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★【Wikiに無い!】ミクスチャー/ラップメタル/ファンクメタル紹介:オールドスクール+個性派 編:基礎知識&各国の代表的バンド:59選【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

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各国ミクスチャー事情と重要バンド紹介:Chapter.8

ヨーロッパ主要国|Europe:9選

ヨーロッパでは、イギリスに次ぐ音楽シーンを持つドイツ, フランスはを中心に、オランダ, 北欧でも 『ミクスチャー』バンドは確認できます。

その多くはUS,UKの二大音楽先進国にならったスタイルで、各地域ならではの明確な独自性はあまり感じられませんが、その中にも世界水準のハイレベルなグループや、オンリーワンの強烈な個性を持ったグループなど、アメリカ第一線級と比較しても遜色ないものも少数ながら確実に存在していました。

オランダの“URBAN DANCE SQUAD”や、フランスの“F.F.F.”、スウェーデンの“CLAWFINGER”などは、本格的な90年代型ラップメタルの先駆けとして、リアルタイムでも注目度の高い存在でしたし、フィンランドの“WALTARI”やバスク地方の“NEGU GORRIAK”のように、後年になってプログレ・メタルやエスノ・ミュージックなど、ミクスチャーとは異なる文脈で注目を集めたグループもあります。

また、トレンドとは無縁の印象の強いドイツでさえも、一時期は、HELLOWEENらパワー/スラッシュ系のバンドで知られるレーベル『ノイズ・レコーズ』が、“GUNJAH”や“HUMUNGOUS FUNGUS”といったグループを推していました。

01:GUNJAH|ガンジャ|ドイツ

アルバムデビュー:1993年

数ある90年代ミクスチャーの中でも、特にヘヴィメタル色の強いグループのひとつ。

ハードコアでややトリッキーなスラッシュメタルをベースにした、エクストリームな“グルーヴメタルmeetsミクスチャー”といったサウンドは、80年代クロスオーバー・スラッシュ系ミクスチャーの発展系といったところで、同時代的な強靭なヘヴィネスも併せ持っています。

パーカッシヴなラップ風ヴォーカルやスクラッチもフィーチャーされていますが、トータルで見るとブラックミュージック成分はかなり希薄。
曲調はほぼスラッシュ/パワーメタルで、テクニカルなメタル様式のギターソロも挿入されるなど、いかにも、根っからのメタルバンドがラップメタルへと鞍替えしたといった雰囲気です。

ミクスチャーと考えると微妙に感じる面はありますが、こういうものと割り切れば単純にカッコイイと思える魅力はあるので、コテコテのミクスチャーが苦手なメタラーの肩慣らしにもいいかもしれません、
ただし、2ndアルバムにおいては、ややミクスチャー/ラップメタルの王道に接近しています。

02:HUMUNGOUS FUNGUS|ドイツ

アルバムデビュー:1994年

主にHELLOWEENらパワー/スラッシュ系のバンドで知られる、ドイツの大手メタルレーベル『ノイズ・レコーズ』が、別記のGUNJAHと共にプッシュしたことで、90年代ジャーマン・ミクスチャー・メタルとして注目を集めたグループ。

音楽性は、BIOHAZARDやDOWNSETに代表されるUSグルーヴメタル/グルーヴコアをベースとしており、質感はヘヴィメタリックではあるものの、GUNJAHのようなギターソロの多用やパワーメタル・テイストの導入は見られません。
ヴォーカルは、本格的なラップスタイルではなくパーカッシヴなシャウトが基本で、ハードコア風のシンガロングや掛け合いも多用しています。

ストリート感の強いフィジカルでマッシヴなヘヴィグルーヴはドイツではやや異色なものでしたが、クオリティにおいても本場アメリカにも引けを取らないレベルにあり、前情報がなければアメリカのバンドにも思えるほどでした。

ファンキーで多彩な作風の1stと、よりヘヴィなストロングスタイルの2ndの2枚を残して、ムーヴメントの収束とともに活動を終えています。

03:F.F.F.(Fédération Française de Fonck)フェデレーション・フランセーズ・デ・フォンク|フランス

アルバムデビュー:1991年

この時期、イギリス以外では比較的ミクスチャーサウンドが盛んだったフランスの中でも、特に売り出しに力の入っていた印象のある、ホーンセクションを要するスタイリッシュなファンクロック/メタルバンド。

ヘヴィでありながらもスタイリッシュでダンサブルなサウンドが持ち味で、アシッドジャズなどにも通じるようなクラブミュージック・テイストの濃厚なスタイルは、後にロック/メタルテイストを増したアルバムでも健在でした。

デビュー作は鬼才ビル・ラズウェルのプロデュースに加え、P-FUNKファミリーをはじめとしたゲスト陣という豪華な布陣で製作されており、フレンチ・ミクスチャーとしては異例の注目度の高さを見せていたグループです。

04:URBAN DANCE SQUAD|アーバン・ダンス・スクアッド|オランダ

アルバムデビュー:1989年

世界のミクスチャーシーンの中でも古参の部類に属するだけでなく、さらには、イギリス以外のユーロ・ミクスチャーとしては、おそらくもっとも高い知名度を持っていたグループ。

