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★ THE RED HOT CHILI PEPPERS(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|オルタナティヴなUSミクスチャーの代名詞からメインストリームのアリーナバンドへ!!…必聴アルバムは?

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激動の“R(アラウンド)1990”にオルタナ/ミクスチャー戦国時代を勝ち抜き覇権を掴み取った先鋭的な変態アングラバンドは、ド定番のアリーナ・バンドとなってメインストリームの第一線で活躍!!

THE RED HOT CHILI PEPPERSのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

THE RED HOT CHILI PEPPERS(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)は、アメリカ合衆国カリフォルニアを拠点とするロックバンド。
バンド名の長さから、一般的にはチリ・ペッパーズ、日本ではレッチリなどの略称でも呼ばれています。

USオルタナティヴロックのアイコン!?

THE RED HOT CHILI PEPPERSは、1990年前後に全盛を極めたアメリカン・オルタナティヴ・ロックの先駆け的な存在のひとつ。

その黎明期から黄金時代の先頭を走り続けたことで、シーンの中でも最も高い世界的知名度を誇るビッグネームであり、そのUSオルタナ・シーンを象徴する、アイコン的なグループとして認められています。

ミクスチャーのロッックのパイオニア!!

THE RED HOT CHILI PEPPERSの音楽性は、ファンクを中心としたブラックミュージックをロックとクロスオーバー/ミックスさせたもので、ジャンルとしてはファンクロック(メタル)やラップロック(メタル)としてもカテゴライズされています。

日本では“ミクスチャー・ロック”と呼ばれているそれらのジャンルのバンドの中でも、FAITH NO MOREなどと共に最古参のひとつに数えられるグループです。

ファンクロックの改革者!?

ファンクを取り入れたロックと、そのメソッド自体は70年代からすでに存在しており、THE RED HOT CHILI PEPPERSがその先駆けというわけではありません。

さらに、80年代になるとファンクはレゲエやスカなどと同様に、アンダーグラウンドからメインストリームまでの幅広いロックバンドが、競って取り入れるようになります。

THE RED HOT CHILI PEPPERSも、当初は80年代のポストパンクの延長といえるようなスタイルからスタートしていました。

しかし、当時最先端のブラック・ミュージックだったヒップホップのラップを意識したヴォーカル・スタイルや、ハードコア/スラッシュメタル以降の現代的なヘヴィネスをも取り入れることで、90年代の幕開けを飾る最新型“ミクスチャー・ロック”として、シーンを牽引していくポジションに躍り出ます。

ファンクロックの枠を超えて!?

90年代の半ばを過ぎると、“R1990”のグランジを含めたアメリカン・オルタナティヴ・ブームも一段落し、RAGE AGAINST MACHINEや初期のニューメタル系ラップメタルのような、さらなるモダンでヘヴィなチューニングが施された、最新型“ミクスチャー・ロック/メタル”が続々と登場する状況になります。

THE RED HOT CHILI PEPPERSは、それら新世代のエクストリミティにガチンコで対抗する道には進まず、メロディとオーソドックスな歌唱をフィーチャーした、オーセンティックで普遍的なアメリカンロックを主軸としたスタイルにシフトします。

結果的には、これによって一般層までも取り込んで幅広いリスナーを獲得し、メインストリームのアリーナバンドと呼ぶべきステージにのし上がることに成功。現在に至るまで、トップバンドとして揺るがない地位を築いています。

次ページはTHE RED HOT CHILI PEPPERSのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

THE RED HOT CHILI PEPPERS|DISCOGRAPHY

The Red Hot Chili Peppers|レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

オリジナルアルバム – 1作目 (1984年)

ここで聴けるのは黄金期とはスタイル異なり、ニューウェイヴ/ポストパンクと地続きのサウンドです。
時代を考えれば自然なことですが、ポストパンク・グループGANG OF FOUR(ギャング・オブ・フォー)のギタリスト、アンディ・ギルによるプロデュースというのも納得でしょう。

独自のポップセンスはこの頃から健在で、黄金期にも用いられるフレーズなどが散見されますが、基本的にはいかにも80年代風アングラ・テイストの、USインディーズ系ローファイ・ジャンク・ファンクとでもいったスタイルです。

レッチリ流のファンク/ラップメタルとしてはまだ発展途上で、悪い意味でとりとめのない散漫な印象も拭えないアルバムなので、黄金期のサウンドならまだしも現在のアリーナロック・サウンドを期待すると裏切られるのは確実。

とはいえ、ウサン臭さこそ彼らの魅力と感じる通人や、アングラ・サウンドがイケる口であればそれなりに楽しめるでしょう。
いずれにせよ、このサウンドでデビュー作にも関わらず、これがメジャーからリリースされたあたりに、80年代の底知れなさが感じられます。

|ミクスチャ度:★★★☆☆
|ファンク度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|メロ/エモ度:★☆☆☆☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

