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【Wikiに無い!】グラムメタル(L.A.メタル / ヘアメタル)紹介:重要バンド18選+【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

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Contents

アメリカのPOPミュージックビジネスと80年代のヘヴィメタルバブルが生み出した時代の仇花!!売れてナンボのビジュアル系マーケティング・ヘヴィメタル!

売れれば正義の米国メインストリーム音楽シーンが生んだメタル界の鬼子

80年代にイギリスから海を渡りアメリカに飛び火して大爆発を起こしたヘヴィメタルムーブメント。その最盛期に中核となっていたジャンルが、ポップなサウンドとドラァグクイーン的なメイク/ファッションが特徴のグラムメタルです。

グラムメタルは80年代べ以降のビジュアル系!?

メタルと呼ばれるだけあって、一応はNWOBHM時代のブリティッシュヘヴィメタルをルーツしていますが、それに産業ロック/アリーナロックに代表される米国ロックシーンのメインストリーム、グラムロックやニューウェーヴバンドによる化粧バンドブームがないまぜになって、アメリカ的な雑さ/バカっぽさ/商業主義からくる曲解とデフォルメで奇形化したものと言えます。

つまり、グラムメタルは日本のビジュアル系のようなものと考えて間違いありません。

グラムメタル?L.A.メタル?ヘアメタル?

ロサンゼルスが初期ムーヴメントの中心地だったこともあって、日本では(出身地関係なく)LAメタルと呼ばれていました。

それ以外にも、バンドがみんなハードなパーマやヘアスプレーでモリモリビッグにした髪型をしていたことからヘアメタル、ティーンをメインターゲットにしたコンセプトが目立ったことからバブルガムメタルなどという揶揄的な呼び方もされていました。

メインストリームの売れ線ながら音楽性は様々!?

日本のビジュアル系に例えたように、グラムメタルではファッションやアイドル性が最優先されて、「ポップで分かりやすければ音楽性は二の次」といった風潮があったのは間違いありません。

逆に、当時はグラマラスなスタイルがメタルファッションの典型という風潮もあったので、ミュージシャンシップの高いバンドやグラムメタルに括るのは抵抗があるバンドまでもが、同じようなファンションに身を包むことになり十把一からげにされてれてしまうこともありました。

そのため、ビジュアルだけでは区別がつかないけれども、実際は意外にも幅広い音楽スタイルのバンドが混在していたりすることもあったわけです。

グラムメタルの代表的なスタイルとバンドを紹介!

音楽性でグラムメタルの代表的なスタイルと言えるのは、マーケットを最優先する産業ロック的な大衆受けするポップロックと、バッドボーイR&R風のパーティハードロック。この2つがこのジャンルの二枚看板と言えます。
歌詞は女,金,酒,車,パーティといった下世話で俗物的、欲望に忠実なテーマが中心です。

グラムメタルの代表的バンド:ポップロック系

QUIET RIOT|クワイエット・ライオット

オジー・オズボーンと組んだランディ・ローズ(Randy Rhoads)も在籍していたバンド。
いかにもメタル的なホラー風キャラクターを押し出したジャケットがインパクト抜群ですが、飛び出してくるサウンドはそのイメージにとはうらはらにキャッチーでポップ。

グラムメタルとしては一世代上のパイオニア的バンドで、サウンドもオーソドックスなUSハードロックに近いものですが、これがグラムメタルの原型とも言えます。

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RATT|ラット

MÖTLEY CRÜE(モトリー・クルー)と並ぶグラムメタルシーンを代表するバンド。その産業ロック的なポップロックサウンドもグラムメタル時代の典型的なスタイルです。
ソコソコの適度なヘヴィさを持って作り込まれた、ヒットチャート狙いのバランスの良いサウンドはさすがの完成度です。

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CINDERELLA|シンデレラ

いかにもアイドルバンド的なキラキラしたビジュアルの割には、ポップながらもハードロック的な力強さを感じさせるサウンドが特徴。

作品を重ねるごとに、ポップさはそのまま次第にブルーズ色を強めたシブめのサウンドへと移行していきます。

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POISON|ポイズン

キラキラ系のアイドルバンドとして終始ポップメタル路線を追求していましたが、のちにギターがC.C.デヴィルからリッチー・コッツェンに変わったことで、ブルーズ/ファンクなどの要素を持ったアーシーな質感を感じさせるサウンドに転身します。

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BON JOVI|ボン・ジョビ

ポップロック系のグラムメタルの中では、明らかに頭ひとつ以上飛び抜けていたバンド。
メタルやハードロックの枠を超えて、メインストリームのポピュラー音楽として勝負できるセンスがあり、メタルどころか洋楽もあまり聴かないような一般リスナーにも支持されています。

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DEF LEPPARD|デフ・レパード

80年代の頭の時期に英国から登場したためNWOBHMとしても括られがちですが、その後の活動を考えると英国出身のグラムメタルとした方が正確かもしれません。

最初期はブリティッシュヘヴィメタルを展開していましたが、その名残も感じさせるものの作り込まれたポップメタル/産業ロックを基本とするようになり、アンダーグラウンド感が強い多くのNWOBHMバンドとは一線を画しています。

