Contents
- 1ヘヴィでポップでサイケデリックなプログレ/アートサウンドで、90年代オルタナティヴシーンのトップに登りつめた個性派バンドがつむぐドリーミーでメランコリックなロックタペストリー!!
- 1...1THE SMASHING PUMPKINSの音楽ジャンルは!?
- 1...2ヘヴィサイケ時代!?
- 1...3大作コンセプトアルバムでブレイク!?
- 1...4ニューウェイヴ・リバイバルへ突入!?
- 1...5解散〜再結成とその後の動きは!?
- 1.1THE SMASHING PUMPKINS|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Gish|ギッシュ
- 1.1.2Siamese Dream|サイアミーズ・ドリーム
- 1.1.3Mellon Collie and the Infinite Sadness |メロンコリー・アンド・ザ・インフィネイト・サッドネス:メロンコリーそして終りのない悲しみ
- 1.1.4Adore|アドア
- 1.1.5Machina/the machines of God |マシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド
- 1.1.6Machina II/the friends & enemies of modern music|マシーナII
- 1.1.7Zeitgeist|ツァイトガイスト
- 1.1.8Teargarden by Kaleidyscope|ティアガーデン・バイ・カレイディスコープ
- 1.1.9Oceania|オセアニア〜海洋の彼方
- 1.1.10Monuments to an Elegy|モニュメンツ・トゥ・アン・エレジー
- 1.1.11Shiny and Oh So Bright, Vol.1/LP:No Past. No Future. No Sun.|シャイニー・アンド・オー・ソー・ブライト VOL.1 / LP:ノー・パスト、ノー・フューチャー、ノー・サン
- 1.1.12Atum: A Rock Opera in Three Acts|アトゥム:ア・ロック・オペラ・イン・トゥリー・アクツ
- 1.2THE SMASHING PUMPKINS|DISCOGRAPHY:Others
- 1.2.1Pisces Iscariot|パイシーズ・イスカリオット
- 1.3ZWAN [ズワン]|DISCOGRAPHY
- 1.3.1Mary Star of the Sea|メアリー・スター・オブ・ザ・シー
- Gish|ギッシュ
- Siamese Dream|サイアミーズ・ドリーム
- Mellon Collie and the Infinite Sadness |メロンコリー・アンド・ザ・インフィネイト・サッドネス:メロンコリーそして終りのない悲しみ
- Adore|アドア
- Machina/the machines of God |マシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド
- Machina II/the friends & enemies of modern music|マシーナII
- Zeitgeist|ツァイトガイスト
- Teargarden by Kaleidyscope|ティアガーデン・バイ・カレイディスコープ
- Oceania|オセアニア〜海洋の彼方
- Monuments to an Elegy|モニュメンツ・トゥ・アン・エレジー
- Shiny and Oh So Bright, Vol.1/LP:No Past. No Future. No Sun.|シャイニー・アンド・オー・ソー・ブライト VOL.1 / LP:ノー・パスト、ノー・フューチャー、ノー・サン
- Atum: A Rock Opera in Three Acts|アトゥム:ア・ロック・オペラ・イン・トゥリー・アクツ
ヘヴィでポップでサイケデリックなプログレ/アートサウンドで、90年代オルタナティヴシーンのトップに登りつめた個性派バンドがつむぐドリーミーでメランコリックなロックタペストリー!!
THE SMASHING PUMPKINS(スマッシング・パンプキンズ)は、アメリカ合衆国シカゴで結成されたオルタナティヴ・ロック・グループ。
日本では「スマパン」の通称が定着しています。
THE SMASHING PUMPKINSの音楽ジャンルは!?
THE SMASHING PUMPKINS一般的にはUSオルタナティヴ・ロックにカテゴライズされていましたが、リアルタイムでは、“グランジ”ジャンルに属するグループとして扱われることもありました。
時期によって音楽性に大きな変化が見られますが、いずれにしても、広義の意味ではハードロック/ヘヴィロックの一形態と考えて問題ありません。
ヘヴィサイケ時代!?
THE SMASHING PUMPKINSは、オルタナティヴ・ロック/グランジ・ムーヴメントの中では、やや後発にあたるグループでした。
初期は、ドリーミーなサイケデリアとノイジーな轟音サイケデリアが同居した、ヴィンテージ・テイストも漂わせたヘヴィロックとしてスタートしていましたが、同様のスタイルの中でも屈指といえるポップネスを持ったサウンドで注目を集めていました。
大作コンセプトアルバムでブレイク!?