通好み スルメ盤 実験作

Freaky Styley|フリーキー・スタイリー

オリジナルアルバム – 2作目 (1985年)

ファンク・ナンバーのカバー曲も含めて、正統派ファンク・ロックのエッセンスが濃くなり、前作と比較すると、よりフィジカルなファンクネスとグルーヴが感じられるようになりました。

プロデュースは、大御所P-FUNK〜FUNKADELIC(ファンカデリック)一派の元締めジョージ・クリントンで、それらを思わせるようなテイストも漂わせています。
同時に、パンキッシュなハードコア・テイストが濃厚な曲もあり、ヘヴィネスも強化された印象を受けます。

今にして思えば、この時期にして“R1990”のヘヴィロック・カンブリア大爆発を予感させるような、前触れとも呼べそうな要素も内包されているのが感じられ、変態おバカバンドのイメージとは裏腹に、確かな先鋭性を持っていたこともうかがえます。

|ミクスチャ度:★★★☆☆
|ファンク度:★★★★★
|オルタナ度:★★★☆☆
|メロ/エモ度:★☆☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 通好み スルメ盤 実験作

The Uplift Mofo Party Plan|ザ・アップリフト・モフォ・パーティ・プラン

オリジナルアルバム – 3作目 (1987年)

オルタナティヴ・ロックを中心にヘヴィメタルまで、骨太系バンドを多く手がけるマイケル・ベインホーンのプロデュースによって、黄金期のレッチリ・サウンドの基本形がほぼ出来上がったアルバム。

メロディのフィーチャー度合いやフックを織り込んだやつくり込み、ミクスチャーとしての雑食的な多面性などについてはまだまだ過渡期ではあるものの、ボトムの効いたヘヴィ&グルーヴィなファンクロック/メタルとしては、これ以降と比較しても遜色ありません。

今となっては、どちらかというと代表作をひと通り押さえたファン向けのアイテムですが、T-01など現在でもライヴの定番となっている代表曲も含まれており、オールドファンからの支持率が高いアルバムでもあります。

|ミクスチャ度:★★★★☆
|ファンク度:★★★★★
|オルタナ度:★★★★☆
|メロ/エモ度:★☆☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

入門盤 通好み スルメ盤 実験作

Mother’s Milk|マザーズ・ミルク:母乳

オリジナルアルバム – 4作目 (1989年)

功労者マイケル・ベインホーンとの衝突も喧伝されている本作ですが、バンド史/ロック史的に見れば、レッチリ流のファンク/ラップメタルが本格的な完成を見せ、黄金期の到来を示した重要作。
同時に、バンドが盟友と認めファンからの人気/信頼度も絶大な、ジョン・フルシアンテ(Gt.)の初参加作でもあります。

ミクスチャー・ロックとしての実験性と、ポップ・ミュージックとしての洗練が、理想的な拮抗を見せており、バンドのブレイクのみならず、USオルタナティヴ・ロックというジャンルそのもののメジャー化/メインストリーム化をも象徴する、記念碑的な意味合いも持つアルバムです。

ポストパンクの名残を払拭して、ハードコア/ハードロック/ヘヴィメタル・テイストが強化されたアグレッシヴなサウンドは、強靭ながら柔軟なヘヴィヴルーヴに満ちたもの。
また、ポップネスも強化されメロディの比重もアップして、全編にわたってキャッチーなフック満載。
もちろん、カバー曲ながらスマッシュヒットとなったT-02やT-06など、バンド史に残る名曲も収録されています。

これまでもアルバムごとにアップデートを重ねてきたとはいえ、本作での伸び幅は段違いに跳ね上がっており、完全に“化けた”といえるレベル。これまでとは、全く別のステージに到達した名盤です。

|ミクスチャ度:★★★★★
|ファンク度:★★★★★
|オルタナ度:★★★★★
|メロ/エモ度:★★☆☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Blood Sugar Sex Magik|ブラッド・シュガー・セックス・マジック

オリジナルアルバム – 5作目 (1991年)

前作とともに、レッチリ黄金期のミクスチャー路線の頂点にあたるアルバムで、前作と共にこの時代の代表作として、第1期ミクスチャー・ロック・ブームを語るには欠かせない1枚。
プロデュースには、本作から10作目まで長きにわたる付き合いとなる、名伯楽リック・ルービンを迎えています。

前作で完成したレッチリ流のミクスチャー/ファンクメタルをブラッシュアップしつつ、大きく作風の幅を広げており、中でも、リリカルでエモーショナルなメロディをフィーチャーした、オーソドックスなポップロックやバラードは、これ以降の定番路線としてアルバムの軸にもなってゆきます。

