音楽用語|た|『対訳:たいやく:translation』【表現/マーケティング】
原文と訳文を比較/参照できるように表記したものを指します。海外アーティストの音楽作品の場合も、歌詞を和訳とオリジナル言語の歌詞が併わせて記載されており、便宜上まとめて『歌詞カード』と称されることもあります。
ブックレット状のものか一枚紙のものがほとんどで、ブックレットの場合は多くの場合解説とひとまとめになっています。
音楽ソフトの日本盤には対訳は必ずついている?
『対訳』がCD/レコード/DVDには付属されている場合は、パッケージに【歌詞・対訳つき】と表記されており、その表記がない場合は付属されていないものと考えておきましょう。
多くの場合は付属されていますが、その有無については、流通の形態やレコード会社のプッシュ度/予算、オリジナル歌詞の言語の種類やそれが記載/公表されているかどうか…といった諸々の状況にも左右されます。
歌詞の翻訳にもコストはかかるため、予算の都合によって付属していないケースもありますし、そもそも、諸々の理由で歌詞を公表しない主義のアーティストも存在します。
『対訳』のクオリティはどうなの!?
対訳はの執筆者は、“第一線の翻訳家”から“ある程度英語が読めるだけの人”まで様々です。
翻訳のスタイルについても、日本語詩としての完成度を追求したものもあれば、直訳に近いものやいわゆる「超訳」もあります。
当然、クオリティや正確さもピンキリで、映画業界の某“字幕の女王”のようにスラングやレトリックを理解しきれていないことによる誤訳どころか、根本的な英語力が疑わしいものも珍しくことではなく、訳文としては評価できないものが当たり前のように出回っています。
そのため、ユーザーによってはあらかじめクレジットを確認して、信頼できる対訳者が執筆している場合だけ日本盤を選ぶというケースも見られます。