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★ DISCHARGE(ディスチャージ) ディスコグラフィー ★ このアルバムがスゴイ!?|あらゆるエクストリーム・ミュージックの原点でもあるUKハードコアのカリスマ!…必聴アルバムは?

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DISCHARGE|DISCOGRAPHY

Fight Back|ファイト・バック

DISCHARGE_Fight_Back

ミニアルバム:EP (1980年)

まだパンキッシュな色合いが残った作風ながら、パンクの枠を超えた域に踏み込んで、ハードコアの基本型に到達しつつあります。
そのサウンド形成に際しては、何といってもMOTORHEADの存在が大きく、そこからの影響がリフワークなどに濃厚に漂っています。

|ディスコア度:★★★★★
|メタル度:★★☆☆☆
|グルーヴ度:☆☆☆☆☆
|スピード度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 実験作

Why|ホワイ

DISCHARGE_Why

EP (1981年)

EP・シングルをメインで展開していたアルバムデビュー以前の作品の中では、最も知名度の高い1枚で、数年遅れながら日本盤もリリースされています。

最初期のパンク然としたサウンドの名残を感じさせつつも、スピード/ヘヴィネス共にさらにエクストリームに強化されており、デビューアルバムで完成を見せたDISCHARGE流ハードコアに近づいています。

やはりMOTORHEADの影響は感じられるものの、そのストレートな直系サウンドからは脱して、“エクストリーム進化系”といった域に到達しており、同時期のVENOMの存在が視野に入っていたかはともかく、それとも重なるスタイルとなっています。

一部のハードコアバンドの界隈では、初期のシングルやEPこそ至高という風潮もありますが、本作も同様で、パンク志向のハードコアファンからは、デビューアルバム以上の評価を受けることもあります。

|ディスコア度:★★★★★
|メタル度:★★★☆☆
|グルーヴ度:☆☆☆☆☆
|スピード度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

「Why?」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Hear Nothing See Nothing Say Nothing|ヒア・ナッシング・シー・ナッシング・セイ・ナッシング

DISCHARGE_Hear Nothing See Nothing Say Nothing

オリジナルアルバム – 1作目 (1982年)

パンクとエクストリームなヘヴィメタルとMOTORHEAD直系サウンドがブレンドされ、ケミカル・リアクションを起こした、ファストでソリッドなサウンドを展開するハードコアの原点ともいえるアルバム。

音楽性については、基本的には“Why (EP)”あたりの発展系とも言えるものですが、エクストリミティはさらに大幅に上乗せされており、ロックンロールベースのパンクやの枠から完全に逸脱した、独自のハードコア・スタイルを確立しています。
しかし、ただでさえそれほど多くないDISCHARGEのフルアルバムの中でも、この本来のDISCHARGEサウンドが聴くことができるのは唯一本作のみとなります。

VENOMと共にエクストリーム・ミュージックのモニュメントを打ち立てた歴史的アルバムとして、メタリック・ハードコアやグラインドコアのファンはもちろんのこと、スラッシャー、デスメタラー、ブラックメタラーまで、あらゆるエクストリーム・メタル・フリークが必聴の重要作です。

|ディスコア度:★★★★★+
|メタル度:★★★☆☆
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|スピード度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 代表作 入門盤 実験作

「Hear Nothing See Nothing Say Nothing」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Grave New World|グレイヴ・ニュー・ワールド

DISCHARGE_Grave_New_World

オリジナルアルバム – 2作目 (1986年)

フロントマンのケルビン・カル・モリスとドラマー以外の主要メンバーが抜け、モリス主導の体制となったアルバム。
一般には、ヘヴィメタル化したとして物議を醸し、ハードコアシーンの大多数からは当然のように不評を買うハメになり、「迷走期に突入」とも「DISCHARGEの終焉」とも評され、ベストアルバムでもほぼピックアップされることの無い不遇なアルバム。

メタル化とは言っても、当時の最先端だったスラッシュメタル/パワーメタルへと接近したわけではなく、むしろオールドスクールなハードロック/ヘヴィメタルに近く、BLACK SABBATHやLED ZEPPELINなどの70年代ハードロックをベースに、彼らなりのヘヴィメタルを構築したと…いったところ。

ヴォーカルもメタルを意識してか、ダーティなシャウトからハイトーンへ歌唱法を改めていますが、メタラーが好む歌唱力と広音域重視のものではなく、オジー・オズボーンなどの流れをくむ脱力系ヘタウマ・ハイトーンです。

そのため、ハードコア界隈はおろかメタル界隈でも評価されないという、なかなかにおつらい位置付けに置かれていますが、独自のセンスでユニークなサウンドをつくり上げており、スルメ系の通好みな作風ながら、半端な様式メタルや様式ハードコアよりは聴きごたえのあるアルバムです。

|ディスコア度:★☆☆☆☆
|メタル度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★☆☆
|スピード度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

賛否両論 通好み スルメ盤 実験作

Massacre Divine|マサカー・ディヴァイン

DISCHARGE_Massacre_Divine

オリジナルアルバム – 3作目1 (1991年)

