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★ PESTILENCE(ペスティレンス) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|ジャズ・メタル/メタリック・フュージョンの黎明期を支えたダッチ・デス・シーンのテクニカルなベテランバンド!!…必聴アルバムは?

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Contents

  1. ユーロ・デスの第三勢力オランダのオールド・スクールなデスメタルから、ジャズ/フュージョン・アプローチのテクニカルなサウンドを極めた“ダッチ・テック・デス”のパイオニア!!
        1. PESTILENCEはダッチ・デスの老舗!?
        2. オールドスクールとテクニカルの間を行き来する!?
        3. テクニカル・デスメタルとしてのPESTILENCE!!
        4. PESTILENCEの不安定なメンバー編成!!
        5. テクニカル・デス再評価と2度の解散〜再結成!!
  • PESTILENCE|DISCOGRAPHY
    1. Malleus Maleficarum|マレウス・マレフィマルム
    2. Consuming Impulse|コンシューミング・インパルス
    3. Testimony of the Ancients|テスティモニー・オヴ・ジ・エインシェンツ ~古人の証言~
    4. Spheres|スフィアーズ ~存在の証明~
    5. Chronicles of the Scovrge|クロニクルズ・オブ・ザ・スカヴァージ
    6. Resurrection Macabre|リザレクション・マカブレ
    7. Doctrine|ドクトリン
    8. Obsideo|オブシディオ
    9. The Dysentery Penance|ザ・ディセンテリィ・ペナンス
    10. Presence of the Past|プレゼンス・オブ・ザ・パスト
    11. Reflections of the Mind|リフレクションズ・オブ・ザ・マインド
    12. Presence of the Pest (Live at Dynamo Open Air 1992)|プレゼンス・オブ・ザ・パスト:ライヴ・アット・ダイナモ・オープン・エアー1992
    13. Hadeon|ハデオン
    14. Twisted Truth|トゥイステッド・トルース
    15. The Roadrunner Albums|ザ・ロードランナー・アルバム
    16. Exitivm|エクシティヴィエム
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  • ユーロ・デスの第三勢力オランダのオールド・スクールなデスメタルから、ジャズ/フュージョン・アプローチのテクニカルなサウンドを極めた“ダッチ・テック・デス”のパイオニア!!

    PESTILENCEのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

    PESTILENCE(ペスティレンス)は、オランダ出身のデスメタル・バンド。

    PESTILENCEはダッチ・デスの老舗!?

    最初期のデスメタル・ムーヴメントの最中、オランダのデスメタル(ダッチ・デスメタル)シーンは、イギリスとスウェーデンに続くヨーロピアン・デスメタルの第三勢力として、ドイツやフランスといった国のシーンとしのぎを削っていました。

    その時代のダッチ・デスメタルのシーンにおいては、80年代より活動を続けていたPESTILENCEは古参にあたるグループのひとつと見なされており、スラッシュメタルとデスメタルをつなぐ『プロト・デスメタル』のひとつにも数えられています。

    オールドスクールとテクニカルの間を行き来する!?

    PESTILENCEのサウンドは、オールドスクールならではの、スラッシュメタルの延長上にあるオーソドックスなデスメタルと、プログレ・メタルとしても扱われることのあるテクニカル・デスメタルの、二通りのスタイルを基調としています。

    当初のPESTILENCEは、オーソドックスなブルータル・デスメタル・サウンドを特徴としたサウンドを展開していました。

    しかし、90年代突入とともにオールドスクール・デスメタルのムーヴメントが収束を見せ、多くのバンドが次の『ポスト・デスメタル』展開を模索していく中、PESTILENCEはテクニカルなアプローチをネクスト・ステップに選んで力を入れるようになります。

    その後は、そのふたつのスタイルを軸としており、アルバムによってその間を行き来したり、比重のバランスが変更することで変化を試みるようになります。

    テクニカル・デスメタルとしてのPESTILENCE!!

    PESTILENCEのテクニカル・デスメタルのアプローチは、USテクニカル・デスのレジェンドである、〈DEATH(デス)〉,〈CYNIC(シニック)〉,〈ATHEIST(エイシスト)〉が比較対象にとして挙げられますが、そもそも、PESTILENCEのテクニカル路線への転身自体が、それらのグループのアプローチに呼応したアクションという面が強いものでした。

    最終的には、〈CYNIC〉や〈ATHEIST〉にも通じる、ジャズの要素を取り入れたテクニカルなデスメタルへと到達し、それらのバンドと並んで、『ジャジー・デスメタル』や『メタリック・フュージョン』のパイオニア的存在と見なされるようになります。

    ただし、そのスタイルが広く注目を集めるには、〈MESHUGGAH〉のブレイクやロックシーンでのジャズ再評価なとが進む00年代を待たねばなりません。
    そのため、リアルタイムでは一部の通好みなリスナーに支持されるにとどまっており、多くの初期デスメタルバンドと同様に、そのムーヴメント収束に伴って90年代半ばには解散を迎えることとなります。

    PESTILENCEの不安定なメンバー編成!!