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グラムメタルの代表的バンド:バッドボーイR&R系

MÖTLEY CRÜE|モトリー・クルー

グラムメタルシーンでも老舗で代名詞的存在のバンド。初期には正統派のヘヴィメタルもやっていましたが、機を見るに敏なバンドでもあり、多彩なスタイルへの対応力や器用さも持ち合わせていたため、時代に合わせてスタイルを変え続け、どの方向性でもそれなりのクオリティをキープしていました。。

グラムメタルがオワコンになった後はグランジやグルーヴメタルに接近し、中心人物でドラマーのトミー・リーに至ってはMETHODS OF MAYHEMで本格的ラップメタルも展開しています。

「シャウト・アット・ザ・デヴィル +5」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

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GUNS N’ ROSES|ガンズ・アンド・ローゼス

典型的なバッドポーイズR&Rバンド。THE ROLLING STONES(ザ・ローリング・ストーンズ)〜AEROSMITH(エアロスミス)的要素が濃く、ポップメタルに収まらないルーツリバイバル的なサウンドが特徴です。

グラムメタルの典型とはひと味違うパンキッシュなイメージもあったことで、非メタルマスコミ/リスナーからも支持され、一躍セレブなモンスターバンドに成り上がります。

グランジ勢に息の根を止められるまでは、短期的ながら当時の米国ロックを象徴するアイコンでした。

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SKID ROW|スキッド・ロウ

ムーヴメント後期のバンドだったこともあって、いち早くグランジやグルーヴメタルも視野に入れてたサウンドに移行します。

ポピュリズム過剰なアイドル系バンドが多いのグラムメタル勢の中では、ややストリート感覚も感じさせ、MÖTLEY CRÜEらと並んで後のヘヴィ路線にも上手く対応できたバンドのひとつです。

「Slave to the Grind」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

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次ページでもグラムメタルの重要バンドを紹介!▼リンクはページ下!▼

グラムメタルの代表的バンド:正統派ヘヴィメタルバンド

初期のグラムメタル勢は本来ブリティッシュ・ヘヴィメタルをルーツにしているので、売れ線狙いに転向する以前にはオーソドックスなヘヴィメタルを演奏していたバンドも少なくありません。

中には時流に合わせてグラムメタル的なビジュアルで飾っているものの、それとは裏腹に正統派に近いメタルサウンドを聴かせるバンドも少数ながら存在しました。

典型的なグラムメタルバンドのビジュアルは、ナルシスティックなアイドル風の演出がほとんどでしたが、初期メタルをルーツにする王道メタル路線のバンドには、あえてショックロック的なイロモノ感の強めたキャラ演出をする傾向があります。

TWISTED SISTER|ツイステッド・シスター

デビュー前の70年代からグラムロックバンドとして活動していたベテランで、QUIET RIOTと並びグラムメタル勢としてはひとつ上の世代で、立ち位置も少し異なる印象がありました。

後続がアイドル路線に走る中でも、オーソドックスなUSヘヴィメタル路線とキッズのアンセム的なポップロックナンバーの二枚看板を貫き、幅広いリスナーやミュージシャンから高い支持を得ています。

アイドル路線のグラムメタル勢よりも、むしろKISS(キッス)などに通じる存在と考えた方がいいかもしれません。

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W.A.S.P.|ワスプ

血糊も飛び交う過激でシアトリカルなパフォーマンスで、MARILIN MANSON(マリリン・マンソン)らにも大きな影響を与えた存在として知られるバンド。

70年代ハードロックや初期メタルをルーツに持ち、それをアメリカンにローカライズした正統派のメタルサウンドと、TWISTED SISTER同様キッズ受けするパフォーマンスが人気でした。

中心人物のブラッキー・ローレスは、股間に回転ノコギリをつけたイロモノ感あふれるビジュアルながら知性派としても知られ、コンセプチュアルなアルバム作りにも定評があります。

後年はイロモノ度も抑え、アメリカを代表する正統派のヘヴィメタルバンドのひとつとなりました。

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LIZZY BORDEN|リジー・ボーデン

LIZZY BORDEN(リジー・ボーデン)W.A.S.P.ほどのイロモノ感はありませんでしたが、彼らと並ぶショックメタル系グラムメタルの代表格です。

NWOBHM直系のスピーディーなヘヴィメタルを、独自のローカライズを施したようなスタイルは、グラムメタルバンドとしてはまさに唯一無二で楽曲のクオリティも文句なしでした。

異色の存在だったためPOPメタルへの路線変更を余儀無くされた上、グラムメタルブームの恩恵はあまり享受できないまま解散。00年代に再結して、コスプレメタルブームの追い風も受け根強い活動を続けています。

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DOKKEN|ドッケン

ポップ色は強いものの、グラムメタルに多い能天気なスタイルではなく、湿り気と哀愁を感じさせるサウンドに加えてパワフルなメタルナンバーも欠かさないことで熱心なファンをつかんだバンドです。