3rdアルバムでは、当時のロックシーンでは異例といえるCD2枚組の超大作に挑戦。
ロウなヘヴィロックと古典的で普遍的なポップネス、プログレ的ともいえるコンセプトと精緻な音作りという、相反する個性が同居した名盤を生み出します。
これが、CD2枚組にもかかわらず、想像を超える歴代最大のヒットとなり、一般層も巻き込んで本格的に大ブレイク。
一気にシーンのトップに躍り出ます。
これにより、90年代のオルタナティヴ・ロックを代表するバンドのひとつに数えられる、時代の顔とも呼べるほどのビッグネームへと成長しました。
ニューウェイヴ・リバイバルへ突入!?
その後、欧米各国のメインストリームで広がりを見せていた、ニューウェイヴ・リバイバルの動きを反映させさたサウンドへと移行。アメリカ音楽シーンでの、ゴシカルな耽美系サウンドの認知と普及にひと役買います。
従来の音楽性からの変化に加え、しかし、また、グランジを中心とした90年代オルタナティヴ・ロックのブームの収束も影響してか、セールスは伸び悩み失速気味となります。
オリジナルメンバーのジミー・チェンバレン(Dr.)とダーシー・レッキー(Ba.)の脱退(チェンバレンは後に復帰)が相次ぐなどの、不安定なバンド状況なども重なってか、2000年には解散を迎えることとなります。
解散〜再結成とその後の動きは!?
解散後、フロントマンのビリー・コーガンとジミー・チェンバレン(Dr.)は〈ZWAN(ズワン)〉を結成。ジェームス・イハ(Gt.)は、ソロでの活動へと移行しました。
しかし〈ZWAN〉はアルバム1枚を残して解散となり、2006年にはコーガンとチェンバレンが中心となって再結成。解散前の往年のサウンドからは一変して、〈ZWAN〉時代にも近い比較的オーソドックスなロック・サウンドとなります。
それでも、コンスタントなアルバムリリースを重ねており、2018年にはイハも復帰して今なお活動を続けています。
THE SMASHING PUMPKINS|DISCOGRAPHY
Gish|ギッシュ
オリジナルアルバム – 1作目 (1991年)
当世的な解釈によるモダンハード/ヘヴィロックサウンドは、確かにグランジの一環として聴くことも可能ではあります。
しかし、ドリーミーなサイケデリアを漂わせ、時にファンキーな展開も見せるネオサイケ・サウンドという面では、どちらかというとジェーンズ・アディクションあたりに通じるもの。
諸々を考慮すると、ここでは広義のオルタナティヴ・ロックとして扱うのが無難でしょう。
本作は、彼らのアルバムの中でも特にヴィンテージ・テイストが強いだけでなく、最もアシッディーでトリッピーな作風でもあり、その意味では彼らのカタログ中でも随一と言えます。
のちのニューウェイヴポップ/ゴシックポップ路線とは大きく異なるので、それらに馴染めないリスナーはもちろん、ドゥーム/ストーナーを嗜むリスナーなども一聴の価値がある名盤です。ng>|ヘヴィネス:★★★☆☆
|サイケ度:★★★★★
|エレクト度:☆☆☆☆☆
|ゴシック度:★☆☆☆☆
|プログレ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 通好み 実験作
Siamese Dream|サイアミーズ・ドリーム
オリジナルアルバム – 2作目 (1993年)
前作の延長線上にある作風ですが、ドリーミィなサイケデリック・センスはそのままにヘヴィネスが大幅強化されたアルバム。
レトロなヴィンテージ・テイストがやや薄れて、当時のオルタナティヴシーンに多いパンキッシュな作風になったことで、いわゆる“グランジ”のイメージに近いサウンドに接近しています。
また、彼らの作品中最もヘヴィな作風でもあり、その轟音サイケ・サウンドはいわゆる“シューゲイザー”系にも通じるものでもあります。
ポップかつロマンティック&ドリーミーな部分だけがピックアップされがちな、THE SMASHING PUMPKINSのパブリック・イメージに引きずられているリスナーは、新鮮な驚きを感じることでしょう。
本作のクライマックスでもあるT-11は、8分を超える大作のメタリックなサイケ・プログレの名曲。まさに圧巻と呼ぶべき仕上がりです。
メタル/ハードロック系のリスナーにも、最もなじみやすい作品と言えますし、前作同様にドゥーム/ストーナーを嗜むリスナーも試して見る価値はあります。
|サイケ度:★★★☆☆
|エレクト度:☆☆☆☆☆
|ゴシック度:★☆☆☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
k id=”721207206″ title=”Siamese Dream”]
Mellon Collie and the Infinite Sadness |メロンコリー・アンド・ザ・インフィネイト・サッドネス:メロンコリーそして終りのない悲しみ