短期的な解散状態を挟み、引き続きケルビン・カル・モリスとガリー・マロニー主導のまま、メンバーを一新させたアルバム。

一般にはDISCHARGEの迷走期と称される、ヘヴィメタル路線の第2弾ですが、第1弾の前作とは全く異なる同時代的なヘヴィミュージックのトレンドを導入した新機軸を模索しています。

とはいっても、当時のUKハードコアの新潮流だったエクストリームなグラインドコア系のサウンドではなく、大雑把に言うなら、アメリカのスラッシュ/ハードコア界隈で流行していたファンクメタル風のアプローチ。
バウンシーで躍動感のあるファンキーなグルーヴを導入した、ある種のミクスチャー・サウンドともいえるものです。

しかし、そこはDISCHARGEらしく一筋縄ではいかない独創的なアプローチを展開しており、ニューヨーク・クロスオーバーなどに見られるミクスチャーのステレオタイプからはかけ離れた、ユニークなサウンドに仕上がっています。

曲調についてはミッドテンポのヘヴィグルーヴからアップテンポまでと多彩で、初期とは異なるもののファストチューンも見られますが、その中でも、メロディアスでエモーショナルなリフワークを導入したT-10は、彼らのキャリア中でもひときわ特異な作風で異彩を放つナンバーで、AT THE GATESのメロデッィック・デスラッシュの原型にもなったと思しき隠れた重要曲でもあります。

|ディスコア度:★★☆☆☆
|メタル度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★★★☆
|スピード度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 賛否両論 通好み 実験作

「Massacre Divine」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Shootin Up the World|シューティン・アップ・ザ・ワールド:狙撃せよ!

DISCHARGE_Shootin Up_the_World

オリジナルアルバム – 4作目 (1993年)

引き続き、ケルビン・カル・モリスとガリー・マロニー主導の体制で制作されたアルバム。
前作と同様に、アメリカのヘヴィミュージックのトレンドを独自の解釈で再構成したような、DISCHARGE流アプローチを展開していますが、本作ではファンキーなミクスチャー風味は減退してヘヴィグルーヴが強化されています。

ヘヴィグルーヴ路線とは言っても、前作同様に全体的にアップテンポでファストな展開を見せることも多く、前2作のようなハードコアとしては異端が過ぎる作風でもないので、US系のクロスオーバーに近い感覚で聴くことができます。
あえて言えば、ストロングスタイルのメタリックなヘヴィハードコアといったところですが、もっと広義的な意味での“メタリック・ハードコア”とでも呼ぶべきかもしれません。

初期以外は全否定の原理主義者には到底認めがたいであろう音楽性で、一般的には概ね不評。
そのためか、これ以降は90年代のハードコアブームの最中も、ベスト盤/コンピレーションのみを何度もリリースするのみで、目立った活躍は見られない状況となります。

しかし、相変わらずDISCHARGE流の高品質で独創的なハードコア・サウンドが聴ける上質なアルバムに仕上がっていますし、本作は特にフックが効い た楽曲がそろっており、ビギナーやメタルファンの入り口にも適した1枚と言えます。

|ディスコア度:★★☆☆☆
|メタル度:★★★★★
|グルーヴ度:★★★★☆
|スピード度:★★★☆☆
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+

殿堂入り 入門盤 賛否両論 実験作

「Shootin' Up the World」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Discharge|ディスチャージ

DISCHARGE_Discharge

オリジナルアルバム – 5作目 (2002年)

90年代のハードコア・ブームの最中は鳴りを潜め続けていたDISCHARGEですが、再び短期的な解散状態を挟んで創設時のメンバーが再集結。
ドラムスは1stから在籍していたガリー・マロニーが脱退し、創設メンバーのテリー・テッツ・ロバーツが復帰しています。

9年越しの新作となる本作では音楽性も原点回帰を行っており、初期に近いファストチューン主体のハードコアを展開していますが、完全にそのころの作風というわけではなく、90年代ハードコア・ブームの中心にあったアメリカの、ヘヴィメタリックなサウンドも取り入れるなど、多少のアップデートも施されています。

爽快な疾走感を持つ楽曲は適度にキャッチーで聴きやすく、無難にまとまった手堅い仕上がりを見せてはいるものの、“起死回生の一撃”的な凄みはさほど感じられず、エクストリーム進化と多様化が進んだこの時期のハードコアシーンにおいて、強烈なインパクトを刻めるようなものではありません。

そのため、“原点回帰”程度しかアピール・ポイントが無い上にハードコアブームの旬を逃したこともあって、同窓会的な印象が否めないのも事実ですし、意欲的で独創的なクリエイティビティという面で見れば、迷走期とされるモリス主導期の方がはるかに充実しています。

|ディスコア度:★★★★☆
|メタル度:★★★★☆
|グルーヴ度:★★☆☆☆
|スピード度:★★★★☆
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|総合評価:★★★★☆

