Contents
- 1保守マッチョだらけのメタルシーンにも尻馬に乗るビジネスアイドルバンドにも負けずにサバイヴし続けた、本気度100%の女性ヴォーカリスト&ガールズ/レディースバンド!
- 1.1ルーツ系バンド:6選 編
- 1.1.1JANIS JOPLIN|ジャニス・ジョプリン
- 1.1.2JEFFERSON AIRPLANE|ジェファーソン・エアプレイン
- 1.1.3PATTI SMITH|パティ・スミス
- 1.1.4NICO|ニコ
- 1.1.5RUNAWAYS|ランナウェイズ
- 1.1.6CARMEN MAKI & OZU|カルメンマキ&OZ
- 1.1パイオニア編バンド:8選 編
- 1.1.1DORO / WARLOCK|ドロ / ウォーロック
- 1.1.2GIRLSCHOOL|ガールスクール
- 1.1.3ROCK GODDESS|ロックゴッデス
- 1.1.4THE GREAT KAT|ザ・グレート・キャット
- 1.1.5HOLY MOSES|ホリー・モーゼス
- 1.1.6ALL ABOUT EVE|オール・アバウト・イヴ
- 1.1.7PLASMATICS|プラズマティックス
- 1.1.8JURASSIC JADE|ジュラシック・ジェイド
- 1.1ムーヴメント渦中系バンド:12選 編
- 1.1.1THE GATHERING|ザ・ギャザリング
- 1.1.2SKEW SISKIN|スキュー・シスキン
- 1.1.3FEAR OF GOD|フィアー・オブ・ゴッド
- 1.1.4CRISIS|クライシス
- 1.1.5SKUNK ANANSIE|スカンク・アナンシー
- 1.1.6MY RUIN|マイ・ルーイン
- 1.1.7THE CRANBERRIES|クランベリーズ
- 1.1.8ARCH ENEMY|アーチ・エネミィ
- 1.1.9KITTIE|キティー
- 1.1.10EVANESCENCE|エヴァネッセンス
- 1.1.11SUPER JUNKY MONKEY|スーパー・ジャンキー・モンキー
- 1.1.12YELLOW MACHINEGUN|イエローマシンガン
- 1.1.13BABYMETAL|ベビーメタル
保守マッチョだらけのメタルシーンにも尻馬に乗るビジネスアイドルバンドにも負けずにサバイヴし続けた、本気度100%の女性ヴォーカリスト&ガールズ/レディースバンド!
女性ヴォーカリストをフィーチャーしたヘヴィメタルというと、以前はあざといアイドル路線かキワモノという印象が強く、まれに本格的な実力派バンドが登場してクオリティの高い作品を生み出しても、保守的なメタルシーンではなかなか正当な評価を得ることができず、一段下的なポジションとして扱われがちでした。
しかし、マッチョ傾向の強いメタルシーンもジェンダー意識の高まりと細分化とともに多様化が進んだことと、何より歌姫路線のビジネス的な成功が決定的な要因となって、女性ヴォーカリストのグループも幅広いリスナーにこだわりなく支持されるようなご時世になりました。
ここでは。女性ヴォーカルが中心となったグループ、女性ヴォーカルをフィーチャーしたバンド、女性メンバーだけで構成されたガールズ/レディースバンドに限定。
ヘヴィメタル登場以前のロック創世記の“レジェンド系バンド”、ヘヴィメアt流ムーヴメント突入後の“パイオニア系バンド”、90年度以降にガールズ/レディースバンド、歌姫系バンドが注目を集めた時期以降の“ムーヴメント渦中系”の三部構成で紹介します。
ルーツ系バンド:6選 編
まずはヘヴィメタル以前に活躍していた、女性ロックアーティストの元祖的な存在を紹介します。メタラーも必聴のレジェンドばかりです!