オールタイム・ベスト級の名曲も満載で、総合的/多面的に見るならレッチリの最高傑作であることは間違いなく、熱心なファンでなければとりあえずベスト盤…そうでなければ本作1枚だけ押さえておけば十分とも言えるほど。あえて弱点を言うならば、冒頭にキラー・チューンを据えていないため、アルバム序盤の出足が鈍くツカミが弱いことくらいです。

|ミクスチャ度:★★★★★
|ファンク度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★★★
|メロ/エモ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

One Hot Minute|ワン・ホット・ミニット

オリジナルアルバム – 6作目 (1995年)

フルシアンテの脱退により、当時解散していたUSオルタナの顔役JANE’S ADDICTIONの、デイヴ・ナヴァロを後任ギタリストに迎えましたが、結果的にこの編成でのアルバムは本作1枚のみとなりました。

キャリア的にもUSオルタナ・ブームの中でもピークにあたる時期でありながら、オールドファンや評論家からも不評を買って売り上げが一気に落ち込み、一般的には失敗作/駄作と見なされています。

とはいえ、クオリティが前作から格段に劣るわけではありません。オールタイム・ベストに入るレベルのヒットチューンもあり、聴きどころは決して少なくありません。
代打のナヴァロは、フルシアンテと比較するとメタル/ハード志向で、古典的ギターヒーロー系ともいえますが、サイケな個性も適度な見せつつ無難に仕事をこなしています。

あえて言えば、ほぼ同一路線で3作目にもなるためか、さすがに作中のアイデアの定番化やフレーズの使い回しなどが、目につくようになったことくらいでしょう。

根本的な低評価の理由を探るならば、ミクスチャー・シーンの変化の波に飲まれたことや、バンドのメインストリーム化やメタル化への反発なども考えられます。
しかし、結局のところフルシアンテの存在がバンドとファン双方にとって特別なものであり、ライバル的なバンド出身でスタイルも異なるナヴァロを受け入れ難かった、ということなのでしょう。

|ミクスチャ度:★★★★★
|ファンク度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★★
|メロ/エモ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤 賛否両論

Californication|カリフォルニケーション

オリジナルアルバム – 7作目 (1999年)

黄金期のギタリストとしてファン人気の高いジョン・フルシアンテの復帰と、ややマンネリ気味の気配があったファンクメタルからの路線変更がうまく働いて、再び売り上げを伸ばして大ヒットバンドへと返り咲いたアルバム。

黄金期の鉄板だったミクスチャー/ファンクメタル・スタイルと、黄金期にはアクセントに近かったメロディアスなアメリカン・ハードロック・スタイルの比率が逆転しており、これによって00年代からのオーソドックスなポップロック・サウンドによるアリーナロック路線の幕開けとなりました。

いつものように名曲/佳曲も並んでいるものの、収録曲数が多いわりには及第点どまりの曲が多く、アルバムとしての密度はそれほど高いわけではありませんが、やや肩の力が抜けてリラックスした万人受けしやすい作風にはなっています。

|ミクスチャ度:★★★☆☆
|ファンク度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|メロ/エモ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 実験作

By the Way|バイ・ザ・ウェイ

オリジナルアルバム – 8作目 (2002年)

成功を収めた前作での、オーソドックスなアメリカン・ロック路線を推し進めており、引き続き力の抜けた自然体風味の音づくりと、よりオーガニックな質感が特徴的な1枚。

おなじみのファンク・テイストやミクスチャー展開も見られるものの、全盛期からは大きく後退しており、完全にメロディアスな歌物ポップロック・アルバムとなっています。

まだオルタナ時代の匂いを残していますが、音楽的にも立ち位置的にも、新世代のラップメタルと最新ミクスチャー表現を競うのではなく、アリーナロックバンドとしてVAN HALENやBON JOVE、あるいはU2などと同列で語られるグループとなっています。

そのアリーナロック期の中では、セールス面はやや伸び悩んでいますが、個々の曲のクオリティでは頭ひとつ以上も抜きん出ており、アルバムとしての密度もダントツの仕上がり。まさに、後期の名盤と呼ぶにふさわしい出来栄えです。

|ミクスチャ度:★★☆☆☆
|ファンク度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|メロ/エモ度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作

Stadium Arcadium|スタジアム・アーケディアム

オリジナルアルバム – 9作目 (2006年)

I’m with You|アイム・ウィズ・ユー

オリジナルアルバム – 10作目 (2011年)

The Getaway|ザ・ゲッタウェイ

オリジナルアルバム – 11作目 (2016年)

Unlimited Love|アンリミテッド・ラヴ

オリジナルアルバム – 12作目 (2022年)

Return of the Dream Canteen|リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン

オリジナルアルバム – 13作目 (2022年)

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