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★ THROWDOWN(スロウダウン) ディコスグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|今は亡きPANTERAのグルーヴメタルを勝手に継承したオレンジカウンティのメタリック・ハードコア・バンド!!…必聴アルバムは?

NSHC(ニュースクール・ハードコア)シーンで頭角を現してメタリック・グルーヴを極め、PANTERAの魂と90年代オールドスクール・グルーヴメタルを継承し、インスパイア街道をゆく“PANTERAクローン”の最右翼!!

THROWDOWNのディスコグラフィ/レビュー、おすすめアルバムだけをチェックしたい方は【記事下部】か【目次】のリンクからも移動できます!!

THROWDOWN(スロウダウン)は、ハードコアやスケートカルチャーのメッカとして知られる米国カリフォルニア州のオレンジカウンティを拠点とする、ストレートエッジ系のメタリック・ハードコア・バンド。

THROWDOWNは元祖メタルコア・バンド!?

THROWDOWNは、『N.S.H.C.(ニュースクール・ハードコア)』のムーヴメント末期に、そのシーンから登場したグループのひとつ。

この『N.S.H.C.』は、ハードコアとヘヴィメタルの双方の特徴的な音楽性を掛け合わせた、90年代ヘヴィミュージックのいちジャンルで、グルーヴメタルの流れを汲むヘヴィグルーヴや、スラッジコア/ドゥームメタルの影響下にあるダウナーなヘヴィネスを基調とした、スロー〜ミッドテンポ主体のサウンドが特徴です。

その音楽性から、『メタリック・ハードコア』と称されることもある『N.S.H.C.』は、スラッシュメタルとハードコアのハイブリッドとして80年代に一時代を築いた、『クロスオーバー・スラッシュ』の90年代版ともいえる存在で、現在まで続く『メタルコア』の直系のルーツにもあたり、そのシーンの母体となったジャンルでもあります。

THROWDOWNは、『N.S.H.C.』のシーンにおいては最後発のグループにだけに、デビュー時期が初期『メタルコア』の台頭とも近く、〈LAMB OF GOD〉〈AS I LAY DYING〉〈ILLSWITCH ENGAGE〉といった、後のメタルコア・ムーヴメントの中軸となるグループとは、ほぼ同時期のデビューであることから、それらと同様に『メタルコア』のパイオニアのひとつに数えられることもあります。

『グルーヴメタル』の伝統を受け継ぐメタルコア・バンド!?

『N.S.H.C.』〜『メタルコア』のジャンルにも、多くのスタイルが派生していることは周知の事実で、その中では、『メロデスコア』や『スクリーモ』などの叙情メロディ路線や、『ポスト・ハードコア』や『マスコア』などのプログレ路線、そしてメインストリームの『ニューメタル系』など、が主流をなしています。

これらが大半を占める同時期のグループの中で、THROWDOWNは例外的に、『グルーヴメタル/グルーヴコア』をベースにした、オーソドックスなストロング・スタイルの『メタリック・ハードコア』を展開していました。

その後も、むしろ彼らの前の世代にあたる『グルーヴメタル/グルーヴコア』のサウンドへと接近し、意識的に流行に逆行していくかのようなアプローチを展開してゆきます。

PANTERA系のグルーヴ・メタル・サウンドを追求!?

THROWDOWNは、グルーヴメタルのパイオニアであるPANTERAから多大な影響を受けていることで知られています。
バンドの音楽性も、ギタリストとして加入していたデイヴ・ピーターズが、2000年代に入ってリード・ヴォーカルを担当するようになってからは、初期のハードコア色の強いスタイルから、PANTERA系のグルーヴメタルを追求する傾向が顕著となります。

特に、PANTERAの活動停止となって以降というもの、それにタイミングを合わせたかのように、意識的に“PANTERAクローン”と呼ばれるようなスタイルへと接近、技巧に劣るものの系統はPANTERAのフィル・アンセルモに近いピーターズの歌唱も、それをより強く意識した“アンセルモ・クローン”スタイルの高みを目指してゆきます。

PANTERAクローンを極めたTHROWDOWN!?