    PESTILENCEは、メンバーの入れ替えが激しいグループで、中心人物パトリック・マメリ(Gt.+Vo.)以外は頻繁に入れ替えが行われています。

    特にベーシストは、比較的メンバーが安定していた90年代でさえもパーマネントなメンバーがおらず、〈CYNIC〉や〈ATHEIST〉に在籍してテクニカル/プログレ路線の成功に貢献したトニー・チョイや、後にドイツの新世代バンド〈OBSCURA〉に参加するヨルン・パウル・テセリンらが、サポートで参加していました。

    またヴォーカルも、デビュー後の初期2作においては、〈ASPHYX〉のマーティン・ヴァン・ドルネンがつとめていました。

    テクニカル・デス再評価と2度の解散〜再結成!!

    1994年には解散状態へと突入したPESTILENCEでしたが2008年にはパトリック・マメリを中心に、2番目に長い在籍期間を持つパトリック・ウターヴィクや、 手練の誰サポート・メンバーのトニー・チョイらを迎えて再結成。
    これは、エクストリーム・メタル界隈におけるジャズメタル/メタリック・フュージョンの普及に加え、オールドスクール・デスメタルのリヴァイヴァルなどの動きも影響しています。

    度重なるメンバーチェンジを繰り返しつつも積極的なアルバムリリースを続けていましたが、2014年再度の解散状態を迎えることになります。
    しかし、2016年には早くも2度目の再結成が実現し、新作アルバムもリリースして現在も活動は継続されています。

    次ページはPESTILENCEのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

    PESTILENCE|DISCOGRAPHY

    Malleus Maleficarum|マレウス・マレフィマルム

    オリジナルアルバム – 1作目 (1988年)

    スラッシュ・メタルのの特徴を色濃く残した、プレ・デスメタル/アーリー・デスメタル時代ならではの、まさにデスメタルのプロトタイプと呼ぶべきサウンド。

    〈SLAYER〉や〈KREATOR〉といった先人達からの影響も端々に感じられ、とりたてて際立った出来栄えとはいえませんが、デスメタルがスラッシュメタルから派生したものであり、エクストリームなスラッシュメタルとオールドスクールなデスメタルが紙一重、…ということを理解するにはよいサンプルです。

    |王道デス度:★★★★☆
    |プログレ度:★☆☆☆☆
    |独自性:★★☆☆☆
    |テクニカル度:★★☆☆☆
    ||マニア度:★★★★☆
    |総合評価:★★★☆☆

    通好み スルメ盤 実験作

    「Malleus Maleficarum」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

    Consuming Impulse|コンシューミング・インパルス

    オリジナルアルバム – 2作目 (1989年)

    80年代後半のデスメタル黎明期の、ダッチ・デスメタル/ヨーロピアン・デスメタルを代表し得る立ち位置の1枚。

    オーソドックスなオールドスクール・デスメタルそのもの…といったサウンドで、ここでのヴォーカル・スタイルや軽いテクニカル志向には、同時期のチャック・シュルディナーの〈DEATH〉を思わせる部分もあり、今後の展開の前触れとも感じさせます。

    際立った個性は見られないものの、適度な緩急を持った楽曲のクオリティ自体は上々で、中でもT-06は名曲といえる出来栄えです。

    後にテクニカル路線へと舵を切った時期の、PESTILENCEの実験的サウンドを快く思わない、保守的な原理主義リスナーからは「これぞ最高傑作」との呼び声も高く、ブルータルなデスメタル/デスラッシュ路線としての代表作と言えます。

    |王道デス度:★★★★★
    |プログレ度:★☆☆☆☆
    |独自性:★★☆☆☆
    |テクニカル度:★★★☆☆
    |マニア度:★★★☆
    |総合評価:★★★★★

    代表作 入門盤

    「Consuming Impulse (Re-Issue)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

    Testimony of the Ancients|テスティモニー・オヴ・ジ・エインシェンツ ~古人の証言~

    オリジナルアルバム – 3作目 (1991年)

    〈CYNIC〉や〈ATHEIST〉での活躍で知られるトニー・チョイを迎えて、本格テクニカル路線への一歩を踏み出した、ターニングポイントにあたるアルバム。

    とはいえ、テクニカル・デスメタルというラベルから想像される、複雑で目まぐるしい曲展開や予測のつかない変則的な構成…いわゆる“プログレ”的なエッセンスはそれほど濃厚なわけではありません。
    あくまでも、オールドスクールでストレートなデスメタルの枠内であることを前提として、副食的に変則的なアイデアや小技を盛り込んでいくスタイルですが、欧州勢のその手のアルバムとしては上位に来る1枚と言えるでしょう。

