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【Wikiに無い!】グルーヴメタル/ヘヴィグルーヴ:第1世代 編…オルタナティヴ・ヘヴィロックの時代:重要バンド17選【ビギナー必見・必聴|ヘヴィメタルジャンル徹底解説】

ヘヴィメタルライヴ中にメロイックサインを掲げるオーディエンスのイメージ

グルーヴメタルムーヴメント黎明期のパイオニアとして、のちのニューメタル/メタルコアにまでつながる新世代アメリカンヘヴィミュージックスタイルの基礎を作った重要グループたち!

90年代最大のメインストリーム・メタルムーヴメント

「基礎知識編」でも語ったように、80年代末期〜90年代中期に隆盛を極めた、ヘヴィネスとグルーヴを最大の持ち味として、ミドルテンポの楽曲を重視した音楽性を持った一群を指すグルーヴメタルという名称は、比較的あとになって便宜的なかたちで定着したもので、当時は“モダンヘヴィネス”,“モダンメタル”,“ヘヴィグルーヴ”などといったもっと漠然とした呼び方をされていました。

その背景には、それらのグループがヘヴィネスとグルーヴを共通の基本要件として持っていたものの、ヘヴィメタル,ハードコア,オルタナティヴロックなどの各シーンから同時発生的に生まれたムーヴメントであり、各バンドがそれぞれのバックグラウンドを反映させた幅広い音楽性をもっていたことも関係しているでしょう。

特にここで紹介する第1世代のパイオニア的なグループはその傾向が強く、明確にヘヴィメタルルーツのメタルバンドと呼べるのはPANTERA(パンテラ)くらいのものでした。

結果的には、グルーヴメタルはヘヴィメタルの最新モードとして、USシーンを中心としたそれ含めたヘヴィメタルシーンを刷新するほどの影響力を持つ革命的で大きな存在となりますが、その反面で諸々の理由で保守的なメタルフリークから難色を示され、バッシングを受けてきたことも別記事に詳しく書いたとおりです。

どこまでがグルーヴメタル?どこまでがメタル?

これらのヘヴィグルーヴ系サウンドを愛好する肯定派リスナーだからといっても、必ずしもそれらの全てを受け入れていたわけではありませんし、どこまでをグルーヴメタル/ヘヴィメタルとして扱うべきかは意見が分かれていたところした。
サウンドがヘヴィではあっても必ずしもメタリックな質感やメタル的整合感を持ったものではなかったどころか、ヘヴィメタルシーンに属さないグループも多かったこともそれに拍車をかけていました。

HELMET(ヘルメット)などのロウで質感を持ったヘヴィオルタナティヴロック系や、よりラフなノイズ/ジャンクロック系のグループなどは特に見解が分かれがちで、「カッコイイけどこれをメタルよ呼ぶのは違うのでは?」という声もあれば「これこそが新世代ヘヴィメタルだ!」という意見もあり、語り手によって大きく定義が異なることは少なくありません。

少し状況は異なりますが、例えば「MOTORHEADAC/DCなどはヘヴィメタルとして扱うべきか否か?」といった問いも、それぞれで見解が分かれがちです。ある意味ではそれに近いものですが、より根深い問題と言ってもいいでしょう。

グルーヴメタル第1世代の代表的グループ|Groove Metal 1st Generation

ここでは便宜上グルーヴメタルとしてまとめていますが、メタル,ハードコア,オルタナティヴロックなどの各シーンで同時発生的に起こっていた新世代ヘヴィネスサウンド追求の動きを、多様性を持ったひとつの大きなムーヴメントとして捉え、各ジャンルの幅広い作風のグループを紹介しています。

ヘヴィメタル/ハードロック系

PANTERA|パンテラ

80年代からグラムメタルバンドとして活動していたPANTERAは、初期のきらびやかなスタイルから、突如サウンドビジュアルともにストリート感あふれるタフなスタイルに転身。
サザンロックなどの豪快なアメリカンロックと、BLACK SABBATHなどのヘヴィネスをスラッシュメタル以降のソリッドでエクストリームなサウンドで再構築した、独自のグルーヴを持ったヘヴィメタルを完成させ、グルーヴメタルパイオニアとして頂点を極めます。

ムラが激しいバンドで後期には作品も雑になってしまいますが、初期の作品は歴史的な完成度で今聴いてもその勢いと熱量が伝わってきます。

しかし、Vo.のフィル・アンセルモは成功してからは一気にやる気をなくし、自分の趣味に近いドゥーム/ストーナーバンドDOWN(ダウン)SUPERJOINT RITUAL(スーパージョイント・リチュアル)の方に力を入れはじめ、呑んだくれるか適当なお遊びプロジェクトをやるような状態だったため、メンバーと決裂して解散という結末を迎えます。

