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★ DIZZY MIZZ LIZZY(ディジー・ミズ・リジー) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?| ポップネスとヘヴィネスが絡み合う!デンマークが生んだ90年代レトロ・モダン・ハードロックの奇跡!!…必聴アルバムは?

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混迷を極めた90年代ヘヴィ/ハードシーンに、デンマークから彗星の如く現れて消え去ったた奇跡のハードポップロック・バンドは、20年を経てヘヴィなヴィンテージ・ドゥーム・ポップとして蘇る!!

DIZZY MIZZ LIZZYのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

DIZZY MIZZ LIZZY(ディジー・ミズ・リジー)は、デンマークを拠点とするロック・バンド。

奇跡の名盤を生んだ不動のパワートリオ!?

ギター兼ヴォーカルのティム・クリステンセンを中心に、マーティン・ニールセン(Ba.)、ソレン・フリス(Dr.)で構成されたパワートリオ(3ピースバンド)です。

当時、オルタナティヴ・ロック世代の若手バンドならではのセンスによる、新人離れした完成度のハードロックを展開して、日本のメタルファンにも一大センセーションを巻き起こしました。

全キャリア中で2度ほど解散していますが、2度目の再結成後は現在に至るまで活動を続けています。

デンマークが生んだ奇跡のブライテスト・ホープ!?

ダーク・ヘヴィメタルのKING DIAMOND(キング・ダイアモンド)やサイコビリーのNEKROMANTIX(ネクロマンティクス)、そして、その他もろもろのブラックメタル、といった、ときおり登場するインパクトの強いキワモノ的バンドの印象が強いデンマーク。

その中でDIZZY MIZZ LIZZYは、ヘヴィメタル/ハードロックのフィールドで語られているバンドとしては、最もポピュラーな音楽性と知名度を持ったグループです。

母国デンマークやその周辺国では幅広い層から熱心な支持を得ているのに加え、日本でもブレイクを果たしています。
ただし、日本においてのそれは、メタルメディアが率先してマーケティングをかけた結果が主であり、一般性のある音楽性と高いクオリティに反して、メタルファン以外の一般層への広がりは見られません。

DIZZY MIZZ LIZZYの音楽性は!?

DIZZY MIZZ LIZZYは、90年代前半にメインストリームのロックシーンを席巻したグランジやブリットポップに加え、北欧ポップなどをバックグラウンドにもっています。

グランジやブリットポップと同様の、クラシック・ロック/ハード・ロック・リバイバルのメソッドを用いながら、同時代的なセンスで処理することで生まれた、ヴィンテージ感覚とモダンなセンスを持ったレトロ・モダンなスタイルが特徴です。

初期は、BEATLES(ビートルズ)を引き合いに出されることもあるポップなメロディと、適度なヘヴィネスが同居したハードなポップロック・サウンドを展開していましたが、近年ではドゥーム/ストーナーに近いテイストも交えた、リフワーク主体のスタイルへと移行しています。

衝撃のデビューから解散〜再結成!!

1994年に衝撃のデビューを果たしたDIZZY MIZZ LIZZYは、その新人離れした音楽性で、ブライテスト・ホープとして期待を集めます。
英米進出こそ叶わなかったものの、デンマーク本国とその周辺国そして日本で圧倒的な支持を持って迎えられ、一躍人気バンドへとのし上がりました。

しかし、バンドの中核であるクリステンセンと残るメンバー2名の間に溝が生まれたことから、2枚のアルバムを残して1998年には惜しまれつつも解散。クリステンセンはソロでの活動へと移行します。

しかし2009年から約1年間のリユニオン活動を経たのち、2014年には本格的な再結成を果たします。その後は新作アルバムもリリースしつつ現在も活動を続けています。

次ページはDIZZY MIZZ LIZZYのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

DIZZY MIZZ LIZZY|DISCOGRAPHY

Dizzy Mizz Lizzy|ディジー・ミズ・リジー

オリジナルアルバム – 1作目 (1994年)

DIZZY MIZZ LIZZYの名を知らしめた、このデビューアルバムで聴けるのは、同時代の英米のメインストリームロック、グランジとブリットポップにも通じる60〜70年代ロックの再構築サウンドに、北欧のポップミュージックの要素をも加えたような、キャッチーで適度にヘヴィなポップロック。

実のところ、これは、当時のメタルファンが嫌悪する、90年代トレンドが大きく反映されたサウンドです。

しかし、業界の重鎮やメディアの大プッシュと、何より超名曲T-05“Glory”の存在がメタル/ハードロック・クラスタに衝撃を与えハートをわしづかみ、その琴線を激しく弾きまくったことから、デンマークの…そしてオルタナ・バンドとしては異例の大ヒットとなりました。

