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★ VADER(ヴェイダー) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ヨーロッパの“辺境エクストリーム・メタル”のメッカ東欧ポーランドから躍り出たデスメタル第2世代の雄!!…必聴アルバムは?

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Contents

  1. ヨーロッパ辺境エクストリーム・メタルの聖地ポーランドから飛び出した遅咲きベテラン・デスメタラーは、日本でのブレイクを契機に世界デスメタル・トップグループの仲間入りを果たす!!
        1. デスメタル第2世代の出世頭!?
        2. VADERは遅咲きのベテラン!?
        3. VADERは辺境メタルバンド!?
        4. VADERの音楽性は!?
        5. VADERのバンド体制は!?
  • VADER|ヴェイダー|DISCOGRAPHY|オリジナル・スタジオ・フルアルバム
    1. The Ultimate Incantation|ジ・アルティメイト・インカンテイション:秘術
    2. De Profundis|デ・プロファンディス
    3. Black to the Blind|ブラック・トゥ・ザ・ブラインド
    4. Litany|リタニィ
    5. Revelations|レヴェレイションズ
    6. The Beast|ザ・ビースト
    7. Impressions in Blood|インプレッションズ・イン・ブラッド
    8. XXV|XXV
    9. Necropolis|ネクロポリス
    10. Welcome to the Morbid Reich|ウェルカム・トゥ・ザ・モービッド・ライヒ
    11. Tibi et Igni|ティビ・エ・イグニ:汝と炎
    12. The Empire|ジ・エンパイア
    13. Dark Age|ダーク・エイジ
    14. Solitude in Madness|ソリチュード・イン・マッドネス
  • VADER|ヴェイダー|DISCOGRAPHY|コンピレーション
    1. Reborn in Chaos|リボーン・イン・ケイオス
    2. Future of the Past|フューチャー・オブ・ザ・パスト
    3. Future of the Past II – Hell in the East|フューチャー・オブ・ザ・パスト・II – ヘル・イン・ザ・イースト
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  • ヨーロッパ辺境エクストリーム・メタルの聖地ポーランドから飛び出した遅咲きベテラン・デスメタラーは、日本でのブレイクを契機に世界デスメタル・トップグループの仲間入りを果たす!!

    VADERのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

    VADER(ヴェイダー)は、ポーランドのデスメタルバンド。

    デスメタル第2世代の出世頭!?

    VADERが頭角を表すのは、ムーヴメントとしては収束していたデスメタルが、メロデスのブームを経て一般のメタルリスナーにまで受け入れられたことで、新たな盛り上がりを見せつつあった90年代の半ば。
    アルバムデビュー自体も1992年とやや遅く、デスメタル第2〜第3世代と共に台頭したため、その世代に属するのグループという印象もあります。

    この時期は、新規リスナーに向けたオールドファンの手垢に塗れていない次世代バンドが求められていましたが、それらの中でVADERは、カナダの〈CRYPTOPSY〉と並んで最も大きな成功を収めたグループです。
    それによって、同郷の伝説的デスメタルバンド〈DRAGON〉はおろか、一時代においては、デスメタル・シーンを築いた第1世代のビッグネームさえ上回る知名度と人気をも有していました。

    VADERは遅咲きのベテラン!?

    デスメタル・バンドとしてのブレイクはさほど早くないVADERですが、結成自体は1983年にまでさかのぼり、デスメタルの主力パイオニア・グループの多くと比較しても、メンバーの年齢層は高く、ひとつ上の世代といえます。

    そのため、シンパの中にはVADERを元祖デスメタルと呼びたがる風潮もありますが、デビュー当初においてはよりオーソドックスなヘヴィメタルを志向しており、どちらかというと、〈PANTERA〉などと同様に、時期によって実質的な別バンドと見なすのが適切かもしれません。

    とはいえ、80年代半ばには「デスラッシュ」とも呼べそうなエクストリームなスラッシュメタルへと移行しており、〈DEATH〉などと同様にプロト・デスメタルの一角と呼ぶことはできるでしょう

    VADERは辺境メタルバンド!?