JANIS JOPLIN|ジャニス・ジョプリン
言わずと知れた女性ロックミュージシャンの草分け的な存在として、かのウッドストック・フェスティバルにも出演したレジェンド中のレジェンド。
ブルースなどアメリカンルーツミュージックのテイストが強いサウンドですが、ヘヴィメタル系も含めたあらゆる女性ミュージシャンからリスペクトを受けています。
ジミ・ヘンドリックスやTHE DOORSのジム・モリスンらともに“享年27歳組”としても知られており、これらのアーティストは“27クラブ”とも呼ばれています。
JEFFERSON AIRPLANE|ジェファーソン・エアプレイン
カリスマ女性ヴォーカリスト、グレイス・スリック(Grace Slick)を擁する米国ヘヴィサイケデリックロックグループ。そのヘヴィなサウンドから、後のメタル/ヘヴィミュージックシーンでも彼らの曲は何度となくカバーされています。
当時のサイケデリックシーンやプログレシーン、のちのポストパンクシーンなどでは、典型的なマッチョ保守的なUSメタルシーンと異なり、思想的にリベラルな傾向が強くインテリ層が多いがためか、作風的に重宝されるためか、第一線のバンドにも女性フロントマンが比較的目立ち、確かな存在感を見せていました。
PATTI SMITH|パティ・スミス
パティ・スミスはニューヨークパンクの女王と呼ばれるアーティストですが、NYシーンの意識高いインテリアーティストらしく、過剰にジェンダーを押し出さないアーティスティックな本格派。
パンクとハードロックが重なることの多いNYシーンだけあって、初期メタルバンドのBLUE ÖYSTER CULT(ブルー・オイスター・カルト)ともつながりが深く、音楽的にもパンク/メタルなどのジャンルを超越したオルタナティヴな存在です。
NICO|ニコ
NICOはTHE VELVET UNDERGROUND(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)のヴォーカリストを務めてソロアーティストととしても活躍した、ニューヨークアンダーグラウンドのシンガー。
デカダンでアンニュイなヴォーカルとダークでダウナーなサウンドは、ある意味元祖ゴシッククイーンとでも呼べるような強烈なカリスマ性と存在感を発しています。
RUNAWAYS|ランナウェイズ
70年代に平均年齢16歳でデビューして話題となった、本格的ガールズロックバンドとしてはパイオニアと呼べるグループ。
アイドル文化のある日本で人気が高まりビッグinジャパン的な存在になるも、当初は下着姿ステージに立つなどキワモノ的な扱いの強い位置づけでしたが、のちに元祖ライオットガール的なアングルで再評価されます。
バンド解散後中心メンバーのジョーン・ジェット(Joan Jett)とリタ・フォード(Lita Ford)はソロや自身のバンドで活動を続け、共にUSハードロッククイーン的なポジションについていますが、特にジョーンは、JOAN JETT & BLACK HEARTS(ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ)としてロックの殿堂入りも果たしており、レジェンド的存在としてハードロック界のビッグマムとも呼ばれています。
CARMEN MAKI & OZU|カルメンマキ&OZ
60年代末に寺山修司の劇団「天井桟敷」のメンバーからスタートして、10代でシンガーと歌手としてブレイク、紅白出場も果たしていたカルメン・マキが、ジャニス・ジョプリンら海外のロックに刺激を受けて結成した、ジャパニーズロックの草分け的存在。
卓越した演奏力とエモーショナルでカリスマ的な歌唱による、英米のトップバンドに匹敵するクオリティを持つヘヴィ/ハードロックながら、歌謡曲的なローカライズも施された日本ならではのサウンドで伝説的バンドとなります。ソロ転向やブランクを経ながらも現在は再び活動を再開しています。
パイオニア編バンド:8選 編
続いて、初期のヘヴィメタル/ハードロックシーンで女性ヴォーカリスト中心となって結成したバンドや、女性メンバーのみのガールズ/レディースググループのパイオニアを紹介します!
DORO / WARLOCK|ドロ / ウォーロック
DOROことドロ・ペッシュ(Doro Pesch)は、80年代のジャーマンメタルシーンで活躍していた正統派メタルバンドWARLOCKのヴォーカリスト。
後に権利問題でWARLOCK名義が使えなくなってからも、DORO名義のソロプロジェクトとして同様の音楽性で休むことなく活動を続けるメタルクイーンのパイオニア。
アルバムもコンスタントにリリースしつつ、現在も一線で活躍しているリビングレジェンドです。
GIRLSCHOOL|ガールスクール
NWOBHMムーヴメントの中でMOTORHEADのレミーに見出され、妹分バンドとしてデビューしたガールズ/レディースバンド。
