幅にアイデアが豊富になり、また、従来のデスラッシュ曲もいくぶんクオリティを上げています。

これによって、当時のスウェディッシュ・デス・シーンの中では、突出したユニークな存在と認められ、本作からは日本でも目端の効く新し物好きのマニアに注目されるようになりました。

今後の展開につながる、EDGE OF SANITYならではの持ち味となる要素は、この時点である程度は出そろっているのですが、それを楽曲に活かしきるほどこなれてはおらず、スタイルの完成には至っていないので、まだまだ実験段階の域は抜けられていません。

加えて、“CD大容量収録時代”に突入したことで、曲数が14曲と大幅に増えたことと、長尺の曲をもたせる構成力を欠いていることが相まって、アルバム・オリエンテッドな視点では、捨て曲や無駄が多くなったのも足を引っ張っています。
これが、前作同様10曲以内に収まっていれば、もうワンランク上の作品になってたことでしょう。

|ブルタル度:★★★★☆
|メロディ度:★★☆☆☆
|多 様 性:★★★☆☆
|ゴシック度:★☆☆☆☆
|プログレ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

The Spectral Sorrows|ザ・スペクトラル・ソロウズ

EDGE_OF_SANITY_TheSpectralSorrows

オリジナルアルバム – 3作目 (1993年)

前作とは比較にならないほど桁違いな成長を遂げ、EDGE OF SANITYスタイルの完成系へと到達した、ターニングポイントでもある1枚。

オールドファンならは、ほぼ間違いなく彼らの代表作にあげる名盤で、メロディック・デスメタルの黎明期を代表する重要作の1枚でもあります。
当初は、日本盤のリリースはされていなかったにもかかわらず、輸入盤店でも目玉商品大きくプッシュされたことで、スマッシュヒット・アルバムとなりました。

根本的に、全編通してメロディ満載というスタイルではありませんが、楽曲のバリエーションが大幅に広がり。多彩な表情を持つ作品となっています。

ストレートなE.O.S流のメロディック・デスや、従来のハードコア・デスラッシュ、さらにはメロウなSISTERS OF MARCY風ゴシックナンバーや、MANNOWARのカバーまで、作風の幅広さではディスコグラフィー中でも特出したものです。
加えて、それぞれのスタイルに置いて、その全てが非常に高いレベルに到達していていますし、楽曲が雑多過ぎるように思えるものの、そこには不思議な統一感があり、違和感や散漫な印象は全く感じさせません。

これは、クレジットこそバンド名義ですが、スワノとドレッドという曲作りの二枚看板体制が、理想的なかたちで効果的に働いた結果と言えます。
ここでは、さらなるメロディの導入や、プログレ路線ニューウェイヴ路線など作風が大きく広がったスワノと、ストレートなハードコア・デスラッシュを推し進めるドレッドと、両者がそれぞれの持ち味を高いレベルで追求し、それが互いに殺し合うことなく相乗効果を上げています。

|ブルタル度:★★★★☆
|メロディ度:★★★★☆
|多 様 性:★★★★★
|ゴシック度:★★★☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤 実験作

Purgatory Afterglow|パーガトリィ・アフターグロウ

EDGE_OF_SANITY_PurgatoryAfterglow

オリジナルアルバム – 4作目 (1994年)

メロディック・デスメタルのムーヴメント拡大による、ブームの大きな波が押し寄せてきた時期のアルバムで、一般的なメタルファンにとってはこちらが代表作という印象が強いでしょう。

本作から個別に記載されるようになったクレジットによれば、スワノ/ドレッドの共作がメインですし、作風自体は前作で完成された基本路線が踏襲されていますが、プログレ的な曲展開やメロディの強調など、明らかにスウォノの趣味が強まった作風になっています。

そこからは、二頭体制ではあるもののイニシアチブがスウォノに傾きつつあることが推測でき、その意味では、スワノとバンドの間のギリギリのバランスの上で完成させることができた、最後の作品と言えるかもしれません。

とはいえ、アルバムとしてのクオリティは極めて高く、前作と並んで黄金期の代表作であり、イエテボリ・サウンドとは全く異なるアプローチでメロディを導入した、メロデス黎明期ならではの名盤のひとつなのは間違いのないところです。

|ブルタル度:★★★☆☆
|メロディ度:★★★★☆
|多 様 性:★★★★☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤

Crimson|クリムゾン

EDGE_OF_SANITY_Crimson

オリジナルアルバム – 5作目 (1996年)

EDGE OF SANITYのディスコグラフィーの中でも、賛否が大きく割れるアルバム。40分で1曲のコンセプトアルバムというだけでも、問題作と呼ばれるのが頷けるでしょう。

間違いなくスワノが完全にイニシアチブを握り、そのプログレ趣味が全開に反映されたアルバムですが、同時にドレッドら他のメンバーとの決裂のきっかけともなった作品でもあります。