    VADERがデビューした時期のポーランド・シーンは、プロト・デスのレジェンド〈DRAGON〉などを輩出したことで、エクストリーム・メタル界隈では密かな注目を集めていました。
    ただし、全体としては、やはり他の旧/現共産国と同様にメタル発展途上国であり、VADERもまた、旧ソ連の〈GORKY PARK〉や中国の〈黒豹楽隊〉などと同様に、現在で言うところの「辺境メタル」に近い扱いでした。

    しかし、VADERが世界的にブレイクして、ポーランドのポピュラー・ミュージックにおいても異例の成功を収めたことによってフォロアーも続出し、それ以降というもの、エクストリーム・メタルを中心にメタル・シーンを拡大してゆくことになります。

    VADERの音楽性は!?

    VADERの音楽性は、オールドスクール・デスメタルと表現されますが、基本的にはハードコアなスラッシュメタルの要素が色濃いオーソドックスなデスメタルで、特に〈SLAYER〉や初期の〈MORBID ANGEL〉からの影響が強く反映されたスタイル。

    それ以外にも、初期のジャーマン・スラシュメタルや、オールドスクールなスウェディッシュ・デスメタルとの共通点が盛んに指摘されており、独自性の弱さが批判の対象となることもあります。

    また、アルバムごとにいくらか音楽性のマイナーチェンジを試みることがあるものの、基本となるスタイルや幅は狭く、楽曲ごと/アルバムごとの作風の画一性については、熱心なファンも認めるところとなっています。

    VADERのバンド体制は!?

    VADERは、現在唯一の創設メンバーであるギター&ヴォーカルのピョートル・ヴィザレックを中心としたグループで、他のパートについては、バンド結成以来何度となくメンバーチェンジを繰り返しています。

    しかし、活動自体は比較的安定しており、現在に至るまで大きなブランクも無く継続されているだけでなく、作品についてもコンスタントなリリースが続いた結果、スタジオ・フルアルバムに限ってもデスメタル界隈では有数の作品数を誇っています。

     

    次ページはVADERのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

    VADER|ヴェイダー|DISCOGRAPHY|オリジナル・スタジオ・フルアルバム

    The Ultimate Incantation|ジ・アルティメイト・インカンテイション:秘術

    オリジナル・フルアルバム – 1作目 (1992年)

    無名だったバンドのデビューアルバムながら、エクストリーム・メタルの名門「イヤーエイク」の目に止まったことで日米を含めた世界展開が行われ、日本盤までリリースされるという栄誉にも預かった作品です。

    この時期のポーランド・シーンは、プロト・デスのレジェンド〈DRAGON〉らが密かな注目を集めていたものの、基本的には“辺境メタル”エリアであり、VADERについても先行きを見守ろうか…という扱い。
    ましてや、〈NAPALM DEATH〉〈MORBID ANGEL〉〈CARCASS〉〈BOLT THROWER〉〈ENTOMBED〉〈MASSACRE〉〈BRUTAL TRUTH〉はじめ、数多の強豪ひしめく当時の「イヤーエイク」においては、存在感を示せないのもやむを得ないでしょう。

    サウンドはまさにオールドスクールなデスメタルですが、「SLAYER meets MORBID ANGEL」の例えが多用されるように限りなくスラッシュメタルに近く、歌唱法やブラストビートの処理次第で容易にスラッシュ側にも転び得ます。

    遅咲きのベテランだけに技術面は安定感があり、楽曲も及第点には達しているものの、それはあくまでも“B級マイナーバンド”の枠であればのお話。
    無名の泡沫バンドのままならば予想外の拾い物と称賛することは可能ですが、前記のトップグループと肩を並べる(並べさせる)つもりならば、どう贔屓目に見ても足りないものが多すぎます。
    それは単なる格だけではなく、アイデアや独自性から作曲能力に至るまでの総合的な問題で、現在もなお前記の強豪らを相手にしては、どれだけ手を伸ばそうと指先ひとつカスるのが関の山でしょう。

    |デスメタ度:★★★☆☆
    |スラッシュ度:★★★★☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★☆☆☆☆
    |トレンド度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    代表作