ファミリーバンドのMOTORHEADやTANK(タンク)などと同様パンキッシュなロックンロールとハードロック/ヘヴィメタルのクロスオーバーサウンドが持ち味です。
メンバーチェンジをくし返しつつも現役で活動を続けており、もはや女性メンバーのみのフルレディースバンドとしては世界最長キャリアを誇る重鎮となっています。
ROCK GODDESS|ロックゴッデス
NWOBHMムーヴメントの中で登場したデビューした、フルガールズ/レディースバンド。
基本的には、タフでパワフルなヴォーカルを武器にした、比較的オーソドックスなハードロック色の強いヘヴィメタルですが、同じ境遇のGIRLSCHOOLにも通じるMOTORHEADばりのロックンロールテイストや、ニューウェイヴ/ポストパンクの影響も感じさせる、イメージ以上に懐が深く幅の広い作風が持ち味。GIRLSCHOOLとの間ではメンバーの行き来もありました。
1987年の解散後、一時的に再結成するも再び活動停止となりますが、2013年には理事なるメンバーで復活。現在も活動を続けており新作もリリースしています。
THE GREAT KAT|ザ・グレート・キャット
THE GREAT KATは、ニューヨークの名門ジュリアード音楽院でヴァイオリンを学んだ、女性バカテク変態ギタリストキャット(KAT)のソロプロジェクト。
グルーミィなメイクに下着姿で血糊まみれになるという、ショックメタル勢も顔負けのヴィジュアルと女王様系のお下品なパフォーマンスが持ち味で、当然のように一般的にはキワモノ扱いですが一部ではカルトな人気を誇っています。
クラッシック音楽をスラッシュ/デス系のエクストリームメタル風に演奏する作風でを中心活動を続けていますが、様式美系のシンフォニックメタルやプログレッシヴメタルは期待してはいけません。
音色や技法からくるイメージこそ確かにメタルのそれですが、むしろアバンギャルドでジャンクなオルタナティヴロックとして語った方がシックリくるNYアンダーグラウンド的なサウンドです。
HOLY MOSES|ホリー・モーゼス
HOLY MOSESは元祖女性デスヴォーカリストでエクストリームメタルの女帝とと讃えられるサバイナ(サビーナ)・クラッセン(Sabina Classen)率いるジャーマンデス/スラッシュメタルバンド。
ダーティながらも女性らしさを失わないエクストリームヴォイスは、近年のデスヴォイトレ系の画一的なスタイルとは全く格が違う凄みを湛えています。
途中メンバー間のイザコザなどによる休止期間を挟みつつも、より現代的なサウンドにパワーアップして復活。サバイナ嬢のヴォーカルも、以前の凄みを微塵も失うことなく絶賛活動中です。
ALL ABOUT EVE|オール・アバウト・イヴ
ALL ABOUT EVEは80年代のゴシックニューウェイヴシーンでも、ポップでロック的な作風とトラッドミュージック的な要素で、さらに美貌/美声のヴォーカリストジュリアン・リーガン(Julianne Regan)の存在で、フィメイルヴォーカル系プログレのファンまでを含んだ幅広い人気を得ていたバンド。
THE GATHERINGなど、のちのゴシックメタルシーンのアーティストにも、多大な影響を与えています。
PLASMATICS|プラズマティックス
セクシャルでエキセントリックなキャラクターとパフォーマンスで知られ、女優としても活動していたウェンディ・O・ウィリアムスをフロントウーマンに据えたニューヨークのバンド。
一般的にはハードコアパンクと扱われていますが、ニューヨークバンドらしくパンクとヘヴィメタルを股にかけた、ヘヴィでアグレッシヴなロックンロールサウンドを持ち味としており、その音楽性からMOTORHEADのレミーとも交流があり、コラボレーションも行っています。
破壊的なパフォーマンスが話題となり、ブランクを挟みつつも80年代にはカルト的な人気を獲得していましたが、1988年には解散。ウェンディはソロを中心とした活動に移行していましたが1998年の鬱病の悪化が原因と考えられる自殺という結末を迎えています。
JURASSIC JADE|ジュラシック・ジェイド
超弩級のインパクトで、強烈な存在感を聴くものに焼き付けるフロントウーマン“ヒズミ”を擁する、日本における女性ヴォーカル系エクストリームメタルの草分け的存在。
ハードコアなスラッシュメタルをベースとしつつも、デスメタル, ヘヴィグルーヴ, ゴシック, ドゥーム, インダストリアル, プログレ, ノイズなど、様々なエッセンスを飲み込んだスタイルで、なおかつ日本のインディーズバンドに特徴的なアングラ感を失わない、アクの強いサウンドが持ち味です。
ムーヴメント渦中系バンド:12選 編
最後に女性ヴォーカリスト/アーティストを第一線で活躍できるまでに押し上げたバンドや、それ以降に登場したフォロアーたちを紹介します!