他の曲もおしなべて高い完成度を持っており捨て曲なし。どこを切ってもフックに引っかかるという、一部のスキも無いアルバムで、手放しの大絶賛を受けたのも納得の名盤です。
しかし、これだけの傑作を生み出した結果の反動として、“名盤の呪い”ともいえる代償とも今後付き合っていくことになります。

|ポップネス:★★★★★
|レトロ度:★★★☆☆
|メロディ:★★★★★
|オルタナ度:★★★★☆
|メタル度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Rotator|ローテイター

オリジナルアルバム – 2作目 (1996年)

デビューアルバムに衝撃を受けたリスナーの期待を一身に集めた本作も、音楽性は前作とほぼ同路線で、よく練られて適度なツイストも効いた曲がつまった、上質なポップロック・アルバムではあります。

前作ほどの作品を出した後でも、しぼりカスにならずに、これだけの作品をドロップできたことは評価すべきですし、前作に匹敵するセールスをあげたことからも期待のほどがうかがえます。

実際、それなりに人気もあるアルバムなのですが、さすがに前作を耳にした後では“一枚落ち”の印象は拭えません。

全体的にややフックが弱めなため“要聴き込み”なスルメ系アルバムになっていますし、何よりガッツリと聴き手をつかむ名曲“Glory”に匹敵するキラーチューンをの不在から、作風に大きな変化は無いにもかかわらず、インパクトを欠いて全体の印象を弱めています。

|ポップネス:★★★★☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|メロディ:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|メタル度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤

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Forward in Reverse|フォワード・イン・リヴァース

オリジナルアルバム – 3作目 (2016年)

20年越しとなったファン待望の復帰作は、過去のイメージを払拭する意欲作として、やや評価が分かれる作風となりました。

クリステンセンの得意とするメロディを武器にしていることは、変わりはありませんが、ヘヴィ/ハード志向なニールセン&フリスの2人のカラーが強く出たのか、かなりヘヴィでメタリックなサウンドへと変化を遂げています。
インストのT-01やT-09などのような、CATHEDRALやKYUSSの存在が頭をよぎる、ヴィンテージ・テイストのドゥームメタル/ストーナーロックそのものといった曲も見られます。

叙情的な歌メロに惚れ込んでいたファンに不評気味ですが、ソロ作も含む1st以来の展開を見る限りでは、クリステンセンのメロディセンスはスリ減ってきており、もはや、それだけで1stの牙城に迫ることは難しくなっています。

それを考えれば、歌メロを贅沢に使った作風から、リフワークや曲展開の妙で聴かせる作風に移行したのは正解でしょう。
結果的に、十分歌メロに対抗しうる存在感を持つヘヴィリフとのコントラストと、プログレ的な凝った曲展開とのケミストリーで、絶品とは呼べない少ないメロディをより効果的に輝かせる、いわば“省メロ”の手法に開眼しています。

|ポップネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★★☆☆
|メロディ:★★★☆☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|メタル度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

Alter Echo|オルター・エコー

オリジナルアルバム – 4作目 (2020年)

復帰作で見せた、ドゥーム/ストーナー的ヘヴィネスの効いたメタリック・リフ主体の曲に、クリステンセンの歌メロが絡むスタイルについては変化はありません。

しかし、ストレートなドゥーム/ストーナー・テイストはやや薄まっており、結果的に、曲によってはニューメタル系のポストグランジに近づいたようにも感じられます。
その一方で、時にはプログレテイストを感じさせる展開も、本作でより一層強まった印象があります。

メロディについては、やや手クセ感は否めないものの前作に増して主張しており、ヘヴィサウンドとの絡みも良くなったことで、その相乗効果でさらなる魅力が生まれています。

T-06からT-10まではワンテーマでの連作となっていますが、組曲系の長編ではなく完全に独立した異なる作風の楽曲が並んだだもので、曲単位でも違和感なく楽しめます。

初期からは作風こそ変わったものの、1stに挑めるだけのポテンシャルは感じられる力作で、オールドファンにとっては前作よりもなじみやすい仕上がりと言えるかもしれません。

|ポップネス:★★★★☆
|レトロ度:★★★☆☆
|メロディ:★★★★☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|メタル度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 入門盤 賛否両論

Live In Japan|ライヴ・イン・ジャパン

ライヴアルバム (1995年)

次ページはDIZZY MIZZ LIZZY関連プロジェクトのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

TIM CHRISTENSEN|ティム・クリステンセン|DISCOGRAPHY

DIZZY MIZZ LIZZYの中心人物、ギター兼ヴォーカルのティム・クリステンセンによるソロプロジェクト。
ニールセンとフリスという他のふたりのメンバーは、ここには関わっていません。

ニールセンとフリスが、ヘヴィ&ハードなサウンドを志向する一方で、クリステンセンはBEATLESなどをルーツにしたポップでメロディアスな作風を好み、DIZZY MIZZ LIZZYではそれが組み合わさったサウンドを聴かせていました。

