Contents
- 180年代メインストリームのバブリーなファンク・ミュージックを取り入れた“ファンクメタル”と、テクニカル・ギターの鬼才ヌーノ・ベッテンコートの存在が、アイドル人気優先のグラムメタル・シーンで異彩を放っつ!!
- 1...1ヌーノ・ベッテンコート在籍のグラムメタル・ブーム末期の徒花!?
- 1...2バブリーなポップメタルからファンキーな通好みサウンドへ!?
- 1...3オルタナティヴ・ロックに接近して新境地へ!?
- 1...4解散と再結成とソロ・プロジェクトの躍進!?
- 1.1EXTREME|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Extreme|エクストリーム
- 1.1.2Pornograffitti|ポルノグラフィティ
- 1.1.3III Sides to Every Story|III サイズ・トゥ・ストーリィ
- 1.1.4Waiting for the Punchline|ウェティング・フォー・パンチライン
- 1.1.5Saudades de Rock|サウダージ・デ・ロック
- 1.1.6Six|シックス
- 1.1NUNO [ヌーノ]|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Schizophonic|スキゾフォニック
- 1.2MOURNING WIDOWS [モーニング・ウィドウズ]|DISCOGRAPHY
- 1.2.1Mourning Widows|モーニング・ウィドウズ
- 1.2.2Furnished Souls for Rent|ファーニッシュド・ソウルズ・フォー・レント
- 1.3POPULATION 1[ポピュレーション ワン]|DISCOGRAPHY
- 1.3.1Population 1|ポピュレーション・ワン
- 1.3.2Sessions from Room 4|セッション・フロム・ルーム・フォー
- 1.4DRAMAGODS[ドラマゴッズ]|DISCOGRAPHY
- 1.4.1Love|ラヴ
- 1.5PERRY FARRELL'S SATELLITE PARTY[ペリィ・フェレル'ズ・サテライト・パーティ] |DISCOGRAPHY
- 1.5.1Ultra Payloaded|ウルトラ・ペイローデッド
80年代メインストリームのバブリーなファンク・ミュージックを取り入れた“ファンクメタル”と、テクニカル・ギターの鬼才ヌーノ・ベッテンコートの存在が、アイドル人気優先のグラムメタル・シーンで異彩を放っつ!!
EXTREME(エクストリーム)は、アメリカ合衆国のボストンを拠点とする、グラムメタル/ハードロック・グループ。
ヌーノ・ベッテンコート在籍のグラムメタル・ブーム末期の徒花!?
EXTREMEは、1980年代末期のグラムメタル・ムーヴメントの爛熟期にデビューしており、そのシーンの中ではかなりの後発組に属するグループです。
グラムメタルのトレンドが、ポップメタルからバッドボーイ系ロックンロールに移行して、全盛を迎えたシーンの中で、EXTREMEはファンク・ミュージックを取り入れた、ややテクニカルなポップメタルを展開。
自ら“ファンクメタル”を名乗った、グループとしても知られています。
またEXTREMEは、今日のメタル/ハード・シーンでも有数のテクニカル・ギタリストとして知られ、グラムメタル/ヘヴィメタルの枠を超えたオルタナティヴなシーンで活躍している、ヌーノ・ベッテンコート(Nuno Bettencourt)が在籍しているグループとしても有名です。
バブリーなポップメタルからファンキーな通好みサウンドへ!?
デビュー当初のEXTREMEは、メインストリームを意識した、やや類型的なポップメタル寄りのサウンドをからスタートしています。
しかし、作品を重ねるごとに、よりファンク色とテクニカルな要素を押し出した作風へと変化してゆき、自ら“ファンクメタル”を標榜するようになりました。
他のグラムメタルバンドと同様に、ポップなアイドル・バンド的なアプローチをとりつつも、職人的で堅実な作曲能力と演奏力を備えていたことで、通好みなリスナーやミュージシャンにも支持され、“ミュージシャンズ・ミュージシャン”としてポジションも確立しています。
オルタナティヴ・ロックに接近して新境地へ!?
90年代になると、グラムメタルのムーヴメントは収束して衰退。それに代わる、グランジやグルーヴメタルなどに代表されるオルタナティヴ・ロック/メタルの台頭による、ヘヴィメタル/ハードロック・シーンの大変革の波にのまれ、方向性の転換を余儀なくされます。
その中でEXTREMEは、グランジにも通じるような70年代ロックの再構築的なアプローチによる、レイドバックしたハードロック・サウンドを試みます。
しかし、オールドファンの不評を買ったことと、新規リスナーを獲得できなかったことから低迷、ベッテンコートの脱退を契機にEXTREMEは解散を決定します。
解散と再結成とソロ・プロジェクトの躍進!?