欧州バンドとは異なるUSスタイルながら湿り気を失わないなサウンドには、BLUE ÖYSTER CULT(ブルー・オイスター・カルト)RIOT(ライオット)などの影響も感じられます。

「Breaking the Chains」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

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グラムメタルの代表的バンド:異色の個性派バンド

当時は、メインストリームでハードロックをやるなら「化粧してパーティロックやらないとダメ」みたいな風潮が強く、ユニークな音楽性を持っていて他に本当にやりたいサウンドがありながらも、グラムメタルムーヴメントに飲まれて埋没していったバンドも少なくありません。

そういったタイミングに恵まれなかったバンドは、むしろヘアメタルブーム終了後に本来の個性で頭角を現して、それにふさわしい評価を受けることになります。

EXTREME|エクストリーム

ポップなグラムメタルに当時メインストリームだった80年代ポップファンクをプラスしたサウンドが持ち味で、ファンクメタル創始者のひとつとも言われています。

バンドの個性の源であるギタリストのヌーノ・ベッテンコートは、当時からミュージシャンズ・ミュージシャン的な高い評価を受けていて、その才能はグラムメタルの枠には収まらないものでした。

ヌーノ・ベッテンコートの個性は、むしろ後期や解散後のオルタナティヴなスタイルでより強烈な輝きを見せています。

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LILLIAN AXE|リリアン・アックス

メランコリックでリリカルなメロディセンスが持ち味の彼らは、当初からその片鱗を見せていましたが、グラムメタルの能天気なポップロックスタイルではそれを活かしきることができませんでした。

グラムメタルのオワコン化にともなってグランジ的なヘヴィ&ダークなサウンドに移行したのが功を奏し、むしろTHE SMASHING PUMPKINS(スマッシング・パンプキンズ)などにも通じる彼らの持ち味が、ようやく本来の輝きを見せるようになり楽曲のクオリティも格段にアップします。

レコード会社の倒産などの不幸もあってブレイクのタイミングをつかみ損ね、現在は中心人物スティーヴ・ブレイズ(Gt.)のソロに近い形になりましたが、作品もリリースしつつ活動を続けています。

なぜか、DCコミックス系のアメコミドラマ『コンスタンティン』のライヴハウスシーンで、実名でゲスト出演して演奏していたことがあります。

「Fields of Yesterday (Deluxe)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

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SHOTGUN MESSIAH|ショットガン・メサイア

グラムメタルでひと旗上げてビックになるために、相方と一緒にわざわざスウェーデンからアメリカへと出てきたというティム・スコルドが結成したバンド。

当初はセンスの良さだけが持ち味でしたが、のちにヘヴィなインダストリアル・メタルにポップなロックミュージックを融合したスタイルで好事家の注目を集めます。

意欲的でハイクオリティな作品をリリースしますが、時代が早すぎたため残念ながらいずれも大きなセールスにつながらず消滅。

しかし、ティム・スコルドは後にKMFDMMARILIN MANSONなどとインダストリアスシーンで活躍し、インダストリアル・メタルの重要人物となります。

最後の作品となるViolent New Breedは、インダストリアルメタルファンなら必聴の名盤!

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PANTERA|パンテラ

グラムメタルバンドとしては全く鳴かず飛ばずでしたが、のちにヘヴィネスとグルーヴを強調した独自のグルーヴメタルスタイルを開発してブレイクします。

グランジ勢と共に自分たちの出自であるヘアメタルら80’sメタルにとどめを刺し、新時代の扉を開く役割を果たした重要バンドです。

かつてないグルーヴィーなヘヴィサウンドはヘヴィメタル界に革命を起こし、後続の新人からベテランまで、その後のすべてのヘヴィミュージックに大きな影響を与えました。

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あんなバンドまでグラムメタル化!

80年代の中期にはヘヴィメタルのメインストリームはイギリスからアメリカへと移り、イギリスやドイツなどヨーロッパで活動していたバンドの中にも米国市場をターゲットにしたり活動拠点を移す動きが出てきます。

アメリカの第一線で活動するためには、それなりに実勢のあるバンドさえも音楽性やビジュアル面で米国市場向けチューニングを余儀なくされ、サウンドのポップ化を図るばかりかグラムメタル的なチャラいスタイルに変身するバンドまで現れます。

ドゥームロックのカリスマだったBLACK SABBATH(ブラック・サバス)オジー・オズボーン、シャープかつメランコリックなサウンドを持ち味にしていた叙情派ジャーマンバンドのSCORPIONS(スコーピオズ)などがその代表格ですが、そろいもそろって既にアラフォーだったにもかかわらず、あらためて見ると赤面モノのビジュアルでがんばっていました。

そのファッションも当時のメタル業界ではイケてる最新モードとされていて、売れるための必須条件だった面もあるので同情の余地はありますし、今となってはいいネタかもしれませんが、彼らの初期を知る昔からのファンには複雑だったことでしょう。

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