    De Profundis|デ・プロファンディス

    オリジナル・フルアルバム – 2作目 (1995年)

    本来のムーヴメントとしては完全収束したものの、メロデス・ブームによって一般メタラーの“デスヴォ耐性”が上がったことなどから新規層が一気に流入し、オーソドックスなデスメタルが新たな盛り上がりを見せつつあった時期にドロップされた2nd。

    その恩恵を最大限に受けるタイミングを得たことで、日本でも1stでの扱いからは想像できないほどの圧倒的高評価を集めてファン層を広げ、その〈CRYPTOPSY〉と共に次世代デスメタルの旗手の座へと一気に躍り出ることに成功…という、VADERブレイクスルーにあたる出世作です。

    本作は、〈MORBID ANGEL〉からの影響を、音づくりも含めてより濃厚に反映させたサウンドで、スラッシュ色が強目とはいえほぼフォロアーと呼べるほど。
    この時代にして、デスメタルとしての独自性や革新性は皆無ですが、完成度と技術については高レベルの安定感を見せますし、スラッシュ上がりならではの、心地よさを損なわない程度にブラスト抑制を効かせた適度な疾走感のスピード・チューンの数々からは、それ相応の魅力を見出すこともできます。

    そもそも、この時期のVADERは「おらが時代の新たなクラシック」を求めるご新規向けに推されていた面が強く、それが古参デスメタル勢より高齢な遅れてきたベテランだったというネジレはともかく、このマーケティング自体はシーン全体の延命を口実にどの時代のどの界隈にも見られる光景です。
    デスメタル・クラシックを散々聴き倒したために新たな刺激に飢えて、焼き直しのクローンバンドには食指が動かないというマニアは、適度な距離を置いて生暖かく眺めていてあげるべきなのかもしれません。

    |デスメタ度:★★★★☆
    |スラッシュ度:★★★★☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★★☆☆☆
    |トレンド度:★☆☆☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    代表作 入門盤

    Black to the Blind|ブラック・トゥ・ザ・ブラインド

    スタジオ・フルレンスアルバム – 3作目 (1997年)

    出世作の前作とファン人気の高い次作に挟まれてやや印象が薄いだけでなく、賛否両論の傾向もある作品。

    ポイントのひとつは、他の作品と比較するとかなりストレートでハードコアな突進型サウンドなために、ヒネリやケレン味が足りず素っ気ないことから、いつにも増して淡白・平坦・地味に感じられてしまうこと。
    もうひとつは、T-03で用いたジョナサン・デイヴィス(KoЯn)系の「寝起きの唸り声風つぶやきヴォイス」や、ダウンテンポなグルーヴ・パートの多用などから、モダンなトレンドに接近したと見られがちなことでしょう。

    とはいえ、「MORBID SLAYER」風の基本スタイルや及第点レベルのクオリティなど、いつもどおりのVADERスタンダードは他の作品とさほど変わらぬものであり、マッシヴなストロングスタイル好みのリスナーなどからは比較的好評の様子も見られます。

    |デスメタ度:★★★★★
    |スラッシュ度:★★★☆☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★★☆☆☆
    |トレンド度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

    Litany|リタニィ

    スタジオ・フルレンスアルバム – 4作目 (2000年)

    VADERカタログの中でも特に評価が高く、全キャリア中においても代表作として挙げるならば、出世作の『De Profundis(2nd)』と双璧とも見なされるアルバム。

    リフワークやフレーズのフック以上に、特徴的なドラムサウンドを全面に押し出したサウンドがとりわけ強烈なインパクトを残し、それによって、楽曲の基本スタイルそのものに大きな変化はないにも関わらず、従来作品とは一線を画した特異な印象を与える仕上がりとなりました。

