Contents
- 1アンチ産業メタルの急先鋒とされたグランジの象徴的グループが、皮肉にもグランジ・バブルの波に飲まれて、メインストリーム最前線のセレブバンドに祭り上げられた結末は…。
- 1...1パワートリオを貫いたNIRVANA!?
- 1...2NIRVANAが属するジャンル『グランジ』とは!?
- 1...3NIRVANAは『グランジBIG4』の一角!?
- 1...4NIRVANAの音楽性の変遷は!?
- 1...5望まぬメジャー化がプレッシャー!?
- 1...680年代ヘヴィメタルへのヘイト発言
- 1...7全てのヘヴィメタルにアンチではない!?
- 1...8NIRVANA解散後の動きは!?
- 1.1NIRVANA|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Bleach|ブリーチ
- 1.1.2Nevermind|ネヴァーマインド
- 1.1.3In Utero|イン・ユーテロ
- 1.1.4MTV Unplugged in New York|MTV アンプラグド・イン・ニューヨーク
- 1.1.5From the Muddy Banks of the Wishkah|フロム・ザ・マディ・バンクス・オブ・ウィシュカー
- 1.1.6Hormoaning|ホルモウニング
- 1.1.7Incesticide|インセスティサイド
- 2デイヴ・グロール、クリス・ノヴォセリック、コベインの死とNIRVANA解散の後の、残されたメンバーの活動の経緯は!?
- 2.1FOO FIGHTERS |フー・ファイターズ|DISCOGRAPHY
- 2.1.1Foo Fighters|フー・ファイターズ
- 2.1.2The Colour and the Shape|ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ
- 2.1.3There is Nothing Left to Lose|ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ
- 2.1.4One by One|ワン・バイ・ワン
- 2.1.5In Your Honor|イン・ユア・オナー
- 2.1.6Echoes, Silence, Patience & Grace|エコーズ, サイレンス, ペイシェンス・アンド・グレイス
- 2.1.7Wasting Light|ウェイスティング・ライト
- 2.1.8Sonic Highways|ソニック・ハイウェイズ
- 2.1.9Concrete and Gold|コンクリート・アンド・ゴールド
- 2.2PROBOT|プロボット|DISCOGRAPHY
- 2.2.1Probot|プロボット
- 2.1SWEET 75|スウィート75|DISCOGRAPHY
- 2.1.1Sweet 75|スウィート75
- 2.2EYES ADRIFT|アイズ・アドリフト|DISCOGRAPHY
- 2.2.1Eyes Adrift|アイズ・アドリフト
- 2.3GIANTS IN THE TREES|ジャイアント・イン・ザ・トゥリーズ|DISCOGRAPHY
- 2.3.1Giants in the Trees|ジャイアント・イン・ザ・トゥリーズ
- 2.3.2Volume 2|ヴォリューム・トゥー
- 2.43rd SECRET|サード・シークレット|DISCOGRAPHY
- 2.4.13rd Secret|サード・シークレット
- 2.4.22nd 3rd Secret|セカンド・サード・シークレット
アンチ産業メタルの急先鋒とされたグランジの象徴的グループが、皮肉にもグランジ・バブルの波に飲まれて、メインストリーム最前線のセレブバンドに祭り上げられた結末は…。
NIRVANA(ニルヴァーナ)は、アメリカ合衆国ワシントン州出身のオルタナティヴ・ロック/グランジ・バンド。
パワートリオを貫いたNIRVANA!?
NIRVANAはパワートリオ(3ピース)体制のグループで、最終メンバーはフロントマンで中心人物のカート・コベイン(Vo.+Gt.)を中心に、初期メンバーのクリス・ノヴォセリック(Ba.)、デイヴ・グロール(Dr.)という面々でした。
ドラム担当は流動的でしたが、グロールが加入したブレイク作の2ndアルバムから活動終了までの間は、上記のメンバーで固定されていました。
NIRVANAが属するジャンル『グランジ』とは!?
いわゆる“グランジ”は、簡単に言うと、ハードコア世代の米国アンダーグラウンド・シーンから生まれた、70年代ハードロック/ヘヴィロックのリバイバル的な側面の大きいジャンル。
スタイルはバンドによって千差万別ですが、テクノロジーでつくり込み過ぎないラフ&ロウなハードロック/ヘヴィロック・サウンドと、陰鬱,内省的な世界観の歌詞や作風…といったあたりが一般的なイメージとして定着しています。
本来は、様々なスタイルが共存して80年代から続いていた、アメリカン・オルタナティヴ・ロックのシーンにおいて、その中のいちサブジャンルに過ぎなかったこの“グランジ”が、90年代初頭に大ブレイク。
世界的なムーヴメントへと発展したことで、他のオルタナティヴ(非主流)のビッグネーム勢ともに、名実ともにメインストリーム(主流)へと活動の場を移します。
NIRVANAは『グランジBIG4』の一角!?
