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★ THE CROWN(ザ・クラウン) ディスコグラフィー ★ メロディック・デスラッシュからハードコアなデス’ン’ロール路線まで…北欧ネオスラッシュをリードするカリスマ!…必聴アルバムは?

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雨後のタケノコ現象が伝統のスウェディッシュ・メタル・シーンで、独自のこだわりが光るサウンドでフラッグシップとしての看板を守り抜いてきた、北欧デスラッシュ/ネオスラッシュの重鎮!!

THE CROWNのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

THE CROWN(ザ・クラウン)はスウェーデンのデスメタル・グループ。

新世代スウェディッシュ・デスの旗手!?

THE CROWNは、スウェーデンのデスメタル・シーンにおいてはややデビューの遅いグループですが、単なる後発バンドではなく、スウェディッシュ・デスメタルシーンに新風を巻き起こした存在とみなされていました。

当初は〈CROWN OF THORNS(クラウン・オブ・ソーンズ)〉名義をで活動しており、2枚のアルバムもリリースしていましたが、先行して同名のアメリカン・ハードロック・バンドが存在したことから、1998年からバンド体制はそのままにTHE CROWNへと改名しています。

なお、現在は〈CROWN OF THORNS〉時代の作品もTHE CROWN名義に改められて流通しています。

THE CROWNの音楽性は!?:概要

THE CROWNは〈CROWN OF THORNS〉時代も含め、何度かの音楽スタイルの更新を行っているほか、アルバムによっては、作品中にいくつかのスタイルが混在するケースもあります。

そのスタイルは、ややメロディアスな『オールドスクール・スウェディッシュ・デスメタル』『メロディック・デスメタル』『デスラッシュ/ネオスラッシュ』『デス’ン’ロール』などが挙げられますが、一般的には『デスラッシュ/ネオスラッシュ』として扱われています。

THE CROWNの音楽性は!?:CROWN OF THORNS時代

〈CROWN OF THORNS〉時代は、ややメロディ重視のオールドスクールなスウェディッシュ・デスメタルとしてスタートしていますが、2ndアルバムにおいては、扇情的なメロディをリフに練り込んだ本格的な『メロディック・デスメタル』やメロディ比重の高い『デスラッシュ』を展開するようになります。

しかし、〈CROWN OF THORNS〉時代はそれほど知名度が高いわけではなく、リスナーもマニアックな層にとどまっていました。

THE CROWNの音楽性は!?:THE CROWNへ改名後

THE CROWNへと改名してからは、『デスラッシュ』を基調として、ロッキンな『デス’ン’ロール』テイストや、適度なメロディを織り込んだ、これまでの総決算的なスタイルともいえるアプローチを追求。

この時期からは、〈CROWN OF THORNS〉時代よりはメロディは抑えめに、デスメタルほどの過剰なエクストリミティに傾きすぎず、スラッシュメタル/ヘヴィメタル本来の心地よい適度な疾走感と快適な突進力を持たせたスタイルが基本となります。

これにより、同時期の〈THE HAUNTED〉と共に、『ネオスラッシュ』とも称されるスウェーデンの次世代型デスラッシュのパイオニアとしてシーンを牽引し、世界的に知名度を高めてゆくことになりました。
さらには、ようやく日本盤デビューも果たしたことにより、日本国内においても人気に火がつきます。

スウェーデンは『ネオスラッシュ』の本場!?

この『ネオスラッシュ』は、オールドスクールな.スラッシュメタルとは全く異なり、オーソドックスな『スウェディッシュ・デスメタル』をアプデートしたもので、デスメタル・ムーヴメントの収束や2000年代のスラッシュ・リバイバル・ブームを背景に脚光を浴びるようになったジャンル。

本来的にスラッシュ/ハードコアの要素が濃厚で、『デスラッシュ』と呼ばれるスタイルが一般化していた、スウェーデンのデスメタル・シーンだからこそ登場し得たものと言えます。

『ネオスラッシュ』シーンにおいては、フラッグシップともいえる存在となっていたTHE CROWNですが、『デス’ン’ロール』特有のロックンロール・テイストや、パンキッシュなハードコア・テイストを強めたことは賛否両論を呼び、ヘヴィメタル的な美意識にこだわる保守的なリスナーからは批判的な評価を受けることになります。

THE CROWNの!?:解散〜再結成

THE CROWNは2004年には解散の道を選び、メンバーは〈ANGEL BLAKE〉〈AVEN AURA〉〈STOLEN POLICECAR〉といったグループで、各々が個別の活動を展開するようになります。