その“PANTERAクローン”ぶりは『Vendetta(4th)』において頂点に極まり、ヴォーカル・スタイルのみならず、サウンド面においても、音づくりや曲調から、ギターのフレージングやリフワークに至るまで、徹底的にPANTERAスタイルをコピーし尽くした作風隣り、リスナーの間に賛否両論を巻き起こします。

その後もPANTERAテイストは維持しているものの、ヴォーカルスタル以外は通常のグルーヴメタル/グルーヴコアスタイルに戻っています。

THROWDOWNの現在の活動状況は!?

現在のTHROWDOWNは、すでに全パートが完全に代替わりしており、オリジナルメンバーはもはや1人も残っていませんが、現在もバンドはアクティヴな状態を維持しており、アルバムのリリースを含めた活動を継続しています。

次ページはTHROWDOWNのディスコグラフィ&レビューを紹介!!▼リンクはページ下!▼

THROWDOWN|DISCOGRAPHY

Beyond Repair|ビヨンド・リペア

オリジナルアルバム – 1作目 (1999年)

『N.S.H.C.(ニュースクール・ハードコア)』のムーヴメントも末期に近づき、周辺ジャンルとのさらなるクロスオーバーと、それによる細分化が進んでいた時期のデビューアルバム。

ここでは、『N.S.H.C.』に多いドゥーム/スラッジ的なスローな展開や、メロディアスなギターソロなどは見られない、ファストパートの比率の多めの、ストロングスタイルのメタリック・ハードコアを聴かせます。

ある意味では〈HATEBREED〉あたりにも近いスタイルともいえますが、異なるのはスラッシュメタル・テイストは希薄なハードコア寄りのサウンドということ。
ヴォーカルもデスヴォイス寄りののスタイルではなく、生声に近いダーティーなハウリング・シャウトです。

同系統のバンドの水準はクリア出来ているものの特筆するほどようなセールス・ポイントが見られないサウンドは、王道というよりは無難と呼ぶ方が適切でしょう。

|メタル度:★★★☆☆
|パンテラ度:★☆☆☆☆
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★☆☆

賛否両論 通好み

「Beyond Repair」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

You Don’t Have to Be Blood to Be Family|ユー・ドント・ハヴ・トゥ・ビー・ブラッド・トゥ・ビー・ファミリィ

オリジナルアルバム – 2作目 (2001年)

ハードコア・テイストが強めの基本的な音楽性については、おおむね前作と同路線といえるものです。

ただし、ここではダウンテンポ傾向が強まっており、ファスト・パートが控えめな、ミッド・テンポを主体とした作風を展開しています。

また、ニューメタルに通じるようなヘヴィネスも感じられるようになり、さらには、若干ながらクリーン・ヴォイスも混じえたスタイルとなりました。

この作風の変化については、好み分かれる面は否めませんが、前作よりも楽曲面での工夫が見られ、飽きずに聴き通せる仕上がりとなったのは確かで、全体的に確かな成長の跡がうかがえるアルバムと言えます。

|メタル度:★★★★☆
|パンテラ度:★☆☆☆☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤

「You Don't Have to Be Blood to Be Family」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Haymaker|ヘイメーカー

オリジナルアルバム – 3作目 (2003年)

本作から、ギタリストのデイヴ・ピーターズがヴォーカルへとパート・チェンジとなっており、そのフィル・アンセルモに近い声質の歌唱によって、PANTERA路線を加速させる起爆剤になります。

本人がアンセルモを意識してるのは確実でしょうが、ここでは、あえて似すぎないようにセーブしているのか、クローンと呼ぶレベルにまでは届かない程度にとどまっています。

作風はこれまで通りで、『N.S.H.C.』以降のグルーヴコアといったスタイルですが、楽曲自体については“PANTERAクローン”という印象は感じさせませんし、曲づくりにもさらなる工夫が見られます。

ただし、ヴォーカルを前面に押し出したミックスは、歌モノでもないのにかかわらず少々ヴォーカルが主張し過ぎで、バックとのバランスが良くないあたりがどうしても気になるところです。

|ヘヴィネス:★★★★☆
|スピード:★★★★☆
|メロディ:★★★★☆
|革新度:★★★★☆
|過剰度:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

代表作 入門盤 賛否両論

Vendetta|ヴェンデッタ

オリジナルアルバム – 4作目 (2005年)

前作からヴォーカルを務めるデイヴ・ピーターズがいよいよ本格的に開き直って、アンセルモ・クローンぶりをアピールしてきたアルバム。

楽曲についてははこれまでのスタイルを踏襲されたもので、まだまだハードコア・テイストが強めではあるものの、、力づくでPANTERA風味を撒き散らるヴォーカルラインに引っ張られて、ソレっぽさが増した印象もあります。

