サイトアイコン おとふり

★ GODFLESH(ゴッドフレッシュ) ディスコグラフィー ★ 英国エクストリーム・シーンが誇る先鋭的な世界最重量級インダストリアル・メタル!……必聴のオススメアルバムは?

GODFLESH_logo_a

NAPALM DEATH卒業生にしてエレクトロニック/インダストリアルの裏街道を行く鬼才、ジャスティン・ブロードリック率いるヘヴィ&ダウナーなインダストリアル・バンド!

GODFLESHのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

GODFLESHは、イギリスを代表するインダストリアル・メタル・グループ。
近年ではスラッジ・メタルのルーツに挙げられることもあります。

GODFLESHはNAPALM DEATHファミリー!?

GODFLESHは、ジャスティン・ブロードリック(Justin Broadrick)と、G.C.グリーン(G.C.Green)、ポール・ネヴィル(Paul Neville)の3人で結成されました。

英国インダストリアルシーンの鬼才ジャスティン・ブロードリックは、80年代には、英国グラインドコア基礎をつくり創始者として現在シーンを牽引し続けるNAPALM DEATHの初期メンバーとして活躍していましたが、それと並行してFALL OF BECAUSEやHEAD OF DAVIDといったインダストリアル・ユニットの活動も行なっていました。

GODFLESHは、その時期のユニットのひとつFALL OF BECAUSEと母体としており、初期メンバーの3人は皆そこからそのままスライドしています。
それだけでなく、FALL OF BECAUSE時代の作風の一部は、GODFLESHの初期の音楽性にも踏襲されていました。

スロー&ダウナーなヘヴィ・インダストリアル!?

GODFLESHは、ある種ドゥーミィとも言える重圧型エクストリーム・インダストリアル・メタルとしてスタートしており、この時期より、ウルトラヘヴィかつスローでダウナーなサウンドはGODFLESHの音楽性の最大のとなっています。

これについては主に、80年代に米国オルタナティヴ/ニューウェイヴのシーン背活躍した『SWANS(スワンズ)』の、初期のサウンドなどからヒントを得たものであり、それを現代的なエクストリーム・ミュージックのメソッドで再構築したものとも言えます。

GODFLESHの音楽性の変遷!!

GODFLESHは、デビュー以来の基本的なスタイルは踏襲しながらも、アルバムごとに新機軸を取り入れたアプローチを展開するようになります。

それらの試みの中には、アンビエント・ミュージックやノイズ・ミュージック絵を取り入れた、エクスペリメンタルなサウンド、グルーヴメタルに通じる躍動感のあるヘヴィグルーヴを取り入れたスタイル、英国お家芸の“エレクトリック・ダブ”や、“ドラムンベース”などのヘヴィなEDMも取り入れた、ダンサブルでグルーヴィーなヘヴィサウンド…などがありました。

最終的には、核となる重圧の高いインダストリアス・メタルを基調に、過去に試みてきた様々な要素が顔をのぞかせる、総決算的なスタイルに落ち着いています。

GODFLESHのシーンでの位置付けは!?

GODFLESHの音楽性は、1990年前後の“インダストリアル・メタル第1世代”によるムーヴメントの中核をなした、アッパーなサウンドを目玉とするアメリカやドイツの主流派とも、その後の“第2〜第3世代”によって主流となる、ロックの基本フォーマットやメロディを重視して、より普遍的なロック/ヘヴィメタルへと接近したスタイルとも異なるものでした。

聴き手のリテラシーを要求される面あったことから、インダストリアル・メタルのブームの中では主に先鋭的なリスナーや好事家を中心に支持されており、「アンダーグラウンドの通好みでマニアックなバンド」…といった位置付けに収まっていました。

その後、ドゥームメタル/ストーナーロックのブームによって、“スロー&ダウナー”サウンドへの理解が高まったことや、NEUROSISのブレイクによるスローなポストハードコア/ポストメタルのブームを経た“スラッジ”の再定義やリバイバルによって、GODFLESHの再評価/正当評価も進み支持層も大きく広がっています。

GODFLESHは元祖スラッジメタル??

近年GODFLESHは、媒体によっては『スラッジメタル』とカテゴライズされ、そのパイオニアと見なされることもあります。

『スラッジメタル』は、基本的に『ドゥームメタル』や『ストーナーロック』の近似ジャンルである『スラッジコア』と同義ですが、その界隈では拡大解釈による再定義の動きが目立ち、『ドゥーム』や『ストーナー』ジャンルへの収まりが良くないスロー&ダウナーなヘヴィミュージック全般を、統括してカテゴライズする傾向が広がっています。

しかし、この『スラッジメタル』の定義は便宜的/恣意的なものであり、GODFLESHをはじめとした本来の『スラッジコア/メタル』とは異質で、成り立ちも異なるグループの数々を無理に統合しています。

そのため、音楽的な特徴やルーツ/バックグラウンドに共通する一面はあるものの、GODFLESHらの一群は直接的な系統には無い近似ジャンルとして扱うべき…という、批判的な見解が絶えません。

現在の『スラッジ』の拡大定義については、正当性に疑問を呈する声が尽きず賛否両論であり、見解が統一したカテゴライズとは言えないのが実情で、GODFLESHをそこに含むべきかについても意見の相違が見られます。

GODFLESHの活動は!?