前作が高く評価され、バンドもメロデス・ムーヴメントも上り調子で勢いのあった時期に、こういった野心的な試みをおこなう意欲は評価できますが、それが成功して功を奏しているかどうかは別問題。

長編大作といっても、短いフレーズを延々と繰り出すという作風であり、聴く前に構えるような重厚長大さはありませんし、印象的なフレーズも豊富に織り込みつつ、40分という曲を飽きずに聴き通せるクオリティには仕上がってはいます。
しかし、そのフレーズのいくつかは過去作で耳にした印象が拭えず、リサイクル感が漂うのも確かな事実です。

何より最大の弱点は、ストーリー性はともかく、楽曲そのものに、あえて40分1曲という長尺である必然性が全く感じらないことでしょう。
一応いくつかのパートに分かれてはいるものの、明確な組曲形式というわけでもなく、かといってモザイク的なサウンドコラージュでもなく、これは、あえて言うなら雑然としたDJミックスといった程度のものでしかありません。

ちなみに、本作はスウォノが初期作品をプロデュースした縁か、OPETHのミカエル・オーカーフェルトが参加していますが、あくまで彩り程度ですし、OPETHのブレイク前ということもあり特に話題にもなりませんでした。

|ブルタル度:★★★☆☆
|メロディ度:★★★☆☆
|多 様 性:★★★☆☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|プログレ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Infernal|インフェルナル

EDGE_OF_SANITY_Infernal

オリジナルアルバム – 6作目 (1997年)

大作プログレ趣味を押し出した前作から一転して、往年のスタイルによる通常運転に戻ったアルバムで、基本的には3rd,4thの延長線上のものと考えてかまいません。

メロディアスなナンバーからハードコアナンバーまで、多彩な楽曲を詰め込んだスタイルも健在なのですが、カタログ中では印象が薄く、やや過小評価気味な傾向があります。
それは、前作が賛否両論だったこと、スワノとドレッドらバンド組の対立が漏れ聞こえるようになったこと、イエテボリ・スタイルが北欧メロデスの主流となった影響で傍流に押しやられたことなど、様々な要因が絡み合ったことによります。

スワノ主導の楽曲とドレッド主導の楽曲が混在しているのは以前通りですが、クレジットがより細かく分かれているあたりにも、両者の溝の深さがうかがえます。

ブレイク後の作品の中ではあまり顧みられることのない1枚で、新しい試みも無くいびつな空気も漂っていますが、クオリティはむしろ高品質な方なので、3nd,4thにハマったリスナーなら一聴の価値はあります。
あえていうなら、やや音が荒く未整理な部分が目立つのと、曲順があまり上手くなくて前半のつかみが弱いことで、全体の印象を下げているのが惜しいくらいでしょう。

なお、本作ではプロデューサーとして、スワノのライバル(?)ピーター・テクレンが起用されており、エンジニア/ミキシングも務めています。

|ブルタル度:★★★★★
|メロディ度:★★★☆☆
|多 様 性:★★★★☆
|ゴシック度:★★☆☆☆
|プログレ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★

入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤

Cryptic|クリプティック

EDGE_OF_SANITY_Cryptic

オリジナルアルバム – 7作目 (1997年)

スウォノ脱退を受けて、ドレッドを中心とした残りのメンバーだけで完成させたアルバム。

その体制が反映されて、プログレ色は払拭してメロディーも控えめとなり、ドレッドが得意とするストレートでハードコアなデスラッシュ曲主体の作風となりました。

EDGE OF SANITYへの音楽的功績は、どうしてもスワノにスポットが当たることが多く、バンドの成功=スワノの功績というイメージが浸透していました。
そのため、注目度も評価も芳しくなかったアルバムで、セールスも伸び悩んだようですが、実際は一般的にイメージされがちなクオリティの低い作品ではありません。

言ってしまえば1stを思い切りブラッシュアップしたような作風なのですが、そこにこれまでにバンドが蓄積してきたメロデイをも目立たない程度に折り込んで、楽曲にバリエーションをもたせていますし、収録曲数を抑えていることも功を奏して、飽きずに聴きとおせる作品に仕上がっています。

スワノ・シンパの期待に期待にそえるとは言いかねる作風ですし、さすがに名盤や代表作とは呼べる出来栄えではありませんが、それでも、スウェディッシュ・デスラッシュの平均は軽く上回る水準に達してしています。
ストレートでハードコアなスタイルの、高品質なオールドスクールデスラッシュを求めるリスナーならば、一聴の価値があるでしょう。

ヴォーカルには、スワノとベニー・ラーション(Dr.)が関わったアバン・デスメタル、PAN.THY.MONIUMのロバート・カールソンを迎えています。

|ブルタル度:★★★☆☆
|メロディ度:★★★★☆
|多 様 性:★★★★☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|プログレ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

賛否両論 通好み スルメ盤

Crimson II|クリムゾンII

EDGE_OF_SANITY_CrimsonII

オリジナルアルバム – 8作目 (2003年)