不幸なことに、その後ダイムバッグ・ダレル(Gt.)がフィル信者のファンから八つ当たりで銃撃され死亡するという事件が起こり、さらにダレルの実兄のヴィニー・ポール(Dr.)まで逝去したことで復活の可能性も潰えました。

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WHITE ZOMBIE|ホワイトゾンビ

WHITE ZOMBIEは、今では本人名義のソロプロジェクトとして活動し、むしろホラー映画監督としての活躍の方が知られているマルチクリエイター、ロブ・ゾンビー(ROB ZOMBIE)が率いていたサブカル系グルーヴメタル/ヘヴィロックバンド。

メジャー進出以前の初期インディーズ時代は、得体の知れないローファイでジャンクなキワモノメタルバンドでしたが、メジャーデビュー作では驚くべき完成度の個性的なヘヴィグルーヴサウンド完成させます。

これによって一気に注目を集めて大ブレイク、サブカル/アート系新世代ヘヴィメタルのカリスマとしてMARLIN MANSON(マリリン・マンソン)と肩を並べるほどの人気者の位置に躍り出ます。ちなみに、マンソンとロブ・ゾンビーは、アルバムジャケットのイラストやアートワークも手がけるアーティスト肌という点でも共通しています。

それでも日本などでは知る人ぞ知る存在でしたが、インダストリアル要素も取り入れたメジャー2作目ではキャッチーなわかりやすさが大幅アップし、アップテンポな曲も増えたおかげで一般メタルファンからもそれなりに支持されるほどでした。

ROB ZOMBIE名義でもニューメタルシーンの一線で活動を続け、キャリアではそちらの方が上回っていますが、その全盛期がWHITE ZOMBIE時代ということは疑いようがありません。

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MESHUGGAH|メシュガー

スウェーデンのMESHUGGAHは、現在ではポリリズムを導入したミニマルでトランシーな作風を持ち、主にプログレッシヴメタルの文脈で語られるているグループ。彼らの創り出したそのジェント(DJENT)と呼ばれるスタイルが世界中に衝撃を与え、数多の熱狂的なフォロアーを生み出したことで、ジェント教の教祖的なポジションにも祀り上げられています。

デビュー当初の彼らは、どちらかというとデスメタル/デスラッシュとして語られており、時に初期のMETALLICAを想起させるドラマ性を持った複雑で凝った曲展開と、PANTERAに通じるストリート感のあるハードコアなグルーヴを基調としており、北欧で主流だったデスラッシュスタイルとは一線を画したものでした。

その時期はもちろんのこと、現在でもヘヴィグルーヴが彼らのサウンドの重要なエッセンスとなっていることから、いわゆるスラッシュルーツのポストスラッシュ系グルーヴメタルの先駆け的な存在として名前が挙がることは少なくありません。

「Destroy Erase Improve (Reloaded)」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

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ハードコア系

BIOHAZARD|バイオハザード

BIOHAZARDはニューヨークハードコアシーン出身で、グルーヴコアともグルーヴメタルとも称されることもある、タフでストリート感あふれるグループ。

もともとニューヨークという街は、古くからメタル/ハードロックとパンク/ハードコアの両方に影響を受けたバンドが多く、スラッシュメタル時代にも“メタルmeetsハードコア”のクロスオーバースラッシュが盛んだった土地柄で、その後もメタリックなハードコアを数多く生み出してきました。

バイオハザードはグルーヴメタル時代が生んだ新世代クロスオーバーサウンドのパイオニアとして、ハードコアとメタル両方のファンの支持を集め、さらには数多のフォロアーも生み出してシーンを牽引し続けます。

さらに彼らは、現在まで続くメタルコアのルーツと呼べる存在でもありますし、HIPHOP的なリズムやラップ風のヴォーカルスタイルを取り入れたことで、のちのニューメタル系ラップメタルの先駆け的とも考えられています。

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PRO-PAIN|プロ-ペイン

PRO-PAINは、ヘヴィメタルとのクロスオーバーが盛んなニューヨークハードコアシーンの中でも、当時としては特にメタル度の高いグループでした。

デビュー当時は、オールドスクール系クロスオーバースタイルとグルーヴメタル/コアがミックスされたようなスタイルで、グルーヴ強めながらスラッシーな疾走曲も多く、またギターソロも多用され時にホーンセクションも飛び出すユニークで絶妙な音作りと個性的なスタイルを持っていました。