しかし、2008年には早くも再結成することとなり、現在に至るまで比較的コンスタントな活動が続いています。

再結成後の音楽性は、『ロックンロール』『ハードコア』『パンクの』要素は控えめとなり、ヘヴィメタル様式に準じた作風を中心とした『ネオスラッシュ』スタイルでアルバムのリリースを重ねています。

なお、2010年の『Doomsday King(6th)』では、〈AT THE GATES〉のヨナス・ストールハマール(Gt.)とトーマス・リンドバーグ(Vo.)も参加していました。

次ページはTHE CROWNのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

CROWN OF THORNS|DISCOGRAPHY

〈CROWN OF THORNS〉は、〈THE CROWN〉の前身となったグループで、バンド名はキリストの『茨の冠』の意味しています。

バンド名を改めた理由は、少なくとも英国のハードロック・シーンと、米国のニューヨーク・ハードコア・シーンに同名のグループが存在したことから、名義の使用権をめぐるトラブルを回避するためとされています。

この時期は、試行錯誤をしつつバンドの独自性を模索していた時期にあたり、オールドスクールなスウェディッシュ・デスラッシュにメロディック・デスメタル融合させつつも、独自のスタイルの模索する試みを行っていました。

なお、現在は〈CROWN OF THORNS〉時代の作品も、〈THE CROWN〉名義に改められて流通しています。

The Burning|ザ・ブリーディング

オリジナルアルバム – 1作目 (1995年)

CROWN OF THORNSを名乗っていた時代の、真のデビューアルバム。

スラッシュメタルや、その影響の濃いオールドスクールなスウェディッシュ・デスメタルをベースにした、“ネオスラッシュ”のプロトタイプにあたるアルバムのひとつで、すでに注目のジャンルとなっていたメロディック・デスメタルや、グルーヴメタルなどの当時のエクストリーム・メタル最新モードの要素を加え、独自の組み立てた次世代型サウンド。

本作は、オールドスクールなデスメタルに続くスタイルを確立させようとする試行錯誤の段階にあり、スウェディッシュデスメタ特有のB級テイストから完全に逃れてはいませんし、まだ荒削りで楽曲の出来にも波がありますがフックの効いた良質なナンバーも多く、それらの楽曲からはメロディワークやリフワークに非凡なセンスが見て取れます。

|デスメタ度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|スピード:★★★★☆
|メロディ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 賛否両論 実験作
デスメタル / ブラックメタル¥1,528The Crown
iTunes Store

Eternal Death|エターナル・デス

オリジナルアルバム – 2作目 (1997年)

コンセプト自体は前作の延長線上にあるもので、新たなスウェディッシュ・デスラッシュ・サウンドの構築と、メロディック・デスメタルの新たなスタイルの模索を、徹底して追求したといえるアルバム。

しかし、そこには見違えるほどの洗練とクオリティの向上が見られ、楽曲のバリエーションやメロディ導入のメソッドも驚くほど豊富になっています。

メロディック・デスメタル/デスラッシュとしては後発組に属するグループながらも、凡庸なフォロアーが大量発生していた当時のシーンの中では、頭三っつも四つも飛び抜けていた存在であり、本作もパイオニア勢の名作群に匹敵するほどの出来栄えを見せて、聴き手に衝撃を与えました。

今の耳であたらめて聴くと目新しさは薄く、アカ抜けないB級の香りも漂いますが、クオリティや独創性については現在でも同ジャンル界隈では突出したレベルにあり、メロディックデスラッシュの名盤と呼ぶことに一切ためらいはありません。

|デスメタ度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★☆☆
|スピード:★★★★★
|メロディ度:★★★★★
|ロッキン度:★☆☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
デスメタル / ブラックメタル¥1,375The Crown
iTunes Store

THE CROWN|DISCOGRAPHY

Hell Is Here|ヘル・イズ・ヒア

オリジナルアルバム – 1作目[通算3作目] (1998年)

名義を〈THE CROWN〉へと改めてからの、第1弾となるアルバム。

前作ではメロディック・デスメタルとしての様々な作風を試みていましたが、本作からはストロングなデスラッシュ路線に方向性を絞りこまれ、メロディはかなり抑えられ要所で適度に用いるにとどめられています。

かつて『デスラッシュ』と呼ばれたサウンドの多くが、言ってしまえば“スラッシュメタル以上デスメタル未満”でしかなかったのに対し、ここでは“デスメタルと同等のエクストリミティとアグレッションを持ったスラッシュメタル”という、この時代ならではのデスラッシュ=『ネオスラッシュ』の肩書きに恥じない野心的なサウンドを追求しています。

前作からさらに一歩踏み込んで、新たな方向性を追求した意欲作であり、エクストリミティにおいてキャリア中ピークにあるだけでなく、強力なフックが効いて勢いに満ちた完成度の高いデスラッシュが詰まっており、頭から尻尾までほぼアンセムになりうるレベルです。

