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★ BENEDICTION(ベネディクション) ディスコグラフィー ★ NAPALM DEATHのヴォーカルスト“バーニー”を輩出したブリティッシュ・オールドスクール・デスメタル!…必聴アルバムは? 

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エクストリーム・ミュージック先進国イギリスではやや影の薄いUKデスメタル・シーンを代表するオールドスクール・バンドから、同時代的なセンスを持ったデスラッシャーへと変貌を遂げたベテラン・バンド!!

BENEDICTIONのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

BENEDICTION(ベネディクション)は、イギリスを代表するデスメタル・バンドのひとつ。

NAPALM DEATHのフロントマンを輩出!!

BENEDICTIONは、同じ英国出身でグラインドコアの創始者としても知られるNAPALM DEATHで、その黄金期から現在までヴォーカリストを務めている、マーク・バーニー・グリーンウェイが在籍していたバンドとして知られています。

グラインドコアにも負けずに活動!?

イギリスは、エクストリーム・ミュージックにおいて重要な先進国のひとつでありながら、グラインドコア/ハードコアがその中核をなしており、デスメタルはそれと密接な関係にありながらも、比較すると存在感や影響力で大きく劣ります。

そのため、他のデスメタル先進国であるアメリカやスウェーデンと比較すると、ブリティッシュ・デスメタル・シーンは層が薄い傾向がありました。

UKデスメタルのトップグループ!?

その中でBENEDICTIONはその黎明期から活動を続けており、、BOLT THROWERやCANSER、そしてデスメタルへ移行したCARCASSらとともに、その中核的な存在となっていました。

これらは、BOLT THROWERとCANSERと共にUKデスメタルBIG3とも、また、そこにCARCASSを加えてUKデスメタルBIG4とも称されることがあります。

BENEDICTIONの音楽性は!?

BENEDICTIONの音楽性は、クラストコアなどのブリティッシュ・ハードコアや、スラッシュメタルをベースに持ったオールドスクールなデスメタル・サウンドで、疾走感のあるファストパートとドゥーミィなスローパートを織り交ぜたスタイルが持ち味です。

デスメタル・シーンの大きな転換期にあたる90年代中盤頃からは、彼らも次の音楽的なフェーズに進むための試行錯誤の段階へと突入し、ヘヴィグルーヴのムーヴメントやスラッシュメタル・リバイバルといった時代背景を、自らの音楽性へと反映させてゆきます。

マイペースな活動を細々と継続中!?

00年代以降は、10年に1作というペースでのアルバムをリリースという、かなりの寡作グループとなってしまいましたが、解散するわけでもでもなく現在に至るまで活動を続け、2020年にはスタジオアルバムの新作もリリースしています。

次ページはBENEDICTIONのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

BENEDICTION|DISCOGRAPHY

Subconscious Terror|サブコンシャス・テラー

オリジナルアルバム – 1作目 (1990年)

クラストがベースということからかスウェディッシュ系にも近い質感を持ち、疾走感のあるハードコア・デスラッシュとダウンテンポのドゥームデスを織り交ぜた作風。

これ以降は、スタイルのマイナーチェンジこそありますが、楽曲のベーシックな構成要素と方向性はこの時点で固まっており、極端な変化は見られません。

しかし、この時点ではアイデアが不足は明らかで、作曲能力もかなり稚拙なため、楽曲のアベレージは及第点に及んでいません。

ミニマル路線を狙ってるようにも思える展開が目につくのですが、だとしたら試みが成功しているとは思えないので、単にセンス不足で単調に陥っただけと考えるべきでなのでしょう。

現NAPALM DEATHのバーニー・グリーンウェイが参加している、唯一の作品ということで期待は膨らみますが、残念ながらそれに応えられるレベルには至っていません。

|ブルタル度:★★★☆☆
|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

代表作 通好み スルメ盤

「Subconscious Terror / The Grand Leveller - Reloaded」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