タイトルのとおり、1996年にリリースした5作目CRIMSONの続編となるコンセプトアルバム。
解散後、一時的にEDGE OF SANITY名義で再結成してリリースした作品ですが、実質的にはスワノひとりで全パートをまかなうソロ・プロジェクトであり、他のオリジナル・メンバーは一切参加していません。

ただし、リードギタリストのみ、HEXENHAUS,CANDLEMASS,KING DIAMOND,ABSTRAKT ALGEBRAなどで活躍していたマイク・ウッド(MIKE WEAD)ら数名を、サポートとして迎えています。

方向性は、パート1にあたる“Crimson(5th)”をほぼ丸ごと踏襲したもので、プログレと言うよりは近年のIRON MAIDENやJUDAS PRIESTのような、単なる長編趣味にのヘヴィメタル近い印象もあります。

パート1での大長編全1曲という構成が、単なる自己満足で無意味だったというのは本人も自覚があるようで、今回は組曲形式という体で各パートに分けられていますが、短い楽曲をツギハギしたような曲調は前作同様です。

ソロプロジェクトのNIGHTINGALEで展開したようなサウンドを導入したり、外部のギタリストも招いたことから、いつものサウンドからはやや変化が生まれた分だけ、フレーズやメロディの使い回しは減って新鮮味は増しています。

真の意味でのプログレッシヴなサウンドや、従来のEDGE OF SANITYスタイル求めるなら物足りなさは否めませんが、こういった作風と割り切って聴けば、前作の発展型としてそれなりに楽しめる仕上がりです。

|ブルタル度:★★★☆☆
|メロディ度:★★★★☆
|多 様 性:★★★★☆
|ゴシック度:★★★☆☆
|プログレ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

NIGHTINGALE|ナイティンゲイル|DISCOGRAPHY

Nightingale_Logo

NIGHTINGALE(ナイティンゲイル)は、ダン・スワノがEDGE OF SANITYと並行して、活動を行っていたソロプロジェクト。

数あるスワノ関連のバンド/プロジェクトの中でも、唯一E.O.S匹敵する存在としてパーマネントな活動を行っている、スワノのライフワークに近いグループです。

きっかけはゴシックへの傾倒!?

NIGHTINGALE始動のきっかけは、EDGE OF SANITYの3rdアルバム『The Spectral Sorrows』に収録された、SISTERS OF MARCYへのオマージュ曲である『Sacrificed』の成功で、手応えを得たこととされています。

このSISTERS OF MARCYは、80年代ゴシッロックのビッグネームで、ドラムマシーンを用いたダンサブルでサイケデリックな耽美サウンドが特徴であると同時に、ハードロック的なダイナミズムとドラマ性を持っていたグループ。

スワノ単独で楽器全パートを担当した1作目“The Breathing Shadow”においては、SISTERS OF MARCYを意識して、同様にドラムマシーンを用いていました。

NIGHTINGALEの音楽性は!?

NIGHTINGALEの音楽性は、簡単に言うとE.O.S.で見せているメロディ, 耽美, 叙情などの要素だけを取り出して拡張したもので、 ニューウェイヴ色の強いゴシックメタルと、叙情派のプログレをミックスしたようなスタイル。
デスメタル色は皆無で、ヴォーカルは全作/全編にわたってクリーン・ヴォイスを用いています。

最初期はニューウェイヴ色も強くアップテンポな曲も目立ちましたが、のちにミッドテンポのメロディアスな叙情プログレ要素が強まります。
ただし、実験的なアプローチは見られないため、“ゴシック風味のポンプロック”とでも呼ぶ方が適切と言えるものです。

The Breathing Shadow|ザ・ブリージング・シャドウ

Nightingale_The_Breathing_Shadow

オリジナルアルバム – 1作目 (1995年)

The Closing Chronicles|ザ・クロッシング・クロニクルズ

Nightingale_The_Closing_Chronicles

オリジナルアルバム – 2作目 (1996年)

I|アイ

Nightingale_I

オリジナルアルバム – 3作目 (2000年)

Alive Again: The Breathing Shadow Part IV|アライヴ・アゲイン:ザ・ブリージング・シャドウ・パート・フォー

Nightingale_Alive_Again_The_Breathing_Shadow_Part_IV

オリジナルアルバム – 4作目 (2003年)

Invisible|インヴィジブル

Nightingale_Invisible

オリジナルアルバム – 5作目 (2004年)

Nightfall Overture|ナイトフォール・オーバーチュア

Nightingale_Nightfall_Overture

オリジナルアルバム – 6作目 (2005年)

White Darkness|ホワイト・ダークネス

Nightingale_White_Darkness

オリジナルアルバム – 7作目 (2007年)

Retribution|レトリビューション
オリジナルアルバム – 8作目 (2014年)

Nightingale_Retribution

オリジナルアルバム – 7作目 (1997年)

次ページはライターが選ぶEDGE OF SANITYのおすすめアルバムを紹介!!▼リンクはページ下!▼

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