Contents
- 1シーン有数のバカテク・ドラマーを中心にクリスチャン・バンドの枠にとどまらない活動を続け、通好みな支持を集める個性派テクニカル・スラッシュメタル・バンドのブレイクあるのか!?
- 1...1ムーヴメント収束後のスラッシュメタル!?
- 1...2TOURNIQUETはクリスチャンメタル!?
- 1...3良心派クリスチャン・バンド!?
- 1...4ドラマーを中心としたテクニカル・バンド!?
- 1...5TOURNIQUETの音楽性は!?:第1期
- 1...6TOURNIQUETの音楽性は!?:第2期〜
- 1.1TOURNIQUET|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Stop the Bleeding|ストップ・ザ・ブリーディング
- 1.1.2Psycho Surgery|サイコ・サージェリィ
- 1.1.3Pathogenic Ocular Dissonance|ペイソロジック・オキュラー・ディソナンス
- 1.1.4Intense Live Series Vol.2|インテンス・ライヴ・シリーズ ヴォリューム2
- 1.1.5Vanishing Lessons|ヴァニッシング・レッスンズ
- 1.1.6Carry the Wounded|キャリィ・ザ・ウーンデッド
- 1.1.7The Collected Works of Tourniquet|ザ・コレクテッド・ワークス・オブ・ターニクェット
- 1.1.8Crawl to China|クロウル・トゥ・チャイナ
- 1.1.9Acoustic Archives|アコースティック・アーカイヴス
- 1.1.10Microscopic View of a Telescopic Realm|マイクロスコピック・ビュウ・オブ・ア・テレスコピック・レルム
- 1.1.11Where Moth and Rust Destroy|ウェアー・モス・アンド・ラスト・デストロイ
- 1.1.12Antiseptic Bloodbath|アンチセプティック・ブラッドバス
- 1.1.13Antiseptic Bloodbath - Voiceless|アンチセプティック・ブラッドバス - ヴォーカルレス
- 1.1.14Onward to Freedom|オンワード・トゥ・フリーダム
- 1.1.15Onward to Freedom - Voiceless|オンワード・トゥ・フリーダム - ヴォーカルレス
- 1.1.16Gazing at Medusa|ゲイジング・アット・メドューサ
- 1.1.17The Epic Tracks|ザ・エピック・トラックス
- Stop the Bleeding|ストップ・ザ・ブリーディング
- Psycho Surgery|サイコ・サージェリィ
- Pathogenic Ocular Dissonance|ペイソロジック・オキュラー・ディソナンス
- Intense Live Series Vol.2|インテンス・ライヴ・シリーズ ヴォリューム2
- Vanishing Lessons|ヴァニッシング・レッスンズ
- Carry the Wounded|キャリィ・ザ・ウーンデッド
- The Collected Works of Tourniquet|ザ・コレクテッド・ワークス・オブ・ターニクェット
- Crawl to China|クロウル・トゥ・チャイナ
- Acoustic Archives|アコースティック・アーカイヴス
- Microscopic View of a Telescopic Realm|マイクロスコピック・ビュウ・オブ・ア・テレスコピック・レルム
- Where Moth and Rust Destroy|ウェアー・モス・アンド・ラスト・デストロイ
- Antiseptic Bloodbath|アンチセプティック・ブラッドバス
- Antiseptic Bloodbath – Voiceless|アンチセプティック・ブラッドバス – ヴォーカルレス
- Onward to Freedom|オンワード・トゥ・フリーダム
- Onward to Freedom – Voiceless|オンワード・トゥ・フリーダム – ヴォーカルレス
- Gazing at Medusa|ゲイジング・アット・メドューサ
- The Epic Tracks|ザ・エピック・トラックス
シーン有数のバカテク・ドラマーを中心にクリスチャン・バンドの枠にとどまらない活動を続け、通好みな支持を集める個性派テクニカル・スラッシュメタル・バンドのブレイクあるのか!?
TOURNIQUET(ターニクイット)は、アメリカ合衆国はカリフォルニア州ロスアンゼルスのスラッシュメタル_ヘヴィメタル・グループ。
ムーヴメント収束後のスラッシュメタル!?
TOURNIQUETは、すでにスラッシュメタル・ムーヴメントが終息を迎えていた、1990年になってデビューを果たした、“遅れて来たスラッシュメタル・バンド”。
逆に捉えるならば、『ネオスラッシュ/ポストスラッシュ』の第1世代とも言えるグループのひとつです。
スラッシュメタル・ムーヴメントの恩恵には預かっていませんが、クラシカルな要素も持ったテクニカルなサウンドがマニアの注目を集め、日本でも国内盤がリリースされたことはないにもかかわらず、輸入盤店ではそれなりのプッシュも受けていました。
TOURNIQUETはクリスチャンメタル!?