NIRVANAは、“グランジ”のシーンを代表するグループのひとつあり、その出世頭として覇権を握ったことでフラッグシップ的な立ち位置に置かれ、ロック・アイコンとして時代の顔と見なされるところにまでに登りつめました。
グランジシーンの中でも、ALICE IN CHAINS(アリス・イン・チェインズ), PEARL JAM(パール・ジャム), SOUNDGARDEN(サウンドガーデン)が、NIRVANAに並ぶビッグネームとしてメインストリームでメジャー展開をおこなっており、一部では、これらを称してグランジBIG4(四天王)と呼ばれることもあります。
NIRVANAの音楽性の変遷は!?
初期のNIRVANAは、デビュー以前から交友関係にあるMELVINS(メルヴィンズ)らの影響下にあるようなノイジーでドゥーミィなヘヴィロック・サウンドを展開していました。
しかし、2ndアルバムで大々的に展開した、キャッチーなフックが満載のパンキッシュなハードロックが世界的にブレイク、一躍時代の寵児として祭り上げられます。
続いて、あえてアンダーグラウンドな音づくりに変更した、内省的な作風の3rdアルバムをリリースしますが、その翌年1994年のコベインの自死によってバンド解散を余儀なくされます。
望まぬメジャー化がプレッシャー!?
自死の原因は不明ですが、望んでいなかったメジャーでの活動や、かつて公に批判していたアーティストと同じセレブの地位に押し上げられたことなどがストレスとなり、メンタルを病んでいたことも一因とも言われています。
いずれにせよ、ヴォーカリストの自死という事件が世界的な大きなトピックとなった結果、その知名度はロック・ファンのコミュニティーの枠を超えて、一般層にまでも大きく広がるまでになりました。
80年代ヘヴィメタルへのヘイト発言
“グランジ”を含むオルタナティヴ・ロックは、本来が、商業主義優先の傾向が著しいロックのメインストリーム…産業ロックやポップメタルへのカウンターの立ち位置でした。(同じでも80年代スラッシュメタルやデスメタルはオルタナティヴ側)
そのため、その多くは商業主義の象徴だったGUNS N’ ROSES(ガンズ・アンド・ローゼズ)やMÖTLEY CRÜE(モトリー・クルー)といった、ヘアメタル/グラムメタル/パーティロックのグループにしても否定的でした。
中でもコベインは特にその傾向が強く、批判的な言動を繰り返していたことから、同様の発言が目立つFAITH NO MORE(フェイス・ノー・モア)らとともに、“アンチ・ヘヴィメタル/ハードロック”の急先鋒ともみなされて、メタルファンの心証を悪くした面もあります。
全てのヘヴィメタルにアンチではない!?
ヘヴィメタルへのアンチ発言が切り取られがちなNIRVANAですが、それは、あくまでもマーケティングと商業的成功を最重視した、バブリーな80年代グラムメタル/ポップメタルの主流勢が対象。
それ以前の、BLACK SABBATH, LED ZEPPELIN, AC/DCなどのハードロック・バンドについては、自分たちのルーツとしてリスペクトを表し、フェイヴァリット・バンドにも挙げてもいます。
デイヴ・グロールに至っては、解散後にはヘヴィメタル・フィールドにも大接近しており、様々なヘヴィメタルのトップ・アーティストとも、積極的なコラボレーションを行っています。
NIRVANA解散後の動きは!?
コベインの死後バンドは活動を終え、残されたメンバーはそれぞれのの活動へと移行します。
デイヴ・グロールは、FOO FIGHTERS(フー・ファイターズ)を結成して再ブレイクし、よりポピュラリティ重視のアリーナロックを展開。
メインストリームのトップグループとして活動を続けているほか、様々なアーティストとのコラボレーションも積極的に行っています。
クリス・ノヴォセリックは、女性シンガーとのユニットSWEET 75を結成しますが、アルバム1枚を残して活動を終え、それ以降は第一線からは退いています。