THE GATHERING|ザ・ギャザリング
楽曲への女性ヴォーカル/女性コーラス導入が。一般的な手法として認知されていたゴシックメタルシーンでも、女性ヴォーカリストをパーマネントメンバーに起用してその歌唱を前面に押し出したスタイルでは、パイオニアにあたるバンドのひとつ。
ゴシックメタルリスナーや一般メタラーのみならず、80年代のALL ABOUT EVEのようにフィメイル系プログレファンなども含めた幅広いリスナーを獲得して、歌姫メタルブームの火付け役となりました。
ゴシックメタルリスナーや一般メタラーのみならず、80年代のALL ABOUT EVEのようにフィメイル系プログレファンなども含めた幅広いリスナーを獲得して、歌姫メタルブームの火付け役となりました。
SKEW SISKIN|スキュー・シスキン
ヴォーカリストのニナ(Nina C. Alice)を中心に、90年代からドイツで活動を続けるジャーマンハードロックバンド。
MORTORHEAD系のハードロックンロールから、ストーナー風味もあるサイケデリックなヘヴィロックまで音楽性は多岐にわたりますが、常に高品質な作品をリリースし続けています。
日本では知名度こそ伸びなかったものの、世界に通じる本格的なロックサウンドと熱量の高いヴォーカルはMOTORHEADのレミーのお墨付きで、コラボレーションも実現している実力派です。
FEAR OF GOD|フィアー・オブ・ゴッド
FEAR OF GODは甘くアンニュイな歌声とデス寄りのダーティなシャウト行き来する女性ヴォーカリスト、ドーン(Dawn Crosby)をフィーチャーしたグループ。
知名度こそ低いもののPARADISE LOSTにも先駆けて『ニューウェイヴ系ゴシックロックmeetsエクストリームメタル』というスタイルを確立していた、知る人ぞ知る米国ゴシックメタルの先駆け的存在の“早すぎたバンド”です。
ゴシックロックをベースにグランジ,スラッシュメタル,ハードコアがクロスオーバーされたサウンドは一時期のCELTIC FROSTにも通じるものですが、オルタナティヴロックとしてはメタル過ぎ、メタルとしてはオルタナティヴ過ぎて中途半端なポジションにとどまらざるをえませんでした。
そのアプローチは後のCRISISにも受け継がれています。
CRISIS|クライシス
個性派ヴォーカリストのカリン・クライシス(Karyn Crisis)を中心とした、ニューヨークのオルタナティヴなエクストリームメタルバンド。
スラッシュ/デスメタル,ハードコア,グルーヴメタルなどのクロスオーバーサウンドで、後のニューメタル/メタルコアのハシリのようなサウンドを完成させていました。
カリンのヴォーカルスタイルはのちに増えるデスヴォイトレしたような類型的なものではなく、もっと生々しさを残したデス寄りのダーティな声とキュートで女性的な声を忙しく行き来する、分裂症的な独自のスタイル。
カリンは、CRISIS解散後アバンギャルドなポスト・ブラックメタルバンドEphel Duath(エッフェル・デウス)に加入。現在はその中心メンバーDavide Tisoと、Karyn Crisis’ Gospel of the Witchesで活動しています。
SKUNK ANANSIE|スカンク・アナンシー
90年代英国ロックシーンのトップフロントマンのひとりである、黒人女性シンガーのスキンを擁し、さらに腕利きミュージシャンぞろいという、イギリスのハード/ヘヴィロックバンド。かのデヴィッド・ボウイが認めてフェイバリットにも挙げる、実力派としても知られています。
USメインストリームのラップメタルやグルーヴメタルも視野に入れ、英国伝統のデジタルロック/ビックビートなど幅広いバックグラウンドを反映したサウンドが特徴ですが、やはり看板となるのはスキン卓越したヴォーカル。そのソウルフルでエモーショナルな歌唱を活かし、ヘヴィチューンからソフィスティケートされたサウンドまでも持ち味としていました、
MY RUIN|マイ・ルーイン
エミネム,エヴァーラスト,ヴァニラアイスと並んで白人ラッパー四天王(笑)に数えられる、女性ラッパーのテリー・B(Tairrie B)率いるニューメタルバンド。
テリー・Bはニューメタルの黎明期に、HIPHOP界に背を向けメタルシーンに参入。MANHOLE(マンホール)〜TURA SATANA(トゥラ・サタナ)とメンバーとバンド名を変えつつ活動を続けていましたが、その最終形としてパーマネントバンドになっているのが、MY RUINです。
デビュー当初と比較すると音楽性もヴォーカルスタイルもさらに豊かになった、個性的なエクストリームメタルサウンドを聴かせています。
THE CRANBERRIES|クランベリーズ
90年代最強の歌姫ドロレス(Dolores O’Riordan)率いるアイルランドのトラッドロックグループ。