EXTREMEの解散後、ヴォーカリストのゲイリー・シェローンはVAN HALENに加入、ベッテンコートはいくつかのソロプロジェクトのほか、セッション・ギタリストとしても、ヘヴィメタルに限定されない様々なバンドやプロジェクトに参加し、確固たる評価を確立しています。
その後、2004年のリユニオンを経て、EXTREMEは2007年に再結成。翌年には新作スタジオアルバムもリリースしました。
2017年にリリースとアナウンスされていたニューアルバムは、いまだかたちとなっていませんが、現在もバンドはアクティヴな状態となっており、活動は継続されています。
EXTREME|DISCOGRAPHY
Extreme|エクストリーム
オリジナルアルバム – 1作目 (1989年)
デビュー・アルバムとなる本作では、シーンもグラムメタル全盛期の名残を残しており、そこで主流だったキラキラ系のライトなポップメタル・サウンドを展開しています。
いくぶんグルーヴやファンクネスも感じられますが、それはAEROSMITHらアメリカン・ハードロックにはあたり前に見られるレベルで、あえて特筆するほどのものではありません。
フラッシーなギターはギターファンにとっては聴きどころでしょうし、今となっても一定の支持がある作風なのは確かなので、そういった『ファニー&ニッチ』の枠の中でならば愛でることも可能でしょう。
しかし、正面きっての再評価というのは、1周回ってどころか、たとえ2〜3周回っても難しいのではないでしょうか。
|ファンク度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:☆☆☆☆☆
プログレ度:★☆☆☆☆
|通好み度:☆☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 お布施
Pornograffitti|ポルノグラフィティ
オリジナルアルバム – 2作目 (1990年)
多くのファンにとっては3rdアルバムとともに最高傑作の座を争う作品で、もっともセールスを上げてヒット曲も生み出したことから一般的には代表作とされます。
このあたりからファンクメタルを標榜するようになり、ベッテンコートもテクニカルなギターセンスをアピールしたことで、通好みなギターヒーローとして注目されるようになります。
新世代ファンクロック/メタルとしては、オルタナティヴロックシーンのRED HOT CHILI PEPPERSやFAITH NO MORE, LIVING COLORなどがすでに先行していましたが、その中では、オーソドックスなロック・アプローチとテクニカルなギターワークという意味で、LIVING COLORが共通点が多いかもしれません。
しかし、T-02, T-11のようなファンキーな曲はむしろ例外ですし、それもハードロックにはごく普通に見られるレベルで、全体としてはあくまでもポップメタル。
前作と比較するとわずかに力強さを増してキラキラ感が薄れたものの、やはり80年代のバブリー・サウンドの枠から大きく逸脱することはありません。
光る部分は見られるとはいえ、オルタナティヴなファンクロック/ファンクメタルの肩書きに過剰な期待を寄せると、肩透かしを食らうのは間違いないので、そこが評価の分かれ目となるでしょう。
|ファンク度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|プログレ度:★☆☆☆☆
|通好み度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
代表作 入門盤
III Sides to Every Story|III サイズ・トゥ・ストーリィ
オリジナルアルバム – 3作目 (1992年)
三部構成という体裁でそれぞれテーマ性を持った、ある種のコンセプトアルバム。
各部によって音楽性が異なり、第1部「Yours」はヘヴィ&ハードなファンクメタル中心、第2部「Mine」がメロウなバラード中心、第3部「The Truth」は組曲形式で20分超のプログレ風です。
「Yours」パートで聴けるファンクメタルは前作よりもヘヴィで、後のヌーノのソロに通じる部分も見られますが、80年代メインストリームのバブリーな産業ファンクも引きずっており、オルタナティヴな新世代の登場で次のフェーズに移行したファンクロック/メタルほどの先鋭性はありません。
前年にRAGE AGAINST THE MACHINEがデビューしていたことを考えると、このサウンドはさすがに古色蒼然とした印象が否めません。
「Mine」パートも同様で、職人的に真面目につくり込まれた良質の楽曲ではありますが、こちらも80年代メインストリーム・ポップロックの枠組みから踏み出してはいません。
この、時に散漫とも評価される作風からは、ミュージシャンシップとマーケティングと成功体験の間で身をよじっているような、歪さも感じさせますが、グラムメタル時代の中では最も意欲的なアルバムに仕上がっています。
このサウンドには、今となっては共感性羞恥を誘う部分も際立つため、むしろ、当時を知らない新世代の方が、素直に楽しめる可能性があるかもしれません。
|ファンク度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
プログレ度:★★★☆☆
|チャラい度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 スルメ盤 実験作
Waiting for the Punchline|ウェティング・フォー・パンチライン
オリジナルアルバム – 4作目 (1995年)
ヘヴィミュージックにパラダイムシフトが起きた1990年以降に同時代的なアプローチを取り入れて物議をかもし、オールドファンからバッシングを受けるというには、何度も語っている“80’sバンドの90年代アルアル”。