    ドラムサウンドはトリッキーなリズムなどは控えて、比較的ミニマルな傾向が強く、T-01をはじめとした数曲では、ガバ/ハードコア・テクノを思わせるマシーナリーなリズムまでも刻んでいます。
    この、「人力ガバ・ブラスト」も含め、アルバム通してフィジカルの高揚感をかき立てる、「エクストリームEDM」的ともいえる極上のアッパー・メタルとして機能しており、中だるみでテンションを落とすこと無く完聴できます。

    聴き手によってはインダストリアル的とも感じられる加工がなされたサウンドメイクもあって、全体的な印象としては、〈MORBID ANGEL〉の名盤『Domination(4th)』に近いものですが、グルーヴィ&ドゥーミィなそれとは異なり、本作はひたすらファストに飛ばす曲調が主体でダウンテンポは控えめ。

    とはいえ、その音づくりを考えるなら、保守的なデスメタラーからは恒例の拒否反応が起こってもおかしくないところでありながら、その極めて爽快なアッパーサウンドが功を奏してか、単純なリテラシー不足で意識すらしなかったためか、そんなオールドファンからも圧倒的な支持を得ることに成功しました。
    ここでの、エクストリームなモッシュ&ダンス・メタルと呼べるアプローチを推し進めて、その芸風を極めていれば、独創的と呼びうるスタイルにも到達できていたかもしれません。

    |デスメタ度:★★★★★
    |スラッシュ度:★★☆☆☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★★★☆☆
    |トレンド度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★★★

    殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
    メタル¥1,528VADER

    Revelations|レヴェレイションズ

    スタジオ・フルレンスアルバム – 5作目 (2002年)

    |デスメタ度:★★★★☆
    |スラッシュ度:★★★★☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★★☆☆☆
    |トレンド度:★☆☆☆☆
    |総合評価:★★★☆☆

    入門盤 スルメ盤

    The Beast|ザ・ビースト

    スタジオ・フルレンスアルバム – 6作目 (2004年)

    Impressions in Blood|インプレッションズ・イン・ブラッド

    スタジオ・フルレンスアルバム – 7作目 (2006年)

    XXV|XXV

    スタジオ・フルレンスアルバム – 8作目 (2008年)

    毎度おなじみいつもの「MORBID SLAYER」路線のスラッシン・デスと、90年代末から00年代にかけて活性化したスウェディッシュ系の「デスラッシュ/ネオスラッシュ」寄りのスタイルとが、ないまぜとなったスタイルで新機軸を狙ったと思しきアルバム。
    クオリティについては、相変わらず可もなく不可もない及第点レベルです。

    |デスメタ度:★★★☆☆
    |スラッシュ度:★★★★☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★☆☆☆☆
    |トレンド度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★☆☆

    賛否両論 スルメ盤

    Necropolis|ネクロポリス

    スタジオ・フルレンスアルバム – 9作目 (2009年)

    前作とはまた異なる手法で、いつもの「MORBID SLAYER」路線に変化を加えたアルバム。
    今回は〈SLAYER〉風に限らないオールドスクール・スラッシュの要素を強めており、T-11のような〈METALLICA〉風味のナンバーも見られます。
    アルバムとしての出来栄えについては、毎度代わり映えしない可もなく不可もない及第点のVADERクオリティ。

    |デスメタ度:★★★☆☆
    |スラッシュ度:★★★★☆
    |スピード:★★★☆☆
    |独 自 性:★☆☆☆☆
    |トレンド度:★☆☆☆☆
    |総合評価:★★★☆☆

    賛否両論 スルメ盤 実験作

    Welcome to the Morbid Reich|ウェルカム・トゥ・ザ・モービッド・ライヒ

    スタジオ・フルレンスアルバム – 10作目 (2011年)

    リード・ギタリストが再度変更された影響からか、ギターソロがいつにも増してメロディアスに主張を強めており、加えて、前々作での「デスラッシュ/ネオスラッシュ」アプローチを多用していることから、メタルコア・ブームで人気再燃していたスウェディッシュ系の「メロディック・デスラッシュ」の要素を大きく強めたアルバムです。