オリジナルアルバム – 3作目(1995年)
2枚組アルバムながら欧州各国も含めチャート上位に喰いこむヒットとなった、THE SMASHING PUMPKINSの代表作にして、90年代オルタナティヴ・ロックを象徴する名盤のひとつ。
さすがにこのボリュームで捨て曲なしとまではいきませんが、シングルカットだけでも5曲にのぼる粒ぞろいの楽曲が並び、2枚にわたってストレスなく聴き通せるというだけでも奇跡的です。
本作はコンセプト・アルバムとも呼べるもので、過去にないほど多彩なアイデアを詰め込んで緻密に作り込まれた作風は、オルタナ世代のプログレ・ハードとも表現可能なものです。
これまで通りのサイケデリック・テイストも感じさせつつも、ヘヴィロックからポップチューンまでこれまで以上に多彩で、万華鏡のように様々な表情を見せ飽きさせません。それでいて、違和感を感じさせない不思議な統一感で、全編がまとめられています。
収録時間の短いアナログLPであれば、2枚組も珍しくはありませんでしたが、ほぼフルタイム収録のCDでベスト盤でも企画盤でもないスタジオアルバムでとなると、当時としてはかなり異例のものでした。
これ以降、ロックシーンの中でも2枚組の作品は増えてきますが、その意義を見出せるほどのものやクオリティが伴ったものとなると極めてマレで、なおかつこれだけの大ヒットとなったケースとなると、まさに数えるほどでしょう。
|サイケ度:★★★☆☆
|エレクト度:★☆☆☆☆
|ゴス/耽美度:★☆☆☆☆
|プログレ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Adore|アドア
オリジナルアルバム – 4作目(1998年)
これまでのヘヴィネスやノスタルジックなヴィンテージ風味が減退し、ニューウェイヴ・リバイバルを反映させた80年代のエレポップ/シンセポップ・テイストと、ゴシック的な耽美性とロマンティシズムが押し出されたアルバム。
サウンドの質感も、初期のオーガニックなロック・サウンドから、マシーナリーなエレクトロニック・サウンドへと変化を遂げ、彼らに持ち味のサイケデリック・テイストも、サウンドの変化とともにややケミカルな人工的な印象を与えるもの変質しています。
この音楽性の変化が原因となってファンが離れ、セールスや評価が伸び悩んだとされがちですが、サウンドの質感を除けば従来と大差ない曲が少なくないことを考えれば、むしろ、傑出した印象的な曲が乏しいことこそが問題でしょう。
特に中盤以降のラインナップは、及第点ではあるものの単調な横ならび傾向があり、当時の“CD容量フル活用時代”特有のボリュームを持て余した印象が残ります。
また、エレクトロニック・テイストを導入したわりには、それが効果的に活かされた曲が少なく表面的なものに終始していることも気になる部分です。
インダストリアルな代表曲のT-02に匹敵するインパクトを持った、マシーナリーなサウンドを効果的に活かしたナンバーがあと数曲でもあれば、客層は変われど高評価は維持できていたことでしょう。
|サイケ度:★★☆☆☆
|エレクト度:★★★☆☆
|ゴス/耽美度:★★★★☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤 実験作
Machina/the machines of God |マシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド
オリジナルアルバム – 5作目(2000年)
バンドに不協和音が感じられるようになった時期で、ひとつの区切りという意味では、第1期THE SMASHING PUMPKINSとしてのラストアルバムとも言える作品。
ダーシー・レッキーはクレジットされているものの、レコーディングにはほぼ不参加とされています。
前作でのエレクトロニックな音づくりは踏襲しつつも、それ以前のヘヴィロック・サウンドも取り入れた“総決算”的な作風で、ニューウェイヴ・テイストやゴス系耽美志向は薄まった一方で、従来のサイケデリックテイストはかなり強化されています。
前作の弱点はバンドも理解していたようで、ヘヴィロックナンバーからポップチューンまで楽曲の多様性を増しており、フラットな前作から一転して、アルバム全体にダイナミズムが蘇り、メリハリの効いた仕上がりとなっています。
これによって、ダレずに聴きとおせるバランスの良いアルバムになりましたが、欲を言えばさらにもうひとつ新しいアイデアと多様性が欲しいところです。
当時のニューメタル・ブームの影響と言えるかは微妙ですが、解散前の歴代作品の中では最もヘヴメタル/ハードロックのエッセンスの濃厚な仕上がりなので、メタラーの入り口としては悪くないいかもしれません。