入門盤

「Discharge」リンクが見つかりませんでした。: (WP Applink)

Disensitise|ディセンシタイズ

DISCHARGE_Disensitise

オリジナルアルバム – 6作目 (2008年)

長年バンドを支え続けたケルビン・カル・モリスと、前作で復帰していた初期メンバーのテリー・テッツ・ロバーツ(Dr.)とが脱退。
トニー・ボーンズ・ロバーツ(Gt.)とレイ・レイニー・ウェインライト(Ba.)主導となり、80年代半ば〜90年代のモリス&マロニー時代とは、体制が完全に入れ替わっています。

音楽性はほぼ前作と変わらずで、初期のD-ビートと90年代のアメリカン・テイストをミックスしたような、ファストチューン主体のメタリックなハードコア。
しかし、ヘヴィメタル・テイストはより一層強化されて、ソリッドでスラッシーなサウンドとなっており整合感も強め。

実験性や新規性を感じさせる現在進行形の意欲的なアプローチは皆無ですが、さすがに手慣れた作風だけあって、楽曲は高レベル安定の手堅くまとまったアルバムに仕上がっており、キャッチーなフックも適度に効いているため、最後まででテンションが落ちずに一気に聴き通せます。

|ディスコア度:★★★★☆
|メタル度:★★★★★
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|スピード度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

入門盤

End of Days|エンド・オブ・デイズ

DISCHARGE_End_of_Days

オリジナルアルバム – 7作目 (2016年)

スラッシュメタル・リバイバルやオールドスクール・デスメタルの再評価、さらにはエクストリームメタルの裾野の広がりもあり、それらの原点のひとつとして注目が高まった影響か、ドイツに拠点を置く大手メタル専門レーベル『ニュークリアブラスト』からのリリースとなったアルバム。

また本作では、前作では脱退していたドラムスのガリー・マロニーが、ギタリストとして復帰を果たし、ツインギター体制となっています。

音楽性も、前々作〜前作の流れの上にあるファストチューン主体の作風が踏襲しつつ、前作に輪をかけてヘヴィメタリックな音作づくりとなっており、曲によってはスラッシュメタル/クロスオーバーに近い感覚で聴くこともできます。

過去最高にメタルに寄ったサウンドということもあって、オールドファンの評価は割れがちですが、適度にキャッチーでクオリティの高い仕上がりについては近作と同様。
ファーストDISCHARGEをどれにすべきか迷っているメタラーならば、本作は歴史的名盤の1st以上に入りやすい1枚と言えますし、もちろんハードコアファンでも直近2作が受け入れられなら十分に楽しめるでしょう。

|ディスコア度:★★★★☆
|メタル度:★★★★★
|グルーヴ度:★☆☆☆☆
|スピード度:★★★★★
|ヘヴィネス:★★★★☆
|総合評価:★★★★★

入門盤

DISCHARGE|DISCOGRAPHY|オムニバスアルバム

Vision of War|ヴィジョンズ・オブ・ウォー

DISCHARGE_Vision_of_War

コンピレーションアルバム (1997年)

数あるDISCHARGEのベスト盤の中でも唯一、一般的に迷走期/黒歴史とされる90年代までの“メタル期”にスポットを当てたことで異彩を放つ2枚組ベスト・セレクション。

『Grave New World(2nd)』についてはゼロ選曲という相変わらずの冷遇ぶりですが、ディスク2は隠れた名盤の『Massacre Divine(3rd)』と『Shootin Up the World(4th)』からの曲のみという、例外的な構成になっています。

世間の悪評にとらわれずに、自分の耳でDISCHARGEのキャリアを俯瞰しておきたいという、意欲的なビギナーにはうってつけのコンピレーションです。

Society’s Victims|ソサイアティズ・ヴィクティムズ

DISCHARGE_Societys_Victims

コンピレーションアルバム (2004年)

ライヴ音源も含む3枚組80曲という、ベスト・セレクションとしては全カタログ中でも最大のボリュームを誇るコンピレーション。

初期を中心にキャリアを抑えたいビギナーであれば、本作だけでもある程度こと足りるでしょう。

Early Demo’s March-June 1977|アーリー・デモズ 1997年3月〜7月

DISCHARGE_Early_Demos_March_June_1977

コンピレーションアルバム (2008年)

DISCHARGE結成直後の1977年に制作されたデモテープの音源に、80年代の初期音源を加えてCD化したもので、日本先行でリリースされていました。

ソリッドなリフにやや面影があるもののハードコア色は皆無で、ロックンロールベースでミドルテンポに毛が生えた程度の初期パンク・サウンドを展開しています。

翳りのあるモノトーンでフラットな作風は、どちらかというと『ポジティヴパンク』につながりそうな印象があり、それなりに魅力はありますが、楽曲はまだアイデアもシェイプも不足しており、資料的な価値が第一といったところです。

次ページはライターが選ぶDISCHARGEのおすすめアルバムを紹介!!▼リンクはページ下!▼

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