とはいえ、この時期には上質なグルーヴメタル自体がなかなか貴重な存在であり、半端なニューメタルやメタルコアを聴くよりはるかに充実感がありましたが、評価すべきポイントもその一点のみに集中することになってしまいます。

|メタル度:★★★★☆
|パンテラ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 賛否両論

Venom & Tears|ヴェノム・アンド・ティアーズ

オリジナルアルバム – 5作目 (2007年)

ヴォーカルだけでなく楽器隊のプレイから楽曲のつくりまで、完全にPANTERAクローンをコンセプトとされた、その路線での頂点にあるアルバム。
ただし、PANTERA特有のサザンメタル風味/スラッジ風味はオミットされ、全盛期のグルーヴメタル・サウンドに的が絞られています。

クローンとしての出来は、90年代のPANTERA風サウンド全盛期にさえ見られなかったレベルで、詳しくないリスナーならば、PANTERAのアウトテイクと言われれば真に受けるかもしれないほどです。

当然、批判も少なくありませでしたんが、ここまでの徹底クローン路線は本作のみで終わることから、メンバーの死で帰らぬバンドとなったPANTERAへのトリビュートとも考えられますし、何より珍盤/奇盤好きならネタとして是非とも抑えておきたいところです。

クローン系の作風でバッシングを受けないためには、完成度は勿論のことですが、古典レベルのバンドかニッチなバンドを狙うことと、パロディ/インスパイアの意思表示がポイントとで、特に、上手くニッチを突いて開拓できれば、“ヴィンテージ系”や“リバイバルの火付け役”と、もてはやされることにもなります。

例えば、古典・伝統芸能レベルの“ビートルクローン”などは置いといても、この期に及んで“レッドクローン”などあからさま過ぎて失笑ものですし、“サバスクローン”もかつてはニッチな存在でしたがもはや飽和状態です。
このタイミングでの“PNTERAクローン”は、ムーヴメントのスパンが長期化したため“いにしえ感”はありませんが、ニッチとしてはギリギリでアリでしょう。

しかし、コンセプトについては明示していないため、パロディ風のジャケットやロゴ、アルバムタイトルで仄めかしておけば、バッシングはかわせたしれません。

|メタル度:★★★★★
|パンテラ度:★★★★★
|ハーコー度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

殿堂入り 代表作 入門盤 賛否両論 実験作

Deathless|デスレス

オリジナルアルバム – 6作目 (2009年)

本作も引続き“PANTERAクローン”路線ですが、ヴォーカルスタイル以外の音づくりの面では、前作ほどダイレクトなインスパイア・スタイルではなく、楽曲もPANTERA風一本やりというわけではありません。

より広義的なグルーヴメタル・サウンドへと以降し、ニューメタル/メタルコアのテイストも加えられているほか、当時の“歌もの系ニューメタル”にありがちな、エモーショナルな歌い上げパートも導入されています。

“独創的”や“新奇性”という言葉とは無縁…という意味では相変わらずですが、この時代において高品質なグルーヴメタル・アプローチを展開している、という一点においては、やはり貴重な存在ではあります。

|メタル度:★★★★★
|パンテラ度:★★★★☆
|ハーコー度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤

Intolerance|イントレランス


オリジナルアルバム – 7作目 (2014年)

ストレートな“PANTERAインスパイア”のアプローチからは距離を置き、同時にニューメタル・テイストも薄れており、スラッシーな疾走パートも増えているため、やや初期の作風へと回帰した印象もあります。

ヴォーカルスタイも、発声法は相変わらず“アンセルモ・スタイル”に近いものの、クローンからは距離を置こうという意識が見えます。

ここにきて、“PANTERAクローン”というセールスポイントが薄れた今、このキャリアのして明確な独自性を確立していない弱点が再度浮かび上がりますが、狭いレンジの中に限るとはいえ試行錯誤の跡は見えますし、高品質なグルーヴ・メタルコアを提示しているという事実に変わりはありません。

|メタル度:★★★★☆
|パンテラ度:★★★☆☆
|ハーコー度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤 実験作

Take Cover|テイク・カヴァー

カヴァーアルバム (2020年)

「Take Cover - EP」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

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