GODFLESHは、20002年〜2009年の間飲み活動停止状態にありましたが、活動がアクティヴになっている時期については、現在に至るまで、作品のリリースを含めてコンスタントな活動展開を続けています。

また、ブロードリックはそれと同時に、『ICE』『JESU』『THE BLOOD OF HEROES』『TECHNO ANIMAL』などの別ユニットでのをはじめ、各種アーティストとの様々なコラボレーションやリミックスの提供など、英国の鬼才と呼ぶにふさわしい実験的で多岐にわたる活動を、精力的に展開しています。

次ページはGODFLESHのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

GODFLESH|DISCOGRAPHY

Godflesh|ゴッドフレッシュ

EP – (1988年)

|ヘヴィ度:★★★★★
|トリップ度:★★★☆☆
|ダウナー度:★★★★☆
|実験度:★★★☆☆
|マニア度:★★★★★
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 通好み 実験作

Streetcleaner|ストリートクリーナー

オリジナルアルバム – 1作目 (1989年)

初期のNAPALM DEATHにもときおり見られた、初期SWANSサウンドをヒントにしつつも、デスメタル/グラインドコアを通過したエクストリミティによって再構築された、圧倒的な超重圧サウンドを聴かせる、GODFLESHのデビュー作にしてとそのひとつの到達点。

グラインドコア由来のヴォーカルは、ややデスメタリックとも言えるダーティヴォイスを用いていており、エクストリームな印象を強めています。

ウルトラヘヴィでダウナーな“引きずり系”サウンドで、ドゥーミィ・インダストリアルの騎手となっただけでなく、スラッジコア/ドゥームメタル/ストーナーロックにも影響を及ぼし、それらのルーツのひとつにも数えられる重要アルバムです。

|ヘヴィ度:★★★★★
|トリップ度:★★★☆☆
|ダウナー度:★★★★☆
|実験度:★★★★☆
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み

Slavestate|スレイヴステイト

コンピレーション – (1991年)

Pure|ピュア

オリジナルアルバム – 2作目 (1992年)

前作を踏襲しつつも、ヘヴィネスやエクストリミティのみにこだわらない実験性の強い作風となり、リズムパターンやサウンド・テクスチャーも多様性を増し、クリーンヴォイスやハンマービート風のサウンドも導入しています。

T-10は20分越えの音響ノイズ的なナンバーで、これは後のポストロック/ポストハードコアにも影響を与えています。

|ヘヴィ度:★★★★☆
|トリップ度:★★★★★
|ダウナー度:★★★★☆
|実験度:★★★★★
|マニア度:★★★★★
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 通好み スルメ盤 実験作
メタル¥1,528Godflesh
iTunes Store

Selfless|セルフレス

オリジナルアルバム – 3作目 (1994年)

重圧の高いヘヴィネスはそのままに、ヘヴィグルーヴのテイストも導入しつつさらに多様性を増しており、メインストリームにも通じるような、良い意味でわかりやすいポップネス/キャッチネスをも内包したアルバムとなっています。

メタルファンにも受け入れやすい作であり、マニアックな独自性とポピュラリティが上手く噛み合ったという意味でも 代表作のひとつに挙げるにふさわしいアルバムと言えるでしょう。

|ヘヴィ度:★★★★★
|トリップ度:★★☆☆☆
|ダウナー度:★★☆☆☆
|実験度:★★★★☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み

Merciless|マーシレス

EP (1994年)

Songs of Love and Hate|ソングス・オブ・ラヴ・アンド・ヘイト

オリジナルアルバム – 4作目 (1996年)

GODFLESHのオリジナリティである重圧サウンドに加え、前作で取り入れたヘヴィグルーヴ的アプローチを踏襲しつつも、さらなく新機軸導入を図ったアルバム。

従来のウルトラ・ヘヴィなイメージに固執しすぎることなく、ダンサブルなEDM系リズムの導入を試みるなど、さらなる多様性を追求しています。

全キャリアの中でも、最もメジャー感を持ったアルバムですが、それだけに、オールドファンからの評価は別れがちな傾向が見られます。

|ヘヴィ度:★★★★☆
|トリップ度:★★★☆☆
|ダウナー度:★★★☆☆
|実験度:★★★★☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Love and Hate in Dub|ラヴ・アンド・ヘイト・イン・ダブ

リミックスアルバム (1997年)

Us and Them|アス・アンド・ゼム

オリジナルアルバム – 5作目 (1999年)

ドラムンベースなど直接的にEDMのリズムを取り入れるなど、前作以上に本格的にEDMのビートを導入した実験作。

サイド・プロジェクトともリンクしつつさらなる新機軸を模索している意欲作ですが、初期の重圧サウンドを求めるオールドファンからは、やはり前作以上に賛否両論のアルバムとなりました。

|ヘヴィ度:★★★☆☆
|トリップ度:★★★☆☆
|ダウナー度:★☆☆☆☆
|実験度:★★★★☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Messiah|メサイア

EP – (2000年)

Hymns|ハイムンズ

オリジナルアルバム – 6作目 (2001年)

元PRONGのTed Parsons参加。その影響かグルーヴメタルに近い感触でメタルリスナーにもアピールした作品。この作品をきっかけにリスナー層も広がる。

|ヘヴィ度:★★★★☆
|トリップ度:★★☆☆☆
|ダウナー度:★☆☆☆☆
|実験度:★★☆☆☆
|マニア度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

入門盤 賛否両論 実験作

A World Lit Only by Fire|ア・ワールド・リット・オンリー・バイ・ファイア

オリジナルアルバム – 7作目  (2014年)

ややミニマルな作風。

|ヘヴィ度:★★★★☆
|トリップ度:★★☆☆☆
|ダウナー度:★★☆☆☆
|実験度:★★☆☆☆
|マニア度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

代表作 入門盤 通好み

Post Self|ポスト・セルフ

オリジナルアルバム – 8作目 (2017年)

|ヘヴィ度:★★★★☆
|トリップ度:★★★★☆
|ダウナー度:★★★☆☆
|実験度:★★★★★
|マニア度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

 Amazon Music UnlimitedでGODFLESHの名盤が聴き放題! 

モバイルバージョンを終了