80年代後半から活動を続けており、その時期から比較的本格的なラップヴォーカルをフィーチャーしていた数少ない存在であり、単なるUSトレンド追従型には収まらない存在感をアピールしてました。

その先進的なサウンドは90年代のミクスチャーブームの中でも古びることなく、2000年まではコンスタントな活動が続いていました。

05:CLAWFINGER|クロウフィンガー|スウェーデン

アルバムデビュー:1993年

90年代の一時期にスウェーデンで増殖した、USトレンド系モダンヘヴィ・サウンドのパイオニアとして、ムーヴメントの口火を切ったインダストリアル・ラップメタル・バンド。
当初は、「完全打ち込みによる、バンドサウンドに匹敵するヘヴィサウンド」をモットーにしていました。

単に、US系オルタナメタルの火付け役となっただけでなく、世界的に見ても極めて先鋭的なグループであり、卓越したセンスと個性を武器に、本場アメリカでもお目にかかれないミクスチャー・サウンドを完成させていました。
当時は、その驚異的な独創性と完成度から、ラップメタルの革命児としてRAGE AGAINST THE MACHINEとも比較されるほどでした。

後には、ラップヴォーカルは残しつつも、ヘヴィグルーヴ系のサウンドから、EDMを取り入れたダンサブルなインダストリアル路線へとマイナーチェンジを行っています。

06:MINDJIVE|マインドジャイヴ|スウェーデン

アルバムデビュー:1996年

スウェーデンにUSトレンド追従型ヘヴィサウンドのブームの波が押し寄せていた、90年代の中期にデビューした、北欧では異色の本格的なミクスチャー・グループ。

グルーヴメタル系やグランジ系にはそれなりに掘り出し物があったにもかかわらず、本格的なミクスチャー系は不作だったスウェーデンですが、そんな中で英米に肩を並べるレベルに達した少ない成功例がこのMINDJIVEでした。

音楽性は、RAGE AGAINST MACHINEなどの90年代USミクスチャーテイストが濃厚で、明確な個性は確立されていませんでしたが、クオリティの高さで有望視されていました。…が、残念なことにアルバム1枚で活動を終えてしまいます。

07:WALTARI|ワルタリ|フィンランド

アルバムデビュー:1991年

WALTARIは、フィンランドのオルタナティヴ・メタルバンド。

スラッシュ,デス,グルーヴ,インダストリアル,ロック,ブラックミュージック,EDM,トラッド,クラシックetcといった、多彩なバックグラウンドを反映させて、アルバムごと…あるいは曲ごとに音楽性が大きく変化する、万華鏡的ともゴッタ煮的と呼びうる作風で知られています。

核となる音楽性は、アメリカのGALACTIC COWBOYSに近い、“アラウンド1990”のUSオルタナティヴ・ロックにメタル・アレンジを施したスタイルで、そこに北欧ポップ風味をが織り込まれている点が持ち味です。

USオルタナブームの流れから派生したバンドだけに、特に初期においてはオールドスクールなファンクメタルも大きなファクターとなっており、アルバムごとに数曲は本格的なファンクメタルが収録されていました。

初期は、日本盤がリリースされたにも関わらず無名の存在でしたが、のちにメディアのプッシュもあって日本での知名度も高まりました。

08:NEGU GORRIAK|ネグ・ゴリアック:スペイン/バスク

アルバムデビュー:1990年

スペイン/バスク地方を拠点として活動していた、ミクスチャー・バンド。
バスク語によってポリティカルなメッセージを発することで知られ、リテラシーの高い熱心なファンから支持を集めていました。

フランスのスパニッシュ・オルタナバンドMANO NEGRAとは、その中心人物マヌ・チャオをゲストに招くなど交友関係にあり、音楽的や精神性においても共通点が見られます。

そのMANO NEGRAにも通じる、スカ/エスニック・テイストのパンキッシュなスタイルを根底に持ちながらも、ヒップホップやUSミクスチャーからの影響も濃厚なサウンドで、曲によってはBEASTY BOYSなども想起させます。

1990年〜1996年という短い期間で活動を終えましたが、フロントマンで政治活動家でもあるフェルミン・ムグルサは、ソロとしても勢力的に活動を続けています。

09:DISCIPLIN A KITSCHME|ディシプリン・キッチャメ:セルビア

アルバムデビュー:1983年

80年代から半ばから活動を続ける、東欧セルビア出身のグループ。
ポスト・パンク〜オルタナティヴ・ロックの流れをくみつつも、プログレとしても聴ける変則的なテクニカル要素を持った、ミクスチャー・サウンドを持ち味としていました。

当初は、パンクやノイズ/インダストリアル色の強いポストパンク系のスタイルからスタートしますが、時代を経るごとにファンク,EDM,ヒップホップ,ジャズ,メタル,民族音楽など、サウンドを構成するエッセンスが多彩になったことで、ミクスチャー・テイストを強めてゆきます。

90年代半ばにはイギリスに拠点を移し、ソウルフルな女性ヴォーカリストGofie Bebeを迎え、トランシーな祭事感をも漂わせたダンサブル&リズミカルな独自のミクスチャーサウンドを完成させます。
この、従来のセオリーに収まらない唯一無二のサウンドが好事家の注目を集め、一時期は日本盤もリリースされるほどでした。

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