The Grand Leveller|ザ・グランド・レヴェラー

オリジナルアルバム – 2作目 (1991年)

まだ荒さはあるものの、前作と比較するとアイデアが豊富に活かされており、作曲の能力も驚異的に向上。
曲展開やアレンジにも工夫が見られ、緩急のつけ方が巧みになったことでメリハリの効いた仕上がりとなっています。

音づくりを別にすれば、前作にも増してスウェディッシュ系に近いテイストを漂わせていますが、クラストコアという同じルーツを持つことを考えれば、そのクラスティなサウンドも納得はできる範囲内です。

いずれにせよ、まだ発展途上ではあるとはいえ、前作とはまるで別物のように成長を遂げた秀作であることについては間違いないところです。

|ブルタル度:★★★★☆☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 通好み スルメ盤

Dark Is the Season|ダーク・イズ・ザ・シーズン

ミニアルバム:EP (1992年)

Transcend the Rubicon|トランセンド・ザ・ルビコン

オリジナルアルバム – 3作目 (1993年)

過去作と比較すると、ヘヴィネスについてもサウンドの厚みについても大きく強化されており、これまでに無いスケール感の大きいデスメタリックなサウンドへと、大成長を遂げています。

また、これまでの楽曲ではあまり効果を上げていなかった、ドゥーミィなダウンテンポの濫用を極力控えたことで、楽曲にも効果的なダイナミクスが生じており、クオリティにもさらなる向上が見られるようになりました。

初期のオールドスクール・デスメタル時代においては、間違いなく最高傑作と呼ばれるにふさわしいアルバムに仕上がった力作です。

|ブルタル度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 通好み スルメ盤

「Transcend the Rubicon / The Dreams You Dread (Reloaded)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

The Grotesque / Ashen Epitaph|ザ・グロテスク/エイシェン・エピタフ

ミニアルバム:EP (1994年)

デスメタル / ブラックメタル¥1,069Benediction
iTunes Store

The Dreams You Dread|ザ・ドリームス・ユー・ドレッド

オリジナルアルバム – 4作目 (1995年)

この当時のオールドスクールなデスメタル・シーンに広く見られた、グルーヴ&ロッキン路線へ傾倒する傾向が反映された作風。
これは、この時期の主だったデスメタル・バンドの多くが試みてきたアプローチですが、玉石混交だったそれらの中では、本作は比較的効果を上げており、健闘できている部類と言えます。

総合的なクオリテイについては、前作から大きく劣るものではありませんし、本来BENEDICTION自身がダウンテンポを多用した作風だったこともあって、過去作と比較してもサウンド面でそれほど違和感は感じられません。

前作と比較すると一枚落ちるのは確かでなので、さすがに最優先で聴くべき1枚とまでは言えませんが、地味ながら良質なアルバムではあります。

|ブルタル度:★★★☆☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|ドゥーム度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
デスメタル / ブラックメタル¥1,681Benediction
iTunes Store

Grind Bastard|グラインド・バスタード

オリジナルアルバム – 5作目 (1998年)

米国と比較すると、一般に欧州のデスメタル・バンドには、音楽性の変化を厭わない傾向が見られます。
デスメタルがジャンルとしてのピークを過ぎた90年の中盤以降、その傾向はますます加速することになり、BENEDICTIONも例外ではありませんでした。

スラッシュ回帰, グルーヴ・スラッシュ. デスンロール…といった、本作に見られるエッセンスも、当時脱デスメタルを試みるグループに良く見られたアプローチです。

それらのを試みてきたグループの作品の中で、本作はよりオーソドックスなスラッシュメタル・サウンドへ接近したサウンドを聴かせます。

これを進化と呼んでしまうのは、さすがにはばかられる面がありますが、THE HAUNTEDなどの北欧デスラッシュとも異なる、高品質な独自のモダンデスラッシュを確立している事実に違いはありません。