    斬新さやユニークさは欠片ほども見られないものの、一本調子で変化に乏しい金太郎飴系VADERサウンドに対して新要素がアクセントとして働いたことで、聴きやすくかつ飽きづらくなっていることは事実。
    オールドファンには不評気味な反面、後期の名盤として推す熱心な支持者も多いという、まさに賛否両論の1枚です。

    |デスメタ度:★★★☆☆
    |スラッシュ度:★★★★☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★☆☆☆☆
    |トレンド度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    代表作 入門盤 賛否両論 実験作

    Tibi et Igni|ティビ・エ・イグニ:汝と炎

    スタジオ・フルレンスアルバム – 11作目 (2014年)

    前作から引き続き、「MORBID SLAYER」路線は抑えめにして、スウェディッシュ系の「メロディック・デスラッシュ」の要素が濃厚となったアルバム。

    楽曲は相変わらずの及第点レベルが並ぶも、そこから上には全く突き抜けない毎度の無難なVADERクオリティで特記するほどの変化はありませんが、前作の支持者には好評のようです。

    |デスメタ度:★★★☆☆
    |スラッシュ度:★★★★☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★☆☆☆☆
    |トレンド度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    代表作 入門盤 賛否両論

    The Empire|ジ・エンパイア

    スタジオ・フルレンスアルバム – 12作目 (2016年)

    直近数作での北欧デスラッシュ/メロデスラッシュ路線に加え、オーソドックスなメタルテイスト強めたキャッチーでロッキンなナンバーや、オールドスクールなスラッシュ・チューンもなども加えた、スラッシュ色強めのアルバム。

    作風が過去最大級に多彩なこともあって、ここ数作にも増して聴きやすく飽きづらい一方で、個々の曲はやはり及第点止まりでキラーチューンは皆無なため、結局のところ、後を引くことなく記憶にあまり残らない印象の弱さは相変わらず。
    また、おなじみの「MORBID SLAYER」路線からはかなり脱却したものの、独創的かと問われば首肯は出来ようもなく「いや、いや、いや…」と横に手を振るのみです。

    |デスメタ度:★★★☆☆
    |スラッシュ度:★★★★★
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★☆☆☆☆
    |トレンド度:★☆☆☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    入門盤 賛否両論 実験作

    Dark Age|ダーク・エイジ

    スタジオ・フルレンスアルバム – 13作目 (2017年)

    『The Ultimate Incantation(1st)』のリメイク・アルバムで、リレコーディングされたセルフカバーと、過去のスタジオ・セッションでの演奏音源に手を加えたもので構成されてます。

    デスメタル / ブラックメタル¥1,375VADER

    Solitude in Madness|ソリチュード・イン・マッドネス

    スタジオ・フルレンスアルバム – 14作目 (2020年)

    VADER|ヴェイダー|DISCOGRAPHY|コンピレーション

    Reborn in Chaos|リボーン・イン・ケイオス

    コンピレーション・アルバム (1996年)

    アルバムデビュー以前の2本のデモテープからの音源で構成されたアルバム。
    初期は、実際の収録曲順とスリーブ上の表記が入れ替わっており、表記では発表年順に前半『Necrolust(1989年)』〜後半『Morbid Reich(1990年)』の並びのところを、実際はその逆となっていました。
    のちに修正されますが、年度順に前半と後半の順序を入れ替えるのではなく、曲順表記だけを修正するという雑なやり方をとっています。

