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★ CRYPTOPSY(クリプトプシー) ディスコグラフィー ★ カナディアン・テクニカル・デスメタルの伝統を受け継いたブルータル・サウンドで一世風靡した人気バンド!!…必聴アルバムは?

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一般メタラーを巻き込んだデスメタルのメジャー化の波に乗って頭角を表した、カナディアン・テクニカル・メタルの伝統を受け継ぐ第二世代の激烈ブルータル・テックデス!!

CRYPTOPSYのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

CRYPTOPSY(クリプトプシー)は、カナダ出身のデスメタル・バンド。

CRYPTOPSYはカナディアン・テックデスの代表格!?

CRYPTOPSYは、最先端エクストリームメタルとしてのデスメタル・ムーヴメントが終息を迎え、一般リスナーへの認知度が高まり大衆化の動きが盛んになった、爛熟期の90年代中期に登場したグループ。

カナダでひとつのシーンを形成している、ブルータルなテックデス(テクニカル・デスメタル)・スタイルで知られています。

90年代デスメタル・ムーヴメント収束後のバンド!?

1994年にアルバムデビューを果たしたCRYPTOPSYは、90年代のデスメタル・バンドとしてはかなりデビューの遅い後発グループですが、デビュー以前にも別名義で活動を行っており、その前身バンドも含むならば、キャリアのスタートは80年末期までさかのぼり、初期メンバーの年齢層も高めでした。

NECROSIS名義の前身バンドでは、カセットテープのみの自主制作ながらフルアルバムもリリースしていますが、音楽的にも技術的にもCRYPTOPSY時代とは完全に隔てられた、アマチュアレベルのものです。

カナダ伝統のテクニカル・サウンド!?

カナダは、デスメタル・ムーヴメント全盛期には、それほどデスメタルが盛んな地域ではありませんでしたが、現在では、いわゆるプログレメタルとは一線を画したテクニカル・サウンドを展開する、デスメタルのシーンが存在しています。

これらは、スラッシュメタル・シーンでアート/プログレ的な展開を持ち込んだVOIVODやSACRIFICEなどから、テクニカルなオールドスクール・デスメタルの代表格GORGUTS(ゴーグツ)や、OBLIVEON(オブリヴィオン)などへとつながる、テクニカル路線のエクストリームメタルの流れをくむもので、カナディアン・メタルのひとつの伝統的スタイににもなっています。

カナディアン・テックデスのブーム到来!?

CRYPTOPSYは、やや先行してデビューを果たしていたKATAKLYSMと共に、90年台後半に起こるカナディアン・テクニカル・エクストリームメタルの一大ムーヴメントの、起爆剤となったグループとして知られています。

このCRYPTOPSKATAKLYSMの2バンドが、本格的に各国でブレイクしたことから、GORGUTSを含めたカナディアン・テックデスが注目を集め、REALMS OF PATHOGENIA, QUO VADIS, MARTYといった、新世代のグループも続々登場して台頭してゆきます。

CRYPTOPSYの音楽性は!?

デビュー当初のCRYPTOPSYは、テクニカルな要素はあるものの比較的ストレートな作風で、グラインドコア/ハードコア色の強いデスメタルを実践していました。

しかし、2dnアルバムでは、複雑で変則的な展開を織り込んだ密度の高いテクニカル・デスメタルを展開するようになり、新世代のテクニカル・デスメタル・バンドとして一気に注目を集めます。

そのスタイルは遠くに新規性はなく、過去のテクニカル・デスメタルの定型をなぞったものでしたが、後発バンドならではの利点を生かした“後追いエクストリーム進化”でスピードや手数などの過剰さを増したことにより、さらに高密度で複雑な展開でブルタリティを持った、完成度の高い激烈デスメタル・サウンドへと到達します。

のちに、プログレテイストを増してメロディを強調したり、メタルコアブームを意識してクリーン・ヴォーカル取り入れるなどのアウローチも行って賛否両論を浴び他時期もありましたが、再びテックデス.スタイルへと回帰しています。

CRYPTOPSYは日本で大人気!?

CRYPTOPSYは、ブルータルなデスメタルの中では特に、一般層も含めた日本人気の高いグループで、日本においてはムーヴメント初期から活躍するパイオニア勢以上の人気バンドへと登りつめています。

これは、CDショップのプッシュや一部メディアのゴリ押しもありますが、出世作である2ndアルバムのリリースが、日本におけるデスメタル一般化/大衆化のビッグウェーヴにうまく乗ったことと、テクニカルなスタイルが技巧を最重視する傾向にある日本のメタルファンの嗜好にマッチしたことが大きいと思われます。

これにより、同時期に同じような流れでプッシュを受けていたポーランドのVADERとともに、デスメタルの大衆化が進行した第二次デスメタルブームを象徴するグループとして、デスメタルシーンでもトップクラスの日本人気を確立しました。

オリジナル・メンバー不在のバンドに!?