|サイケ度:★☆☆☆☆
|エレクト度:★★☆☆☆
|ゴス/耽美度:★★★☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
入門盤 賛否両論
マシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド/CD/VJCP-68165
Machina II/the friends & enemies of modern music|マシーナII
オリジナルアルバム – 6作目 (2000年)
『Machina / the machines of God(5th)』の続編にあたる作品。
当初はビリー自身が立ち上げたレーベル「Constantinople Records」からフリー・ダウンロードでリリースされていました。
Zeitgeist|ツァイトガイスト
オリジナルアルバム – 7作目 (2007年)
6年越しの再結成アルバムですが、THE SMASHING PUMPKINSのカタログ中では、最も評判がかんばしくない1枚となっています。
ここでは、ビリー・コーガンとジミー・チェンバレンの2名によるユニットとなっており、実質的には解散中にその2名で結成した〈ZWAN〉がシフトしてきたものとも言えます。
不評の大きな要因は、音楽性の変化もさることながら、黄金期のメンバーの半数を欠いていることと、〈ZWAN〉のセールス不振から安易にTHE SMASHING PUMPKINSのブランドに頼った…というマイナスイメージによるものです。
音楽的には、『Machina〜(5th)』のマシーナリーなヘヴィネスと、〈ZWAN〉でのオーソドックスなロックスタイルを組み合わせたような、ヘヴィでソリッドな整合感のあるハード/ヘヴィ・サウンドで、THE SMASHING PUMPKINS流のヘヴィメタル・アルバムとも呼ばれています。
曲の大半は、ヘヴィながらもポップでキャッチーな、わかりやすいロックナンバーで占められていますが、クライマックスと言えるのはやはり10分近い長尺のT-07でしょう。
これは、この時期に幅を効かせていた、〈MESHUGGAH〉や〈TOOL〉に端を発する“モダン・ヘヴィプログレ”を念頭に置いた曲ですが、本作の中では例外的に新たな可能性を感じさせてくれます。
|サイケ度:★★☆☆☆
|エレクト度:★★☆☆☆
|ゴス/耽美度:★★☆☆☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 スルメ盤 実験作
Teargarden by Kaleidyscope|ティアガーデン・バイ・カレイディスコープ
オリジナルアルバム – 8作目 (2009年)
Oceania|オセアニア〜海洋の彼方
オリジナルアルバム – 9作目 (2012年)
Monuments to an Elegy|モニュメンツ・トゥ・アン・エレジー
オリジナルアルバム – 10作目 (2014年)
Shiny and Oh So Bright, Vol.1/LP:No Past. No Future. No Sun.|シャイニー・アンド・オー・ソー・ブライト VOL.1 / LP:ノー・パスト、ノー・フューチャー、ノー・サン
オリジナルアルバム – 11作目(2018年)
Atum: A Rock Opera in Three Acts|アトゥム:ア・ロック・オペラ・イン・トゥリー・アクツ
オリジナルアルバム – 13作目 (2022年)
輸入盤 SMASHING PUMPKINS / ATUM 4LP
THE SMASHING PUMPKINS|DISCOGRAPHY:Others
Pisces Iscariot|パイシーズ・イスカリオット
コンピレーションアルバム (1994年)
ZWAN [ズワン]|DISCOGRAPHY
THE SMASHING PUMPKINS解散後に、フロントマンのビリー・コーガンとジミー・チェンバレン(Dr.)が中心となって結成されたバンド。
THE SMASHING PUMPKINSのサウンドを踏襲しつつも、より統一感を持ったオーソドックスなロックサウンド展開していましたが、セールスがともなわなかったことでアルバム1枚を残して解散となります。
そのままコーガンとチェンバレンが主導で、THE SMASHING PUMPKINSとしての活動を再開することとなりますが、ZWANで作り上げた音楽性は再結成THE SMASHING PUMPKINSのサウンドにも活かされています。
Mary Star of the Sea|メアリー・スター・オブ・ザ・シー
オリジナルアルバム – 1作目 (2003年)