TOURNIQUETは、デビュー当初より『クリスチャンメタル』のバンドとして、活動を展開しています。
『クリスチャンメタル』はその名のとおり、キルスト教やその団体をバックグラウンドに持っていたり、キリスト教の教義や神話をテーマとして散りあげるバンドとジャンルを指し、悪魔を崇めるという設定の『ブラックメタル』とは対になるジャンルとなります。
『クリスチャンメタル』には、布教による信者の獲得という目的に限らず、ヘヴィメタルを禁じられている信者が、一般のヘヴィメタルやブラックメタルに傾倒する事態を避けるための、代替音楽という目的などもあります。
一般には、グラムメタルのSTRYPERや、オルタナ・プログレメタルのKING’S Xが、『クリスチャンメタル』代表格としてイメージされますが、『クリスチャンメタル』は、様々なニーズに対応するために、スラッシュメタルからミクスチャー,ニューメタル,ドゥームメタル,デスメタル,ブラックメタルまでと、音楽性に限れば多岐にわたるスタイルが存在しています。
良心派クリスチャン・バンド!?
『クリスチャンメタル』を含めた『CCM(Contemporary Christian music:コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)』ジャンルの、クリスチャン・バンドには、そのアティチュードの点で賛否が分かれがちな面があり、また、その特殊性から一般的にはリスナー層が限られがちです。
これは、カルト教団の広告塔や、信者の勧誘ツールとしての目的が最優先となったもの、稚拙な啓蒙のみが歌詞のテーマになっているもの、楽曲が異教の戦争捕虜への拷問に使用されることを良しとするバンド…などのように、好意的に捉え難いケースが少なくないことも影響しています。
TOURNIQUETは、それらの中ではそれほどハードコアな思想を持っているわけでも、悪質なスタンスでもない、良心的なグループと見なされており、シーンの第一線には浮上することはありませんでしたが、信者でもクリスチャンでもない一般のヘヴィメタルリスナーからも、比較的広く支持されています。
ドラマーを中心としたテクニカル・バンド!?
TOURNIQUETは、技巧派のバカテク・ドラマーとしての玄人筋からの評価も高い、テッド・カークパトリック(Ted Kirkpatrick)を中心としたグループです。
初期メンバーによる第1期TOURNIQUETでは、メンバーの全てが曲づくりに携わっていましたが、初期メンバーが脱退してからはカークパトリックのプロジェクトという色合いを強めています。
現在では、パーマネントなメンバーはカークパトリックとギタリストのアーロン・ゲラーのみとなっており、それ以外はセッション・ミュージシャンを迎えるという体制となっています。
またアルバムリリースについては2003年からは長いブランクもあったものの、2012年には新作のリリースも再開しており、現在至るまで息の長い活動を続けています。
TOURNIQUETの音楽性は!?:第1期
TOURNIQUETの音楽性は、主にジャズ,クラシック,民族音楽など多彩や要素を取り入れた、プログレ的ともいえるスタイルを持ち味としています。
初期メンバーによる第1期では、プログレ要素やクラシカルなギタープレイなどを織り交ぜつつ、カークパトリックのトリッキーで手数の多いドラムを核として、緻密につくり込まれたテクニカルなスラッシュメタルを展開。
その作風は、初期MEGADETHのインテレクチュアル・スラッシュメタルを引き合いに出されることも多く、後には、MEGADETHのメンバーだったクリス・ポーランドやマーティ・フリードマンとの、コラボレーションも実現しています。
TOURNIQUETの音楽性は!?:第2期〜
TOURNIQUETは、メンバーの入れ替わりを機に、オルタナティヴロックや、よりオーソドックスなロック,ハードロック,ヘヴィメタルに接近したサウンドを展開するようになりました。
その後は、スラッシュメタルのリヴァイヴァルの盛り上がりによって、スタッシュメタルの再評価と一定のシェアの形成が進んだこともあり、テクニカル・スタッシュ路線への回帰傾向も見せるようになります。
現在は過去キャリアの集大成的なスタイルに加え、メタルコアやポストメタルなどの同時代的な要素も取り入れるており、単なるスラッシュ懐古に頼らないサウンドへと移行しています。
TOURNIQUET|DISCOGRAPHY
Stop the Bleeding|ストップ・ザ・ブリーディング
オリジナルアルバム 1作目 – (1990年)
先人の蓄積したメソッドを参照できるという、後発グループという優位性はあるものの、それを差し引いても、スラッシュメタル・バンドのデビューアルバムとしては出色の完成度。
しかし、これさえもが単なる発展途上に過ぎなかったことが、次作においては証明されることになりました。
音楽性については、確かに何かと引き合いに出されるMEGADETHを、想起させる部分が目に付きます。
しかし、クラシカルなフレーズを交えつつも様式美に堕することのない、精緻なクールネスを持ったプログレ風味のテクニカル・スラッシュは、すでに独自のスタイルとして確立されており、まだムラはあるまもののMEGADEATHやCORONERといった一線どころにも比肩しうる、ポテンシャルを感じさせます。
日本では大きな注目を集める事はありませんでしたが、バイヤーには注目されていたのか、市場にはそれなりに出回っていたようです。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|スピード:★★★★☆
|テクニカル度:★★★★☆
|オルタナ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Psycho Surgery|サイコ・サージェリィ