CRYPTOPSYのは、3作目リリース後のロード・ワームの脱退により、創設からのオリジナルメンバーは一人も存在しない状態になってしまい、それ以降もメンバーの交代が相次ぎます。

現在は、バンドのブレイクにも貢献した最古参メンバーの、フロ・ムーニエを中心として体制で活動を続けています。

フィジカル・アルバムからデジタルEP主体に!?

CRYPTOPSYは、デスコア/メタルコアとのパワーゲームの波をかぶったことや、音楽性の変化による歩兵も影響して、00年代後半からはややヘヴィメタル・クラスタからの人気に陰りが見え始めます。

しかし、マーケティングの嗅覚を発揮して、いち早くフルアルバム単位でのフィジカル・パッケージから、少数曲のEP単位のデジタル配信を主体とした流通に切り替えており、現在に至るまでコンスタントな活動を続けています。

次ページはCRYPTOPSYのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

CRYPTOPSY|DISCOGRAPHY

Blasphemy Made Flesh|ブラスフェミィ・メイド・フレッシュ

オリジナルアルバム – 1作目 (1994年)

ヘヴィミュージック最先端モードとしてのデスメタル・ムーヴメントが沈静化し、オールドスクールなブルータル・デスメタルからメロディック・デスメタル, ドゥームデス, ゴシックデスなどのポスト・デスメタルが台頭していた時期に、生きのいいブルータル・サウンドで登場して注目を集たデビューアルバム。

本作は次作以降とは異なり、ムーニエ特有の変態テクニカルなドラミングは控えめで、ブルータル・デスメタルにグラインドコア・テイストをミックスしたような、比較的プリミティヴな色合いが強い直線的なスタイルを展開しています。

新奇性については皆無というほかないものの、骨太の極上ブルータル・サウンドは非常に爽快感にあふれたクオリティの高いもので、本格テック・デス路線に突入する前の過渡期の1枚ながら、根強い固定ファンがいることもうなずけます。

キャリアを考えればかなりの遅咲きですが、このデビューアルバムで新世代の注目株として盛り上がりを見せたことで、日本においても輸入盤ユーザーを中心としたマニア層中心にちょっとした話題になりました。

|デスメタ度:★★★★★
|ブルタル度:★★★★★
|スピード:★★★★☆
|テクニカル度:★★★☆☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

None So Vile|ノーン・ソー・ヴァイル

オリジナルアルバム – 2作目 (1996年)

前作から打って変わって、カナディアン・エクストリーム・ミュージックのお家芸とも言える、ヒネリとズラしを駆使したテクニカル・サウンドが炸裂した本作は、CRYPTOPSYのスタイルを確執したと同時にひとつのピークを迎えたをバンドのキャリアを代表する名盤。

停滞気味のブルータル・デスの起爆剤としての、メディアやショップの大プッシュもあって、前作とは桁違いの注目を集めたアルバムで、日本でも輸入盤のヒット商品となって、ひと足遅れで日本盤もリリースされるほどになりました。

また、メロデズブームによって一般層のデスメタルへの抵抗が薄れ、ユーザーの裾野が広がっていたタイミングのリリースという幸運も味方して、この全盛期はCANNIBAL CORPSEやOBITUARYなどのビッグネームを超えるほどの人気者になっていました。
リズム隊は変則的で手数が多いものの、この手のテック・デスとしては変態性は薄めで、オーソドックスなメロデスやデスラッシュに近い作風をベースとした起承転結を持った楽曲も見られるといった、ビギナーフレンドリーな聴きやすさも、新規ファンが参入しやすかった要因でしょう。

前作と同様に、革新的とか先鋭的といった表現は、到底似つかわしくないサウンドであることは事実ですし、当時は一部でハナにつくほどの過剰評価ぶりも見られましたが、それでも同様のスタイルの中では、極上クラスに位置するアルバムであることは否定しようがありません。

|デスメタ度:★★★★★
|ブルタル度:★★★★★
|スピード:★★★★★
|テクニカル度:★★★★☆
|モダン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Whisper Supremacy|ウィスパー・スプレマシィ

オリジナルアルバム – 3作目 (1998年)

And Then You’ll Beg|アンド・ゼン・ユール・ベグ

オリジナルアルバム – 4作目 (2000年)

None So Live|ノン・ソー・ライヴ

ライヴアルバム (2003年)

Once Was Not|ワンス・ワズ・ノット

オリジナルアルバム – 5作目 (2005年)

The Unspoken King|ジ・アンスポークン・キング

オリジナルアルバム – 6作目 (2008年)

Cryptopsy|クリプトプシー

オリジナルアルバム – 7作目 (2012年)

The Book of Suffering – Tome I|ザ・ブック・オブ・サフェリング:トゥーム・ワン

ミニアルバム:EP (2015年)

The Book of Suffering – Tome II|ザ・ブック・オブ・サフェリング:トゥーム・トゥ

ミニアルバム:EP (2018年)

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