2nd以降はよりヘヴィネスを増し、楽曲も比較的シンプルなつくりになってゆきますが、特にブランクもなくコンスタントな活動を続け、ニューヨークハードコアとしても異例のハイペースでアルバムをリリースしてきました。ややマイナーで通好みな存在ながらも、ハイレベルな実力派グループです。

「The Truth Hurts」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

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PRONG|プロング

PRONGはニューヨークシーンで個性派のクロスオーバースラッシュとして活動をスタートしますが、2nd以降は次第にヘヴィネスを強めグルーヴを取り入れた、オルタナティヴロックにも近いヘヴィロックスタイルにシフトしていきます。

全盛期のPRONGは、インダストリアル風味もあるソリッドでクールな質感と、ダンサブルな要素も感じさせるリズム、独自のポップネスも持ち味としており、リミックス作品も早い時期から積極的に発表していました。
一時期は活動を停止しますが短いブランクで復活、スラッシュリバイバルの機運の中スラッシュ色を強めたるスタイルで再評価されたことも手伝い、その後も比較的安定した活動を継続中です。

彼らは、地力の強い強靭なサウンドと独創的なセンス裏付けられた、一聴すればわかる強烈な個性を持ったグループで、一般受けする派手さはないものの以前から根強いファンに支持され続けています。
また、同業者からの評価も高いミュージシャンズ・ミュージシャンでもあり、現在唯一のオリジナルメンバーとなったトミー・ヴィクター(Tommy Victor)は、MINISTRY(ミニストリー)DANZIG(ダンジグ)という実力派のトップグループにもパーマネントメンバーとして掛け持ち参加していたほどです。

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次ページでも重要バンドを紹介!! ▼リンクはページ下から!▼

オルタナティヴロック系

HELMET|ヘルメット

HELMETは本来ニューヨークオルタナシーンのバンドで、ブレインのペイジ・ハミルトンは本格的にジャズを学びNYアバンギャルドにも通じる才人でもあります。

アングラ色の強いジャンク/ノイズロックサウンドから、キャッチーなポップネストわかりやすさを持った整合感の強いサウンドに転身し、メタリックな要素を強まったこともあり、PANTERAと肩を並べてグルーヴメタル代表するシーンのトップグループのポジションに収まります。

全盛期の彼らのサウンドは一聴するとシンプルながら緻密に計算されつくされており、それでいて知性を感じさせるだけではなく、即効性のあるフィジカルな高揚感も併せ持っていました。

世紀末を迎えた時期に一度解散しますが、00年代に入って再結成。その後は微妙に音楽性をマイナーチェンジしつつもコンスタントな創作活動を継続していました。
再結成後はポップ色とオルタナ色が強まって、やや激しさが薄れたこともあり全盛期のファンからの評価はかんばしくありませんが、それでもクオリティは維持しています。

メタルのマッチョ感や虚仮威し感が苦手なリスナーでも楽しめる、「大人も聴ける知的でクールなグルーヴメタル」といった存在といえます。

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TOOL|トゥール

TOOLはモダンプログレやプログレッシヴメタルとして語られることが多く、今ではそれらのシーンのパイオニアにあたる重鎮のひとつとして、数多くの後続バンドに影響を与えています。

しかし、ヘンリー・ロリンズの肝入りでメジャーデビューを果たした当初に聴かせたサウンドは、特徴的なダークなサイケ感覚とヘヴィネスこそ現在に通じるものでしたが、その後の作風と比較するとよりシンプルでロックらしいなダイナミズムを感じさせるもので、グルーヴメタルやグランジの音とも大きくリンクするグルーヴィーなヘヴィロックサウンドを持ち味にしていました。

TOOLは、多様な音楽的バックグラウンドと一聴してそれとわかる独自性の強さから、様々なジャンルで語られながらそのどこにも属することがないグループですが、この時代のグルーヴメタル/ヘヴィグルーヴシーンは彼らの存在をも受け入れられるほどの多様性と懐の深さを持ったジャンルでした。

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ROLLINS BAND|ロリンズ・バンド

ROLLINS BANDは、ハードコアのみならずグランジなどのオルタナティロックのルーツのひとつとして、ヘヴィメタルをも含めたヘヴィミュージックシーンに絶大な影響力を持つ、米国ハードコアレジェンドのカリスマグループBLACK FLAG(ブラック・フラッグ)のフロントマンだったヘンリー・ロリンズ率いるグループ。

BLACK FLAGの時点でもすでに、BLACK SABBATHら70年代ヘヴィサウンドの影響を受けた、グルーヴメタルの原型ともいえるサウンドを作り出していましたが、ROLLINS BANDではさらにヘヴィネスを増したロリンズ流グルーヴメタルとも言えるスタイルを完成させます。