UKシーンのみならず世界的な存在となったバンドで、特にドロレスの独特なこぶし回しによるヴォーカルスタイルはメインストリームのHIPHOPやR&Bシーンにまでも影響を及ぼし、フィメイルヴォーカルの典型的スタイルのひとつにまでなっています。
ポップ寄りの作風ながら、ヘヴィメタルに匹敵するヘヴィナンバーやゴシックメタルに通じるエッセンスも持ち合わせた革新的トラッドロックスタイルで、のちのエスニック系ゴシックメタルやトラッドメタルにも多大な影響を与えています。
近年では、ニューメタルバンドBAD WOLVES(バッド・ウルヴス)が彼らの代表曲Zombie(ゾンビ)をカバーしたことでメタラーからも注目を集めました。
ARCH ENEMY|アーチ・エネミィ
ARCH ENEMYは、初期のスウェディシュデスメタルバンドCARNAGE(カーネイジ)のマイケル・アモットが、その解散後に参加していたCARCASSを脱退して立ち上げたバンド。CARCASSでのノウハウをそのままスウェーディシュスタイルに置き換えたサウンドでブレイクして、メロデス初期の代表格に数えられます。
その後、THE GATHERINGなどの歌姫路線の成功に目をつけ、初代ヴォーカルのヨハン・リーヴァを解雇して女性デスヴォーカリストのアンジェラ・ゴソウを抜擢。これが功を奏してバンドは世界的なヒットとなり一気にメジャー化します。
これに味をしめ、アンジェラ脱退時にも再度女性ヴォーカリストのアリッサ・ホワイトを迎えますが、個性的なスタイルを持つヨハン復帰を望む声は尽きず、後にヨハンとの別ユニットBLACK EARTHも始動させています。
KITTIE|キティー
KITTIEは“ニューメタル世代のTHE RUNAWAYS”,“早すぎたBABYMETAL”などと呼ばれる、カナダのガールズ/レディースエクストリームメタルバンド。
当時はニューメタルムーヴメントに乗っかったアイドル路線狙いのキワモノバンドというイメージが強く、すぐに消えるだろうというのが大方の見方でした。
しかし、予想に反してギター&ヴォーカルのモーガン(Morgan Lander)とドラムのメルセデス(Mercedes Lander)のランダー姉妹以外は流動的なものの、現在に至るまで女性メンバーのみの構成で活動を続けて20周年を迎えており、確かな実力と本気度の高さを証明しています。
EVANESCENCE|エヴァネッセンス
EVANESCENCEは女性ヴォーカリストのエイミィ・リー(Amy Lee)を中心として、欧州系のゴシックメタル/シンフォニックメタルを米国メインストリームサウンドにチューニングした作風で一気にブレイク。
デアデビルの映画テーマ曲にも起用されたほか、毎年のようにグラミー賞などの各種音楽賞にもノミネート/受賞を重ねて一世を風靡します。
米国メインストリームならではのポップネスを持った、US歌姫メタルの旗手/歌モノ系ニューメタルの草分け的存在として、現在もニューメタルシーンの重要バンドのひとつに数えられています。
SUPER JUNKY MONKEY|スーパー・ジャンキー・モンキー
女性4人によるフルレディースバンドにして、90年代ジャパニーズ・ヘヴィロックシーン最強の座を争ったトップグループのひとつ。
ファンキーなミクスチャー、グルーヴメタル、ハードコアなど多岐に渡った音楽性を飲み込んだ世界基準のサウンドは、ガールズ/レディースバンドで捉える必要性を感じさせない圧倒的クオリティで、シーンの中でも孤高の地位を築いていましたが、惜しくもヴォーカリストの死により過活動停止となります。
YELLOW MACHINEGUN|イエローマシンガン
ハードコアブームの最中に登場した、パワートリオ編成の実力派ガールズ・メタリックハードコアバンド。ソリッドでミニマムな、疾走感あふれるファストチューンが持ち味としてました。
カジュアルでナチュラルなビジュアル/キャラクターや立ち居振る舞いと、それと相反するストロングスタイルのメタリックハードコアサウンドの落差が、強烈なインパクトを残すバンドです。現在も細々とながら、現役で活動中のようです。
BABYMETAL|ベビーメタル
BABYMETALは、歌姫メタルブームに便乗したヘヴィメタルギミックの日本のアイドルユニット。
日式の“アイドルカルチャー”、“カワイイカルチャー”の世界的な広がりを背景に海外でも注目を集めて、各国のメタルフェティバルに招聘されたりオープニングアクトに起用されるなど、ビジネス的には成功しています。
デビュー当初より賛否両論は尽きないものの、ヘヴィメタルの認知度アップ/リスナー層拡大には貢献した存在ではあります。
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