方向性は変われど、総合的なクオリティにおいては前作に勝るとも劣らずで、これもまた名盤と呼ばれるにふさわしいアルバムと言えるでしょう。

|デスメタ度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★★☆
|スピード:★★★★★
|メロディ度:★★★★☆
|ロッキン度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Deathrace King|デスレース・キング

オリジナルアルバム – 2作目[通算4作目] (2000年)

プロデュースに、メロデス界隈の大家〈フレドリック・ノルドストローム〉を迎えた本作は、THE CROWNがブレイクを果たす契機となった作品で、初めてリアルタイムで日本盤がリリースされたアルバムでもあり、日本においても本作を持って、一気にネオスラッシュの旗手として祭り上げられることになります。

ここでの作風は、端的に前作をブラッシュアップしたものですが、良くも悪くもB級の匂いが漂っていた前作に対して、基本的な作風に変化はないにも関わらず、サウンドは洗練したメジャー感すら感じさせるものとなっています。

また、本作では『デス’ン’ロール』の要素も明確に表面に現れるようになっています。
これはメタラーには賛否が二分されがちなアプローチですが、ここでは絶妙なバランスを維持しており、ホワイトウォッシングされたサウンド以外に拒否感を示す、“保守メタラー”の地雷となる程ではありません。
それどころか、ここでの『デス’ン’ロール』の導入は、前作から聴きやすさが大幅アップして、急速なファン層拡大を達成した大きな要因にもなっています。

しかし、スウェディッシュ・メロディック・デスラッシュとしては、あらゆる面においてシーンの中でも最上位に位置することは間違いなく、様式美上等で特に実験性や新鮮味を求めないリスナーであれば、大満足できるかと思われますし、最も脂ののった時期だけあって“ファースト・クラウン”もオススメの1枚です。

本作は、THE CROWNのターニング・ポイントとなっただけでなく、そのキャリアにおける意義と作品としての完成度の両面から、名実ともに代表作と見なされており、次作『Crowned in Terror』と共にTHE CROWNのクリエイティヴ面において全盛期に位置する銘板です。

なお、本作では、T-10で〈IMPALED NAZARENE〉のミカ・ルッティネン、T-04ではトマス・リンドバーグが、ゲスト・ヴォーカリストとして参加しています。

|デスメタ度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★★☆
|スピード:★★★★★
|メロディ度:★★☆☆☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

Crowned in Terror|クラウンド・イン・テラー

オリジナルアルバム – 3作目[通算5作目] (2002年)

〈CROWN OF THORNS〉時代から、アルバムごとに新機軸を取り入れつつ、突進力にあふれたサウンドと、美麗でエモーショナルなメロディを同居させたデスラッシュサウンドを追求し、立て続けに名盤の称号に相応しい作品をリリースしてきたTHE CROWNですが、今回もそれらに匹敵しうる上質なアルバムをドロップしてきました。

アルバムごとにやや方向性を変えて、新機軸を押し出してきた前作までと比較すると、過去に試みた要素の切り張りに終始している本作はやや型にはまった感もあり、ネオスラッシュのある種の類型的スタイルに落ち着きつつある印象を強めてます。

しかし、スウェディッシュ・メロディック・デスラッシュとしては、あらゆる面においてシーンの中でも最上位に位置することは間違いなく、様式美上等で特に実験性や新鮮味を求めないリスナーであれば、大満足できるかと思われますし、最も脂の乗った時期だけあって、いつかはクラウンを聴いてみたいと考えているビギナーの“ファースト・クラウン”も最適な1枚です。

|デスメタ度:★★★★☆
|スラッシュ度:★★★★☆
|スピード:★★★★☆
|メロディ度:★★★☆☆
|ロッキン度:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

代表作 入門盤 賛否両論

Possessed 13|ポゼスド13

オリジナルアルバム – 4作目[通算6作目] (2003年)

Crowned Unholy|クラウンド・アンホリィ

オリジナルアルバム – 5作目[通算7作目] (2004年)

Doomsday King|ドゥームズデイ・キング

オリジナルアルバム – 6作目[通算8作目] (2010年)

Headhunter|ヘッドハンター

シングル (2014年)ナパームデスカバー

Death Is Not Dead|デス・イズ・ノット・デッド

オリジナルアルバム – 7作目[通算9作目] (2015年)

Cobra Speed Venom|コブラ・スピード・ヴェノム

オリジナルアルバム – 8作目[通算10作目] (2018年)

Zombiefied!|ゾンビファインド!

EP (2018年)

Royal Destroyer|ロイヤル・デストロイヤー

オリジナルアルバム – 9作目[通算11作目] (2021年)

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