当初は、ブルーズなどのルーツロックテイストを持ったハードコアといった様相のサウンドでしたが、様々なロックミュージックをはじめとしてジャズやファンクまで幅広い音楽を取り入れ、時にKING CRIMSON(キング・クリムゾン)をも思わせる、グルーヴあふれるヘヴィプログレッシヴロックともいえるスタイルで頂点を迎え、その時期のサウンドはTOOLらにも影響を与えるほどでした。

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RAGE AGAINST THE MACHINE|レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン

RAGE AGAINST THE MACHINEは80年代から90年代初期のファンクロック系ミクスチャーと、90年代以降のラップメタル系ミクスチャーとをつなぐ存在で、それまでのミクスチャーロック/ラップメタルを別のステージ押し上げたと同時に、社会性の強いポリティカルなアジテーターとして有名です。

ブレイクのタイミングからニューメタル世代の印象も持たれがちですが、WHITE ZOMBIETOOLMARLIN MANSONらと同じく、グルーヴメタル全盛期に登場してやや時間を空けてメインストリームに登りつめたグループでした。

それらのグループと同様に、様々なシーンとリンクしながらその何処にも属しない、独自のポジションにあるワン・アンド・オンリーな存在で、それは各シーンで独自のヘヴィグルーヴサウンドが表出した時期だったからこそとも言えるでしょう

解散後は、ヴォーカルのザック(Zack de la Rocha)はよりオルタナティヴなサウンドと政治色の強い活動を追求。楽器隊はSOUNDGARDEN(サウンドガーデン)クリス・コーネルAUDIOSLAVE(オーディオスレイヴ)を結成し、ポストグランジスタイルでヒットメイカーとなります。

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BODY COUNT|ボディ・カウント

CYPLESS HILL(サイプレス・ヒル)HOUSE OF PAIN(ハウス・オブ・ペイン)と並んで親メタル派HIOHOPアーティストの筆頭に数えられ、BLACK SABBATH(ブラック・サバス)SLAYER(スレイヤー)とのコラボでも知られる、ICE-Tによるラップメタルユニット。

オーソドックスなハードロック/ヘヴィメタル/スラッシュメタルをHIPHOPメソッドで組み立てたようなサウンドは、一般的なミクスチャーやラップメタルのイメージとは全く異なるものですが、彼らのような存在がヘヴィメタルシーンとHIPHOPシーンをつなぎ、両者のコラボレーションを推し進めた事は間違いありませんし、それはニューメタルにもつながる重要な試みでした。

BODY COUNT=ICE-Tは新たなムーヴメントには貪欲なスタンスで、近作ではニューメタルやメタルコアにも接近しています。

ノイズ/ジャンクロック系

UNSANE|アンセイン

UNSANEは、かつてジャンクの重鎮ジョン・スペンサー(THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION, PUSSY GALORE)の実弟との噂も流布していた、クリス・スペンサー率いるグループ。

ヘヴィなオルタナティヴロック,ハードコア,ガレージパンクなどの要素を持った、荒々しく生々しいノイジーなヘヴィロックサウンドが特徴で、ノイズロックやジャンクロックと呼ばれるシーンではもっとも知名度の高いグループのひとつ。マニアックで通好みなリスナーから支持されていた、アンダーグラウンドの帝王と言った存在でした。

これらノイズロック系のサウンドには、グルーヴメタルやスラッジコアとも相通じる部分もあり、それぞれのジャンルをまたいでリンクするような音楽性も見られました。

00年代のヘヴィ/エクストリームミュージックシーンが新潮流が底を尽いた時期に、90年代前半のブレイクし損ねたデッドストック的バンドにを引っ張り出してくるという、ビジネス戦略的な再評価が賑わいを見せましたが、彼らもその一環でお鉢が回ってきたことで再びスポットライトを浴びることになります。

「Total Destruction」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

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-(16)-SIXTEEN|シックスティーン

-(16)-SIXTEEN(シックスティーン)は、現在ではスラッジコア/スラッジメタルとして扱われることが多いグループですが、そういったスラッジ的なエッセンスと、UNSANEのようなノイズロック/ジャンクロック、HELMETのようなニューヨーク系ヘヴィオルタナティヴスタイルなどが、独自にブレンドされた音楽性を持っています。

完成度の高いハードコアでソリッドヘヴィグルーヴサウンドが持ち味で、デビュー当時はそれなりのプッシュがあったものの、オルタナティヴでややつかみどころの無い部分がネックになったのか、いまひとつ影の薄い存在にとどまっていました。