このクリステンセンのソロ作では、その繊細なメロディと歌唱を最大限に押し出した作風となり、弾き語りを前提としたようなアコースティック色の強い楽曲が主体です。

そのため、バンド体制のプロジェクトというよりは、SSW(シンガー・ソングライター)アルバムに近いスタイルとなっています。

Secrets On Parade|シークレッツ・オン・パレード

オリジナルアルバム – 1作目 (2000年)

ここでは、ヘヴィな傾向の曲や比較的凝ったアレンジの曲も見られるものの、アコースティック系のシンプルでおとなし目な楽曲が大半を占めています。

上質なポップロック・アルバムとではありますが、あくまでもスルメ系の地味目な作風なので、DIZZY MIZZ LIZZY未聴のリスナーが、それに優先してまで聴くべき作品とは言えません。

どちらかというと、DIZZY MIZZ LIZZYを全作押さえた上でのクリステンセンの熱心なファンか、しっとり系の弾き語りが大好物の人向けの作風でしょう。

|ポップネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|メロディ:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|メタル度:☆☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 通好み スルメ盤

Honeyburst|ハニーバースト

オリジナルアルバム – 2作目 (2003年)

前作にも増して、アコースティック色が強まっていますが、ヘヴィなメタル・ギターをフィーチャーした曲なも見られるなど、比較的多様性のある作風といえます。…が、基本的には前作と同じく熱心なファンか、全てのDIZZY MIZZ LIZZY関連作品を押さえておきたいマニア向けの1枚です。

ハード/ヘヴィロックファン以外のリスナーよりは、むしろ、弾き語りSSW(シンガー・ソングライター)系を嗜むリスナーの方が楽しめると思われますが、なかなかそれらの耳には届きにくいジレンマもあります。T-05は良曲。

|ポップネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|メロディ:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|メタル度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

代表作 入門盤 賛否両論 通好み スルメ盤

Superior|スーペリア

オリジナルアルバム – 3作目 (2008年)

さらにアコースティカルになった作品で、水準以上ではあるものの突出した曲が少ない上に、変化に乏しくメリハリに欠けるため、SSW系がOKなリスナーにとってもさすがに辛い仕上がりです。

T-06は名曲で、このレベルの曲がもう数曲あって、作風がもっと多彩であれば印象が大きく変わったと思われますが、さすがに現状のままでは、これまで以上に熱心なファン以外にはおススメしづらいアルバムです。

|ポップネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|メロディ:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★☆☆
|メタル度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 通好み スルメ盤

TIM CHRISTENSEN and THE DAMN CRYSTALS |ティム・クリステンセン & ダムン・クリスタル|DISCOGRAPHY

基本的には、ティム・クリステンセンのソロと考えていいプロジェクトですが、ここでは、バックバンドであるTHE DAMN CRYSTALSのメンバーも、本格的にソング・ライティングに関わっています。

そういった内情から、通常のクリステンセンのソロと比較すると、音楽性の幅は大きく広がっており、いつもの歌メロ頼りの楽曲だけでなく、バンドサウンド主体の楽曲も聴けくことができます。

Tim Christensen And The Damn Crystals|ティム・クリステンセン アンド ダムン・クリスタルズ

オリジナルアルバム – 1作目 (2012)

|ポップネス:★★★☆☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|メロディ:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|メタル度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 実験作

Pure McCartney|ピュア・マッカートニー

ライヴアルバム (2013)

TIM CHRISTENSEN and MADS LANGER|ティム・クリステンセン &マッズ・ランガー|DISCOGRAPHY

デンマークのSSW(シンガー・ソングライター)マッズ・ランンガーとクリステンセンによるユニット。

クリステンセンのソロと同様に、歌とメロディを主軸に据えた、アコースティック寄りの上質なサウンドを展開しており、DIZZY MIZZ LIZZYのセルフカバーを含んだミニアルバム1枚を残しています。(2021年現在)

このミニアルバムは、カバー曲以外は2人による共作によるもので、両者のセンスが拮抗したことによって、通常のクリステンセン主体のソロ作品とは異なる印象を与える、新鮮味が感じられるる仕上がりを見せています。

メロディと歌だけで聞かせるには、クリステンセンのセンスに疲弊が見られる以上、こういったケミストリーは歓迎すべきで、DIZZY MIZZ LIZZYの再結成についても、それが一因とも考えられます。

Side Effects|サイド・エフェクツ

ミニアルバム:EP (2014年)

|ポップネス:★★★★☆
|レトロ度:★★☆☆☆
|メロディ:★★★★☆
|オルタナ度:★★★★☆
|メタル度:☆☆☆☆☆
|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 入門盤 スルメ盤 実験作
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