これが非常に上手いハマリぶりを見せており、やや異例のアルバムではあるものの、全キャリア中でも出色の出来栄えとなっています。

|ブルタル度:★★★☆☆
|スラッシュ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|ドゥーム度:★☆☆☆☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

「Grind Bastard / Organised Chaos - Reloaded」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Organised Chaos|オーガナイズド・ケイオス

オリジナルアルバム – 6作目 (2001年)

前作と同様に、デスラッシュというカテゴリーの枠に収めることが可能なスタイルです。

ただし、80年代のスラッシュメタル・サウンドを独自にブラッシュアップした前作とは異なり、北欧メロデスをルーツとするネオ・スラッシュ/モダン・デスラッシュに近い感触も感じられすサウンドで、前作よりはややデスメタリックな仕上がりとなっています。

相変わらずケレン味が無くキメ曲に乏しい弱点は否定できませんが、適度なダウンテンポやハードコアなロッキン・テイストなど、彼らならではのセンスで類型的サウンドとは一線を画すことに成功していますし。
なにより、緩急のついた巧みな楽曲が並び、最後まで勢いを失うことの無い、心地よいアルバムに仕上がっています。

|ブルタル度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤 通好み スルメ盤 実験作

「Grind Bastard / Organised Chaos - Reloaded」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Killing Music|キリング・ミュージック

オリジナルアルバム – 7作目 (2008年)

前作と比較するとデスメタル色はやや薄れて、さらにハードコア・テイストを増しており、クラストやDビート(ディスコア)のエッセンスが前面に出るようになりました。

ケレン味の無さは相変わらずではあるものの、メタル的構築美を感じさせる楽曲はよく練られており、“Grind Bastard(5th)”あたりと同レベルの、キャッチーなフックを持ち合わせています。

ある意味では、「初期のBENEDICTIONをブラッシュアップさせたら、こうなってしかるべき」…といったサウンドで、周辺からのインプットはありながらも、当世風の主流に安易にスリ寄ったような印象はありません。

デスメタルもスラッシュメタルも、もはやスタイルが出尽くしたと言ってよい状況の現在において、地道ながらも類型化が進んだサウンドとは一線を引こうと足掻いている様子がうかがえ、英国流の頑固さを感じさせてくれます。

|ブルタル度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★★★
|ハーコー度:★★★★☆
|ドゥーム度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作
デスメタル / ブラックメタル¥1,681Benediction
iTunes Store

Scriptures|スクリプチャーズ

オリジナルアルバム – 8作目 (2020年)

次ページはライターが選ぶBENEDICTIONのおすすめアルバムを紹介!!▼リンクはページ下!▼

BENEDICTIONはコレを聴け!! ライターおすすめアルバム!

スラッシュ/ハードコア色の強めなサウンドで知られるBENEDICTIONですが、オールドスクールなデスメタルを展開した初期と、本格的にモダンスラッシュ/ネオスラッシュに移行した中期以降では、作風も大きく異なり、オススメすべきリスナーも異なってきます。

初期のオールドスクール・デス時代ならば、ハードコア色が強めのオーソドックスなブリティッシュ・デスメタルの、『The Grand Leveller|(2nd)』か、よりオーソドックスデスメタルに接近して完成度はピカイチの、『Transcend the Rubicon(3rd)』が入り口には最適。

中期以降のモダンスラッシュ路線ならば、スラッシュ・リバイバルにも先駆けたモダン・スラッシュの原点のひとつ『Grind Bastard(5th)』か、初期の作風をブラッシュアップしたような、ハードコア色強めの『Killing Music(7th)』が、完成度も高くオススメ。

それ以外では、ミッドテンポ主体のグルーヴィな作風がイケる口なら、一般的な評価は低めですが、『The Dreams You Dread(4th)』も隠れた逸品としてオススメです。

また、アングラな匂いとグズグズのB級テイストが大好物という、特殊系マニアを自認するなら、『Subconscious Terror(1st)』は外せないでしょう。

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