オリジナルアルバム 2作目 – (1991年)
スラッシュブームの旬を完全に外したことで、相応の評価を得ることはなかったものの、新人離れした完成度でマニアを驚愕させた前作でさえも、過渡期に過ぎなかったことを示した2ndアルバム。
事実、前作から数段上のステージへとさらなる成長を遂げており、テクニカル・スラッシュメタルの界隈では、その最高峰に位置する1枚にまでに到達した驚異のアルバム。
予断を許さないスリリングな変則展開を見せながらも、キャッチーなフックの効いたポップネスが充満した多彩な楽曲と、高い演奏力に裏付けられた変化に富んだテクニカルなサウンドは、紛うことなく“超”のつく一級品。
世が世ならば、スラッシュメタルの名盤のひとつに数えられても全くおかしくないだけの、圧倒的クオリティを誇るテクニカル・スラッシュの名盤です。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|スピード:★★★☆☆
|テクニカル度:★★★★★
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Pathogenic Ocular Dissonance|ペイソロジック・オキュラー・ディソナンス
オリジナルアルバム 3作目 – (1992年)
これまでの作品に見られた、熱量の高いテンションとスラッシュ的な疾走感は後退しましたが、ミドルテンポ主体の作風となった楽曲は、緻密に練りこまれてフックの効いた仕上がりを見せており、これもまた第一線の強豪バンドの名盤にも匹敵する、一級品のアルバムと言えます。
MEGADETHの名盤『Countdown to Extinction』を想起させる部分も見受けられ、MEGADETHがたびたび引き合いに出される所以を理解出来る…いう点においては、本作が随一かもしれません。
日本でも某メタル誌で取り上げられて高評価を得たことで、輸入盤店での扱いも大きくなっていいましたが、前作と比較すると本作はやや通好みな作風に仕上がっており、わかりやすさやカタルシスについては前作には届きません。
タイミングよく前作の時点でプッシュされていれば、もっと認知度が伸びていたかもしれません。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|スピード:★★☆☆☆
|テクニカル度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 スルメ盤 実験作
Intense Live Series Vol.2|インテンス・ライヴ・シリーズ ヴォリューム2
ライヴアルバム (1993年)
各種クリスチャン・メタルの、ライヴ・アルバムをリリースするシリーズの1作。
素人のコピーチラシのようなジャケット・デザインはいただけませんが、彼らの公式ライヴ・アルバムとしては唯一のものですし、さらには名曲の多い初期作品を中心とした選曲ということもあるので、ファンなら是が非でも押さえておきたいアルバムでしょう。
Vanishing Lessons|ヴァニッシング・レッスンズ
オリジナルアルバム 4作目 – (1994年)
スラッシュメタルの完全な終焉を受けての、今後の展開を見据えてか、これまでのように、スリリングなファストチューンを含めたテクニカルなスラッシュ路線も残しつつも、よりオーソドックスで普遍的なヘヴィメタル/ハードロック曲の割合を増しています。
残念ながら、この新機軸はTOURNIQUETの資質にはマッチしておらず、出来栄えも低調。
作風が広がった割には、全体的にフラットな印象だけが強くなっており、メリハリに欠け流仕上がりとなっています。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|スピード:★★☆☆☆
|テクニカル度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆
賛否両論 スルメ盤 実験作
Carry the Wounded|キャリィ・ザ・ウーンデッド
EP – (1995年)
The Collected Works of Tourniquet|ザ・コレクテッド・ワークス・オブ・ターニクェット
ベスト+新録 (1996年)
Crawl to China|クロウル・トゥ・チャイナ
オリジナルアルバム 5作目 – (1997年)
Acoustic Archives|アコースティック・アーカイヴス
アコースティックアルバム (1998年)
Microscopic View of a Telescopic Realm|マイクロスコピック・ビュウ・オブ・ア・テレスコピック・レルム
オリジナルアルバム 5作目 – (2000年)
Where Moth and Rust Destroy|ウェアー・モス・アンド・ラスト・デストロイ
オリジナルアルバム 7作目 – (2003年)
Antiseptic Bloodbath|アンチセプティック・ブラッドバス
オリジナルアルバム 8作目 – (2012年)
Antiseptic Bloodbath – Voiceless|アンチセプティック・ブラッドバス – ヴォーカルレス
オリジナルアルバム 8作目:インスト – (2013年)
Onward to Freedom|オンワード・トゥ・フリーダム
オリジナルアルバム 9作目 – (2014年)
Onward to Freedom – Voiceless|オンワード・トゥ・フリーダム – ヴォーカルレス
オリジナルアルバム 9作目:インスト – (2016年)
Gazing at Medusa|ゲイジング・アット・メドューサ
オリジナルアルバム 10作目 – (2018年)
The Epic Tracks|ザ・エピック・トラックス
ベスト+新録 (2019年)