それは本作も同様なのですが、古参ファンの思惑はどうであれ、本作でようやくメタルバブルのくびきから逃れて産業ポップからひと皮むけた、普遍的で上質なロック・ミュージックへと成長を見せました。
当時は、オールドファンから“グランジ化”と呼ばれて忌避された、LED ZEPPELINあたりを意識した“70年代ハードリバイバル”テイストで、レイドバックしたグルーヴハード/ヘヴィロックが基本となっています。
時にレッチリ/レイジなどを思わせるヘヴィグルーヴも感じさせますが、EXTREME本来のポップネスと職人的な楽曲へのこだわりも失ってはいません。
とはいえ、ここでのアプローチは、根本的にはリバイバルでしかないと言われれば否定はできず、それさえも当時としてもやや旬は逃しており、すでに「この後に及んで」という印象さえありました。
しかし、過去の人気作と比較して、とどちらがブームを過ぎても風化することなく、時代に左右されない強度と普遍性を持ったサウンドなのかは、単純に双方を比較してみても、その後のシーンの情勢を見ても明白でしょう。
|ファンク度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
プログレ度:★★☆☆☆
|通好み度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
ウェイティング・フォー・ザ・パンチライン/CD/UICY-78617
Saudades de Rock|サウダージ・デ・ロック
オリジナルアルバム – 5作目 (2008年)
現時点では、EXTREME復活後の唯一のアルバム。
前作“Waiting for the Punchline(4th)”と同様に、70年代テイストがの濃厚なリバイバル系サウンドですが、そこにソロ時代の経験をフィードバックして、多様性を持たせたともいえる作風です。
ミッドテンポ主体だった前作と比較すると、同時代的なヘヴィネスを持ちながらも、アップテンポで躍動感を持ったナンバーも含まれ、より幅広くカラフルなアルバムとなりました。
セールスポイントでもあるテクニカル・ギターはやや控えめに思えますが、ヘヴィなファンクロック・ナンバーからメロウなポップナンバーまで、多彩な楽曲はいずれもよく練られてツブぞろいです。
前作で逃げたメタルファンから、一般のロック・リスナーに対してまで間口を広げてあり、80年代メタルバブルの呪いが解けないリスナーでなければ、上質なハードロック・アルバムとして楽しめる逸品です。
|ファンク度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
プログレ度:★★☆☆☆
|通好み度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤
Six|シックス
オリジナルアルバム – 6作目 (2023年)
NUNO [ヌーノ]|DISCOGRAPHY
EXTREME解散後のヌーノ・ベッテンコートによるワンマン・プロジェクトで、このNUNO(ヌーノ)名義としては、アルバム1枚のみを残しています。
基本的には全パートをベッテンコートが担当していますが、EXTREMでの盟友ゲイリー・シェローン’Gary Cherone)が1曲、現在DREAM THEATER所属でANNIHILATORにも参加していたマイク・マンジーニ(Mike Mangini)が2曲ゲストとして色を添えています。
主な音楽性は、適度にヘヴィでポップなハードロックですが、ポップメタル・バンドEXTREMEというくびきから解き放たれたためか、オルタナポップ/ストレンジポップ的なギターポップ風の楽曲も目立つなど、これまではできなかったアプローチにも取り組んだことで、楽曲のスタイルはの幅広いものとなりました。
メタルファンにわかりやすく例えるなら、THE WILDHEARTS(ワイルドハーツ)とGALACTIC COWBOYS(ギャラクティック・カウボーイズ)の間のどこかといった印象です。
Schizophonic|スキゾフォニック
オリジナルアルバム – 1作目 (1997年)
|ファンク度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
ポップ度:★★★★★
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
MOURNING WIDOWS [モーニング・ウィドウズ]|DISCOGRAPHY
NUNO名義に続く、ヌーノ・ベッテンコートのソロ・プロジェクト。
EXTREME時代には結局実現できなかった、モダンなファンクメタル・サウンドを展開しており、ベッテンコート関連の中では最もヘヴィでメタル度の高いプロジェクトと言えます。
とはいえ、ヘヴィグルーヴ〜ニューメタル系のゴリゴリのヘヴィサウンドというよりは、TM STEVENS(TM スティーヴンス), STEVIE SALAS(スティーヴィー・サラス), VERNON REID(ヴァーノン・リード:ex LIVING COLOR)などのプロジェクトに近く、多様性と柔軟さを持ったスタイル。
あえていうなら、それらのミュージシャンズ・ミュージシャン系アーティストとEXTREMEの、中間に位置するサウンドといったところです。
Mourning Widows|モーニング・ウィドウズ
オリジナルアルバム – 1作目 (1998年)
|ファンク度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
ポップ度:★★★☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み 実験作
ヌーノ・ベッテンコート&モーニング・ウィドウズ/CD/POCP-7294
