Contents
- 1デスメタルムーヴメント黎明期のヨーロピアンデスメタルシーンを代表するグループの中でも、突出した完成度と優れた作曲センスでシーンの最先端を走り続けていたオールドスクールの名バンド!!
- 1.1MASSACRA|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Final Holocaust|ファイナル・ホロコースト
- 1.1.2Enjoy the Violence|エンジョイ・ザ・ヴァイオレンス
- 1.1.3Signs of the Decline|シングス・オブ・ザ・ディクライン
- 1.1.4Sick|シック
- 1.1.5Humanize Human|ヒューマナイズ・ヒューマン
- 1.1.6Apocalyptic Warriors Pt. 1|アポカリプティック・ウォリアー・パート1
- 1.1.7Day of the Massacra|デイ・オブ・マサクラ
デスメタルムーヴメント黎明期のヨーロピアンデスメタルシーンを代表するグループの中でも、突出した完成度と優れた作曲センスでシーンの最先端を走り続けていたオールドスクールの名バンド!!
MASSACRA(マサクラ)は、デスメタルムーヴメントの黎明期にアメリカ, イギリス, スウェーデンのデスメタル三大勢力に次ぐ位置にある、第四勢力のひとつとして注目を集めていたフランスを代表するデスメタルバンド。
ちなみに、USフロリダンデスメタルシーンの老舗バンドMASSACRE(マサカー)と混同がちですが、綴りも発音も微妙に異なります(末尾が“A”か“E”か、意味合いは同じ)。
デスメタルムーヴメントの初期のオールドスクールなデスメタルバンドに多い、スラッシュメタルに根ざしてそこからデスメタルサウンドへと移行していったことが見て取れる音楽性で、そのスタイルは“デスラッシュ”と表現されることもありますが、これは現在のネオスラッシュ/スラッシュリバンバル系デスラッシュとは全く異なる文脈にあるものです。
MASSACRAはストレートな突進型ながらセンスにあふれたサウンドでリスナーの支持を得ていましたが、、デスメタルムーヴメント黎明期を彩ったバンドによく見られる傾向に該当しており、世間的なデスメタルブームが起こってデスメタルの大衆化する以前に、すでにデスメタルバンドとして一つのピークを迎えていました。
そのため90年代半ばには多くの先鋭的なデスメタルバンドと同様新たなステップを模索することとなり、その選択肢としては日確定一般的だった、ENTOMBED(エントゥームド)らが実践していた『グルーヴメタル』系のヘヴィグルーヴやヘヴィネス、よりロック的なダイナミックなサウンドを導入した、速さだけに頼らないスタイルを試みるようになります。
このスタイルの中でも彼らのセンスが発揮され、他のグルーヴデスラッシュとは比較にならないクオリティをも持つ個性にあふれた作品をドロップします。
常に高品質で独創駅な作品をリリースし続けたにもかかわらず、市場規模の問題やシーンの移り変わりもあって失速気味となり、残念ながら2007年には活動を終えてしまい,
その後のオールドスクールデスメタルのリバイバルブームの時期には、既発曲の変種盤はリリースされたものの再結成には至っていません。
MASSACRA|DISCOGRAPHY
Final Holocaust|ファイナル・ホロコースト
オリジナルアルバム – 1作目 (1990年)
いかにもオールドスクール世代らしい、ストレートでオーソドックスなスラッシュ系デスメタル。やや荒さが目立ち楽曲の練り込みが甘くシェイプが足りない面は否めませんが、緩急のつけ方などはなかなかに絶妙で彼らのセンスの良さはこの頃から見て取れます。次
作以降と比較すると一枚落ちますが、細かいところを気にしなければ爽快な突進型デスラッシュを味わえます。
|スラッシュ度:★★★★☆
|ファスト度:★★★★☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|独自性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★
代表作 入門盤
Enjoy the Violence|エンジョイ・ザ・ヴァイオレンス
オリジナルアルバム – 2作目 (1991年)
彼らのクリエイティヴセンスが本格的に発揮され、疾走感, ヘヴィネス, 構成力, リフワーク等々…あらゆる面で前作とは比較にならないほど大きく成長を見せたています。
彼らの初期のピークに位置する代表作であるだけでなく、オールドスクールなデスメタルとしては最高峰に位置するアルバムのひとつであることは間違いありません。オールドスクールかくあるべきという手本のような1枚です。
|スラッシュ度:★★★★☆
|ファスト度:★★★★★
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|独自性:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤
Signs of the Decline|シングス・オブ・ザ・ディクライン
オリジナルアルバム – 3作目 (1992年)
疾走感にあふれるファストナンバー主体の作風としては前作でひとつの頂点を極めたこともあってか、この時点ですでにミドルテンポのグルーヴサウンドの導入も試みており、次作での変化の予兆させます。
突進力とインパクトは後退したものの、ヘヴィネスもアップして総合力と独自性ではいくぶん向上が見られ、前作とやや作風は異なれど、アルバムとしては甲乙つけがたい非常に高品質な仕上がりです。
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ファスト度:★★★★☆
グルーヴ度:★★★☆☆
|独自性:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 実験作
Sick|シック
オリジナルアルバム – 4作目 (1994年)
グルーヴとヘヴィネス導入やロックサウンドへの揺り戻しからなるグルーヴスラッシュ系のサウンドという、オールドファンには歓迎されないスタイル移行しています。
これは、先鋭的なデスメタルバンドが類型化/様式なデスメタルを脱却しようと試みたアプローチのひとつで、ENTOMBEDをはじめとした先進的なグループに見られたもの。
特に新奇性のあるメソッドではないにもかかわらず、持ち前のセンスと独自性で驚異的な傑作を完成させており、その他のグルーヴデスラッシュとは全く異なる地平に到達しています。
作風を考えるとMASSACREの代表作と呼ぶのはややためらわれますが、音楽性を問わなければ間違いなく彼らの最高傑作であり、少なく見積もってもグルーヴ系スラッシュ/デスメタルの中では最高峰に位置する一枚。
|スラッシュ度:★★★★☆
|ファスト度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★★★
|独自性:★★★★★
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 通好み 実験作
Humanize Human|ヒューマナイズ・ヒューマン
オリジナルアルバム – 5作目 (1995年)
一聴すると、ダウンテンポの作風から前作を踏襲したような印象を受けますが、その実、前作とは大きく異なるコンセプトを持つアルバム。
あえて表現するならドゥームスラッシュやスラッジスラッシュとでも呼ぶべき音楽性で、ドラァギィなスローテンポでミニマル気味の曲調を持つトランシーなエクストリームメタルを狙ったものと言えます。
とはいえ、いわゆるドゥーム/ストーナー/スラッジとは全く異なる独自性を持ったスタイルで、GODFLESHなどを引き合いに出されるサウンドはかなりユニークなものではあるのですが、やや方向性が定まっておらず未消化な印象が残る惜しいアルバムです。
グルーヴとロック的ダイナミズムを持ったメリハリの効いた作風か、ひらすらトランシーなサイケデリアを追求した作風か、もっとどちらかに絞り込めていればさらなる高みに到達できていたでしょう。
|スラッシュ度:★★★☆☆
|ファスト度:★☆☆☆☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|独自性:★★★★★
|総合評価:★★★★☆
賛否両論 通好み スルメ盤 実験作
Apocalyptic Warriors Pt. 1|アポカリプティック・ウォリアー・パート1
コンピレーションアルバム (2002年)
Day of the Massacra|デイ・オブ・マサクラ
コンピレーションアルバム (2013年)