Contents
- 1“メタリカ・ミーツ・ビートルズ”と呼ばれる、ヘヴィながらも親しみやすいポップなモダン・オルタナプログレ・サウンドで注目を集めた、“ミュージシャンズ・ミュージシャン”を地でゆく通好みの職人バンド!!
- 1...1『METALLICA meets BEATLRS』と呼ばれたバンド!?
- 1...2幻のプルグレ・メタル・バンドがリニューアル!?
- 1...3プログレッシヴ・メタルとしてのGALACTIC COWBOYS!?
- 1...4オルタナティヴ・メタルとしてのGALACTIC COWBOYS!?
- 1...5GALACTIC COWBOYSはクリスチャンメタル?
- 1...6GALACTIC COWBOYSのシーンでのポジションは!?
- 1.1GALACTIC COWBOYS|DISCOGRAPHY
- 1.1.1Galactic Cowboys|ギャラクティック・カウボーイズ
- 1.1.2Space in Your Face|スペース・イン・ユア・フェイス
- 1.1.3Machine Fish|マシーン・フィッシュ
- 1.1.4Feel the Rage|フィール・ザ・レイジ
- 1.1.5The Horse That Bud Bought|ザ・ホース・ザット・バット・ブート
- 1.1.6At the End of the Day|アト・ジ・エンド・オブ・ザ・デイ
- 1.1.7Let It Go|レット・イット・ゴー
- 1.1.8Long Way Back to the Moon|ロング・ウェイ・バック・トゥ・ザ・ムーン
- 1.2THE AWFUL TRUTH|DISCOGRAPHY
- 1.2.1The Awful Truth|ジ・オウフル・トゥルース
GALACTIC COWBOYS|DISCOGRAPHY
Galactic Cowboys|ギャラクティック・カウボーイズ
オリジナルアルバム 1作目 – (1991年)
モダンなヘヴィネス,人懐っこいポップネス,そしてコーラスワーク…これらの融合を表した『METALLICA meets BEATLRS』というキャッチフレーズで登場したアルバムで、代表作に挙げられることも多い初期の名盤です。
“ダーク(Dark)”,“ダウナー(Downer)”,“ドゥーミィ(Doomy)”の“3Dヘヴィネス”の波が押し寄せていた時期に、それらの代表格であるグランジやドゥームメタルにも比肩しうるヘヴィネスと、スラッシーでメタルエッジなリフワークを展開しながら、牛の鳴き声のSEからスタートするような、牧歌的なポップネスに彩られた作風で注目を集めたアルバム。
聴き手を選ばないポップなヘヴィなサウンドに加え〈QUEEN〉などの人気からも見て取れる、日本人好みで受けの良いの叙情的なコーラスワークも聴けることから、日本のメタルファンも本作には注目して触手を伸ばしていました。
本作は、彼らのカタログでは最もメタル色が濃厚である一方で、明確にわかりやすいプログレ的な曲展開も見られ、次作以降とは表面的な印象は同じようでいて、その実かなり異なる作風となっています。
彼らの“プログレッシヴ・メタル”というラベルはここに起因する面が強く、彼らにプログレッシヴ・メタルを期待するならば、本作がベストチョイスかもしれません。
|ヘヴィネス:★★★★★
|ポップ度:★★★★★
|プログレ度:★★★★☆
|オルタナ度:★★☆☆☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Space in Your Face|スペース・イン・ユア・フェイス
オリジナルアルバム 2作目 – (1992年)
基本路線は前作同様で、“プログレ”と表現されながらも、壮大なドラマ性や技巧優先のスタイルではなく、ツイストを効かせたオーソドックスなハードロック…といった作風を展開しています。
〈METALLICA〉の『ブラック・アルバム』などに通じるヘヴィネス&グルーヴと、彼ら特有のポップネスはそのままに、メタルエッジなギターは十分に主張を見せている反面、コーラスワークは前作よりも抑えめで、使いどころを絞っている印象で、そのため、ハードコア/グランジ的な荒々しさと生々しさが、アップした印象もあります。
〈KING’S X〉のファンク・テイストや、〈ATOMIC OPERA〉のアーシーな仄暗さなど、兄弟分バンドほどには際立った独自性は見られませんし、メロディセンスについては〈THE AWFUL TRUTH〉時代ほどの輝きは見られません。
とはいえ、ここでの「泥臭い90年代〈RUSH〉」とも表現できそうな、ストレンジなヘヴィポップ・サウンドもまた、ひとつの上質なハードロック/ヘヴィロックであることは間違いないでしょう。