    本作は、通常のデスメタル・ナンバーの間に、インストの小曲が交互に挟まれる構成となっていますが、このインストも単なるつなぎに終わらずひとつの聴きどころにもなっているので、ここは、曲単位ではなくアルバム・オリエンテッドな作品と捉えたいところです。

    |王道デス度:★★★★★
    |プログレ度:★★★☆☆
    |独自性:★★★☆☆
    |テクニカル度:★★★★☆
    ||マニア度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★★★

    殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

    「Testimony of the Ancients (Re-Issue)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

    Spheres|スフィアーズ ~存在の証明~

    オリジナルアルバム – 4作目 (1993年)

    前作のトニー・チョイから、現在は〈OBSCURA〉の主要メンバーとして知られるヨルン・パウル・テセリンへと、ベーシストの交代が行なわれた本作ですが、「ジャズ・メタル/メタリック・フュージョンとも呼び得るプログレ・デス」…といった作風は、そのパイオニアという意味でもクオリティにおいても、同時期の〈CYNIC〉や〈ATHEIST〉にも匹敵する出来栄えで、同様のスタイルの代表格として共に並び称されています。

    音楽性においてはフロリダ勢との共通要素も多々あるものの、地域性や文化背景が影響した音楽的な傾向か、それらと比較すると陰鬱でヒネくれた変態性が際立つサウンドになっています。
    ストレートなオールドスクール・デスメタルから逸脱したことで、オールドファンからの評価は割れがちですが、それでも〈CYNIC〉や〈ATHEIST〉と比較するとデスメタル・テイストは強めです。

    いずれにせよ、本格的なテクニカル・デスとしては前作と並び、PESTILENCEのアルバムとしても最高峰に位置する本作は、『ジャズメタル/メタリック・フュージョン』系を深掘りするならば、聴き逃すわけにはいかない重要作です。

    |王道デス度:★★★☆☆
    |プログレ度:★★★★☆
    |独自性:★★★★☆
    |テクニカル度:★★★★☆
    |マニア度:★★★☆☆
    |総合評価:★★★★★+

    殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作

    「Spheres (Re-Issue)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

    Chronicles of the Scovrge|クロニクルズ・オブ・ザ・スカヴァージ

    ライヴアルバム (2006年)

    Resurrection Macabre|リザレクション・マカブレ

    オリジナルアルバム – 5作目 (2009年)

    テクニカル路線の功労者、トニー・チョイを再び迎えての復活第1弾。

    本作では、前作『Spheres(4th)』での、ジャズ・デメスタル/メタリック・フュージョン系のアプローチを捨て、『Testimony of the Ancients(3rd)』の頃に近い、オーソドックスなブルータル・テクニカル・デスに落ち着いています。

    及第点には達している作品ではあるのですが、ここにきての復帰作で、現在では新鮮味も特異性も薄まった、普通のストレートなテクニカル・デスを展開するという選択には疑問が残ります。
    このスタイル一筋を愚直に続けてきたというのであればともかく、彼らの場合、前作ですでに完全に新たなステージに到達しているだけに、攻めの姿勢に欠ける印象が否めません。

    一見すると安全パイのようで、実際のところオールド・ファンもプログレ期のファンも唸らせるには至らず、かといって、新規ファンを掴めるようなフックやわかりやすさも無いという、なんとも中庸なだけのアルバムとなっています。

    |王道デス度:★★★★★☆
    |プログレ度:★★☆☆☆
    |独自性:★★☆☆☆
    |テクニカル度:★★★★☆
    |マニア度:★☆☆☆☆
    |総合評価:★★★☆☆

    賛否両論 お布施

    Doctrine|ドクトリン

    オリジナルアルバム – 6作目 (2011年)

    Obsideo|オブシディオ

    オリジナルアルバム – 7作目 (2013年)

    「Obsideo」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

    The Dysentery Penance|ザ・ディセンテリィ・ペナンス

    初期デモ音源・ライヴ (2015年)

    Presence of the Past|プレゼンス・オブ・ザ・パスト

    ライヴアルバム (2015年)

    Reflections of the Mind|リフレクションズ・オブ・ザ・マインド

    リマスターベスト (2016年)

    プロデュースをはじめ、エンジニアリング/マスタリングなどで、耽美/プログレ系エクストリームメタルを多く手掛ける、スウェーデンのミュージシャン、ダン・スウォノの手によるリマスタリングが施された、ベストアルバム。

    Presence of the Pest (Live at Dynamo Open Air 1992)|プレゼンス・オブ・ザ・パスト:ライヴ・アット・ダイナモ・オープン・エアー1992

    ライヴアルバム (2016年)

    Hadeon|ハデオン

    オリジナルアルバム – 8作目 (2018年)

    「Hadeon」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

    Twisted Truth|トゥイステッド・トルース

    コンピレーションアルバム (2018年)

    The Roadrunner Albums|ザ・ロードランナー・アルバム

    コンピレーションアルバム (2020年)

    Exitivm|エクシティヴィエム

    オリジナルアルバム – 9作目 (2021年)

    デスメタル / ブラックメタル¥1,528Pestilence
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