    『Necrolust』の音源は、デスメタルというよりも、原点である〈SLAYER〉直系のエクストリーム・スラッシュというところで、ジャンクでハードコアなサウンドは初期の〈KREATOR〉も彷彿とさせるもの。
    『Morbid Reich』では、既にデビューアルバムに近いスラッシング・デスへとアップグレードを行っており、その変遷が確認できるという点では貴重なサンプルとも言えます。
    ただし、いずれもクオリティはそれなりで、優先順位としてはそれほど高くない熱心なファンやマニア向けの1枚です。

    |デスメタ度:★★★☆☆
    |スラッシュ度:★★★★☆
    |スピード:★★★★☆
    |独 自 性:★☆☆☆☆
    |トレンド度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    通好み スルメ盤

    Future of the Past|フューチャー・オブ・ザ・パスト

    カバーアルバム (1996年)

    90年代初期より盛り上がりを見せたトリビュート・アルバム・ブームの流れから、バンド単位で取り組むケースも増え、「各バンドに1枚」くらいのカジュアルなノリで量産されるようになったカバーアルバム。
    本作もその一環で、ここではVADERの直接的なルーツである、エクストリームなスラッシュメタル・クラシックを中心に選曲されおり、〈SLAYER〉〈CELTIC FROST〉〈SODOM〉〈KREATOR 〉〈TERRORIZER〉〈POSSESSED〉〈DARK ANGEL 〉などの名曲ぞろい。
    その他にも、少しハズレてハードコアの〈ANTI-NOWHERE LEAGUE〉と、完全に毛色の異なる〈DEPECHE MODE〉〈BLACK SABBATH〉のカバーも取り上げています。

    アレンジは、スピードアップでエクストリミティを増した程度のデス・カバーで、まったく面白味の無いストレートなものとはいえ、原曲を台無しにすることもない無難なものではあるのですでが、ここで気になるのはヴォーカルの力量不足でしょう。

    これまでの作品でもヴォーカルが弱さは露呈していたものの、そこは諸々込みで「まぁ、こんなものか」と許容可能だったのですが、カバーアルバムという形態上、原曲のヴォーカリストという明確な対象と否応なく比較されたことで、パワー,表現力,個性…全てにおいての格の違いをまざまざと見せつけられてしまいます。

    それでも、名曲ぞろいなだけあってある程度のクオリティは担保されており…というよりむしろ、悲しいかな彼らのオリジナル曲よりも魅力的なので、作品としても聴き応えは十二分。
    通常のオリジナル・アルバムの多くよりも、満足度は高いかもしれません。

    |デスメタ度:★★★★☆|
    |選 曲:★★★★☆
    |アレンジ:★★★☆☆
    |意 外 性:★☆☆☆☆
    |解 体 度:★★☆☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    代表作 入門盤

    Future of the Past II – Hell in the East|フューチャー・オブ・ザ・パスト・II – ヘル・イン・ザ・イースト

    カバーアルバム (2015年)

    カバーアルバム第2弾の本作では、VADERの地元ポーランドの知る人ぞ知るメタルバンドを中心としたセレクト。
    ジャンルは、スラッシュ/デスメタルかパワー/スピードメタルに限られます。

    取り上げられたのは、デモテープを残した程度で姿を消したアングラ・マイナー・バンドが大半で、VADERのブレイクと本作で取り上げられたことで、活動再開してアルバムデビューを果たしたグループまであります。

    例外的に、まともに活動を続けて多少なりとも知られていたのは、80年代から続くポーリッシュ・メタルのベテラン〈KAT〉と、何故か隣国チェコからセレクトされた〈KRABATHOR〉程度。
    また、VADERがブレイクするまではポーリッシュ・デスのトップだった大御所〈DRAGON〉が何故か取り上げられていないあたり、余計な勘ぐりが入らざるを得ません。

    B級以下の泡沫バンドとはいえ、その渾身の1曲にソツ無く無難なアレンジをくわえているため、カバーアルバム第1弾と同程度には楽しめる仕上がりですし、興味深さという点においては本作の方が勝ります。

    |デスメタ度:★★★☆☆
    |選 曲:★★★☆☆
    |アレンジ:★★★☆☆
    |意 外 性:★★★☆☆
    |解 体 度:★★☆☆☆
    |総合評価:★★★★☆

    通好み 実験作
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