なお、この時期の流行で、長いブランク・トラック後にシークレット・トラックが仕込まれていますが、デジタル時代の現在ではあまり意味をなしません。
|ヘヴィネス:★★★★☆
|ポップ度:★★★★★
|プログレ度:★★★☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み
Machine Fish|マシーン・フィッシュ
オリジナルアルバム 3作目 – (1996年)
ややダークでストレートになった作風から、当時は「ポップなメロディが減った!」「プログレ色が薄れた!」「グランジ化した!」などの理由で、不評を買ったアルバム。
それらの言い分については、いずれも否定はできませんが、もともとグランジ/オルタナティヴ・ロックの影響を反映したスタイルだけに、「グランジ化した」という批判はさすがに的外れ。
基本路線は前作から大きな変化はありませんし、メロディーのセンスについては、好みの問題はあるとはいえ、むしろ全体的には向上しています。
何かと批判されがちなダークでシリアスな作風に至っては、むしろヘヴィメタルの本来の美意識のひとつであり、それがリアルなものである限りはメタルファンとしては歓迎すべきものとも言えます。
あえて言うならば、職人バンドにありがちな手堅くまとまり過ぎる傾向があり、そこからはみ出す何かが全く見られず作家性が薄く感じられることと、アルバムごとの実験性が弱く変化にも乏しいことくらいでしょう。
|ヘヴィネス:★★★★★
|ポップ度:★★★★☆
|プログレ度:★★☆☆☆
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★
殿堂入り 代表作 賛否両論 通好み スルメ盤
Feel the Rage|フィール・ザ・レイジ
ミニアルバム – (1996年)
The Horse That Bud Bought|ザ・ホース・ザット・バット・ブート
オリジナルアルバム 4作目 – (1997年)
At the End of the Day|アト・ジ・エンド・オブ・ザ・デイ
オリジナルアルバム 5作目 – (1998年)
Let It Go|レット・イット・ゴー
オリジナルアルバム 6作目 – (2000年)
Long Way Back to the Moon|ロング・ウェイ・バック・トゥ・ザ・ムーン
オリジナルアルバム 7作目 – (2017年)
THE AWFUL TRUTH|DISCOGRAPHY
THE AWFUL TRUTHは、〈GALACTIC COWBOYS〉の中心メンバー、モンティー・コルヴィン(Ba./Vo.)と、アラン・ドス(Dr./Vo.)によって結成された、GALACTIC COWBOYSの前身にあたるバンドです。
オーソドックスなヘヴィメタル/ハードロックの枠に収まらない、プログレテイストとオルタナティヴなセンスを持っていたことと、コーラスワークを取り入れたポップネスを持ったスタイル…という点については、〈GALACTIC COWBOYS〉と共通しています。
ただし、THE AWFUL TRUTHでの作風は、よりヘヴィメタリックな音づくりと、メランコリックでダークなシリアスなスタイルで、牧歌的で明朗な印象の強い〈GALACTIC COWBOYS〉とは、一線を画したものです。
なお、隠れた名盤の誉れも高いTHE AWFUL TRUTH時代唯一のアルバムは、日本盤もリリースされていました。
The Awful Truth|ジ・オウフル・トゥルース
オリジナルアルバム – (1990年)
THE AWFUL TRUTHとしては唯一の作品となる、セルフタイトルのアルバム。
ここでは、〈GALACTIC COWBOYS〉での牧歌性や明朗さは微塵も感じさせない、メランコリックなエモーションに満ちたメロディと、時にスラッシーなに疾走しながらもクールな質感を失わない、ダーク&シリアスな作風を追求しています。
基本にあるオルタナ・プログレ的な方向性は共通すれど、「ダークになった」と言われがちな中期〈GALACTIC COWBOYS〉よりも、はるかに暗鬱で哀愁に満ちたサウンドは好き嫌いが別れがちですが、緻密に計算された計算された楽曲の展開、メランコリックながらもメロディセンス、その全てが独創的な魅力にあふれています。
それらにおいては、確実に〈GALACTIC COWBOYS〉時代よりを確実に凌駕しており、ひとつのアルバムとしても全編を通して一切中だるみなしの緊張感に満ちた名曲ぞろい…という、まさに新人離れした完璧な1枚で、1990年というロック/メタル激動の時代のはざまに、だからこそ生まれた奇跡の名作と言えます。
|ヘヴィネス:★★★☆☆
|ポップ度:★★★★☆
|プログレ度:★★★★☆
|オルタナ度:★★★★☆
|総合評価:★★★★★+
殿堂入り 代表作 入門盤 通好み 実験作