のちのヘヴィミュージック停滞期に、UNSANEらとともに90’sデッドストックグループとして発掘され、ビジネス的な再評価リバイバル戦略の波に乗って再びスポットライトを浴びることになります。

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FUDGE TUNNEL|ファッジ・トンネル

FUDGE TUNNELは、NAPALM DEATH(ナパーム・デス)らエクストリームミュージックの大物が名を連ねる、名門レーベル『イヤーエイク(EARACHE RECORDS)』に所属していた英国のグループ。

グルーヴメタルシーンでは数少ないイギリス系バンドで、最近ではスラッジコアとして扱われることもありますが、当時の英国シーンを賑わせたスラッジと縁の深いドゥームメタルとは全く異なるもので、むしろニューヨーク系ノイズ/ジャンクロックにも通じる質感を持ったヘヴィなオルタナティヴメタルです。

それらと共通するケレン味のないロウでストイックな音楽性と、シニカルかつポリティカルでマッチョ感の薄い文系センスが持ち味ですが、UKポストパンクやハードコアを根底に持っていることで、米国産のグループとはひと味違ったスタイルに仕上がっており、キャッチーなわかりやすさに欠けるものの、ウルトラヘヴィな圧力を持つサウンドは存在感抜群。

当時のUKオルタナともエクストリームメタルとも一線を画し、ある意味やや浮いた存在だったことから、大きくブレイクするでもなく活動も短期間に終わりましたが、通好みなファンやミュージシャンからの評価は高く、中心人物のアレックス・ニューポートはSEPULTURA(セパルチュラ)マックス・カヴァレラとのユニットNAILBOMB(ネイルボム)を始めとした数々のコラボレーションのみならず、プロデューサー、エンジニアとしても活動しています。

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スラッジ/ヘヴィロック系

EYE HATE GOD|アイ・ヘイト・ゴッド

EYE HATE GODはニューオーリンズスラッジの代名詞的なグループですが、PANTERA界隈のサザンメタルシーンに属しており、それぞれサザンメタルのメインストリームとアンダーグラウンドの顔役ともいえる存在でもあります。
このような背景もあって、アメリカ南部シーンではグルーヴとスラッジは音楽的にも密接な関係にあり、EYE HATE GODも後期のPANTERAサウンドに強い影響を与えたことで知られています

当初は、ブルーズロックやサザンロックなどを原点に持つサザングルーヴメタルと、ドゥーム/ストーナーサウンドをブレンドした作風でしたが、スローな“引きずり系”リフやノイズ/ジャンクロック由来のダーティなサウンドを取り入れて、スラッジのひとつのスタンダードといえる作風を完成させます。

ギタリストのジミー・バウワーが、フィル・アンセルモのプロジェクトDOWN(ダウン)にも参加していることで、メタルシーンでも大きく認知度が上がりました。

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CROWBAR|クロウバー

CROWBARは、PANTERA同様サザンメタルシーンに属するグループで、メンバーがフィル・アンセルモのプロジェクトDOWN(ダウン)にサポート的に参加するなどPANTERAとも縁の深い関係にあります。

一般的にはスラッジコア/メタルにカテゴライズされ、そのパイオニア的存在のひとつと目されていますが、現在スラッジ系として語られているグループにはグルーヴメタルと音楽性が大きくリンクするものも多く、中でもメタリックでソリッドな質感とシーンでもトップクラスの圧倒的ヘヴィネスを持ちながら、比較的コンパクトな整合感も感じさせるCROWBARはその筆頭格と呼んでも差し支えないでしょう。

彼らのサウンドは、後になるほどより一層その傾向を強めてゆき、楽曲も多様性と構成力を増してゆきます。また、スラッジシーンの中では比較的多作な存在としても知られ、現在も順調にアルバムリリースを重ねてます。

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TUNGSTEN|タングステン

同名バンドがいくつかありますが、これはニューオーリンズスラッジシーンに属し、EYE HATE GODCROWBARとも交流のあるバンド。その2バンドには知名度で劣るものの、ムーヴメント初期から活動していた古参グループのひとつです。

音楽性はCROWBARに近く、当時のスラッジシーンの中でも特にヘヴィメタリックなダイナミクスを持った作風で、さらにハードコア的な突進力を持ったスタイルが特徴。必然的に、グルーヴメタルにもかなり近いフィジカルな躍動感やグルーヴを感じさせるサウンドを展開していました。
明確に解散はしていないようですが、5作目以降はアルバムリリースも無く現状目立った活動は見られません。

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