Furnished Souls for Rent|ファーニッシュド・ソウルズ・フォー・レント
オリジナルアルバム – 2作目 (2000年)
|ファンク度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
ポップ度:★★★☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み
ファーニッシュド・ソウルズ・フォー・レント/CD/POCP-7478
POPULATION 1[ポピュレーション ワン]|DISCOGRAPHY
この次に展開されるDRAMAGODSの、直接的な前身にあたるプロジェクト。
ここではヘヴィネスやメタルエッジな質感は感じられず、テクニカルギターも全編にフィーチャーされているわけではなくかなり控えめです。
あえていうなら、オルタナ・ポップともストレンジ・ポップとも呼べそうな、ギターポップ・サウンドを主体とした作風ですが、楽曲によっては異なるアプローチをとっており、思いのほか変化に富んだサウンドを披露しています。
Population 1|ポピュレーション・ワン
オリジナルアルバム – 1作目 (2002年)
|ファンク度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
ポップ度:★★★★★
|プログレ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Sessions from Room 4|セッション・フロム・ルーム・フォー
ミニアルバム:EP (2004年)
|ファンク度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆☆
ポップ度:★★★★★
|プログレ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤
DRAMAGODS[ドラマゴッズ]|DISCOGRAPHY
DRAMAGODSは、その前身にあたるヌーノ・ベッテンコートのプロジェクト、『POPULATION 1』の名称が諸事情で使えなくなったため、名義を改めたものです。
とは言っても、オルタナポップ系のサウンドに傾いていたPOPULATION 1とは異なり、DRAMAGODSではヘヴィなサウンドも交えたバラエティに富んだ楽曲を展開しており、ベッテンコートのこれまでのキャリアの総集編といった作風です。
ライヴではサポート・メンバーを迎えていましたが、アルバムではほぼ全パートをベッテンコートひとりで録音していています。
Love|ラヴ
オリジナルアルバム – 1作目 (2005年)
|ファンク度:★☆☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
ポップ度:★★★★☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
代表作 入門盤 通好み スルメ盤
PERRY FARRELL’S SATELLITE PARTY[ペリィ・フェレル’ズ・サテライト・パーティ] |DISCOGRAPHY
USオルタナティヴ・シーンの顔役的存在でもある、ペリー・ファレル(PERRY FARRELL)とベッテンコートによるプロジェクト。
ファレルは、JANE’S ADDICTION(ジェーンズ・アディクション)やPORNO FOR PYROS(ポルノ・フォー・パイロス)のフロントマンンにして中心人物として活躍したほか、米国を代表するオルタナティヴ・ロックフェス『ロラパルーザ』の創始者でもある人物です。
デビュー当時の両者の立ち位置を知るなら、かなり予想外の組み合わせですが、90年代以降にグランジとは異なるアプローチでの、ハードロック/ファンクロック/プログレッシヴ・ロックの再構築を行っていた点では、両者は共通しています。
また、グラマラスなメイクでパフォーマンスしていたJANE’S ADDICTIONを、異形のグラムメタルと捉えることも可能とするなら、この組み合わせも納得できるかもしれません。
バンドメンバーは、ファレル人脈からは、その奥方のエティ(コーラス)、ベッテンコート側からは盟友マイク・マンジーニの人脈であるケビン・フィゲイレド(Dr.)。
他にもゲストとして、RED HOT CHILI PEPPERSのジョン・フルシアンテほか、多彩な顔ぶれが参加していました。
アーティスト肌と職人肌のすれ違いからか、方向性の不一致を理由にベッテンコートは1年足らずで脱退。EXTREMEのを再結成することになります。
ファレルもJANE’S ADDICTION再結成に動いたために、バンドは活動を終えています。
Ultra Payloaded|ウルトラ・ペイローデッド
オリジナルアルバム – 1作目 (2007年)
どちらかというとファレル主導の印象が強く、楽曲面にも持ち前のアート感覚とサイケデリック・テイストや、ツイストの効いたポップセンスが強く出たものです。
ベッテンコートは、ほぼ全曲にギターかベースで参加、ドラムも身内のフィゲイレドということで、演奏面で職人ぶりを発揮しています。
予想を大きく超えてゆくのケミストリーは生まれていませんし、良くも悪くも余裕を感じさせるつくりからか、音楽メディアからは評価はあまり振るいませんでした。
とはいえ、オルタナシーンのベテラン同士ならではの、リラックスしつつもスキのない高品質のハードロックアルバムであり、このサウンドは、EXTREMEやベッテンコート単身では、つくり出せなかったであろうことも事実です。
|ファンク度:★★★☆☆
|サイケ度:★★★★☆
|ポップ度:★★★★☆
|プログレ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作